味噌汁のバリエーションのつけ方

大体毎日に近い頻度で味噌汁を作るんですが、それにしても、同じものばかりでは飽きてしまう。ちょっとした作り方でバリエーションをつけられたら、それもまた面白いのではないかと思うのであります。


menu ダシの種類のバリエーション ほんだし鰹節粉の混合節煮干煮干の粉末
いりこアゴ豚骨・鳥ガラ
昆布大豆ミョウガ
ダシの投入のバリエーション
仕上げのバリエーション 味噌を入れて煮こむ最後に味噌を入れる
火を止めてから豆腐と味噌を入れ
wacanのひとこと

ダシでのバリエーション


 一口にダシと言っても、たくさんの種類があります。それぞれに特色があるので、変えてみると味が劇的に変化します。wacanが自家用に常備してあるものを中心に書き出してありますが、一般家庭用なら、これだけ持っていて不足ということは、まずありません。多少変り種もご紹介しますので、参考にしてみてください。

 wacanも手抜きのために、市販の合成調味料も「カツオ」「ニボシ」「コンブ」の3種類揃えてあります。困ったときには、これを使いまわします。でも、気合を入れるときにはそれなりのダシ素材を使います。これだけで味噌汁のバリエーションがどっと増えることになるんです。


ほんだし 魚系 おなじみの簡単ダシ。
特徴 使いやすい一般調味料。
ひとこと うまいはうまいが、化学調味料系の舌に残るいやみな甘味があります。使いすぎには注意しましょう。他のダシの補助として使う分にはGoodですね。
鰹節 魚系 まさに王様。
特徴 豊かな香りとスッキリした涼やかな味。さすがは王様。
ひとこと 固い鰹節を自分で削るのが一番だけど、それは無理!という方には「業務用花カツオ」がおすすめ。
ワンポイント 面倒なら、市販ダシで作った味噌汁の上に、花カツオを揉んで細かくしたものをさっと振りかけると、カツオの香りが立ち上るり、いきなり高級味噌汁に早変わり。
薄削りの上品ダシ・・・・・・白味噌
厚削りのしっかりダシ・・・・赤味噌
粉の混合節 魚系 味と香りの万能選手。
特徴 味から香りまで、一通り揃っている。陸上十種競技のチャンピオン。
ひとこと 「そばつゆのかえし」のコーナーで紹介したものです。
香りもあり、味も濃く、使い易いが、粉を漉すのが大変。
ワンポイント 煮出す時間で味噌を替えると面白い。さっと取れば白味噌になるところは、鰹節と同じ。
煮干 魚系 旨みが強い、野武士のようなダシ。
特徴 前処理が大変だけど、いろいろな素材を従わせるような、力強い味が出る。
ひとこと 頭を取り、はらわたを取り、と、前処理が必要になる。そのまま使ったのと比べて苦味、いやみが少なくなる。買うときには、あまりサイズが大きくない、皮が浮き上がっていない、固い、という条件のものを選ぶといい。
なお、じっくり煎って使うと香りが高くなり、うまい。
ワンポイント 煮干単品で素朴で素材とダシの味がそのまま残るものを作るのも一興。個性の強い具を単品で味わうには、これ。
煮干に昆布を足すと味の幅ができ、一般向けの味になる。
豚汁などの具の多い味噌汁ではいいまとめ役になるので、おすすめ。また、個性の強い赤味噌がよく似合う。野武士同士でまるで巌流島。
なお、ダシガラをおとうちゃんのビールのつまみに出してバレても、当方は、一切関知しませんよ。
にぼしの粉末 魚系 煮干を粉末にしてあるダシ。
特徴 前処理が不要の分だけ使いやすい。
ひとこと まあ、煮干の粉、ですから、煮干の欄を参考にしてください。
ワンポイント 煮干の他に椎茸の粉、昆布の粉などを混ぜてあるものも見うけられますが、煮干のみの方が使いやすい。ちゃんと成分表を見てから買いましょう。
いりこ 魚系 ダシの殿様。
特徴 煮干よりも雑味がすくなく、上品で、しっかりしたダシが出る。
ひとこと 「関西風うどんつゆ」のところで紹介したように、やっぱり煎ったほうが香りが立つ。が、手に入りにくいのが難点。ここ、信州飯田ではなかなかいいものが手に入らないので、知り合いの旅行の土産にリクエストをしたりしている。ちょっとあつかましいかな?
ワンポイント 煮干より雑味が少ないので、他のダシと合わせる必要はないように思う。味噌汁では、いりこの力の強さをそのまま味わうのがいいんじゃないでしょうか。でも、これはwacanの好み。
アゴ 魚系 ダシのプリンス。
特徴 アゴはトビウオでできた煮干だと思っていい。白身の魚なので、上品で甘味の強いダシが出る。
ひとこと こいつばかりは、飯田ではほとんど手に入らない。年末に新潟まで正月の肴の買出しに出かけ、そのたびごとに何袋か仕入れてくるのみです。
味噌汁にはもちろんいいけど、山芋をトロロにしたときのダシにすると、最高。今の所、これ以上合うダシに、wacanは出会ったことがない。
ワンポイント 白身の甘味がとてもよく出るので、同じく甘味がある白味噌が合う。ダシと味噌の味をしっかり残すために、できればくせの少ない具の方がいいと思う。

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豚骨・鳥ガラ 獣肉系 味噌汁としていいかどうか・・・。
特徴 現在では、ブロイラーの鳥ガラがほとんどなので、ブロイラー特有の脂っこいにおいが嫌いな人はとんこつの方がいい。
ひとこと 味噌汁というよりも、豚汁の隠し味、という感じですね。豚骨のほうがほっぺたにぐっと来る。鳥ガラに慣れた人には豚骨の方が新鮮です。
ワンポイント 沸騰した湯で洗って、肉をきれいに落としておくことがポイント。そうしないと、肉による雑味がどうしても出る。あくまでもコクがあった方がいい、という人でも、一端は湯がいて血を抜くのをお忘れなく。
一番気をつけてもらいたいのが、メニューの変更。wacanの場合、途中から味噌ラーメンを作ってしまった。強い意思が必要ですね。
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昆布 野菜系 ダシの王女様。
特徴 王様、王女様で、ダシの王国にごあんなーい!って感じですな。
ひとこと 魚系のダシ
ワンポイント 煮干の他に椎茸の粉、昆布の粉などを混ぜてあるものも見うけられますが、煮干のみの方が使いやすい。ちゃんと成分表を見てから買いましょう。
大豆 野菜系 意外な実力者。
特徴 大豆本来の甘味とうまみが広がる。
ひとこと 水でじっくり戻した大豆をそのまま、あるいは砕いてダシと具の両方に使います。なお、ミキサーで粉々にすると呉汁になります。
ワンポイント うまみとしては味噌とかぶるのですが、熟成された大豆(味噌)の味に、若い大豆の味が加わり、味噌自体も新鮮な感じがしてくるのが不思議。
辛味の強い赤味噌煮合わせるととてもよく分かります。
ミョウガ 野菜系 エイリアン?
特徴 油でしばらく炒めて正体不明にしてから使います。ミョウガ本来の味はどこかに残っていますが、遠い昔。新たなミョウガの味がそこにあります。
ひとこと これはそうめんツユのダシとして使えます。ただし、油は控えめに。
ワンポイント 縦に大きめな千切りにしてから、焦がさず、じっくり炒めます。しんなりを通り越して、ぐちゃぐちゃになったぐらいでダシの完成。
一人前でミョウガが二つ〜三つが相場。
冒険してみる価値はあります。

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ダシ投入時期のバリエーション


 これは合成ダシを使うときに主に使えるテなんですが、最初に入れると具とよくなじんでダシの味が奥に引っ込み、最後に入れるとダシの味が前に出る。これを変えるだけで2種類と考えてもいいぐらい、味が変わります。

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仕上げのバリエーション


 仕上げはもちろん、味噌の投入になります。その種類、タイミングでも多少のバリエーションをつけることができるのです。


味噌を入れて煮こむ。
  料亭の板前さんならクビになる。「味噌の風味が台無しじゃねぇか!出てけェッ!」てなもの。でも、なにがなんでもそうなのか?

  wacanは外食して豚汁を頼んで「最高!」と思ったことがない。具に味噌が十分しみこんでいないのだ。味噌とダシの味がたっぷりとしみこんだ具も豚汁の楽しみのひとつのはず。

  かつて、伊勢はお伊勢参りで大変賑わっていた。そのため、伊勢の旅館やめしやなどは大変混み合い、まかないもおぼつかなかったそうだ。お大尽の一行がいきなり到着することもあり、そんな時には全員にお膳に「鯛」をつけなければならない。しかし、全員分をそれぞれ焼くには手間ひま、板前の人数も必要になる。そこで考えついたのが、あらかじめ鯛を蒸しておき、蒸しあがったところで焼くなり、焼け火箸を当てるなりして焦げ目だけをつけたそうだ。このことから「伊勢の鯛は片焼き」などという言葉も生れた。

  wacanが言いたいことはお分かりですね。


最後に味噌を入れる
  火を止めてから味噌を入れる。これは一番普通。味噌の風味がよく残る。具の少ない味噌汁で、味噌も具のひとつとして扱う時にはGood!もともと風味のいい味噌などにはこの手がいい。


火を止めてから豆腐を入れ、味噌を入れる。
  火をとめた後、さいの目に切った豆腐を入れ、それから味噌を入れる。このときの豆腐の投入は、味噌汁自体の温度を下げる意味もある。

  関西の料亭などで白味噌に上品な一番ダシ、という取り合わせをする時には、絶対に煮立たせない。具も別の鍋でダシを張って煮る。具を取りだし、椀に入れ、味噌汁を張る。椀物としての作り方そのものである。味噌の風味、ダシの風味、具の風味、全部を生かそうという技の集大成である。

  ま、家庭でそれほどまでに手間ひまをかけることができないので、普通にダシを取って作り、最後の仕上げにだけ、この方法を使ってみるのがいい。

  ちなみにwacan風料亭もどき味噌汁の仕上げ方はといえば・・・。まず、味噌は白味噌。ダシはとりあえずなんでもいい。具はあくまで少なめ。よくやるのが、エノキと豆腐の味噌汁のとき。エノキをダシで煮たて、煮えたところで花カツオを揉んだ粉を散らす。間髪入れずに火を消し、さいの目の豆腐を投入。豆腐を広げて汁全体の温度を下げ、白味噌を溶いてできあがり。後は上から青物を散らして体裁を作る。温度を下げてから鰹節を散らしても香りがあまり立たないので注意。・・・・というところですね。
  いつもより、ちょっとだけカッコいい味噌汁にするならこのぐらいがいいんじゃないんでしょうか?

 余談ながら、この方法だと、味噌の中にいる体にいい微生物や細菌も一緒に摂取することができる。味噌を生で食べるのが一番いいそうだが、それはちょっと辛い。だから、この方法を勧めるわけです。ただし、食中毒が気になる時期には、一回で食べきることができる分以上は作らないで下さいね。


☆wacanのひとこと☆

その1、難しく考えないで、やってみよう。

料理なんて、楽しんでするもの。
だから、「いつもとちょっと違う」ことを試してみる。
子供になったつもりでイタズラをしてみよう、という気分で
トライするのが一番。
失敗したら、「すまーん!やってしまったぁー!」と、
平謝りしたあと、笑ってごまかそう。
上手くいっても、好みがあるから、ちゃんと味見した後の意見を聞いてみよう。
その中にまたまたイタズラのヒントがあるはずですから。


その2、「エサ」はごめんだ。

中には、単に家族に「食べさせる」だけの料理をする人もいるが、
それはもはや食事作りではなく、「エサ」作りになっていないか?
家畜でさえ、いろいろとバリエーションを変えてやらなければ
だんだんと飽きてきて食べなくなるもの。
せっかく食事を作ってくれているのに「エサ」として食べる人もいる。
作ってくれた人に対してそれはあまりにも失礼ではないか?
そんな人の性根は何かの「家畜」に成り下がっているのだろう。
家庭の味は家族全員で作るものだと思うのだ。
人間たるもの、「食事」を楽しもうじゃないか!

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