躁鬱病, 気分障害 (Mood Disorders)

 

疾患概念】

感情と欲動の障害を主徴とする原因不明の精神病. 抑うつへ変化したり高揚へ変化したりする. この気分の変化は, 通常全般的な活動性の変化を伴う. ほとんどは再発し, 個々のエピソードの発症にはストレス源がみられる. 一般的に病相期以外の間歇期には完全に正常な状態に回復する

有病率 0.2(千対)

発症時期 : 精神分裂病より遅く20歳代が最も多い

病因 : 不明, 遺伝負荷あり(精神分裂病より大). 肥満体型, 循環気質, 執着性格(下田 〜 几帳面さ, 熱中性), メランコリー型性格(Tellenbach, H. 〜 秩序に固執, 他者のための存在, 他者との共生), 脳内アミン代謝系の欠陥

分類 : 両極型, 単極型(単極うつのうち40歳以降に発症するものが初老期うつ病)

 

【症 状】

うつ状態

抑うつ気分

内因性では生命感情障害が出現する. 自己を過小評価, 劣等感, 悲観的, 自責的, 絶望的

思考障害

思考制止(観念が思いうかばない, 思考のテンポ遅延, 返答が遅い), 微小念慮(自己の過小評価, 罪業妄想, 貧困妄想, 心気妄想)

意欲, 行動障害

精神運動制止, 起床時うつ, うつ病性昏迷

身体症状

不眠, 食欲低下, 自律神経機能障害, 仮面うつ

躁状態

感情障害

 爽快気分, 好機嫌, 易刺激的

思考障害

 観念奔逸(観念が次々と湧き出し, 連合が論理よりも感情的思考や語音の類似により行なわれる. 多弁, 注意転導). 思考内容は誇大的. 二次妄想の出現をみることがある.

意欲, 行動障害

行為心迫, 精神運動興奮, 社会的脱線行為(乱費, 他人との過交渉)

身体症状

早期覚醒, 不眠, やせ

 

【治 療】

うつ状態

三環系抗うつ剤

clomipramine (アナフラニール), imipramine (トフラニール)

四環系抗うつ剤

maprotiline (ルジオミール), mianserin (テトラミド)

副作用 : 口渇, 排尿障害, 眼内圧亢進, 鼻閉, 多量投与で幻覚, 妄想

その他の抗うつ剤

sulpiride, 100mg (ドグマチール)

副作用 : 乳汁分泌, 女性化乳房, 月経異常

向精神病薬

thioridazine (メレリル)

眠剤

電気ショック療法 〜 薬剤抵抗性で重度なもの

躁状態

リチウム製剤

炭酸リチウム (リーマス)

中毒(血中濃度をモニター), 利尿薬とは併用しない

向精神病薬

haloperidol (セレネース), zotepine (ロドピン)

看護面での注意事項

学業, 仕事を休ませ安静に. かかわりを持ちすぎない. 寛解することを強調. 自殺に注意すること. 自発食事摂取困難例は経管栄養