藤城浩子、高橋祐介、伊藤紀子、菅野道夫
理化学研究所 脳科学総合研究センター
fujishiro@brain.riken.go.jp

「コンピュータ・ユーザとサポーターの対話におけるジャンル構造と語彙文法的特徴:対話型ヘルプシステム構築に向けて」

我々の研究チームでは、選択体系機能言語学に基づく日常言語コンピューティングのモデル化を目指し、現在、ドメインをヘルプシステムに限定し、対話型ヘルプシステムの構築に向けた研究を行っている。
その一環として、コンピュータのユーザとサポーター間の対話を収録し、その分析を行った。ユーザ(初心者、初級者、中級者、上級者)がどのようなタスクをこなす際に、どのような部分で躓き、それをどのような言語表現を用いて表現するか。それを受けたサポーターがどう対処するか。その際、実際にどのようなストラテジーを用いて問題解決をしてゆくのかを観察し、ジャンル構造を抽出することによって、対話型ヘルプシステムへの応用を計っている。
これらの資料をもとに、Fujishiro et al (2001)では、インターネット掲示板でのヘルプ(ネット上でのQ&A)と、ユーザとサポーター間の対話型ヘルプ(口頭でのQ&A)とのジャンル構造の違いを提示した。また、Ito et al(2001)では、ジャンル構造を質問の内容別に再構成し、工学的応用の可能なレベルにまで詳細化している。
本発表では、Ito et al(2001)の提示するジャンル構造をもとに、各ステージ(構造のelement)において、どのような言い回しが用いられているか、その語彙文法的特徴を明らかにしていきたい。これによって、ジャンル構造の裏付けをすると共に、各ステージで交換されるべき意味の特徴に語彙文法的特徴がどのように反映されているかをみてゆき、ステージの特定、テキスト生成などに応用可能な資源を提示したい。

参考文献

Halliday M.A.K. and HASAN, Ruqaiya. 1985 Language, context, and text: Aspects of language in a social-semiotic perspective
Halliday M.A.K. 1994. An Introduction to functional grammar.London: Edward Arnold.
Fujishiro, Hiroko, Noriko Ito, Yusuke Takahashi, and Michio Sugeno. 2001. How difference in mode influences conversations in Japanese: toward everyday language computing. Paper presented at ISFC 2001, Carleton University, Ottawa, Canada.
伊藤紀子、藤城浩子、高橋祐介、菅野道夫 2001 コンピュータ・ユーザとサポーターの対話におけるジャンル構造の分析−対話型ヘルプシステム構築に向けて− 第9回日本機能言語学会秋季大会 於 東北大学
Teruya Kazuhiro. To appear. Metafunctional profile of the grammar of modern Japanese: Cassell.