雑 感 2

 2006.8.29 UP    2006.9.18更新

 

雑感20060829

 「所変われば品変わる」とはいうが、同じ県の中での異動を経てこれ程違うものかと日々思うこのごろである。
 これらはおいおい紹介するとして、今日は久々に遭遇した「役人」について書きたい。

 県は現在、時間外の管理に電子化されたデータベースを用いている。このデータベースに不備(一般的でないケースでの入力が入力規制のためできない)があるので修復・代替入力方法を知りたいと思いまず最初に電子県庁室のヘルプデスクに電話紹介したところ、内容を聞いた上でデータベースの管理者に連絡を取ってほしい旨回答を得た。ところが、指示された方法で管理者が分らなかったので時間外の給与の関係なので人事室の給与スタッフだろうと考え管理者はそちらになるのかと同スタッフに電話したところ、この電話を取ったYという主査が実に今となっては天然記念物のような「役人」対応。

 「たまたま電話とったから答えてるだけ」「担当者いないから」「(担当者はいつ戻るかとの問いに)いつ戻るかなんてわからない」「そんなのとりあえず(事実と異なるデータでも)入れとけば実績で直るんじゃない」「そんなのそちらの総務課に言ってよ」「そのうちに通知が出るんじゃないの」「もういい」

 室内傍流の給与スタッフとはいえ一応は人事室であるにもかかわらずこの程度の人間が各所属に指導とか言ってるのかと思うと各部署の総務が気の毒に思える。
 一応は所の総務に相談したが、当然システムの不備の修復・代替入力方法など知るわけもないわけで、知事部局ではないが給与支払事務をやっている出納局の集中化推進室に聞いたところ、単なるユーザーでしかないとのことで、もう一度電子県庁室のヘルプデスクへ。
 ヘルプデスクで調べてくれたが単なるシステムエラーとかの問題ではなく内容(ロジック)の問題でもあるとのことで再び集中化推進室へ。
 再び集中化推進室で調べてもらったが不備を直せないので電子県庁室のSEへ連絡をと電話番号を紹介され修正できないか聞いたところプログラム修正は管理者からの指示がないとできないとのこと。

 県民が怒るたらいまわしを実感した挙句回答得られずで、どうしようか、知事に何とかしろとメールでもしようか、と考えていたところに集中化推進室から救済が。
 「データベースの管理者ではないので抜本的解決にはならないがそのような例外的ケースでは総務担当の手処理で面倒な処理になるがこういう方法で対応することも出来きますよ」という知恵をいただくことに。これでも画面上のデータと個人集計とが一致しなくなるとか、時間外命令権者の関与外の処理になるとかの問題もあるが、とりあえずは対応できそうなのでとてもありがたいと思うと同時に、何で本来指導的役割を負うはずの人事室の給与スタッフが「我面倒ごとに関せず」の不誠実な対応が取れるのかとあまりに対照的過ぎてあきれてしまった。

 裏金も現場総務への矛盾の押し付けが原因の一つであるが、これを助長したのがこのYのような「現場で処理しろ」「面倒は持ち込むな」という役人体質にあったという反省が全くないのだろう。過去を清算せず、現場担当の個人の資質の問題として事件をうやむやにした弊害が明白である。住民監査請求や地公法上の措置要求までしなくともと言う人もいたがこういう「役人」と対峙するには法的手段がどうしても必要なのである。今後、このような「役人」が闊歩する部署の問題は法令上の手段をいきなりとるということもやはり是認されてしかるべきである。

雑感20060910

 静岡県の一般会計予算の第6款第2項第2目に「県民の健康づくりを推進するために要する経費」として4億6,323万4千円が計上されている。4項目に区分された内訳中最も多いのが静岡県総合健康センター運営委託費で官製財団に委託料として2億2,661万9千円が予算計上されている。この静岡県総合健康センターには、別に6,113万1千円の健康筋力づくり推進事業費もついている。次に多いのが「しずおか健康創造21アクションプラン推進事業費」の総額1億6,100万円で、うち市町への補助金7千万円を除いた9,100万円が県の行う推進事業費である。問題はこの内訳だ。この中にも県総合健康センター健康づくり研究・研修事業費として580万円がついている上に、「ねんりんピック静岡2006」併催事業である健康フェスティバルの事業費2,500万円が含まれているのである。そしてこの内訳は一般会計予算書からでは知ることができない。さらに残る6,020万円の内訳も問題だ。重点事業とされている「生活習慣病予防対策事業」などの3事業を合わせても1,520万円にしかならないにもかかわらず、歯科対策事業には2,400万円が計上されているのである。ここには闇がある。2400万円のうち(1/2と高率の)国庫補助がついている事業はすべて県歯科医師会に委託事業として流れているのである。委託事業の総額は、実に1,660万円にも及ぶ。しかも国庫補助が1円もついていない重点3事業をも上回っている上に、委託事業にもかかわらず県の職員が主体的に動いている事例まである。確証は無い、しかし想像は容易だ。国庫補助がであるということは政治的なものであり、おそらくは全国的に他県でも同じ構造があるだろうということだ。与野党問わずばら撒かれていた日歯連の政治資金の闇はついに闇のまま政治倫理の空洞化を証明した。行政も未だ多くの闇を抱えて住民の利益は二の次となっている。役人というのは県民を欺くことはなんとも思わないが政治家への配慮は尋常ではない。一方で政治家は県民を意識しつつも、利益団体に配慮することを優先し、そのために行政を利用する。もの言わぬ国民は無駄な事業に大金が投じられても気づかず、その挙句の負担増には従順だ。大義は建前という言葉に置き換えられ、私利私欲が政財官を覆い尽くしている。小事の積み重ねが大事に連なる道理も理解されない。日本はもう一度敗戦し、焦土と化さなければ真に大切なものに目覚めることは無いのだろうか。

追記20060912

 その後、事態はあきれるばかりの展開となったので追記する。
当初予算では国庫補助は1/2で、総額1,660万円が委託料として県歯科医師会に流れることとなっていたが、最近国庫10/10、総額2,260万円が流れることとなったようである。
 また、、「ねんりんピック静岡2006」併催事業である健康フェスティバル事業の予算は3,000万円となっており、内容はグランシップを会場としての@香西かおり歌謡ショーAおやじバンドコンテストBふれあいハートフルコンサート夏川りみ&辛島美登里C超魔術スペシャル「Mr.マリック・ザ・ハンドパワー」が、「壮年期からの健康的な生活習慣の確立や生活習慣病の予防を中心とした健康づくりの実践の普及を図るため」として開催されることとなっている。一方で車椅子の来客者がハイカウンターに阻まれやむなく窓枠下の空調噴出し口で身をかがめ書類を書く姿を対比すれば、このようなことに多額の公金を投じる神経は到底理解しかねる。
 加えて県民を欺こうとする職員の意識も相変わらずだ。委託事業の要綱から県職員の関与の形跡を消して良しとし、実質は県職員が主体となって行うとするなど倫理のりの字も無い。しかもこれが幹部クラスの仕業となればあきれるばかりである。

20060918

 9月16日、17日に両日、福岡県で開催された第13回全国市民オンブズマン福岡大会で、またも静岡県のあきれた対応が明らかになった。ここで発表された「都道府県・政令市 外郭団体 委託料・再委託料 アンケート調査結果」において、

「ほとんどの都道府県が25%出資している法人(以下「外郭団体」という。)についての常勤役員数、OB役員数、常勤職員数、OB職員数を把握していたが、静岡県だけは役員や職員について把握していない、との回答であった」

と指摘されたのだ。47都道府県中最低の結果である。情報公開ランキングで最下位になった際は基準がどうのこうのと言い訳していたが、そういう問題ではないことがはっきりした。講演した浅野前宮城県知事の言った「逃げよう、隠そう、のがれ(免れ)よう」という態度が組織風土として定着してしまったことの証左である。

大体、わずか33外郭団体の常勤役員数、OB数、派遣職員数が何故答えられないのか。調べる気があれば1日もあれば十分であろう。調べる気も無かったとしか言いようがない。先日紹介した人事室の「役人」Yは、決してかの室では特殊ではないのであろう。無気力、無責任がこの室の臭気となっているにもかかわらず、中に居る人間はそれに気づかなくなってしまっているのだろう。それが、今回の恥というべき結果となって現れたことにも彼らが気づくかどうかも疑わしい。

組織は無責任、責任はあくまで個人に押し付け、「逃げよう、隠そう、のがれ(免れ)よう」で諸問題を乗り切ってしまった知事とその側近部署には、もはや改革はおろか人間らしささえ感じられない。職務として平然とガス室で虐殺したナチ役人とダブって見える。終末的状況である。

 

以下に、第13回全国市民オンブズマン福岡大会における浅野前宮城県知事の講演記録をまとめたので紹介する。
このような知事が静岡県に在ったならば県民にとっても職員にとってもどれほど良かったことかと残念でならない。民主主義とか選挙とかが、それだけでは決して正しい結果をもたらす仕組みでないことをも改めて実感させるものである。

講演 「知事室から見た市民オンブズマン」  (於:2006年9月16日、第13回全国市民オンブズマン福岡大会)

講師 浅野史郎 慶應義塾大学教授(前宮城県知事) HP「浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

(1948年2月8日生まれ。1970年東京大学法学部卒業後、厚生省(現厚生労働省)入省。 1972年アメリカ・イリノイ大学留学、1978年外務省在アメリカ合衆国日本大使館勤務を経て1993年厚生省生活衛生局企画課長にて厚生省を退職し宮城県知事選立候補、当選。 2005年11月宮城県知事を3期務め勇退。現慶應義塾大学総合政策学部教授。 )

<講演要旨>

オンブズマンの第一印象は「イチャモンをつけてくる変な奴ら」おまけに訴訟を起こしてくる。訴訟というのは「けんか」、すなわち敵。だからオンブズマンは敵だといった。ただ、組織の病状を指摘してくれるので「必要な敵」だといった。

平成7年6月に、オンブズマンは総務部財政課の開示公文書から不自然な飲食を見つけ職員4人を被告に訴訟を起こした。
この訴状には、職員を被告に訴訟を起こすのは本意ではないが、県がきちんと対応しないので訴訟を提起したとの記述があって通常の訴訟とは違うことを認識した。調べてみると、たまたま開示請求を受けた部署が総務部財政課であっただけで、組織ぐるみの悪しき慣習があったことがわかり、職員4人に不当な扱いを受けさせたくないという思いが出た。その一方で「この問題をうまく処理すれば2期3期も安泰だ」という悪魔のささやきも現実にあった。しかし、当時の日記にも記してあるが「そんなことをして2期3期やって何の意味があるのか」と思い組織ぐるみの問題として明らかにする決意をした。
これは、私の資質の問題というよりも、知事になった経緯にある。ゼネコン汚職での出直し選挙にもかかわらず当時の副知事が圧倒的優勢のまま選挙が行われようとしていたのを見かねて公示のわずか3日前に厚生省を退職し知事選に打って出た。そして当選した。なぜ自分が知事でいられるかを考えたとき、県民の誇り・県民の期待・メッセージを強く感じた。託されて選ばれたのだと感じた。

不祥事とは「におい」のようなもの。主観的で、その中に居続けると臭いとは感じなくなる。公文書の開示で臭い文書が出るのは、慣れで臭いと感じなくなっているから。オンブズマンはその文書から臭いと感じにおいの元を追求してくる。これに対し、行政は「逃げよう、隠そう、のがれ(免れ)よう」として帰って墓穴を掘る。
不祥事を明らかにしようと決断してもそれだけでは足りない。知事から「伝えるところ」も重要。
例えば、副知事等に相談し「どうしようかねえ、君」と言い、「よしなにやってくれ」とでも言えば、その真の意向を汲み取り隠蔽に走る。
だから、明確に伝えるため、知事室に副知事と出納長を呼び「全庁調査をやろう。全部だそう。」といって、知事の命令として指示し、職員にも文書で出した。

オンブズマンの活動は納税者の立場での運動ということができる。
民主主義は多数決が根幹ではない。お金の使い方をチェックすることが根幹。(民主主義のルーツ)「マグナカルタ」は王の勝手なお金の使い方を制限しようとしたのが始まり。
市民オンブズマンは「重箱の隅をつく」と言われるが突かれているほうが言うべきことではない。なぜなら重箱の隅にこそ真実が宿っているからだ。厚生省時代に遅刻を問題にしたところ細かいことを言うなと言われた。この程度の時間管理もできないで予算管理ができるのか。マネジメントの欠落という真実に気づかないといけない。

その他
談合問題について(
宮城県の落札率は長野県74.8%に次いで全国2位の74.9%
・ 談合に甘いのは被害者が見えない・見えにくいからだ。
・ 談合は悪というべきではなく、犯罪というべきだ。
・ 選挙で建設業協会から応援を受けていないというのは「恩にきなくても良い」「面倒を見たといわれない」ので大きい意味を持っている。職員もやりやすい。

警察問題について
・ 情報公開は組織を守るシステム。穴を作ってはいけない。聖域は腐敗する。警察も情報公開すべき。
・ 予算執行権者である知事に対してまですべて捜査上の秘密というのはおかしい。