津山が誇る鉄道文化遺産 〜旧津山機関区 扇形機関庫〜


2005/05/16開設 2012/10/29改訂
津山の扇形機関庫全景
旧 津山機関区(現 津山運転区)の扇形機関庫全景

 扇形機関庫(ラウンドハウス)とは、機関車などを収容する車庫のうち、 車両の方向転換を行う転車台(ターンテーブル)を中心として円形に造られた機関車庫のことで、 真上から見ると、ターンテーブルを要とした扇の形に広がっていることから、 扇形機関庫(扇形庫または扇形車庫)と呼ばれています。
 明治時代の機関庫は、矩形庫と呼ばれる、線路と平行状態に造られた長方形のものが中心で、 木造やレンガ造のものがほとんどでしたが、大正時代以降、特に昭和時代になると、 鉄道が全国各地に敷設されると同時に建設技術が進歩するにつれて、 鉄筋コンクリート造や鉄骨造で、なおかつ限られた面積で効率よく多くの車両が収容できるように、 転車台と扇形機関庫が各地の機関区などに建造されるようになりました。
 機関車などを扇形庫に収容するには、その車両を転車台に載せ、 目的の収容庫に入線できるよう方向転換を行います。
 戦前・戦後を通じて、蒸気機関車全盛時代には、これらは各地で見られたものですが、 電気やディーゼルの機関車、電車や気動車が蒸気機関車に取って代わり、 また蒸気機関車のように運転台が片方向だけでなく、両方向に運転台が付いている車両が増えてくるにつれ、 機関車の方向転換や扇形庫への収容が不要になり、そのため、 これらは次第に各地から姿を消していきました。
 現在では、転車台については蒸気機関車時代からあるもの、及び新規に設置されたものを含めて、 まだ全国各地にありますが(といっても、昔比べれば遙かに数は少ないです。)、扇形庫については 各地で解体が進み、全国でも残り僅かとなっています。

 そのような中で、津山駅には今となっては貴重となった扇形機関庫・転車台ともに現役施設として残っており、 岡山県教育委員会が選定した「岡山県の近代化遺産」、 社団法人 土木学会が選定した「日本の近代土木遺産」、 経済産業省が選定した「近代化産業遺産」、 及びJR西日本が選定した「登録鉄道文化財」にも選ばれています。
 また津山と鳥取を結ぶJR因美線の美作河井駅には、 明治期に外国から輸入され、国内に現存する転車台の中でも最古級の可能性がある転車台が残っており、 津山の扇形機関車庫と同じく経済産業省が選定した「近代化産業遺産」、 及びJR西日本が選定した「登録鉄道文化財」にも選定されています。
 このように、津山市内に現存する扇形庫・転車台は全国的にも貴重な存在であり、より多くの方々に知って頂くため、 当サイト(『急行「砂丘」記念館』)内に、このコンテンツに加えました。
 以下にその施設概要をご紹介します。

 扇形機関庫と転車台のある駅 JR津山駅 2010/04/29改訂
 旧津山機関区(現津山運転区) の操車場について 2008/07/07改訂
 旧津山機関区 扇形機関庫の概要 2009/06/13改訂
 津山に現存する二つの転車台 2009/03/09改訂
 全国に現存する扇形機関庫 全12か所 2012/10/29改訂
 旧津山機関区 扇形機関庫 保存活用に向けて 2009/06/13改訂

なお、津山の扇形庫に関するコンテンツを作成するにあたっては、以下の文献・資料のほか、 この地方の鉄道に関する資料等を参考にしています。

『写真集 岡山の鉄道』 山陽新聞社 昭和63年
『目で見る 美作の100年』 郷土出版社発行 平成12年
『ふるさとの想い出写真集 明治・大正・昭和 津山』 竹久順一編著 昭和54年
『津山市史 第七巻 現代U』 津山市史編さん委員会編 昭和60年
『駅のはなし −明治から平成まで−』交建設計・駅研グループ著 平成8年
『岡山県の近代化遺産』 岡山県文化財保護協会発行 平成17年
『建築構造學』 堀紫朗 昭和39年(第16版)

扇形庫の前にて
扇形庫の前にて('88年5月 津山運転区見学時に撮影)

お知らせ (2013/03/25)*NEW
「みまさかスローライフ列車」の運転について
平成19年から毎年5月と11月に運行されている「みまさかスローライフ列車」が、 今年5月に再び運行されます。
今回は、今年が美作国(津山を中心とした岡山県北東部)建国1300年にあたることから、 これを記念し、「美作国建国1300年記念」のヘッドマーク装着や、 乗客の方への「記念乗車証」配布などが行われます。
また、今回は3両編成のうち1両が全席指定席車として運行されます。

運行日:平成25年5月11日(土)、12日(日)
運行時刻:津山発12:03→智頭着14:43 智頭発14:48→津山着16:50

※  臨時普通列車として運行されます。
津山−智頭間の各駅に停車します。
使用車両はキハ47系の3両編成です。
3両編成のうち、1号車は全席指定席です。 乗車券のほか指定席券(おとな510円、こども250円)が必要です。
2号車、3号車は全席自由席です。乗車券のみでどなたでもご乗車いただけます。
1号車の指定席券は、ご乗車になる日の1ヶ月前の午前10時から、 全国のJRの「みどりの窓口」や主な旅行会社でお買い求めいただけます。
(売り切れになる場合がありますので、ご注意下さい。)
当日は津山駅では扇形機関庫の一般公開(通常の一般公開、下記参照)が、 美作滝尾(往路のみ)・美作加茂・美作河井(往路のみ)・那岐(復路のみ)・智頭の各駅では 地元団体による特産品の販売などイベントが行われます。
また、事前申込制で、美作河井駅の南側にある矢筈山に登るツアーや、 若桜鉄道を併せて巡るツアーなどもあります。
運行時刻やイベントの詳細についてはJR西日本のホームページ(JRおでかけネット)・ 岡山支社管内の駅に備え付けのパンフレットでご確認下さい。
(今回の運行時刻は、各駅の停車時間が大幅に変更となっていますので、ご注意下さい。)
津山の扇形機関庫・「懐かしの鉄道展示室」の再公開について
平成19年から行われ好評の津山の扇形機関庫・「懐かしの鉄道展示室」の一般公開が、平成25年4月13日(土)〜11月24日(日)までの、 毎月第2・第4の土曜日・日曜日を中心に計44日間の予定で、再び行われます。

扇形機関庫には貴重なディーゼル車両が9両(「DE50−1」「DD51−1187」「DD15−30」「入換動車」 「キハ181−12」「キハ58−563」「キハ28−2329」「キハ52−115」 「キハ33−1001」)保存展示され、旧詰所建物を改装した資料展示施設「懐かしの鉄道展示室」と、 津山の街並みをイメージした2.7m×3.6mの鉄道模型のレイアウト(ジオラマ)を 設置した「津山街なみ展示室(鉄道模型)」も開設されています。

一般公開時には「キハ181−12」に特急「やくも」のヘッドマークを取り付けています。
また、車両前でお子様の記念写真を撮るご家族も多いことから、 記念撮影用に「子ども用」駅長制服もご用意しています。

貴重なディーゼル車両が保存され、近代化遺産としても注目が高まっている津山の扇形機関庫に、是非お越し下さい!

※ 扇形機関庫・「懐かしの鉄道展示室」・「津山街なみ展示室(鉄道模型)」は、一般公開時を除いて原則非公開の施設です。
   許可無く敷地内に立ち入ることは出来ません。
   一般公開時であっても扇形機関庫内部は立入禁止となっており、展示車両等は、扇形機関庫の外部正面からに限ってご覧頂くことが出来ます。


○ 公開日
4月= 13日(土)、14日(日)、27日(土)〜29日(月)
5月= 3日(金)〜6日(月)、11日(土)、12日(日)
6月= 8日(土)、9日(日)、22日(土)、23日(日)
7月= 13日(土)〜15日(月)、27日(土)、28日(日)
8月= 10日(土)、11日(日)、24日(土)、25日(日)
9月= 14日(土)〜16日(月)、21日(土)〜23日(月)、28日(土)、29日(日)
10月= 12日(土)〜14日(月)、26日(土)、27日(日)
11月= 2日(土)〜4日(月)、16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(月)
○ 時間
   各日とも午前10時まで津山駅の南西に位置する扇形機関庫の裏手南側入口で受付。
   (津山駅から徒歩約10分)
   受付ののち、午前10時に見学開始となる形式で、最長で午前11時30分頃までの見学。
   見学開始後は自由解散となります。
   (午前11時30分頃には閉門・施錠いたします。 必ず、午前10時までに受付にお越し下さい。
○ 定員
   各日とも100名
○ 料金
   無料
  ※ 見学には事前の申し込みが必要です。

津山駅・機関庫周辺案内図

【見学(申込)方法と注意事項】

▼ 見学をご希望の方は前日までに下記申込先に電話で申し込みを行って下さい。
 (日曜日・祝日の一般公開の見学をご希望の方は、直前の平日までに申込みをして下さい。)
  事前申込みをされていない方については、構内への入場をお断りさせて頂く場合があります。
    なお、各日とも定員に達した時点で締め切りとなります。

 申込先: JR西日本岡山支社営業課内「懐かしの鉄道展示室見学係」
 電話番号: (086)225−1179
 受付時間: 土・日・祝日を除く平日の10時〜17時

▼ 事前申込みののち、見学当日は必ず午前10時までに受付にお越し下さい。
  受付後は受付横でお待ち頂き、午前10時になりましたら、係員が皆様を見学エリアにご案内致します。
  (午前10時より前の見学エリアへの入場および受付終了後の入場については、お断りしています。

▼ 自家用車・バイク等でお越しの方について、会場周辺に駐車場・駐輪場はなく、見学者の専用駐車場・駐輪場もありません。
  駅前周辺に公営・民営の一般駐車場・駐輪場がありますが、空き台数がない場合があります。
  なるべくJR等の公共交通機関をご利用の上、必ず午前10時までにお越し下さい。
  (駅・運転区構内へは車・バイクの乗入れは出来ません。 また、周辺道路への路上駐車・路上駐輪は絶対に行わないで下さい。)

▼ 駅・運転区構内では、見学エリア以外の場所への立入や転車台上など危険な場所の歩行は、禁止されています。
  扇形機関庫内部は立入禁止となっており、展示車両等は、扇形機関庫の外部正面からに限ってご覧頂くことが出来ます。
  また、車両内部への立入も出来ません。
  係員・スタッフの指示には必ず従って頂きますようお願い致します。
  指示に従われない場合は、ご退場頂く場合があります。

津山の扇形機関庫のレイアウト(ジオラマ)の展示について
平成21年11月にリニューアルオープンした津山駅構内の津山駅観光案内所に、 扇形機関庫のレイアウト(ジオラマ)が設置されました。
このレイアウトはNゲージの規格の鉄道模型で、縦90cm・横1m20cmのサイズ。
津山周辺の列車がSLから気動車に変わっていった昭和40年代半ばの風景を再現したもので、 転車台も回転するなど、精巧に作られています。
是非ご覧下さい!

※設置場所:津山駅構内 津山駅観光案内所内
      (観光案内所営業時間内に、無料でご覧頂けます)

扇形機関庫のレイアウト


■当サイト内の文章・画像の無断転載の禁止について(注意)■ (2011/03/04掲載)

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今後、無断転載を発見した場合、法的対応をとる場合もありますので、無断転載をしないようにして下さい。

■注意!■
津山の扇形機関庫・転車台は操車場の中(JRの敷地内)にあり、 津山駅・津山運転区では、これらの施設を一般公開時を除いては原則非公開としています。
最近、津山駅・津山運転区に無断で場内(敷地内)に立ち入って写真撮影等を行う人がいますが、 無断で立ち入るなどの行為は絶対に行わないで下さい。
(当サイト中の画像は、特に表記のないものについては、敷地外から、 または許可を得て撮影しています。)
無断で立ち入ると場内作業の支障となる場合があります。
また最近、機関庫背面(裏手)側では、 無断侵入者によるものと思われる窓等の損壊も増加しています。
こうした無断侵入や設備の損壊は、JRの方のご迷惑となると同時に、 今後の扇形機関庫のあり方にも悪影響を及ぼす場合があります。
JR敷地内に立ち入らなくても、扇形機関庫や転車台は、 周囲の道路からでも十分見ることが出来ます。
また操車場は、大隅公園(操車場南側の公園)から見ることも出来ます。
道路や大隅公園から見る場合、周辺は住宅地で駐車場もありませんので、 住民の方やJRの方のご迷惑にならないよう、節度を守って見るようにしましょう。


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