●ホーム 「Tanemoの文章世界」 −≫ tanemo-おまけ −≫ 広島弁講座



広島弁初歩講座



 −講師紹介−
 名前、Tanemo 被爆からの復興著しい昭和三十年代初頭、広島市のど真ん中で生を受ける。幼児期に一時岡山に渡るが、その後無事に帰還を果たし、以来数十年に渡り広島弁の研究に心血を注ぐ。
 普段使用する言語は非常にネイティブな広島弁であるが、美しい標準語での会話も可能なバイリンガルの一面も持つ。
 なお、上の文章は極めて標準的な日本語であることをお断りしておく。






凡例
使用頻度その他
多:多用する
普:普通に使う
少:あまり使わない
死:死語の世界
西:関西圏に包含
広:広島弁(中国圏)に特有
?:今後の研究に期待


注:以下に掲載するのは、広島市中心部(いわゆる旧市内)地域で
使用される最も標準的な広島弁であーる(たぶん)



原文翻訳用法・解説
あらまし
普・広
荒い なんと「あらまし」なやっちゃ
例えば女性の荒っぽい仕草を嘆く時に使うことが多い
あらましい
普・広
荒っぽい なんと「あらましい」ことよのお
「あらまし」な様子のこと
”い”は、騒々し”い”などの場合に使う”い”のことね
ありこ
普・?
みてみんさい、「ありこ」が、こがあにほうちょる
「ありんこ」というのが標準語のようだね
ありゃあのお
普・広
あれはですね おい、ありゃあのお
特に意味もなく文頭に付けることもある
ありゃあせん
普・広
無い どこにも「ありゃあせんが」
少し怒ったときの言い方
あんたあ
普・広
あなたは あんたあ、どげしたんかいの
これも特に意味もなく文の前後に使うことが多い
あんたちゃー
少・広
あなたたちは どがーもならんのお「あんたちゃー」、はあ
かように広島弁とは、省略の達人なのである
あんに、こんに
普・広
あの人、この人 どうも「あんには」××みたいなで
あんにゃあ、こんにゃあ、と言うこともある
いきしな
普・広
行く途中 「いきしな」に菓子をこーていきんさい
帰る途中はもちろん「かえりしな」と言う
いごいごする
普・広
落ち着きがない そがあに「いごいご」すなや
騒ぐ子にイライラした時に、とっておきの叱り言葉
いごく
普・西
動く あんまり「いごく」なよ
広島人はなんでもかんでも「い」に変えるんじゃないか?
みてみいや、「い」項の多いいこと
いけまあが
普・広
良くないでしょ そんなんしちゃあ「いけまあが」
行くことができないの時にも使う
いたしい
普・広
難しい こりゃあ「いたしい」のいやっ
後に付けた「のいや」っつーのも訳が分からんのいや
いちがい
少・広
頑固 おどりゃあは、なんと「いちがい」じゃのお
著者もずっとそう言われて育った
いついき
少・広
いつも あんたあ「いついき」そればっかりじゃのお
いっちきとも言うらしいが、わしゃ知らんのお
いっこも
普・広
全然 「いっこも」気がつかんかった
じゃあ2個は気がつくのか?
いっちゃん
普・西
一番 「いっちゃん」ええのを選ぶんで
郁夫君や飯田さんは、さぞかしまぎらわしくて困っただろう
いなげな
普・広
変な、おかしな なんとまあ「いなげな」ことよのお
ほんまにいなげな言葉じゃ
いにゅる
普・広
帰る わしゃあだるいけえ、はあ「いにゅる」けえのお
「いぬる」が現代風か。「いね」「いんでまえ」は関西で通用するが
広島の「いぬ」はもっと他用途に使えるすぐれもの
いのう
普・広
帰ろう そりゃあ、ぼちぼち「いのう」かいの
「いるろう」とも言う、なにしろ、広島弁の”帰る”には変化が多い
いびせえ
死・広
恐い こりゃあ「いびせえ」のお
残念ながらこりゃあ死語の世界じゃ
いらう
普・広
触る・触れる そこらあを「いらう」なやっ!
触る・触れるとは微妙に違うが、うまいしこ翻訳できん
いんだ
普・広
帰った ありゃあ「いんだ」で
目上の人の場合は、「いにんさった」「いなれた」と丁寧になる。
うち
普・西
わたし あんたあ「うち」のことどう思ようるんね
女性が言うが、かなり親しい人に対してしか使わない
うずろうしい
普・広
邪魔くさい よいよっ「うずろうしい」、どがーもこがーもならんのお
「うずろうしく」などと高尚な言い方はしない。「うずろうしゅう」て
うまいしこ
普・広
上手いぐあいに ここが「うまいしこ」できんのんじゃ
「ええがに」と似ているが、こちらの方が高レベル
うれし
少・広
お調子もの 馬鹿タレっ! おどりゃあは「うれし」かっ!
アクセントは「うれし」の「う」を高く言うこと
ええがっ
普・広
良いでしょうが そがあに言わんでも「ええがっ」
映画ではない
ええがに
普・広
上手いぐあいに 「ええがに」行きんさいよ
やっぱり映画に行くことではない
ええたい
少・広
大体 「ええたい」つまらんやつじゃの
翻訳が難しい。まっ、あんまり使わんけえ、えっか
えっと
普・広
たくさん そがあに「えっと」買うてきてどうすんなら
同意義語の”ようけ”との使い分けは高度な技が必要
えれる
普・広
入れる ゆうことを聞かんにゃあおしこみに「えれる」で
わざに”い”を使わんのは珍しいことじゃが
おしこみ
死・広
押し入れ ゆうことを聞かんにゃあ「おしこみ」にえれるで
著者が少年のころは、「押し入れ」など言うと、しばかれた
おどりゃあ
普・広
くおらーっ! おどりゃあ! なにしょおるんならああ!!
けんかを売るときに主に使う
おはようあります
少・広
おはようございます 「おはようあります」ええ天気でがんすのお
最近では「おはようあした」ともいう
原文翻訳用法・解説
かぐる
普・広
引掻く あんにがわしのことを「かぐる」んじゃあや
正確に言うと、爪で引掻くことね(怒って)
かごむ
普・広
かがむ あっこを通るときゃあ、「かごむ」んで、つかえるけえ
かごむ、かごもう、かごむとき、かごめば、かごんだ
かずく
普・広
被る(帽子) 日がいっちゃあいけんけえ、ちゃんと「かずく」んで
普通、帽子をかずくことを言うが、荷物をかつぐ時も「かずく」と言う
かたし
少・広
格好つけてるやつ ありゃあ「かたし」じゃけえ、つまりゃあせんわいや
「○○し」とは、広島弁の常道でもある
かやる
普・広
ひっくり返る よー見とかんにゃあ、「かやる」で
ひっくり返すことは「かやす」、過去形は「かやった」
〜がんす
死・広
〜ですねえ ええ天気で「がんす」のお
代表的な広島弁に思われるが、広島でこれを言うと???
汽車
少・広
JR線 さしもの広島も蒸気汽車は走っとらん
じゃが、広島で電車と言えば、広島電鉄の路面電車のこと
それと間違えんように、JRのことを汽車と言う
他国でうっかりこの癖を出すと「恥」となる
きちゃない
普・広
汚い うわああ「きちゃない」のお
ほんまにきちゃならしい言葉じゃ
きにょう
少・広
昨日 「きにょう」はおおごとじゃったんで
あまり多用すると歳がバレる恐れがある
きゃあせん
普・広
来ない なんぼ待っても「きゃあせん」でっ
「来りゃあせん」というのが縮まったのだろう
くそばち
普・広
いい気味だ ほーりゃほりゃ「くそばち」よっ
これはたぶん、う○こ+バチがあたるの「ばち」=「くそばち」であろう
ちなみに、後述する「ばち」の強調形「くそばち」とは意味が違うので注意
くだく
普・広
壊す あっこの家はやっぱり「くだく」んじゃと
「壊す」よりも壮烈な感じがする。「壊れた」は「くだけた」と言うが、これも壮烈
〜けえ
多・広
〜から ほいじゃけえ、せんけえ、もうええけえ
代表的な広島弁、「けん」と変化することが多い
ケーキ
死・広
アイスキャンデー 「ケーキ」こうてきてもええー?
昔、わしらあはこうゆうて言いよったんじゃ
けつる
普・広
蹴る じゃかしゃあーりゃあ!「けつる」で
「けつる」くらいなら良いが、普通は「けつりあげられる」んじゃ
こまい
普・広
小さい えらい「こまい」ことばっかりゆうのお
細かいの省略形とも考えられる
こん
普・西
こない えっと待ったんじゃが、どうでも「こん」で
「こらん」ということもある
してえ
少・広
一日 こがいなもん「してえ」で出来るわけなかろうが
なんじゃこりゃあ、ワシにもよう分からん。「ひてえ」とも言う
しもおた
普・西
しまった またやって「しもおた」
失敗したときは一発、しもおた!
〜じゃ
じゃが
じゃけど
じゃけえ
多・広
〜だ
だが
だけど
だから
そうゆうこと「じゃ」
たしかにそうなん「じゃが」
「じゃけど」そりゃあおかしいで
「じゃけえ」ゆうたろうが
代表的広島弁、活用範囲は広い
しょおる
普・広
している なに「しょおる」んや
否定形:しょおらん、丁寧形:しょおってじゃ
すなやあ
普・西
やめろ そんなん「すなやあ」
激したときは「すな!」で終わり
せんにゃあ
普・広
しなければ ちゃんと「せんにゃあ」
省略形:せにゃあ 命令形:せえや
「〜にゃあ」も活用範囲が広い
やらにゃあ、こにゃあ、見にゃあ
そがあに
普・広
そんなに 「そがあに」ゆわあでもええがいや
「そげえに」、「そげに」とも変化する
原文翻訳用法・解説
たいぎい
普・広
疲れる なんと「たいぎい」わい
大儀に由来するのか?
たう
普・広
届く A氏:たう?、B氏:とうた
上の会話はなんとなくすごい
活用形:たう、たわん、たいそう、たわなんだ、とうた?
たまげる
普・西
驚く なんと「たまげた」のお
おったまげる、ぶったまげるは関西でも使う
ちーたー
普・広
少しは 「ちーたー」勉強せえやっ
草原を疾駆する動物、、じゃなくて、
水前寺清子さん、、でもなくて
「もう少し」は、もーちーたー、もちーたー、という
ちーと
普・広
少し こりゃあ「ちーと」おかしいんじゃない
「もちーと」になると微妙に違うんじゃが、まあええ
つかあさい
死・広
下さい それやっといて「つかあさい」
かつての代表的広島弁も今や死語に
最近では、それやっといて「つかい」が主流
でこ
死・?
お人形 おーおー、後で「でこ」こうちゃるうけえのお
ジジ・ババがよお、いよりんさったもんじゃ
なつかしいのお
どがーも
普・広
どうにも 「どがーも」こがーもなりゃあせんがおりゃあ
「どがー」という単純形もある
どがーすんや(どうするんだよ)
「どげーも」とも変化
どげー?
普・広
どんな? 「どげー」なんなら
「どがー」とも変化する
「どげー?」だけで通じるからスゴい
どしゃあげる
普・広
懲らしめる わりゃあ! 「どしゃあげるで」えーっ!
「どしあげる」とも言う。どしゃあげられると恐い
〜とる
普・西
〜ている ええがにやっとるよ
「〜ちょる」とも変化する
過去形:〜とった(ちょった)
なあ
普・広
無い どこ探しても「なあ」で
なあもんはなあ(分かる?)
ながし
少・広
長いあいだ あんにも「ながし」来ることがなあのお
「ながしゅう」とも変化する
〜なら
普・広
〜だ どしたんなら、何やっとんなら
どちらかというと男言葉
なんじゃかんじゃ
普・西
なんだかんだ 「なんじゃかんじゃ」ゆうても、なんじゃかんじゃじゃのお
結構使うが、結構意味もない。
なんぼ
普・西
いくら 「なんぼ」ゆうても分からんやつじゃ
値段を聞くときも使う。「なんぼのもんじゃ」は関西系
のお
多・広
ねえ ほうじゃのお
これまた代表的な広島弁
これがないと始まらない。普通女性は使用しない
のうなった
普・広
無くなった さっきまであったんじゃが「のおなった」んじゃ
ないようになった、というのも良く使う
原文翻訳用法・解説
はあ
普・広
もう わしゃあ、「はあ」ようせんで
あきらめに似たムードを漂わすときに使用する
ばり・ばち
普・広
すごく 「ばり」すごいんで。「ばち」恐ろしいんじゃ
後述の「ぶり」とともに、すごい様を段階的に言い現す
順序は、揺るかやな方から「ぶり」「ばり」「ばち」となり
さらに「ばちばち」「くそばち」「ばりくそばち」「大ばりくそ」となる
ばる
少・?
放尿等 クソを「ばる」で。しっこを「ばり」よった
尾篭な話しなので、あまり言うまい
びっちゃこ
普・西
びしょ濡れ やーやー「びっちゃこ」じゃが
別な言い方で「びしょ」もある。「びっちゃんこ」とも言う
ふうがええ
普・広
格好悪い なにしょおるんならあ「ふうがええ」、そんなんすなや
「風がええ(良い)」も「風が悪い」も意味は同じ
しかも、どちらも同じくらい使い、どちらでも意味が通じるから始末が悪い
ぶに
少・広
「分」 これもあんたの「ぶに」なんじゃけえ
その人に備わった能力、定めのようなもの
割合に高度な思想的言葉なのである
ぶにゃあ
少・広
者は、物は なんとこの「ぶにゃあ」、ロクなもんじゃなあわいや
「ぶに」が基本形である
ほとんどの場合「ぶには」を略して「ぶにゃあ」となる
ぶち
普・広
すごく なんや「ぶち」まずい飯じゃのお
変化形:ぶり、強調系:ぶちぶち(ぶりぶり)
へじゃが
普・広
だけど 「へじゃが」そりゃあおかしいで
ほいじゃがの変化と思われる
ほいじゃが
多・広
だけど 「ほいじゃが」のお
こっちが標準的、「へ」はたぶん方言じゃ
ほいでも
多・広
でも 「ほいでも」ちゃんとゆうたろうが
ほいじゃが「ほい」ちゅうのはいったいなんなんや?
まねし
少・?
人真似 ありゃあ「まねし」じゃ
人の真似ばかりで、独自性のないやつのこと
まひげ
普・?
眉毛 広島人は、これを平然と言っとるんじゃが
他所へ行ったら絶対に使わん。恥ずかしいけえのお
みてる
普・西
なくなる もうすぐお米が「みてる」けえ、こうちょきんさい
「みてとってじゃけん」とか言われても意味が分かるまあが
めげる
普・広
壊れる そがあにしたら「めげる」けん
標準語でも”心がめげる”というのがあるが
やにこい
普・広
やりにくい こりゃあ、めっちゃ「やにこい」でっ
「やねこい」も良く使われる
やれの
普・広
やれやれ 「やれの」こがあにたいぎいたあ思わんかった
「やーれの」と伸ばすと、更に疲れが強調
やれん
普・西
やってられない はあ駄目じゃ「やれん」でっ
やるせない思いを込めるときに使用する
ゆうた
多・西
言った ちゃんと「ゆうた」けえね
基本形:ゆう、否定形:ゆわん
「ゆいました」とはゆわない
著者の息子の名は、ゆうた(汗)
ようけ
普・広
たくさん そがあに「ようけ」買うとりゃあせんわいね
「えっと」と同意義語であるが微妙に違う
よったり
少・広
四人 三人じゃったか「よったり」じゃったか
四人のときだけ、こういう呼び名があるのは何故?
よーに
普・広
大変に 「よーに」つまらんやっちゃ
よーに翻訳の難しい言葉なんじゃ、微妙で
わかた
少・広
自分の家 あんにゃあ「わかた」の方へいんどってじゃ
お年寄りは今でも多用するらしい
その他のお年寄り限定語
・お墓:はかしょ
・バス:パス(PASU)
・マツダ(株):とうようこうば
わし
多・西
ぼく 「わし」らあぐらいになるとっ
男が言うが、目上の人や初対面の人には使わない
わや
普・西
めちゃめちゃ こりゃあ「わや」じゃあや
最もきたなく言うと、わやくそ
〜んさい
多・広
〜なさい 見んさい、しんさい、やりんさい、来んさい
活用範囲の広い言葉である
過去形:〜んさった

こがあにようけ知っとりゃああんたらあも広島で不自由するとこたあなあで。まあいっぺん来てみんさいや。ばりくそばちええとこじゃけえのお。ほんまでっ。

−講師−



●ホーム 「Tanemoの文章世界」 −≫ tanemo-おまけ −≫ 広島弁講座