県財務事務所裏金問題(→静岡県庁プール金問題)経過

 2003.1.1UP  2008.6.15更新(6/15追記

 この事件に関しては時期によって誤った事実が公表・報道され、あるいは一部マスコミでは報道しないなどで事実関係を誤解又は混乱している方も多いのではないかと思います。そこで以下にこれまでの経過を簡単に整理しておきました。詳細について興味のある方は、補足説明を参考に過去の新聞記事等を図書館等で各自お調べください。(末尾には平成8年度食糧費預け金問題収録


静岡県プール金総括表(
財務事務所分除く)

調査対象(対象箇所数)

平成9年3月末現在
(A)
平成15年3月末現在
(B)
差引費消額
(C=A-B)
公的使途が確認
できた費消額(D)
差引使途不明額
(年内に県に返還)
(E=C-D)

知事部局(131部署)

約 1億6,295万円

約 1億    2万円

約 6,293万円
(100%)

約 2,952万円
(47%)

約 3,342万円
(53%)

教育委員会(142ヵ所)

約    4,547万円

約    3,406万円

約 1,140万円
(100%)

約   282万円
(25%)

約   859万円
(75%)

合計(273ヵ所)

約 2億  842万円

約 1億3,408万円

約 7,434万円
(100%)

約 3,234万円
(44%)

約 4,200万円
(56%)

 県は、昨年(H14)の全庁対象の特別監査でプール金が存在したのは、静岡財務事務所と下田財務事務所と熱海財務事務所の3出先機関だけと発表し、終結宣言したが、その嘘や誤りがまもなく検察によって暴かれ、ついに県は残りの財務事務所を手始めに全庁の「再調査」も行なう破目に陥った。その再調査の結果が上表である。ただし、前回、今回とも県の外郭財団法人は調査の対象にすらなっていない

 プール金問題は、特別監査で「無い」とされた部局に波及し、結局、知事部局の全部局にわたって発見された。
 この中には知事公室、東京事務所、財務総室、議会事務局なども含まれていた。
 また、県は記者会見で、プール金は担当職員が職場のロッカーや机に保管していたと発表したが、その後、現金の一部については、職員や元職員が自らの判断で自宅に持ち帰り、個人で保管していたことなどが新たに判明。これについて県および知事は、「個人的な使い込みがなかったので、あえて言う必要はないと判断した」「事実だが、保管をしていただけなので横領にはあたらない」「(職員がこれまでの調査でプール金の存在を隠してきたのは免責の)チャンスを希望していたと解釈」「(個人保管は)やむを得ない」「(退職者が自宅に公金を持ち帰ってもそれは事務所運営費か?との問いに対し、知事は)他に何が考えられるのでしょうか」「本人の状況ならびに意思の確認を通じて、横領の意図は無かったという判断に立った」「刑事告発は考えていない」「司直の判断に委ねる」と釈明した。

 その後、県が公的使途を確認したと分類した費消額で、第3者が確認できる請求書、納品書、示談書、預金通帳などの書証(裏付け資料)を公開できたものは以下のとおり極僅かであることが読売新聞社の情報公開請求によって判明した。
 なお、プール金(裏金)を管理していた口座の通帳やその写しについては、(県自ら事務所運営費と呼び、公的なものと認定しているにもかかわらず、)その一部を公開したものの大部分は職員の「私文書」であるとして公開を拒否している。

 

公的に使ったことを確認したとして
県に返還しないプール金
左のうち、書証(裏付け資料)が
公開され、使途確認できた分
公開されず、使途確認できない分

知事部局

約 2,950万円
(100%)

約 110万円
(4%)

約 2,840万円
96%

県教委

約 281万円
(100%)

約 217万円
(77%)

約 64万円
(23%)

(平成15年11月12日、読売新聞社調べ)

使途不明金返還計画
(自称)使途不明額
(年内に県に返還)
返還割当総額
返還割当内訳

知事部局

約 3,342万円

4,168万円

部長級 15万円×56人
部次長級 13万円×86人
課長級 10万円×221人

知事部局(5財務事務所分)

約 730万円

小計

約 4,072万円
(40,718,788円)

上記以外、一般職員にも返還を呼びかける。

県教育委員会

約 859万円
(8,585,000円)

同左相当

課長級以上 1人5万円
課長補佐級 1人2万円
校長 1人2万円
教頭 1人5千円
事務長 1人1.5〜2万円

合計

約 4,931万円

 知事部局、県教委とも、幹部級OBにも協力依頼する。
 予定額を超えた場合には、全額寄付(返還)する。

(平成15年11月19日決定)


財務事務所分プール金総括表

財務事務所名
プール金金額
種別
発見の経緯

平成9年3月末の残高

プール金発覚時の現存金額(横領分含む)

使途不明額
(年内に
県に返還)

静岡財務事務所

9,200,000円

8,505,183円

0円

元所長と係長による横領:800万円

地検への内部告発→平成14年5月20日逮捕

事務所保管:505,183円

特別監査時の事務所側申告

熱海財務事務所

8,525,742円

5,946,017円

1,382千円
(H14返還済)

元次長による横領:5,946,017円
(県は670万円が事務所金庫に保管されていたものとして処理)

平成14年5月事務所側の内部調査で発覚後、平成14年7月15日本人自首

東部健康福祉センターで流用:50万円

静岡地検調べ(平成15年2月13日公判時)

下田財務事務所

6,349,336円

3,225,694円

2,070千円
(H14返還済)

事務所保管金:3,225,694円

特別監査時の事務所側申告(平成14年7月19日)

沼津財務事務所

11,599千円

7,300,000円

 

元次長と元総務課長による横領:730万円

平成14年3月3日逮捕

434千円

4,257千円

事務所保管金についての県による調査は15年4月14日現在未実施。その後、平成15年9月11日特別調査。

富士財務事務所

2,803千円

134千円

1,406千円

事務所保管金
(県:
横領が疑われるケースは無かったとのこと)

沼津の事件を受けて県が再調査(3月下旬〜4月初旬)
平成15年4月14日特別調査

磐田財務事務所

1,199千円

209千円

539千円

藤枝財務事務所

1,880千円

1,269千円

540千円

浜松財務事務所

3,794千円

2,694千円

562千円

財務事務所全計

44,350千円

29,717千円

10,756千円

10,756千円のうち、7,304千円が年内返還額

プール金問題に対する県議会各会派の姿勢
主要会派
姿勢・発言
出   典

自民党

・「免責」条件を尊重、担当者の責任は問わず

浜井卓男県連幹事長「免責を前提とした以上は、プール金を保管していた職員の責任は問えない」
党内の一部「県が告発できないなら、議会が告発するべきだ」

大石哲司代表質問者「再発防止を徹底することを条件に、個人的には了解した」

(9/25、産経新聞)

(10/4、朝日新聞)

平成21

・県の調査方法の正当性と個人保管、退職者のプール金保管の責任を追及

岡本護会長「免責はやむを得なかった」「今後、二度とこういった事態を発生させない組織づくりが大事だ」(ただし個人管理の問題については)「果たして同じ『免責』でいいのかとの思いはある」

鳥澤富雄代表質問者「減給処分を決める過程の議論が無かったのか。その答弁がないので失望した。担当職員に免罪符を与えた調査手法も問題を残す」

同上

公明党

・個人、退職者保管に対し、県民感情にあった処分を求める

滝田光男代表「県民感情として『免責』で許されるのは納得がいかない。けじめは付けるべきだ」

阿部時久代表質問者「自宅保管した職員が処分されないのは理解できない。ただこの問題は今議会で幕引きしていい」

同上

共産党

・処分の見直し求める

花井征二団長「県民から『個人口座に保管していたり、退職者が保管していても処分されないのか』という声も出ている」

梶野完治代表質問者「裏金がもうないのか疑問が残る。全容解明にほど遠く、議会の監視が今後も必要」

同上

 プール金と議会との関係については、裏金が議会事務局からも発見され、議員慶弔費に当てられていたほか、4行政センターでは「賀詞交歓会」や「議長就任パーティー」祝儀などの交際費に当てられていたことが24日までに判明している。


プール金(県は事務所運営費と呼称)問題に対する県議会の厳選質疑

質問(質問者・所属・質問日)
答弁(答弁者)
筆者コメント

 自宅において持ち続けた者に何のお咎めも無いというのは、県民には到底理解できず、刑事罰まで受けた元熱海財務事務所の職員との不均衡は大きい。刑事罰はともかくとして、何らかの処分は必要ではないか、知事の所見を伺う。(梶野完治議員・共産・2003.10.1)

 「調査において事務所運営費を個人保管していたと正直に申し出た職員につきましては、やむを得ず保管することとなったという事情があり、また、調査においては公金を横領する意思や個人的費消が疑われる事実は認められなかったことから、処分を行なわなかったものでございます。」(知事)

 正直に言えば処分しないとは言っても、それはあくまで事務所運営費としてのプール金の話。調査の過程で個人管理が発見され処分を下したからといって、なぜ「おとり捜査」に類するのか?
 そもそも「おとり捜査」の問題点は「おとり」が犯行の機会を提供したり犯意をあおって犯行を誘発するという「おとり」をなす捜査機関の行為の適法性(デュープロセス)にある。
 したがって、最初から「犯罪の疑義ある場合でも免責する」としていたなら、むしろその手法が問題視されることはあっても、今回のようにただ、「正直に言えば良し、さもなくば処罰」と言ったことで現実に判明した容疑「一切」を免責にするのは、そのことのほうが問題とされるべきであろう。

 また、「長年の陋習」はプール金それ自体ではなく、その存続と隠蔽を支えた組織風土と見るべきであろう。ゆえに、「長年の陋習」は断ち切れていないどころか、一連の対応を見る限り、ますます深くなったように思う。
 大体、住民投票賛成といって当選し、やらなかった知事が言えたことではない。

 もう一つ補足しておこう、個人管理者だけがクローズアップされるが個人費消者も問題である。県は、個人費消者は確認できなかったとされているが、これは領収書がなく、確認できなかったとして使途不明に分類したからである。個人費消者が領収書を採ってあるはずが無く、実質的に、使途不明にして免責した上、お金さえ返せば良いだろうという判断であり、ここにも変わらない隠蔽体質が認められる。

 <再質問>自宅で保管していたとされる者について、自主的に不正を認めて刑事罰を受けた者との不均衡はどのように考えるのか。自宅で持っていたこと自体が問題であり、不問にすることが納税者としての県民の理解と納得を得られるものになっているのか、その妥当性について知事の所見を伺う。(同上)

 (免責を約束したにもかかわらず)「調査の過程で少なくとも横領ということの認定をするに足るだけの十分なデータがないままに、ただ自宅で保管していたという事実だけを捉えて告発ということになるとすれば、一種の策を弄しておびき出したと、公正な処理をするために最近「おとり捜査」が認められるような風潮もありますけれども、それに類したようなところではないかと私は思うのでございます。」
 「県民の皆様から見るとなかなか釈然としない部分があるかもしれませんが、長年のいろいろ陋習を断ち切る一つの「やむを得ざる」手段、措置としてこれはご理解を賜りたいものと思います。」(知事)

 検察当局の捜査がなければ、依然としてプール金が残っていた可能性がある。何故、今までプール金調査に徹底を欠いたのか。(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 「平成8年度のいわゆる「預け金」問題の際、徹底した調査を実施したつもりでありましたが、組織としての自浄作用が働かず、正直な報告がなされなかったことから、結果として真相解明にはつながらなかったものと考えております。」
 「今までの調査手法では限界があり、抜本的に改める必要があると判断し、今回の調査においては、いわば性悪説に立って関係職員に対する徹底した事情聴取を行い、実態の解明を図ったところであります。(知事)

 平成8年度の事件の際、森川県議の「預け金だけでなく、カラ出張やカラ雇用なども含め、三重県などの例のように全庁あげて一気にウミを出すべき」との追求に対し、「監査委員が入念に調査しており、さらに再調査することは考えていない。具体的に指摘があれば再調査することになる」と真相に蓋をしたのは誰だったのか?他人事のように言うのはいいかげんやめてもらいたい。

 真に性悪説に立ったなら個人保管者には横領の疑義があったと見るべきではないのか?

 プール金問題の新聞報道等で、県民はあきれ返っている。知事は、今回の問題をどのように受け止め反省されているのか所見を伺う。(梶野完治議員・共産・2003.10.1)

 「今回の問題は、誠に残念ながら、公金の取扱や法令遵守に対する職員の意識の希薄さに原因があったと考えておりますことから、職員意識と組織風土の改革に向け、法令遵守の徹底を図ってまいります」(知事)

 これでは、すべてが、職員個人の問題であるかの言いようだ。
 「今回の問題」とは次のように大別できる。
 @ 違法なプール金を生じさせたこと。
 A 多額の使途不明金があること。
 B 平成8年度と昨年度の監査においてプール金が存在しないという虚偽の事実を申し立てたこと、及び今回の免責による調査まで多くの職員が問題を明らかにしてこなかったこと。
 C 調査手法(免責条件など)の是非。
 D 個人保管者に対する判断・対応の是非
 である。
 知事答弁は、いったいこのうちのどれに対するものなのか?
 @Aについて言えば、管理職の指示・了承なしに一担当がプール金をつくり、費消するなど考えられず、これだけ広範にあったことを考えれば既にシステムの一つとして一般化していたと見るべきであって、個人の問題ではなく組織の問題として捉えるべき問題であろう。だから平成8年度の時にも「職員の意識改革を図る」として「職員千人を対象にした公務員倫理研修の実施、自治研修所での講義に「公務員倫理」を追加」などをやっても結果として何の成果もなかったではないか。
 Bについては、職員個人の意識の問題だが、他の答弁にもあるとおり「庇い合い」の意識の問題であって、公金の取扱や法令遵守に対する意識の問題ではない。したがってこれを徹底してもBの問題は解決しない。もっと深く掘り下げて真の原因を解明すべきである
 Cについては、特別監査は隠蔽体質の最たるものであると思う。免責条件での調査については
別頁「雑談7」の中で述べたとおりであるが、補足すれば手法としての免責は組織の問題を個人の問題に摩り替えるもので許されないが、結果としての免責は個人保管者・個人費消者を除けば、おおむね妥当なものと考えている。その上で管理職の処分については、個々の管理監督責任ではなく、「当局を代表しているのは具体的には管理職員だ」という視点から一律に行なわれるべきであったのではないかと考える。それが組織の問題として捕らえるということである。
 Dはまさしく個人の意識の問題と考えるが、知事は個人保管者もその他大勢の機関管理者も同じと見て「やむを得ない」ものとしており、個人の意識に問題があったとは認識していない。
 このように、どこ(あるいは誰)にどのような責任・原因があったのかという清算を行なわずに組織風土の改革など、全くありえないことではないのか。単なるポーズであることが職員ほど解るだけに結局何も変わっていないのだと感じるのだから県の対応は最悪である。

 プール金問題は、職員の連帯責任であり、体質改善を望む
 今回の処分内容で、免責と処分の違いが県民に理解を得ると考えているのか(阿部時久議員・公明・2003.10.1)

 「昨年の特別監査において真相の解明ができなかった要因としては、職員が自分や同僚、上司等への不利益を考慮して正直に報告しなかったことによるものと考えております。このため、今回の調査においては、事務所運営費の全容解明を最優先とし、真実を正直に報告した場合には(組織として)処分しない、そういう方針で調査を実施したものであります」「また、管理監督責任は別でありますので、これは問うことにしたわけでございます」(知事)

 使途不明金は、退職者と課長級以上の職員により年内を目途に県に返納するとしているが、何故、全庁的な話し合いが行なわれなかったのか伺う。(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 「事務所運営費が多数の事務所に存在し、多額の使途不明金が確認されたことから、全庁挙げて使途不明金を返納することが望ましいものと考えております」しかしながら、「基本的には組織管理上の問題である点も踏まえれば、課長級以上の管理職が率先して返納することが適当であると判断した」(知事)

 免責条件について、行政訴訟や司法当局などに免責者が問われる事態になったとき、県が免罪を約束したことについて、どうなるのか(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 「免責条件とは、およそ民事上、刑事上のすべてを免責するというのではなくて、あくまでも任命権者としての懲戒処分並びに服務監督上の処分につきましては、これを問わないということでありまして、それ以外の民事、行政、刑事、含めてのルートにつきましては、もし仮にそういう問題が起これば、それぞれの手続きにのっとって粛々と行なわれると、そのように理解をいたしております。」(知事)

 民事、行政:(元金は年末までに返すようなので)それまでの延滞利息請求
 刑事:個人管理者の横領疑惑

 のことと思われるが、あたりまえのことである。

 監査制度のありかたが問われているが、代表監査委員は、どのような感想を持っているか。(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 1,300万円の公金を使い公認会計士11人を含む特別チームを編成して行なった特別監査ではなく、総務部が行なった全庁調査でしか不正が明らかに出来なかったことについて、代表監査委員の所見を伺う。(梶野完治議員・共産・2003.10.1)

 「監査は、県の予算及び事務事業が、効率的、合理的かつ公正に執行され、県民福祉の増進に寄与しているか、を基本として実施することとされております。
こうした認識に立ちまして、公正かつ適正な監査を実施するためには、監査を受ける側も法令遵守のルールと監査における基本事項を厳守するという信頼関係が存在して、はじめて監査は成立するものであると考えております」
「一連の結果は、こうした基本原則をないがしろにした結果で大変遺憾に存じております」(代表監査委員)

 昨年の特別監査は、日常の監査と異なり、静岡財務の横領事件を受けて、まだ明らかになっていない不正を「発見すること」が期待されていたはずである。
 代表監査委員の言によれば、要するに信頼関係という「なれあい」が監査の本質ということか?全くあきれる見識・迷言だ。

 そもそも熱海のプール金で虚偽の事実を発表し、事務所側に責任をなすり付けようとした人間に信頼関係などという言葉を使って欲しくはないのだが。昨年の特別監査が一連の隠蔽の元凶だとの認識はないのか?

 代表監査委員について、県のOBを選任することを止める絶好の機会であると考えるが知事の所見を伺う。(梶野完治議員・共産・2003.10.1)

 「監査委員の仕事の中には会計監査以外に監査業務がございます。これは一部、外部からの監査も必要でしょうけれども、内部の業務に精通した人間同士の監査ということも私は意味あることであると思います。」(知事)

 それは県内部の事務指導や監査委員事務局スタッフで十分。なにも代表監査委員である必要はない。弊害の方が大きいのだから改めるのは当然の理。

 まして、昭和54年度の石川嘉延財政課長−中山祐次財政課主幹以来の付き合いで、かつ現場をろくに知らないまま部長や県理事を歴任してきたOBがなぜ適任なのか?全く理解し難い。

 知事三役の責任の所在が、減給処分というのは違和感を感じる。それ以上の処分の議論はなかったのか、知事の所見を伺う。(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 「他の地方団体においても似たような事例がございます。」
「その事例についてのいろいろな責任のとり方とか処分の仕方とか、そういうものも私どもは一応精査いたしまして、同様の事例については同様の処分をするという地方公務員法上の様々な諸原則に照らして、今回のような結論を導いたところであります。」(知事)

 似たような事例?
 裏金があったことだけ似ていても意味がないのでは?このように不手際に次ぐ不手際で、5人の逮捕者まで出し、ついには免責条件まで出して発見したのに、その調査結果発表の際には都合の悪い情報はだんまり。こんな事例が静岡以外に何処にあるというのか?

 今回、知事はこれまでの不祥事と同様、減給処分とすることで良しとしていると思われるが、ずさんな公金管理をしてきた責任があり、県の最高責任者として知事は許すことが出来ない、辞任をすべきとの県民の声もあり、今回の処分が県民の怒りに答えるようなものになっているのか。(梶野完治議員・共産・2003.10.1)

 「私は、今回お諮りしているような給与の減額で、責任を明らかにしたつもりでございます。」
 「私はこのような給与の減額に加えて、今後このような事態の発生を防ぐための仕掛けの確立、これをきっちりとすることで責任を果たしたいと考えているわけでございます。」(知事)

 結局、責任といっても金での決着である。

 そして、「このような事態」というのが何をさすのか解らないが、知事は、その問題の原因は全て職員個人にあった、職員個人を組織が監視すれば問題は発生しないという見識であることが明らかにされた。
 彼には、自己費消もしていない職員までもがなぜ事実を隠し庇いあったのか理解できないようだ。
 彼らが口をつぐんで庇ったのは、告発しても県が組織の問題として捉えず、事件を一個人のレアな罪として矮小化し、平然と切り捨てることがよく解っていたからこそ庇ったのだ。
 実際、私も裏金を作っていた事実は確認していた。
 平成8年7月12日に出張した事実が無いにもかかわらず、8月6日旅費請求が私の名前で行なわれ、同月12日代理受領者である総務課長の口座に振り込まれていた証拠を捉え、悪習を改めてもらったが、私的に使ってるものでないことは知っていたのでさすがに告発なんて出来なかった。他にも業者の誓約書、入札前の打ち合わせ記録などの癒着の証拠を把握し改善してもらったが、もしそれら事実を告発すればその告発された職員だけが責められ犠牲となり、結果トカゲの尻尾きりになることが明らかだったからだ。

 問題の本質は、先の議員圧力によって行政判断が歪められたとされる事件や空港問題における子供だましの強引な主張と同根である。
 すなわち、「現場が正しいと思ったことがまかり通るような組織では決してない」という逆の意味の信頼が払拭されない限り、問題は解決したことにはならないのだ。

 しかるに今なお、組織の問題として向き合わずごまかしの措置で乗り切ろうとする県当局の醜悪な体質が変わっていない以上、監察制度もまた決して良い方向で機能しないと、私は思うのである。

 <再質問>監察制度について(同上)

 「我々として防ぐ方法は何かというと基本的には職員の意識の問題、もう一つは、そうは言っても人間は弱いものでありますので、何かの機会にいろいろな誘惑に負けて罪を犯す場合がある。それを未然に防いだりあるいは発見するのは、当事者としては内部監察制度、これが当事者として採り得る、今考えられるベストな方法ではないかという結論に立って、今回、このような仕組みをスタートさせたわけでございます。」(知事)

[事件の経過]
時期
公表又は報道された事実
補足説明

2002.5

静岡県静岡財務事務所の元所長と元総務係長が業務上横領容疑で静岡地検に逮捕される。

資金前渡で購入した切手などの領収書を改ざんし銀行口座にプールしていた裏金を横領したという事件である。(地検への内部告発により判明した事件)

2002.5

静岡財務事務所の事件をきっかけに、熱海財務事務所が独自に内部調査を実施。

読売新聞12月21日朝刊。

2002.5.27

地元銀行への総務課関連口座の記録調査などの結果、熱海財務事務所幹部が元次長(現・東部看護専門学校長)に着服の疑いを抱き接触。
元次長が、在職中の平成12年度に7百数十万円の裏金を引き出して大半を本人名義の郵便定期に入れ、一部を現金で所持していたことを認める。

同上。

2002.5.29

元次長が郵便定期を解約し通帳を焼却。(元次長の供述)

読売新聞12月21日朝刊。(「熱海財務事務所の使途不明金に関する件」の資料)

2002.6〜9

静岡財務事務所の事件を受け、県監査委員は公認会計士11人を含む28人の特別調査チームをもって、前渡資金を中心に不適切な経理や裏金口座がないかなどを97年にさかのぼって特別監査。
1,300万円の県費(予備費)が投入された。

複数紙。

2002.7.15

県監査委員による熱海財務事務所の監査の際、事務所側が「元次長が横領を認めた」ことを説明。

同日、元次長が弁護士とともに静岡地検に自首。

読売新聞12月21日朝刊。

県監査委員による下田財務事務所の監査。
所長、次長、総務係長の三人から裏金の有無を聴取したが、裏金の存在を伏せる。
(理由:本庁の財務管理室と協議中で監査への対応が決まっていなかった)

<県財務管理室コメント>

「7月19日に裏金の存在を監査委員に報告した。出先機関では懇親会費なども預金口座で管理しており、具体的な用途が判明するまでは裏金と断定できなかったため、報告しなかった」

読売新聞12月22日朝刊。

2002.7

元次長が、プール金保管の経緯や「申し訳ない」などと記載した上申書と退職願を県に提出。

NHK12月2日。
朝日新聞12月4日朝刊。

2002.7.19

下田財務事務所に裏金が存在していたことを監査委員に報告。

読売新聞12月22日朝刊。

2002.9.11

県幹部が熱海財務事務所所長、次長を県庁に呼びつけ、裏金の所在について最終的に「事務所管理下にある」と虚偽の説明をするように指示するなど、マスコミ向け想定問答集を提示しながら細かく指示。

想定問答集には、問「現金で保管していたのか」答「そうである」(手書きで「そのようである」に訂正)、問「670万円ときっちりした数字だがどうしてか」答「たまたまの結果です」などと記されていた。

県財務総室職員はこの際、「後で事実関係がわかったとしても、マスコミはたいして問題にしないであろう」と発言したとされる。

NHK静岡放送局2003年1月9日放送
読売新聞2003年1月20日朝刊

(すなわち、所長・次長は、事務所の管理下にあったという虚偽の事実の下、11月22日発表の処分を受けたということになる)

2002.9.13

県監査委員(中山祐次・県代表監査委員)が記者会見。県特別監査の調査結果を発表。

@ 今年4月時点で、熱海財務事務所で約670万円、下田財務事務所で約322万円の裏金(プール金)があった。
(97年時点では熱海が約852万円、下田が約635万円。差額は職員住宅の維持管理や、備品購入に使ったようだ)
A 「不適切な会計処理があったのは遺憾だが、関係者の説明からは、私的に使った事実は確認できなかった」
B 「所長以下、総務課の予算担当者までが組織的に使っていたようだ」
C 「熱海は一か所にまとめて残っていたのか」との質問に「現金でまとめて金庫(に保管)と考えて頂いて差し支えない」と回答。
「所長も承知している」(監査委員事務局)と補足。

<関係者コメント>

石川知事「一部の所属で不適切な公金管理が行なわれていたことは誠に遺憾であり、県民に深くお詫びする」

熱海財務事務所所長「責任の一端を感じている。負の遺産を全部出し切って出直したい」

下田財務事務所所長「税金を扱う所である以上、住民に不信感が生まれたのは確か。信頼を一日も早く回復したい」

複数紙。(9月14日ほか)

この際、県監査委員は、裏金を見つけたことを「特別監査の成果」と説明したが、内部調査ですでに発覚していたものであることが、後に読売新聞社が入手した開示公文書から明らかになった。(12月21日読売)

2002.9

読売新聞静岡支局が「特別監査についての一切の資料」を情報公開請求。

読売新聞10月30日朝刊。

<参考>
静岡県監査委員事務局の組織及び庶務に関する規程第11条「この規程に定めるもののほかは、静岡県処務規程を準用する。」
静岡県処務規程第11条「職員は出張の用務が終って帰庁したときは、帰庁した日から5日以内に復命書を提出しなければならない。ただし、上司に随行した場合又は用務が軽易な事項であると室長及び出先機関の長が認めた場合は、この限りではない。」

2002.10.28

上記資料開示。
関係者への面談調査の内容が記されていた文書は、9月4日に熱海財務事務所の元総務係長に行なった際の復命書1点だけしか公開されなかった。

「短期間で監査を遂行することを最優先した。調査員の聞き取り調査の結果の報告は口頭で行い、記録は作らなかった」(県監査委員事務局)

2002.11.22

静岡、熱海、下田の県財務事務所で裏金問題で知事ら県三役の減給(知事が12月分給与の30%カット、副知事・出納長が同10%カット)と関係者18人の処分(戒告、文書訓告)を発表。

<知事コメント>

「県民の皆様に申し訳ない。私自身の処分を持っておわびに代えたい」
96年度以前の問題に関して「会計書類の保存年限が過ぎていて、明確な証拠がない。職員の処分につながるのでしっかりとした証拠がないといけない」「事実解明は難しい」

複数紙。(11月23日)

熱海財務事務所現所長、次長も18人に含まれている。
この後に、元次長による横領の容疑が明らかになったが、12月11日の県議会総務委員会において県は、公表はしなかったが地検の捜査は承知し、この問題も含めた処分であるとして、処分を変更しないと答弁。

(このことについてだけは感想を述べさせていただくが、今の県では過去のウミを出して再出発することさえも許されないということなのかと疑問に思う。現所長は今年3月で依願退職となるらしい。いくら本人が納得したとしても、わけがわからない、到底納得できない結末である。しかも、ただ見ているしかないというのはつらい。この記録は彼らの名誉のためにも残し続けたい。そして(ここには書かれていないことをも知る者として)その勇気・覚悟に感謝したい。一方県民に対しては、かかる組織内にあって正しいことを行なうことのリスクがいかに大きいかに改めて思いを致して欲しいと願う。そして今後は、検察の正義に一るの期待をつなぐのみである。)(1/1)

2002.12.2

NHKが昼の全国ニュースで熱海財務事務所の元次長の(知事宛ての)上申書の存在をスクープ。

金庫にあったとされるプール金は、実際には元次長の個人名義の口座にプールされていた事実、静岡地検が捜査中である事実が判明。

県監査委員が記者会見。

「個人口座に入れていたことは聞いていたが、証拠の通帳はなかった。保管場所については説明する必要がないと思っていた。公表時に詳細を確認して発表すべきだった」
「(地検が)事情聴取していることは知っていた」
「プール金の保管場所は重要でないと思った」
「事務所側が報告してきたことで、虚偽を言っているとは思えなかった」

<県総務部長コメント>

「(裏金の)保管が現金か個人口座だったかは確認していないが、すでに返金されている。保管状態がどうであるかは問題ではない」

<熱海財務事務所>

9月の県監査委員の会見で、現金の発見場所が独自の調査で把握、報告した事実と異なることに気付いた。しかし、「監査委員の発表との整合性を考え」(所長)監査委員の発表を追認した。

複数紙。(12月3日)

12月20日の公開文書で平成14年5月29日に郵便定期を解約して通帳を焼却し現金化していた事実を県監査委員が把握していたことが明らかになった。

2002.12.5

<知事コメント>

地検の事情聴取を把握していたことを認め、「弁護士を通じて検察に聞いたところ、『干渉してくるな』と言われた。監査は終ったのに捜査は待てども動かない。ジレンマに陥っていた」
「公表しなかったことで政治的な立場に影響があるとすれば、それを受けるしかない」

<県総務部長コメント>

「(県の)顧問弁護士とも相談したが、(起訴の)判断が難しいと聞いていた。(11月25日の)議員運営委員会ではどうしても報告したかったので、知事にも事情を説明し、了解を得て記者会見をしてもらった」

読売新聞12月6日朝刊。

2002.12.6

静岡地検が熱海財務事務所元次長を業務上横領の罪で在宅起訴。
平成12年8月1日、金庫内の現金300万円を自己名義の定額郵便貯金口座に預け入れ、平成13年3月29日、プール金口座を解約して295万円を引き出して計595万円を着服した容疑。

<県総務部長コメント>

「地検が捜査していたのでこれまで公表しなかった。公判の推移を注視し、事実関係が確認できしだい、厳しい態度で臨む」

複数紙。(12月7日)

県議会12月定例会で梶野完治議員の質問に対し中山代表監査委員が答弁。

調査通りの報告を行なわなかったとマスコミから批判を受けていることについて、
「監査結果の記者発表の時点では、検察庁の捜査が継続しており、その見通しが不明でありましたことから、プール金の保管方法や保管場所について言及することは、関係職員が特定されることにつながると考え、人権等を配慮すると、明らかにすべきでない、と判断いたしたところであります」

熱海財務事務所から他の部署に異動し、熱海財務事務所の内部調査で発覚するまでお金を持っていた行為は事実上の業務上横領行為にあたるのではないかという質問に対して、
「事務所を異動した職員が保持していたものについて横領にあたらないかという御指摘でございますが、公金である以上、どのような形であってもそれは県の管理下にあるものでございまして、保持する者が私的な意思を明確に持っていない限り、横領という判定は困難だろうというふうに思います」

 

2002.12.9

県が、起訴された元次長を分限休職とする。

12月11日の県会厚生委員会で明らかにした。

2002.12.11

@ 県議会総務委員会における伊東伊佐美議員(前議長)と県の質疑答弁。

<伊東議員>

「裏金を使ったことだけが罪ではない。作ったのはみなさんでしょう」
「公金を横領し、裏金を作ったのは(財務事務所に)前にいた人だ。今ここにいる職員で、勤めていた人は手を挙げなさい」
1300万円の公金を投じた特別監査について、「費用は県職員のみなさんの責任で払いなさい」

<県側>

「96年度以前のプール金は、正直言っていろんな人がやっていた」(総務部長)
「特別監査は、公認会計士からの問題提起もあり、有意義だった」(職員総室長)

A 県議会総務委員会における鳥沢富雄議員と県の質疑答弁。

<鳥沢議員>

県のOBが代表監査委員を務めるのは疑問があり、公認会計士などを入れるべきだ。議会選出監査委員が与党のみという現状も考え直さねば」

<県側>

監査制度は第三者機関なので、できるだけ第三者のシステムにすべきだと考えている。将来的には監査委員も監査の事務所職員も、外部の人間になるよう努力する」(総務部長)

読売新聞12月12日朝刊。

2002.12.12

代表監査委員の出席を求めた県議会総務委員会(公金横領事件集中審議)

<議員>

「トップは結果責任を負わねばならない。私どもは、記者会見で虚偽があったと受けとめており、中山さんも思いを致していると推察する」(鳥沢富雄県議)

「県民に正確に説明する責任から記者発表の際、プール金が個人口座へ移っていたことを明らかにすべきだった。これでは虚偽の報告だ」(梶野完治県議)

<中山代表監査委員>

「7月15日の監査時点では、所長、次長が同席し、約850〜870万円のプール金が存在するとの報告を受けた。この時点ではプール金と認定する要件が整っていなかった」

「どのような表現で公表するかには色々な判断がある。(詳細を公表すれば)元次長が捜査対象と特定されるので、人権を考慮して明確な表現を避けるべきだと判断した」

「質疑応答の中で、一部不明確なところがあったことは認める。それが虚偽かどうかは、私が申し上げるものではない」

「会計の手続やシステムをいくら改善しても、公金に対する職員の意識、高い倫理観が欠けていれば、意味がない」

自らの進退問題に対して、「任命権者(知事)の判断にゆだねる」

複数紙。(12月13日)

2002.12.13

マスコミ各社が、県代表監査委員と県総務部長に事実と異なった説明を行なったことについて、会見で説明するように求めていたことに対し、13日付で両者とも「差し控えたい」と拒否の回答を示す。

毎日新聞12月18日朝刊

2002.12.16

知事定例記者会見

<石川知事>

「たまたま監査時期と元次長の自首時期が重なった結果、犯罪であるかどうか判断がつかず、後に批判を受けることは予想できたが(県としては)事実関係と異なる発表をせざるを得ないと判断した」

仮に元次長が不起訴となった場合には公表したのかという質問に対し、「不適切な経理処理、不明朗な経費請求をしていたとの判断に立てば、それなりの処分があった。調査の結果、そうではないという判断なら、追加的に何もしなかった」

県代表監査委員と発表前に打ち合わせを行なったかとの質問に対し、「していない。代表監査委員は監査委員としての判断があったと思う」

複数紙。(12月17日)

読売新聞12月19日朝刊では、もし業務上横領事件として静岡地検が立件しなかったら、熱海財務事務所の問題は闇に葬られていたのではないかとの重大な指摘がなされている。

2002.12.20

読売新聞静岡支局の情報公開請求に10月28日の時点では「存在しない」としていた公文書101枚を公開。

「文書の棚を総点検した時に拾い忘れた物が見つかったり、担当者のメモと位置付けていたものをその後の判断で公文書扱いにした」(県監査委員事務局調査監)

読売新聞12月23日朝刊。
(公開された公文書には、@県監査委員が特別監査を実施する前に熱海財務事務所による内部調査で元次長による業務上横領の容疑が発覚していた事実、A元次長が静岡地検に出頭する際に提出した現金730万円のうち、県監査委員がプール金として670万円と特定した経緯、B下田財務事務所の特別監査での対応などが記されていた。)

文書不存在という手口が通用し、罰則も処分もなされないのが今の情報公開制度の現状である。

2003.1.8

読売新聞静岡支局の「裏金問題の発覚後、八つの財務事務所に出した指示と、返ってきた報告に関する一切の資料」の情報公開請求に県財務管理室は「該当の公文書は作成していない」と回答。

読売新聞1月20日朝刊

2003.1.9

NHKが情報公開された熱海財務事務所所長、次長の出張復命書に基づき、報道。
県監査委員の「事務所の金庫に保管されていた」との事実と異なる報告内容について「細かく口裏を合わせたようなことはない」と釈明していたが実際は県幹部が監査の発表の2日前に財務事務所幹部を呼び出しマスコミ用の想定問答集を示し受け答えについて具体的に指示していたことが判明。
このなかで、「金は事務所の管理下にあり現金で保管していたようだ」などと事実と異なる回答をするよう具体的に指示していた。

NHK静岡放送局1月9日放送

(映し出された復命書の中ほど3行がまるまる墨塗りになっていたがいかなる非開示理由からであろうか?)

2003.1.19

読売新聞社に対しても、1月8日には存在しないとしていた文書2枚(熱海財務事務所管理の復命書1枚及び同書に添付の想定問答集1枚)を公開。

読売新聞の取材に対し2枚の文書の存在を最初から知っていたと認めた上で「想定問答集は、対応協議のたたき台のペーパーで、用が済めば廃棄する文書。また出張報告書は今回のようなケースでは本来は作成されない。熱海財務事務所がなぜ公文書として保管していたのか不明。隠したのではない」(財務管理室)と説明。

読売新聞1月20日朝刊

(全国的にカラ出張が問題になってから出張復命書の作成については監査の際にもチェックされるなどうるさいくらい作成を指示されている。「本来作成されない」というケースとは表ざたにしたくないケースということなのか?都合の悪い文書は組織的に用いられても用が済めば文書保存年限を考えずに廃棄して良いのか?疑問だらけである。)(2/6)

2003.2.12

監査委告示で監査結果に基づき講じた措置を公表。

(抜粋)
4 公金の返還の受入
 (1) 保管現金等に係る返還
   監査で判明した上記3事務所の保管現金等については、平成14年9月30日に県歳入として返還させた。
所 属
平成9年度当初
監査時点
返還金額
差 額

下田財務

6,349,336円

3,225,694円

3,225,723円※

3,123,642円

熱海財務

8,525,742円

6,700,000円

6,700,000円

1,825,742円

静岡財務

9,200,000円

505,183円

505,183円

※返還金に通帳解約時利息29円を含む。
 (2) 差額のうち不明額に係る返還
    差額のうち、公的支出であることが確認された金額を除く不明額については、職員有志により県へ返還することとした。
所 属
差 額
確認額
不明額

下田財務

3,123,642円

1,053,532円

2,070,110円

熱海財務

1,825,742円

443,800円

1,381,942円

合計

4,949,384円

1,497,332円

3,452,052円

静岡県公報第1443号

2003.2.13

熱海財務裏金横領(業務上横領)事件初公判

公金横領額 合計5、946,017円
(12.8.1に300万円、13.3.29に294万6千17円)

<判明した事実>
 裏金は、郵券購入費の流用やカラ出張などで捻出され、「熱海財務事務所庶務会計」として総務係長個人名義の口座で所長も了知の下管理されていた。
 平成9年度当初引き継がれた額は、平成8年度の総務係長Sの供述では計1千万円近くとされるが、通帳管理分の850万円くらいが確認されている。
 平成11年赴任した次長Y(被告)はプール金について「こんなにあってどうするのか。早く使うように。」と指示。
 平成9〜11年度の総務係長Hは、異動に際し、平成12年3月24日同口座を解約し、後任の係長名義の口座を作り入金。
 Y元次長は今後は自分が管理するとしてその通帳をHから受領。
 Hは異動に際し「異動先(東部健康福祉センター)に持っていきたい」としてY元次長から50万円を受けとった。
 平成12年4月3日、口座から300万円を引き出し、事務所の金庫で保管。
 平成12年8月1日、Y元次長は、上記300万円の費消は困難と判断し、熱海郵便局のH名義の定額貯金口座に入金。
 平成13年3月29日、Y元次長は、スルガ銀行の口座を解約、2,946,017円を受けとり、内100万円を上記定額貯金口座に入金(口座の計は400万円となる)。
 残りの1,946,017円及びこの時点で口座とは別に事務所内金庫に現金として保管してあった約60万円を自宅に持ち去った。(約250万円が現金で持ち去られたことになるが、約60万円分の立証が困難だったのか?)
 平成13年4月1日、Y元次長異動。
 (平成13年4月〜14年5月までの約1年間、被告は400万円を口座で所持、約250万円を現金で所持していたことになる)
 平成14年5月?日、被告が静岡の事件を知り、5月24日、定額貯金口座を解約。
 平成14年5月の静岡財務事務所の事件を受けて熱海財務事務所が独自の調査を行い、横領の事実が判明。
 この際、Y元次長はプール金(の処理)について、「分けてしまった。誰と分けたかは勘弁してくれ。」と供述。
 平成14年7月15日、730万円を持って地検に自首。
 その後、県に返納した670万円の受領書が地検に提出された。
 地検の取調べでは前記「分けてしまった」との供述を「少しでも罪を免れたくてうそをいった」として撤回。「ほとぼりがさめたら自家用車でも買って使うつもりだった」と供述した。

<被告の供述>
弁護人との質疑
 ・(庶務の経験は長いようですが、裏金はどこの事務所にもあったのでしょう?)
 経験から20〜30万円が相場。800万円という額には驚いた。
 ・(多額の裏金が作られた経緯を知っているか?)
 知りません。
 ・H係長と寄付や備品など使い方を検討したが、800万の消費は困難だった。
 ・(組織として適性に処理することはできなかったのか?)
 プール金を表立って処理することはできない。
 ・(個人がそうしようと思ってもできないということか?)
 個人で(適性に処理)しようと思ってもできないと思います。
 ・5月に静岡の事件があったとき、次は自分の番だと思っていた。
 ・(すぐ自首しなかったのは?)
 怖かった。それと、生徒への影響を心配した。
 ・(プール金を自分で使ったか?)
 使っていない。
 ・(被告は既に(3事務所の職員に対する処分の中で)処分を受けているがこれはどういう処分か?)
 訓告処分。当時の幹部職員の監督不行届きとして処分されたもの。

検察との質疑
 ・(正規にプール金を返還できなかったのか?)
 できなかったと思う。
 ・(何らかの手立てがあったはずだ。)
 やろうと思えばできたと思う。
 ・(静岡の事件がなかったら私的に使っていたか?)
 たぶんそうなったと思います。
 ・(そんな金で買ったものではいい気持ちはしないでしょう)
 怖くて使えなかったと思います。
 ・(県が事実と異なる発表をしたことについてどう思うか?)
 県にお世話になってますし、ちょっと。
 ・(プール金が金庫内にあったと聞いてどうでしたか?)
 びっくりしたのは事実。既に事実関係は県に報告してあるはずなのに。なんでこんな発表になったのか。おかしいと思った。
 ・(当初プール金を分けたといっていたが、これを撤回し、分けていないと供述したことについて、分けていないというのは間違ないか?)
 間違いありません。

<検察求刑>
 税を扱うところの職員であり犯状悪質。
 プール金を返還する手立てはあったはず。
 静岡財務事務所の事件がなかったら自首していなかっただろう。
 求刑 懲役1年6月
<弁護側最終弁論>
 起訴事実は認める。
 最終的に横領の意思を認めているが、長年の裏金の悪弊を何とかしようとした(ことに起因するもの)。
 被害金額については、(被告は個人的に)1円も手をつけていない。

静岡地裁における公判傍聴から。
 (筆者の手書きのメモによるため言い回し等の表現は正確ではない部分があります。)

 

(検察が横領額として認定した額は594万6千17円。一方、県が熱海財務事務所内の金庫にあった(事務所の保管現金)ということにして、返還を受けた金額は670万円ジャスト。監査委員はこの差をどう説明するのだろうか。また、既に事務所の管理から離れ、注意義務が認められない状況だったことが明らかになった今、処分を受けた13年度の管理監督者はいかなる過失に基づいた管理責任が問われたのか。むしろ、虚構に基づいて処理を急いだ監督責任こそが問われるべきではないのか。)(2/16)

 

 傍聴を経ての事件の筆者の感想は雑談6-Dをご覧ください。

 平成12年3月、当時総務係長がプール金の中から50万円を新たな職場に持ち去っていたことが公判で明らかになったと報道。

 「特別監査の過程で、被告が50万円を元総務係長に渡していたことは把握していた。」(県監査委員事務局)
 (50万円の使途について)「金額の一部は、備品購入費にあてられたと聞いているが、全額分の確認は取れなかった。」(県財務管理室)

読売新聞、静岡新聞 2月14日朝刊

(監査委員はこの事実を知りながら、公判で明らかにされてからはじめて事実を語っている。起訴されず公判が開かれなければ真実と異なる虚構が事実としてまかり通っていたことになる。これが静岡県の監査委員の仕事なのだろうか。また、2月12日付け監査委告示の「公金の返還の受入」と照合していただきたい。確認額44万円は熱海の分であり、健福に持ち去った50万円は不明額という扱いでよいのか。現金で保管を前提にした670万というきっちりした返還額といい、虚構を前提とした発表にはもはや無理が生じているのではないか。)(2/16)

2003.2.16

知事定例記者会見において、知事は、「これ以上はないと聞いている」(読売)、「調べた限りは、それ以外は出てきていません」(静岡)、「これ以上の問題は確認していない」(毎日)と幕引き発言。

複数紙。(3月4日)

2003.2.17

読売新聞社の取材により、元係長が異動先(東部健康福祉センター)に持ち去った50万円の使途が明らかになった。

元係長の供述によると、公用車の事故処理費用や現金で支給された賞与が足りないと騒ぎになった際の解決金などに消費し、残金約10万円を平成13年度の後任者に引き継いだという。

「プール金を(熱海財務事務所から)預かってきたことは知っていた。そのお金を使わせてもらったが、管理方法や金額は把握していない。事務所に所属する金ではなく、個人に属する金と認識していた」(元係長の当時の上司)

「(裏金問題は)すでに管理・監督者を処分した。刑事事件になったり、私的に使っていない限り、当事者の処分はしない方針だ」(県総務部長)

上段:読売新聞 2月18日朝刊

下段:静岡新聞 2月19日朝刊

(監査委員は50万円の件を把握していながら復命書も報告書も作成せず公文書開示を免れ、公判や取材によって初めて事実が県民に明らかにされた。ここまでして監査委員が隠蔽に積極的に協力していたというのも、代表監査委員と知事が、かつて、石川総務部長−中山財政課長としてコンビを組んだ旧知の間柄であることを考えれば納得できよう。監査職員はいったい誰のために「監査」をしたのだろうか。少なくとも彼らが県民のために存在する機関でないことは明らかなようだ。しかし、その現実を、白日の下に晒したことは逆説的に彼らの成果と言って良いのかもしれない。監査結果の報告が終わって職務としては完結したにもかかわらず公判に大勢で傍聴にきていたのも、新たな事実が明らかにされるのがよほど気になってのことだったと見える。監査自らはほとんど新事実を発見できなかったこの特別監査に使われた税金1300万円とはいったい何だったのか。)

(一連の経過から、事実としては、静岡財務以外でプール金があったのは下田・熱海の2財務事務所のみであり、熱海の事件は元次長が単独で事務所にあったプール金の残額全てを12年度に横領したということで落ち着くのだろう。しかし、疑問がすべて説明されたとは言いがたい。その疑問の根拠の一つとして下記に「東部4財務事務所庶務担当管理職異動(在籍)状況」を示したい。事実と真実は必ずしも一致しない。真実はいずこに?)(2/19)

2003.2.18

静岡新聞社の取材により、県監査委員事務局が元係長による持ち出しを特別監査で把握しながら委員である県議には報告していなかった事実が判明。

「監査委員事務局といっても県の職員。隠ぺいとみられても仕方がない。」(県議の一人)

(検察が捜査中だったことと、元係長の私的な使用が確認されなかったので)「(県議の監査委員に)特別に報告する必要はないと判断した」(持ち出された金の使途について)「関係者から公的に使ったとの説明はあったが、領収書などの証拠書類がないため、使途不明金とした」(県監査委員事務局長)

<参考>

東部4財務事務所庶務担当管理職異動(在籍)状況

 

下田財務事務所
熱海財務事務所
沼津財務事務所
富士財務事務所
年  度
記  事
所  長
総務課長
所  長
総務課長
所  長
次  長
総務課長
所  長
総務課長
平成6年度

平成7年度

平成8年度

預け金問題発覚

平成9年度

平成10年度

平成11年度

係長50万円を異動先へ

AA
平成12年度

被告8月と3月に横領

AB
AC
AD
AA
平成13年度

上記50万円中約10万円が後任者に

AE
AB
AF
AC
AG
AH
AI
平成14年度

横領事件発覚、下田は所で管理

AG
AJ
AK
AF
AL/AM
AB
AH
AI
平成15年度

 
 
AB
AJ
 
 
 

※ 色塗りはプール金の見つかった事務所(下田、熱海)から他事務所に異動した管理職。赤文字Yが今回の事件の被告。(なお、上段役職名表示は平成6年当時の呼称で代表。ex:Y次長兼総務課長)

2003.2.19

県議会本会議において、「知事の政治姿勢について」の質問に対し総務部長に答弁させ、「大変遺憾なこと。県民のみなさまに改めて心からおわび申し上げる」と陳謝させる。

県議会2月定例会

2003.2.23

虚偽の発表に至る経緯の一つとして、県幹部が熱海財務事務所幹部に対して「監査が熱海財務に裏金があるということでいくと言っている。ここは踏ん張って(その通りにして)もらいたい」と「要請?」していたことを報道。

静岡新聞 2月23日朝刊

2003.2.28

県議会総務委員会で総務部長が答弁。
熱海財務事務所の裏金50万円を異動先に持ち去った元係長の処分について「静岡、熱海、下田の三財務事務所のプール金は組織の問題としてとらえ、知事は管理、監督者を処分した。(当該人は)処分しない」と述べた。

読売新聞 2月29日朝刊

2003.3.1

静岡地検の捜査員十数人が沼津財務事務所を業務上横領容疑で捜索。

複数報道。(3月4日)

2003.3.3

静岡地検は、沼津財務事務所が不正にプールした裏金計730万円を着服したとして、業務上横領容疑で、
沼津財務事務所元次長で下田・富士の両財務事務所長を歴任し退職、現在県生活衛生営業指導センター専務理事のW.S.(61)
及び
沼津財務事務所元総務課長で現静岡財務事務所次長のS.M.(57)
の2名を逮捕。

 調べによると、両容疑者は共謀の上、当時勤務していた沼津財務事務所の裏金の着服を計画。
 1999年3月31日、沼津市内の銀行に「総務課会」名義で預金してあった裏金約766万円のうち760万円を職員に引き出させ、S.M.の個人口座に490万円、W.S.の個人口座に100万円をそれぞれ振り込ませて着服した疑い。さらにS.M.容疑者は、1999年4月6日、静岡市内の銀行に預金してあった裏金149万円のうち140万円を職員に引き出させ、自分の口座に振り込ませた疑い。
 裏金はこれまでに発覚した3事務所と同様、切手代を前渡金として受け取り、領収書を偽造する手口で捻出したと見られている。
 容疑についてS.M.容疑者は容疑を認め、W.S.容疑者は100万円の自己の着服は認めているが、S.M.容疑者の着服については知らないと話しているとされる。

複数報道。(3月4日)

知事・県幹部等の主なコメント

<石川嘉延知事>
「容疑が事実だとすれば、大変遺憾。県民の皆様に申し訳ない。」「残り4つ(富士、藤枝、磐田、浜松)の財務事務所については月末までに再調査を行なう」「捜査機関ではないので聞き取り以上のことはできない。県ができることには『限界』がある」

<中山祐次代表監査委員>
「承知していない。情けない」

<清水孝男事務局長>
「特別監査は97年度以降について実施し、96年度以前も念のため担当者に口頭で確認させた。どこの事務所も『ない』と答えていたので、把握できなかった」

<監査委員事務局幹部>
「今回の事件が事実ならば、監査委員がだまされたことになる」

<望月総務部長>
望月圭二総務部長と山村善敬財務総室長による記者会見の席上、
(1日の家宅捜索について)「今日(3日)非公式に確認した」「報告を受けていない」
「昨年7月の特別監査で、これ以上はないと聞いていたのでいまだに信じられない」「事実ならば県民に何とおわびしていいのかわからない。監査方法が甘かったという批判は、甘んじて受けなければならない」「我々の調査には『限界』がある。司法の手で解明してもらうしかないのか、とも思う」「検察の取調べの結果を待って、職員や幹部の処分を考えたい」

<増田利男沼津財務事務所長>
「会の存在自体を知らなかったので非常にびっくりしている」「同じ税金関係の業務に携わる先輩、同僚だった」「逮捕事実がなかったと信じており、捜査の進展を待ちたい」

<渡辺弘総務課長>
「預金通帳と現金について調査するよう指示があり、調査したが通帳そのものがなかった。(口座を管理する)会の存在自体も知らなかった」

<加藤友夫静岡財務事務所長>
「今日は欠勤すると聞いたが、まさかこんなことになるなんて」「実直な職員。事務所内部の会合では、ポケットマネーから部下の飲食代を払っていた姿が思い出される。とても事実とは思えない」

<当時の沼津財務事務所長>
「全く気付かなかった。次長の裁量は大きい。正直、そこまで気付くのは難しい」

2003.3.4

3日までの読売新聞の取材に対し、S.M.元総務課長の前任の総務課長を勤め現富士財務事務所長のN所長は、「裏金は存在していない」「S.M.さんには引継ぎをしていない」などと答えていたことが判明。

読売新聞 3月4日朝刊

知事記者会見で、プール金の存在が確認されていない4か所の財務事務所について3月末をめどに再調査する方針を発表。

<知事>
「改めて県民の皆様におわびする」
「犯罪は強制調査権がなければわかりにくい。われわれには『限界』がある」
「内部告発などが無い限り、調査にはプライバシー保護の観点から規制がある。(不正の)予想だけで調査ができるなら、日本国家は恐ろしいことになる」
(内部告発制度の整備について)「有効な手段となれば、考えていかなければならない」

<熱海財務事務所関係者>
「軽々しく『限界』と口にするのは無責任ではないか」
「裏金を預金していた口座は、個人名義ではなく、どれも事務所名義のはず。われわれがやったように、事務所の所長が金融機関に依頼すれば、預金元帳を取り寄せることは可能」

複数紙。(3月5日)

逮捕された両容疑者が、地検の調べに対し「不正なプール金が発覚するのを免れようと口座から現金を引き出させ、口座を解約した」と供述していることが判明。

中日新聞 3月5日朝刊

2003.3.5

プール金が両容疑者の在任以前に不正に捻出されていた可能性が高いことが地検の調べで判明。
両容疑者はプール金を引き継いだことを認めているが、在任中のプール金捻出については否定しているもよう。

中日新聞 3月6日朝刊

静岡新聞において「問われる体質−県財務事務所、裏金横領続発」として3日連続(上・中・下)で、一連の事件の背景を考察

静岡新聞 3月5日〜7日

2003.3.6

熱海財務事務所元次長に懲役1年6か月執行猶予3年の判決。

<中山祐次代表監査委員>
読売新聞の取材に対し、
「個人的、私的消費は認定できなかった」と結論付けた特別監査報告について「結果から見れば、監査手法に反省がある」と初めて監査に問題があったことを認めた。

<上野忠司熱海財務事務所長>
読売新聞の取材に対し、
「後輩に出直しを託したい」と述べ、元次長が有罪判決を受けた責任を取って、今月末で辞職する考えを明らかにした。

読売新聞 3月7日

沼津財務事務所の事件を受けて開かれた県議会総務常任委員会で議会側が知事の出席を求め知事出席。(知事の出席は昭和53年以来、25年ぶりで極めて異例)

<石川嘉延知事>
(沼津の事件について)「私は1日夜、どこからとは言えないが、通報を受けた。詳しい内容が分らないし、土日のうちに動きがあるとは思えないのでそのままにした」
(特別監査について)
「調査の方法まで事細かに言わなかった。調査の発端は静岡財務事務所の事件なので、当然昔のことも調べるだろうと思った」
「8年度以前の資料は廃棄されているが、聞き取り調査など、いろいろな工夫をして8年度以前の調査もしてもらえるものと期待していた」
「常識として当然、行なわれるべき部分の調査が結果としてされていなかった」
「なぜわからなかったを洗い出し、3月末までに再調査したい」
これまで「監査には限界がある」としていたがこの日は一転「結果的に調査方法、内容が不十分だった」「私の注文に手抜かりがあったことを反省する」などと特別監査の不備を認めた。
(身内による甘い監査ではないかと問われ)「部内組織で、監査委員事務局のアウトソーシングを検討させている」
(再発防止策について)「基本は、職員に現金を触らせないことだ」

<望月圭二総務部長>
「事件は職員が逮捕された3日午後、報道陣から初めて聞いた」

<沼津財務事務所の監査に加わった公認会計士>
「監査は事務局が作った手続きに基づいて行なわれ、4人のチーム(3人は県職員やOB)の責任者は県職員だった」
「監査は97年〜01年の支出についてが中心。通帳や現金については県職員が調べた」

<県議>
「外部監査の意味がない。県のただのガス抜きだ」
「(県は)自助努力をしないで謝っているだけではないか」
「臭いものにふたをする事なかれ主義。みなさんが(裏金が)ないと言っても県民はあると思っている」

複数紙。(3月7日)

2003.3.7

読売新聞において「裏金続々」として3日連続(上・中・下)で、一連の事件の背景を考察

読売新聞 3月7日〜9日

共産党県議団が、
沼津財務事務所の裏金を見抜けなかった中山祐次代表監査委員の更迭し、後任に外部の人材を据えることなどを知事に申し入れ。

読売、毎日 3月8日

熱海財務事務所元次長の横領額について594万円の着服で有罪判決があったが、県が既に670万円の返納を(事務所経由で)受けていたことで差額76万円が問題となっていたが、この差額を返還しない方針を県が発表。
「県の調査では、(着服の額は)670万円。差額を返す考えはない」(総務部長)

読売新聞 3月8日

2003.3.10

知事臨時記者会見において、知事は、来年度、県の全部所を対象に再調査を行なうことを発表。
また、4財務事務所(富士、藤枝、磐田、浜松)に対する調査は、山村善敬財務総室長ら4人の調査班を設け、プール金が捻出されたとされる平成7、8年ごろまでの関係者に対し「聞き取り調査を中心」に進め、月末をめどにまとめる方針。

<石川嘉延知事>
「預け金問題(96年度)が発覚した後、本庁と静岡市内の出先機関を調査したにもかかわらず今回のプール金事件がおきた。96年度時点で確認できなかったことを反省し、全ての会計について調べる必要があると判断した」
プール金が存在したかどうかの確認をはじめ、どのように管理され、使われたのか、どのように捻出されたのかに至るまで「職員、OBの良心に訴えて、確認していくしかない」

複数紙。(3月11日)

2003.3.11

知事定例記者会見において、知事は中山代表監査委員の責任を追及しないことや、監査のアウトソーシング(外部委託)の考えを表明。

<石川嘉延知事>
3月7日の共産党県議団の更迭要求について「共産党の考えとして承った」とし、「辞めてもらうには法律上の要件が備わっていなければいけないが、それに該当しているとは思わない。さらに議会の同意も必要なので、私が個人的にできることではない」「監査は一人でやったわけではない」「監査委員は独立性を保つ仕掛けになっている。そういう制度であることを踏まえた上で、この問題を考えなければならない」と受け入れない方針を表明。
「(監査の)実務を行なう職員を、県庁職員が人事ローテーションの中で務めるので、仲間意識を払拭できない」「事務局員のアウトソーシングで対応したい」

複数紙。(3月12日)

2003.3.14

NHKが「しずおか2003」で「見逃されてきた裏金〜検証・プール金事件」を放映

 この中で、事務所側の聞き取り調査について、「聞き取りに際して万全がきされたか」との記者の質問に対し小沢猛・沼津財務事務所次長は、
「本人に対して直接聞いたわけですから、向こうが答えるつもりがあれば答えてくれたはずなんですよ。ただ、その答えはうちのほうでは無いという答えしかなかったものですから。否定をされてその否定を崩すようなものがあるわけじゃないもんですからね。」
「有って聞くような話は別でしょうけど、別になんにも無くてどうですかというからって、相手が無いと言われて、そんなことはないじゃないですかと聞くふうな、こと、聞き方はできないと思います。」
一方、電話調査を受けた側の職員は、「厳しく聞かれなかったので裏金があったことについては答えなかった」とNHKの取材に答えた。

 また、自ら裏金の調査を行ない着服の事実を掴み監査委員に報告するとともに元次長に自首を勧めた熱海財務事務所の上野忠司所長は、「明らかにする最後のチャンスという捉え方で今回は取り組んできてます」「平成7年度、8年度、あそこできれいになっていなければならなかったわけですから、それがここまで延びたと、で、仮にここで私が沈黙を守ったとしても、また、いずれ何かが起きるということですから、やっぱりそういう意味で最後のチャンス」とインタビューに答え、調査への取り組み姿勢の違いを見せた。

 今回の事態をどう受けとめ今後どう対処しようとしているのかについてNHKが石川知事にこの番組への出演・インタビューを申し込んだところ知事は応じず、1枚の回答書で、出演については日程の調整がつかない、インタビューについてはこれまで県議会・委員会・記者会見の場をつうじて県民にお詫びと考えを伝えているので見送ったと説明。

NHK 19時30分〜20時

2003.3.17

沼津財務事務所の裏金の横領容疑で逮捕された静岡財務事務所次長を4月1日付けで静岡財務事務所参事とする人事異動を内示。

<望月圭二総務部長>
「主要ポストが途中で欠員にならないように(参事に)横滑りさせ、後任を当てはめた。不起訴処分や無罪になった場合には、そのまま仕事をしてもらう」

読売新聞 3月18日

2003.3.20

静岡地検が沼津財務事務所の公金横領事件で逮捕中の両容疑者を業務上横領の罪で静岡地裁に起訴。

地検によると横領した金は、
W.S.被告が飲食費やゴルフ会員権の年会費に、
S.M.被告が自宅の改装費や飲食費などに、
それぞれ使ったとしている。

複数紙。(3月21日)

2003.3.25

読売新聞において、事件の責任を取って3月に辞職する上野忠司所長のインタビュー記事(進退・内部調査・今後)を掲載。(取材は3月10日午後のもの)

「調査には限界がある」という県に対し、「懸命に事実を確かめようとすればできる」と発言。

読売新聞 3月26日

知事定例記者会見において、知事は、3月末までに終る予定だった裏金の見つかっていない富士、藤枝、磐田、浜松の4財務事務所の調査について、「3月末までに7割に達すれば最善」として、調査終了が「4月のできるだけ早い時期」にずれ込む見通しを発表。
 また、現時点の調査状況については、「詳細を把握していない」などと述べたという。

複数紙。(3月26日)

2003.3.26

静岡財務事務所の公金横領事件を受けて実施された特別監査が「ずさんな監査」だったとして、情報公開を求める県民の会(オンブズパーソン静岡、加藤昌代表)は、石川嘉延知事と中山祐次代表監査委員に対し、特別監査に使った公認会計士への報酬や旅費など約1300万円を県に返還するよう求める住民監査請求を、県監査委員に提出した。

県監査委員が中山祐次代表監査委員を監査する形になる中、監査委員事務局は「中身をよく検討して、請求を受理するか判断したい」とした。(翌27日受理し、今後、審議を行なうこととなった)

複数紙。(3月27日)

2003.3.27

27日発表の「第7回全国情報公開度ランキング」(全国市民オンブズマン連絡会議)において静岡県は47都道府県中44位の総合順位となった。
監査書類の公開度では、本県のみ出張復命書や質疑内容の公文書が不作成であったため、全国ワースト1となった。

ランキングの「まとめ」では、山形県以下の5県(山形県、福岡県、静岡県、奈良県、長崎県)について、「県庁組織全体が情報公開に消極的だ」と指摘した。

<総務部長コメント>
 「限られた特定の項目についての評価で、必ずしも情報公開制度全体を反映したものではない」「改善すべき点があれば改善し、積極的に情報公開に取り組みたい」

<県オンブズマンネットワーク・服部代表幹事>
 「開示する制度があるだけで、中身が無いということがはっきりした」「監査が役割を果たしていない。プール金横領で行なった財務事務所への監査のいいかげんさが裏付けられた」
 また、一連の財務事務所裏金事件について、96年当時の経緯に触れ、「石川嘉延知事の認識の甘さが今回の事件につながった。政治責任が厳しく問われていい」とした。

複数紙。(3月28日)

2003.4.14

知事定例会見において、裏金の見つかっていなかった富士、藤枝、磐田、浜松の4財務事務所の県調査(県監査委員は無関係)の結果を発表。

その結果、4財務事務所全てに裏金があり、その合計額は平成8年度末で967万6千円、平成14年度末で(事務所の金庫や戸棚に現金で)430万6千円あったことが新たに明らかになった。
うち、304万7千円が使途不明につきOB職員を含め関係職員により県に返還するとのこと。
なお、県は「証拠書類がなく絶対ではないが、横領が疑われるケースはなかった」とコメント。

これにより、県監査委員が行なった特別監査の調査報告が、事実上、虚偽報告であったことになった。

<今回の調査結果の詳細>
(単位:千円)
平成8年度末残
平成14年度末残
使途確認額
使途不明額

富士

2,803

134

1,263

1,406

藤枝

1,199

209

451

539

磐田

1,880

1,269

71

540

浜松

3,794

2,694

538

562

4所計

9,676

4,306

2,323

3,047

<石川嘉延知事コメント>
「まことに遺憾なことであり、県民の皆様に重ねて深くお詫びを申し上げます」「いつ不正が行なわれてもおかしくないと言う観点から、監察の体制の強化を図らなければならないと、痛感をしております」

<橋本嘉一総務部長コメント>
「本庁出先機関の全部を対象に、今回の調査と基本的に同一の調査を、職員総室に特別調査班を設置し、4月下旬から10月末までの約半年間実施する」(幹部の処分について)「全庁調査が終わり全てが明らかになった段階で県として総括したい」

TV各社報道(4月14〜15日)
複数紙。(4月15日)

2003.4.21

県は、本庁と出先機関計131か所を対象に裏金調査を行なうため、職員13人体制の特別班(班長は神尾好行・財務管理室長)を設置した。
今年10月をめどに結果をまとめる予定。

調査内容は、平成8年度末と14年度末時点のプール金の額、管理方法、使途、使途不明額などで、手法は、調査に協力すれば免責という条件で職員・元職員を聞き取り調査する。

読売、静岡新聞 4月22日

2003.5.1

県が3月に実施した4財務事務所の裏金調査の実態の一部が読売新聞社の情報公開請求で判明。

@ 調査は平成7年度〜14年度に総務課長か総務係長を務めた職員・元職員ら計36人に対し、「過去についた嘘は不問」を条件に実施。

A 面談の内容(やりとり)を記録した文書は「担当者の私的メモ」(県財務管理室)であるとして非公開。(公文書としては不存在)

この件について、全庁調査の班長でもある神尾好行・財務管理室長は「前任者からいくら引き継いで、後任にいくら渡したか、使途について記憶を頼りに語ってもらった。しかし、内容にあいまいな部分もあるので、公文書として記録すべき性質のものではない」とした。

B 裏金口座の元帳の提示を受けたがコピーは取らなかったため、裏金の残高を裏付ける資料は手元にない。(公文書として不存在)

C 裏金の詳細(一部抜粋)
(単位:円)
平成9年度当初
費消額
平成9年度末残
管理方法

富士

2,802,510

1,298,621

1,503,889

預金

藤枝

1,199,440

193,341

1,006,099

現金・預金

磐田

1,879,820

195,580

1,684,240

預金

浜松

3,794,000

不明

不明

現金
4所計

9,675,770

 

 

 

読売新聞 5月1日

(@について、
免責条件は、過去の処分者との不均衡を別とすれば一応手法として評価するが、全庁調査もそうであるが調査対象が限定されていては過ちの繰り返しとなるだけである。
かつて食糧費の預かり金が問題になった時も預かり金だけを調べ他は調査すらしなかった。
今回も県側が直接管理するプール金だけを対象として聞くとしており、需用費の業者預け金(通帳管理分)などは対象としていない。
本当にウミを出し切るつもりならば不正な公金処理の全部を対象にすべきであろう。
さもないと今回同様、「当時の調査対象でなかった」という言い訳を許すことになってしまう。
Aについて、
公務として調査を行なった、その記録が私文書であるわけがない。隠蔽の姿勢が監査委員だけの特別なものではなかったことが明らかになった。
Bについて、
証拠のコピーを取らないなどということは、そこに明らかになっては不都合な事実が記載されていない限り考えられない。まして税務調査を所管するところでこんなお粗末な言い訳は見苦しい。
Cについて、
平成8年度末(9年度当初)の額が丸まりすぎているのは不自然。既に判明していた4事務所の残高平均が約800万円なのに対して県調査の4事務所の平均はわずか250万弱というのもあまりに不自然。それを払拭するための情報も非公開で隠蔽してはもはや信頼性のかけらもない。これで富国有徳とは聞いて呆れる。)(5/1)

2003.5.20

沼津財務裏金横領(業務上横領)事件初公判

<公訴事実>
 平成11年3月31日、事務所諸経費に当てる目的で駿河銀行本店営業部に総務課会(係長T.O)名義の口座に残っていた裏金7,666,110円のうち、760万円をS.MがT.Oに命じ下ろさせた。
 さらに、このうち、100万円を同日駿河銀行沼津セントラル支店のW.S名義の口座に、490万円を清水銀行三保支店のS.M名義の口座に(大原をして)振り込ませ、残り150万円は事務所雑費としてT.Oが保管したが、4月6日にはさらにT.O保管の中から140万円を静岡銀行清水支店のS.M名義の口座に振り込ませ横領した。

W.S被告(無職、元沼津財務事務所次長)  100万円横領

S.M被告(県職員、元沼津財務事務所総務課長)  630万円横領

<詳細>
 平成11年3月、S.Mは、同年4月に係長T.Oが異動するに当って残金が7,666,110円もあることの報告を受け、いつまでも残しておくのは適当ではないと考え、早く片付けなければと思ったが、一人で使うのは躊躇した。
 そこで、同じく4月に異動の決まっていた次長のW.Sに、異動先の雑費として自由に使ってもらおうと話を持ちかけた。
 W.Sは最初はためらいがあったが、下田財務事務所で職員との懇親会費として使うなら大きな問題にはならないだろうと、受け取りを了承した。
 また、S.MはT.Oにも個人的に使ってもらおうとして拒否されたが、T.Oは事務所雑費として後任係長に引き継ぐことを前提に150万円を一時預かることは了承した。
 平成11年3月31日、S.Mの命によりT.Oは、駿河銀行沼津駅北支店に於いて総務課会の通帳の解約をしようとしたが、この支店では500万円以上の口座の解約はできないと言われ、760万円を現金で引き出した。次に、S.Mの指示どおりに、そのうちの100万円を駿河銀行沼津セントラル支店のW.S名義の口座に、490万円を清水銀行三保支店のS.M名義の口座にそれぞれ振込み、S.Mに現金で渡すための20万円を引いた残りの150万円(事務所雑費用)を一時的にT.O個人名義口座で管理しておこうとし、ATMから振り込もうとしたが149万円までは振り込めたが1枚は機械が受け付けてくれず、やむおえず現金で保管した。
 帰庁後、T.Oは、現金20万円をS.Mに引き渡した際、総務課会口座残金66,110円を雑費に使うことで了解を得て4月5日、口座を解約した。
 4月6日、T.Oから引継ぎ雑費の処理について聞かれ、S.Mは雑費を自分が直接(後任係長の)Mに引き継ぐとして、T.Oに預けてあった150万円のうち、まだ支払っていない雑費に当てる10万円を除いた140万円を静岡銀行清水支店のS.M名義の口座に振り込ませた。

<使途について>
 W.Sは10年10月1日職員の結婚式の祝儀用に5万円引き出し、11月25日にはゴルフの年会費として使っい、平成12年5月までにほぼ全額を職員との飲食に使った。
 S.Mは4月3日に清水銀行の口座の中から30万円を引き出した。
 4月6日には、事務所雑費として使うようにとT.Oの後任係長のMに雑費用として作らせた静岡銀行の同個人名義の口座に200万円を、手持ちの現金30万のうちの15万円と清水銀行のS.M名義の口座から引き出した185万円で、振り込んだ。
 その後、S.Mは、清水銀行の方の残金275万円と手持ちの現金15万円を140万円の横領金のある静岡銀行清水支店の口座にまとめた(430万円)後、不定期に引き出し、11年9月までにほぼ全額を費消した。

<県への横領金返還状況>
W.S:平成15年5月12日、100万円に年5%の遅延損害金をつけて計1,205,890円を県に返した。

S.M:平成15年5月7日、307万2千円(個人的使用が明確な分)に遅延損害金をつけて計3,678,688円を県に返還した。

<W.S関係供述>
 下田財務事務所職員の供述として「下田にも雑費というものがあって住宅の修理その他必要経費に使っていた。W.Sから雑費として金を受け取ったことはない」
 W.Sの妻の供述として「(本人が)自分も100万円を受け取った。事務所の職員らとの飲食に使ったので特に問題にはならないだろうと言っていた」

W.S本人供述
昭和61年沼津財務事務所で庶務係長を1年間経験したが、その際、既に、プール金は前任者からの引継ぎ事項として存在した。
平成11年3月当時、S.Mさんからプール金をいくらか使ってくれないかと誘いがあったが、当初はそういうお金を使うことに抵抗があったので断った。
金額の話は聞いていなかったので10数万円くらいのものと思っていた。
 100万円の使途はいろいろな会議の後の懇親会が一番多い、その他職員の結婚式の祝儀や職員の不祝儀として支出した。
 ゴルフの年会費として使ったことについては、その前日自分の口座から3万円下ろし、これに当てるつもりだったがこれを懇親会に使ったので裏金の方から(相殺でも良いじゃないかと思い)会費を払った。
(検察:懇親会・飲食代に使うのなら良いと思っていたのか?)
実際は平成8年度に禁止されているのでそうすべきではないが、自分なりに公用ということで判断した。
(検察:取調べの時も言ったことだが、公金で職員が飲み食いするということが許されると思っているのか?)
‥‥ 許されないと思います。
(裁判長:自分の飲食等に使うことは許されないことはわかっていたけれど許されると思ったというのは矛盾しているが?)
‥‥‥(沈黙)
(裁判長:違法だということはわかっていたのか。)
はい。
(裁判長:違法だけれども許されると思ったその理由は?)
慣行というような、本当は良くないのですけど‥‥
(裁判長:長年の慣行だから大事にはならないということですか?)
‥‥‥(沈黙)
(裁判長:許されるだろうという意味は罪には問われないだろうということですか?)
道義的な責任はあると思いますけど、財務畑、行政畑できているのでそういう法律の関係はほとんど無知ですので考えが及ばなかった。
(裁判長:許されるだろうというのはどういう意味で言ったのかを聞いているんですが)
‥‥‥(沈黙)
(裁判長:刑事処分を受けるほどのものとは思っていなかったということですか?)
はい、はじめは逮捕ということで仰天しました。

<S.M関係供述>
本人供述
雑費・裏金・プール金というのは多かれ少なかれどこにでもあった。
昭和50年度富士財務に配属時雑費を1〜2度捻出した。
昭和56年度自治研修所総務課主任時代には雑費の管理を任された。
平成7年に県議会で問題になった際、公式にも非公式にも残金をどうこうしろという指示はなかったが、そういう立場の人が集まっては困ったうまく使い切れないかななどと相談した。
平成11年に係長からはじめて残金を聞いてその額の大きさにびっくりした。あっても、数万円から数十万円と思っていた。他の機関の雑費の規模に比べても異常に大きいと思った。
県に返還ということも考えたが、その当時はプール金はないという建前になっていたことなどからできなかった。
(弁護人:このこと(プール金)について誰かに相談したか?)
財務の主幹、財務室の主幹であります財務管理室の担当者にも相談したが10年度末でちょうど人事の時で十分な検討なく明確な回答はなかった。
(弁護人:清水さんに100万円という額の理由は?)
もっと多かったならたぶん受けとってくれないだろうと思ったから。(弁護人:430万円の使途は?)
自宅改装費、職員との飲食費、事務所経費等に使った。
(弁護人:職員同士の飲食費には平成8年以前に組織内で何らかの制約があったか?)
何もない。
(弁護人:430万円でなく307万2千円についてだけ返還した理由は?)
全額返したかったが、弁護人の指示で、とりあえず個人的に使ったことが明確な分だけ返した。
(弁護人:残りについても県から返還要請があったらどうするか?)
返還したい。
(検察:雑費を派手に(事務所経費として)使ったということですがどのように使ったのか?)
一次会で終るところを二次会まで支払ったり、タクシー代を支払ったりした。
(検察:一次会にしろ二次会にしろ職員同士の飲み食いというのは個人的なものでないのか?)
そのとおりです。
(検察:職員みんなで飲み食いしたというのはやったことを正当化する理由にはならないのではないか?)
そのとおりです。

<求刑>
W.S被告:懲役2年
S.M被告:懲役3年

<弁護人最終弁論>
(事件は)平成8年時の県のその場しのぎの対応により現場係長に負担を負わせたことが原因。

静岡地裁における公判傍聴から。
 (筆者の手書きのメモによるため言い回し等の表現は正確ではない部分があります。)(5/26)

 

(注目点1:
 今回の公判で新たな隠蔽疑惑が浮上した。
それは、公判で裏金が主として職員の飲食費として使われてきたことが明らかになったからだ。
 県はこれまで熱海、下田においては裏金の使途としてパソコン購入費、機器の修繕費、研修負担金、所長交際費(祝儀、会費)などをあげ、最近の4事務所の裏金についてもワープロやパソコンといった備品の購入費に当てたとしてきたが、県民に対して職員の飲食費として使われたとの説明は行なっていない。
 要は知っていて隠したのかそれとも本当に知らなかったのかということであるが、既報のとおり、県は裏金調査の聴取記録を職員の個人的メモであり、公文書ではないとして公表しておらず真偽の程は判然としないのである。
 さらに県は裏金調査の結果として、公用、使途不明の2種に区分し使途不明分については職員有志による返還を行なうとともに、「聴取の結果から横領の疑いが生じるような不自然な点はなかった」との説明まで行なったのである。
 仮に聴取の結果から飲食の事実を把握していたのなら、県はそれを今回の被告同様、横領との認識をもっていないということである。さらに、知った上でこれを使途不明として区分していたとしたら虚偽の報告ということになるのである。
 逆に知らなかったとしたらどうだろう。
 この場合は聴取に対して職員が虚偽の回答を行ったということになるのである。
 いずれにしても真相解明が十分でなかったことの証左に他ならない事実であろう。

注目点2:
 上記に関連して、注目すべき点がもう一つある。
 1被告が県に返還した金額は検察が横領したと認定した金額の一部であり、これは弁護人の指示によるもので被告の真意ではないのであるが、これを受けて、県が今後返還を求めるのか、求めるとしたらいくら求めるのかが注目される。
 というのも、県が職員による飲食を公用と見るのか見ないのかに起因するからである。もし前者であれば職員による飲食は横領ではないという認識を示すことになり検察の主張と真っ向から対立することになるし、もし後者であるとしたら返還を求めた上でこれまでの調査とこれからの調査において職員による飲食を横領としなければならないからだ。

注目点3:
 他の注目点としては、財務事務所の裏金が他機関に比べ異常に大きな金額だったという事実及び被告が当時、本庁に対して裏金の処理について相談していたという事実である。
 何ゆえそれほど大きな金額が裏金としてあったか、何のためにどこで使われていたのかは依然として闇の中にあるが、そのなかで、本庁の担当者に相談したとの事実は、相談を受けたものがこれほどのことを上司に報告しないことは考えにくく、本庁も承知の裏金であったと推察でき注目に値する事実である。またこれはNHKの特番で元職員とされる人物が、本庁に相談したがそちらで処理するように言われた、との証言とも符合するものであり、信憑性は高いと思われる。)(5/27)

2003.5.26

「週刊ダイヤモンド」で今回の裏金問題を特集。県庁の隠蔽体質を指摘。

週刊ダイヤモンド 5/31号

2003.5.27

県は20日の公判で横領の事実を認めた元沼津財務事務所総務課長(現・静岡財務事務所参事)を懲戒免職処分とした。

TV各社報道(5月27日)
複数紙。(5月28日)

2003.5.28

業務上横領の罪に問われた沼津財務事務所元総務課長と元次長に判決。

元次長:懲役1年6月、執行猶予3年
元総務課長:懲役2年6月、執行猶予4年

<裁判長>
「幹部職員として、とりわけ誠実な職務執行が期待される立場にもかかわらず、公金を自己の飲食費等に充て、財務行政への信頼を失墜させ、社会に与えた影響も大きい」
「横領金の全額を弁償し、職を失うなど社会的制裁も受けている」

<橋本嘉一県総務部長コメント>
「‥遺憾で‥‥信頼回復に向け、綱紀粛正‥‥」などと型どおりのコメント。

TV各社報道(5月28日)
複数紙。(5月29日)

(注目点2に記した返還金について進展があった。
20日の公判後、残りの横領金を全額県に返還し、県はそれを受領したということである。
「公金はどのような形であっても、県の管理下にあるもの。保持する者が私的な意思を明確に持っていない限り、横領との判定は困難」(中山祐次県代表監査委員)との認識の下、元係長の50万円持ち出しの際も問題なしとした県にしてみれば、公的に使ったものならば返還を要しないことは明らかである。
すなわち、公的と主張しても飲食に使ったのであれば返還すべきという判断を下したということになる。
したがって、これまで「公的支出であることが確認された金額」としていたものの中に飲食が含まれていないのかが問題となるのだが、恐らくこの詳細は県にとっては明らかになると不都合なものなので「私的メモ」として公開されないと思われる。)

2003.6.23

「週刊ダイヤモンド」で今回の裏金問題の続編特集。裏金を明らかにした職員が自ら職を辞す一方で、裏金隠蔽に加担した職員が続々昇格する異常さを指摘。

週刊ダイヤモンド 6/28号

2003.7.4

島田土木事務所と県立大学短大部が100万円以上の切手・印紙類を保管し、昨年8月の出納局の検査で改善指導を受けていた事実が、県議会総務委員会で判明。

平成13年度から平成14年度への繰越額は、
島田土木事務所  約124万円
県立大学短大部  約100万円
指導の結果、15年度への繰越額は大幅に減ったとのこと。

<県議>
「事件発覚後も、多額の切手類が保管されていたとは驚きだ」「職員の反省が足りないのではないか」

読売新聞 7月5日

2003.9.5

本庁・出先131ヵ所を対象にした調査の結果、平成14年度末時点で合わせて9,000万円以上の裏金があったことが判明した。
これには平成8年度預け金監査の対象となった本庁も含まれていた。
また、平成9年度以降、1,000万円以上が使途不明となっているが、県は「私的流用は確認できなかった」としている。

毎日新聞 9月6日

県の公式発表は翌日が休みで、かつ、国体ニュースに埋もれるということで9月12日の金曜日だという噂だったが、これは毎日新聞のスクープか?

2003.9.11

県、県教育委員会がプール金調査結果を発表。

裏金の総額(財務事務所分含む)は平成9年3月末時点で2億5,300万円に上り、うち使途不明額は約5,200万円にもなることが判明した。
多くはカラ出張で捻出され、銀行口座や職場の金庫、引出しの中などに保管されていた。使途は備品の購入や公用車の修繕費、外部との飲食など、中には職員同士の飲食に使われていたケースもあったことがわかったが、県は「私的流用は確認できなかった」と結論づけた。

<石川嘉延知事コメント>
 過去の調査について、「96年に徹底して調査したつもりだったが、別の形態でプールしていたことが調査から漏れていた」「職員は悪いことをしないという発想が前提で、至らなかった」などと弁解。
 「処分しないという前提で調査したからこそ、ここまでわかったが、そんなことを言わなくても申し出てくれれば良かったとの恨みはある」と隠蔽職員を非難。「しかし、これはある意味では人間の本性」とも。
 原因について、「これくらいならいいかという役所の古い慣習と、硬直的な予算会計が大きな原因」「カルチャーみたいなものがあった」などと述べた。
 これ以上は出ないかとの質問に、「調査した限り、全部、摘出したと考えている」と答えた。

TV各社報道(9月11日)
複数紙。(9月12日)

(終結を宣言する前に、職員を派遣し県費を投入してる外郭財団法人を調査しないのはなぜ?
また、今回とは別の形態だったら出てくる可能性はあるということか?)

県と県教育委員会が再発防止策を発表。

@ 内部監察組織の設置
 財務の執行や職員服務をチェックし、組織の自浄機能を強化。

A 内部通報制度の新設
 内部監察組織内に通報窓口を設置。
 外部にも弁護士の相談窓口を置く。

B 職員倫理の特別研修
 来年度までに全職員に対し法令遵守を啓発。

C 監査業務の外部委託
 監査の外部委託割合を増やす。

同上。

(@について、
 むしろ隠蔽体質を強化する監視機関。退職者が裏金を自宅に持ち去っていても「保管」などというモラルで自浄とは笑止。
Aについて、
 これまででも告発は可能だったがなぜ為されなかったのかを考えれば明らか。組織ぐるみの不正は通報しても逆につぶされるのは目に見えている。個人レベルの足の引っ張り合いに利用されるのが落ち。
Bについて、
 全職員対象の知事と語る会やNPM研修と同じでやったという実績だけが目的で、全く意味なし。県民サービス等通常業務の障害となるだけでなく旅費の無駄づかい。
Cについて、
 Aについても言えることであるが、「県が選任した」外部の人間に何の意味があるのか?空港がらみで登場する弁護士などの専門家を見れば一目瞭然。)

2003.9.12

県庁の裏金の一部は、職員が自宅に持ち帰り保管していたことが新たに判明した。

前日の記者会見で県は、「裏金は専用の預金口座か現金で保管し、現金の場合は職場の引出しやロッカーにしまっていた」と説明したが、実際は裏金の一部が自宅に持ち去られ「保管」されていたことが判明。

<県コメント>
 「聞き取り調査の結果、個人的な使い込みはないと判断した」
 「個人的な使い込みがなかったので、あえて言う必要はないと判断した」
 「事実だが、保管をしていただけなので横領にはあたらない」   「刑事告発も考えていない」

NHK報道(9月12日)
複数紙。(9月13日)

2003.9.16

自宅で保管されていた裏金のうち約870万円は退職者によって現金で自宅に「保管」されていたことなどが新たに判明。

判明した個人保管状況は下表のとおり

プール金「個人保管」分一覧

所属名
金額(円)
保管者
保管場所

防災局

250,000

職員A

自宅(現金)

東京事務所

8,028,955

職員B

不特定(現金)

県立大短期大学部

1,543,980

職員C

不特定(現金)

東部健康福祉センター

1,400,000

職員D

不特定(現金)

農山村整備総室

273,000

退職者E

自宅(現金)

西部農林事務所

8,360,000

退職者F

自宅(現金)

5,000,000

職員G

自宅(現金)

建設政策総室

100,000

退職者H

自宅(現金)

200,000

職員I

不特定(現金)

200,000

職員J

不特定(現金)

道路総室

1,130,292

職員K

個人口座

都市整備総室

1,070,579

職員L

個人口座

小計

27,556,806

12人

 

県教委福利課

2,390,000

職員

自宅(現金)

29,946,806

13人

 

また、上表とは別に、文化振興総室に所属していた職員がプール金を職員親睦会の口座に繰り入れていた事実も判明した。

<県・県教委コメント>
 「個人的な流用が疑われる事実はなかった」

 自宅保管の理由を、
  「裏金の存在を言い出せなかった」
  「所属した部署がなくなった」
  「後任に引き継ぎを拒否された」
  「プール金を後任に引き継ぐことはできないと判断し、自宅で保管することにした」
 などと説明。

 退職者がプール金を保管していたことについて、
  「調査に元職員は『返すつもりだった』と答えており、横領にはあたらない」
  「本来あってはならないプール金の管理に困って退職後も自宅で保管していたと聞いている。現金で保管していたため確証はないが、横領にあたる事実はなかったと信じている」

TV各社報道(9月16日)
複数紙。(9月17日)

いくら免責といっても程というものがあろう。
下表は天国と地獄の分かれ目の実例として対比したものである。
退職者の当時の役職は不明だが年齢と総務在籍者ということから考えれば恐らく管理職と思われる。責任は重大である。
裏金保管状況
熱海財務元次長
西部農林F

判明時の役職

現職(別事務所)
退職者

個人保管額

5、946,017円
8,360,000円

保管状況

自宅(現金)
自宅(現金)

個人的な流用

なし
なし

昨年の監査時の対応

平成14年7月に自首
だんまり

県の処分

懲戒免職
なし

退職金

なし
あり

司法処分

懲役1年6か月執行猶予3年
なし

県への返納額

670万円
836万円
これ以外にも、裏金を自ら公にした管理職は処分されたり早期退職の一方でだんまりを決め込んだ職員は続々昇格していることは既に紹介ずみである。
「正直者が馬鹿を見る」、これが今の静岡県の有り様か?

疑問は、東部健康福祉センター。
今年2月18日の読売新聞によれば平成12年4月に「雑費(裏金)がないので」熱海から50万円持っていったとされている。
ということは、左表の140万円はすでに事務所が管理していない裏金ということだ。

県は一貫して「プール金(裏金)」を「事務所運営費」と呼称しているが、事務所の支配権の及ばないこのような裏金がなぜ事務所運営費なのか。
わざわざ退職者と職員が10〜20万円づつ分担して現金で個人保管する必要がなぜあるのか。
だいたい退職者に事務所運営費を管理する権限などないではないか、いったいどこの事務所運営費なのか。
県は説明責任を果たすべきである。

 

知事は人づくりをテーマにした講演などで「厳罰」を口にするそうであるが、自分に甘く他人に厳しくということであることが明確にされた。もはや彼に教育を語る資格はない。

2003.9.18

記者会見で知事は、退職者が裏金を自宅で保管していたことについて「やむを得なかった」と理解を示し、処分や刑事告発をしない方針を明らかにした。

<石川嘉延知事コメント>
「後任者に引き継ぎを拒否されたり、県に返す機会を失っていたと聞いている」(=やむを得ない事情)
「持ち帰っていたのはやむを得ない事情によるもので、横領の意思はなかったと思う」
「後任者に引き継ぎを拒否されるなど仕方ない事情があった。チャンスがあれば返そうと思っていたようだ
「調査で自主的に申告があったから横領でないと判断した」
「(県としては)刑事告発や処分は考えていない」
熱海の横領事例との相違について、「(本人が)申告した内容で(横領か否かを)判断した」「あとは司直の判断にゆだねるしかない」

調査結果を公表した11日の会見で、裏金の持ち帰りなどの事実に一切触れなかったことについて、「前任者との引継ぎ額も適合しており、あえて触れることはないと思った」「隠蔽する意図はなかった」

TV各社報道(9月18日)
複数紙。(9月19日)

(「やむを得ない事情」を拒否事例「など」とごまかさず各事案を個別に評価すべきではないのか。もっとも拒否されても県に返納すれば良いだけのことでやむを得ない事情といい得るか疑問である。

罪一統を許すというチャンスがなかったら返さなかったということならそれは横領ではないのか?今自首すれば免責と言われて、チャンスがあれば自首しようと思ってたんだと自首すれば許されるものなのか?

事実を把握しながら隠蔽する意図がなかったということは、この問題が大した事ではないと思っていたということであり、問題意識の欠如が明らか。)

2つの事務所(北遠県行政センター、西部健康福祉センター)が、昨年の特別監査で裏金の有無を隠した上、年度末の今年3月に残っていた裏金全額を費消していたことなどが明らかになった。

NHK報道(9月19日)
複数紙。(9月19日)

2003.9.19

東部健康福祉センターで生じた裏金の矛盾について、読売新聞が取材。事務所運営費を管理していた担当でも使えない裏金があったことが明らかになり、裏金をめぐる不可思議な実態を浮かび上がらせた。

所属する職場に裏金がありながら、裏金がないからと前任の職場から裏金を持ち込んで使っていたことについて当時の担当職員は「(独自の裏金が)あることは知っていたが、アンタッチャブルだった。自分が在籍した期間(1年間)は、いっさい手をつけていない」と述べた。

読売新聞(9月20日)

2003.9.22

休日の谷間にあたり内閣改造のニュースが駆け巡る中、県と県教委はプール金に関与していた管理職計202人の処分を以下のとおり発表した。

処分内容
県教委

戒告

地方公務員法上の処分

51

19

70

文書訓告

ペナルティーのない処分

100

17

117

文書厳重注意

15

退職管理職員
(処分不可能)

311

 

 

一般職員(免責)

数百人

 

 


<橋本嘉一総務部長のコメント>
 「公金管理に適正を欠いていたことに対する管理・監督の責任を問い、再びこのような事態を引き起こすことの無いよう強く自戒を求めるため懲戒処分等行ないました」と処分理由を説明。

 「我々としてはこの問題について一応の決着といいますか、対応は図ったと考えております」と事実上の終結宣言。

 自宅に裏金を個人保管していたり、個人の口座に入れて保管していた職員を処分しなかったことについて、「(個人保管は)疑義を招く行為だろう。決して好ましい行動ではないだろうと考えている」、しかし「本人に横領の意図がないと認識している」「行政処分としては、あくまでも正直に報告した場合には処分はしないという方針でこの個人保管に関しても当該職員からその職員の報告を聞いてそれで今回の調査結果を出しましたので、そういう点から考えるとこの個人保管した職員についてのみ特別に処分をするということは考えていない」「他の職員と同じ扱いをしたということ」と釈明。

 「事務所運営費が本当にこれ以上あるかないかということについて100%ないと本当に言い切っていいのかあります」「我々としてはこれでほぼ全容が解明したと思っていますが、ただそういう(まだ裏金が出てくる)リスクといいますか、可能性は否定できない」

TV各社報道(9月22日)
複数紙。(9月23日)

(県としてはこれで「おしまい」。
今後は知事発言のとおり「司直の判断に委ね」られた。)

マスコミ各社が行なった情報公開請求で具体的な裏金の使途などが判明した。また、裏金の見つかった76部書中24の部署で、預け金問題が表面化した直後の平成9〜10年度中に全額費消していたことが判明した。

県はこれまで、裏金の使途を「パソコンなどの備品購入や交通事故処理、清掃業務委託など」と説明してきたが、開示された公文書からは「交際費」の項目が目立った。具体的には賀詞交歓会や議長就任パーティー祝儀、行政関係の慶弔費、議員の慶弔費卒業パーティー祝儀など。
他に、残業夜食代、町内会費、果ては海外視察諸経費として29万1,900円などというものもあった。

読売新聞、静岡新聞、産経新聞(9月23日)
朝日新聞(9月24日)

2003.9.25

県議会9月定例会開会

知事は、裏金問題について改めて陳謝した上で、知事が3か月、副知事、出納長、教育長が1か月、給料を半分にする条例案を提出。

(痛くも痒くもない処分とはこういうものを言うのだろう。一般家庭のサラリーマンの半分とは全く意味が違うのだから。)

2003.9.29
〜10.1

県議会(プール金関連)質疑

 (結局、議会の追及は、言葉は踊ったが、成果なしのようです。)

2003.10.6

知事定例記者会見

<抜粋>
記者:「本会議の方でも、知事御自身、ないしは三役、教育長の減給という責任の執り方についてはいかがなものかという御意見もあったようですが、その点はいかがですか。」
知事:「謹んで拝聴いたしました。」
記者:「それを踏まえて改めて何か検討するという話ではないのですか。」
知事:「厳粛に受け止めました。」
記者:「県の出資している関連の団体などの会計処理が適切かどうかという点については調査されるお考えはありますか。」
知事:「今のところは考えていません。」

読売新聞(10月7日)他

( 県出資の関連団体とは、グランシップを管理している財団、防災船やエコパを管理している公社、その他に文化芸術大学、ガンセンターなどのことである。
 これら団体には公金だけでなく、職員までも派遣し、主に総務的事務を所掌している。
 近年、県民一人あたりの職員数を自慢するため、そしてアウトソーシングという大義名分などで、扱う現金は県の一室をはるかに凌ぐものとなっているにもかかわらず、調査は行なわないという。なぜでしょうね。)

2003.10.7

 県議会全常任委員会でプール金問題の集中質疑が行なわれ、企画生活文化委員会では県幹部が「以前は(裏金は)カルチャーとしてあって、なかなか表に出しにくい風潮があった」などと開き直りともとれる答弁をし、物議を醸した。

 総務委員会では、橋本嘉一総務部長がプール金の捻出方法や、プール金を交通事故の示談金として使った事例について「公文書偽造や地方公務員法違反にあたる」との認識を示した。
この他、委員からは「プール金で購入した物品と正規の物品を、各室で調べて明らかにすべき」などの意見が出た。

<質疑>
 森竹治郎県議(自民):自宅でプール金を保管していた熱海財務事務所の次長が業務上横領罪で起訴されたことに触れ、「(今回のケースについて)自宅に持ち帰った段階で業務上横領罪ではないのか」
橋本嘉一総務部長:「熱海の事件の場合は本人が横領の意思があった。今回の調査では横領の意思は確認できなかった」

TV各社報道(10月7日)
複数紙。(10月8日)

( プール金で購入したか否かを一番良く知っているのは業者である。正規のルートなら出納長名義で口座に振り込まれる。そうでないものは‥‥。

 左記の質疑は県の認識の誤りを端的に示したもので注目される。
 県議の質問は一連の事件の公判で横領の既遂時期を個人の口座に入れたり自宅に持ち帰った時点としていることから来ている。一方、判例によれば犯罪成立の主観的要件とされる(横領罪における)「不法領得の意思」とは「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいう」とされ、これは超過的内心傾向ではなく、故意の内容を規定するものと解されている。
 つまり、熱海の事件では、公金を自宅に持ち帰るなどの既遂行為を認識・認容していたから「不法領得の意思」すなわち、故意があったということで有罪とされたのであって、将来どう使う予定だったかということは情状の問題であって犯罪の成否とは関係なかったのである。
 実際、判例では、公文書を持ち出し、隠匿した事案について、「自由に処分しうる状態を設定した」ことを理由に横領罪の成立を肯定しているのである。
 これに対し県の見解は、行為者本人の意思だけで犯罪の成否が分かれるかのような見解であり、殺人犯人が殺意を否定しているので殺人罪が成立しないと言っているようなもので、誤った認識というべきである。)

2003.10.14

市民グループ(県オンブズマンネットワーク)が、県職員ら3人を業務上横領の疑いで静岡地検に告発。

 告発されたのは、平成8年度当時の西部農林事務所の課長(退職者)と係長、平成9年度当時の県教委福利課主幹兼総務係長の3人。

 告発状によれば、平成8年12月頃、西部農林事務所の元課長は、元係長に指示し、836万円を自己の口座に振り込ませ、元総務係長は500万円を自宅に持ち帰り保管した、また、県教委の元係長は、平成10年3月に239万円を自宅に持ち帰り保管したとされる。県オンブズマンネットワークは、これは保管ではなく、業務上横領の疑いがあるとして告発したとしている。

<服部寛一郎・県オンブズマンネットワーク代表幹事>
 告発状の中身は「当事者から直接確認するなどして作成した」
 「特に悪質で事案が明らかになったものについて告発した」

<石川嘉延知事>
 「我々が調査した限りでは横領の意図がなかったので告発しなかった。オンブズマンの人たちは外形的な基準だけで告発したのだろう。あとは司法の判断を待つしかない。」

<橋本嘉一県総務部長>
 「司法当局の今後の動向を注視していきたい」「この件は職員個人が告発されたものですが、県として何らかの対応が必要な場合には顧問弁護士と相談したい」

<地検>
 「早急に捜査して起訴するかどうか判断したい」

TV各社報道(10月14日)
複数紙。(10月15日)

2003.10.16

県議会最終日の16日、県は、これまで無いとしてきたプール金の預金通帳(一部)を県議会に提出し公開した。
 これについて県は、NHKの取材に対し、これまで無いとしてきたのは、「預金通帳そのものは存在しているのだが、通帳のコピーはないのかと聞かれたので、コピーはありませんと回答した」との言い訳。

また、読売新聞社の「職員、元職員からの聞き取り調査の内容や、預金通帳、元帳のコピーを含む、裏金調査に関する一切の資料」を、との県に対する情報公開請求に対しても預金通帳を公開しなかったことについて、「(総務部の)特別調査班が所有する文書は公開した。(今回の通帳コピーは)所管部が持っている資料で、公開の対象外だ」(橋本嘉一総務部長)などと抗弁した。
このことに対しコメントを求められた情報公開先進地の宮城県の市民オンブズマン事務局長は「情報公開のあり方としては問題外で、誠実さに欠ける」とした。

NHK(10月16日)
読売新聞(10月17日)

(第1回46位、第2回失格、第3回失格、第4回失格、第5回38位、第6回23位、第7回44位、これは全国市民オンブズマン連絡会議による47都道府県の情報公開度ランキングである。項目を定めた外形的な部分での評価でさえ低位の情報公開度であるが、それ以上に情報公開制度の意義の理解や運用意識のレベルの低さをこれほど如実に表した言い訳はない。)

県議会9月定例会が、「公務員倫理の徹底と信頼の回復に関する決議」を全会一致で可決し閉会。真相究明を求める県民の声に、追求は期待したほどの成果は得られず終った。

決議を受け知事は幹部職員を集め「県民の信頼回復に向けた指導徹底は、幹部職員の責務」「緊張感を欠いた日常の対応が不正、不公正な業務処理につながっている」「公務員の原点に立ち返り、組織を挙げて県民の信頼回復に努めることが重要」などと訓辞を行なった。

TV各社報道(10月16日)
複数紙。(10月17日)

(学事文書課長、財政課長、県教委次長、総務部長と県職員として歴任してきた知事の言葉としては、あまりに他人事すぎる言い様ではないのか。信頼回復の指導徹底をするはずの幹部までもが情報公開に無理解・消極では何をかいわん。

2003.10.18

SBS土曜スコープ(17:00)で裏金問題を特集。

SBS静岡放送(10月18日)

(平成8年の預かり金から今日までを総括、新事実は無いが、自宅持ち帰りOB職員がインタビューに答えるなどは注目。)

2003.10.20

「週刊ダイヤモンド」で裏金問題などを「県庁 反省の色なし」として続編特集。

週刊ダイヤモンド 10/25号(10/20発売)

2003.10.24

県民5人が、裏金を自宅に持ち帰っていた職員など13人を氏名不詳のまま業務上横領の疑いで静岡地検に告発。

TV各社報道(10月24日)
複数紙。(10月25日)

2003.10.26

個人保管されていた裏金のうち口座で管理されていたものについて個人的費消がないことを、県はこれまで「保管口座の元帳で確認した」としていたが、朝日新聞社がこの元帳の公開を請求したところ、元帳もコピーも「保有していない」として開示請求を退けた。

<県総務室コメント>
 「職員が金融機関から取り寄せ、持参した元帳を調査班が見て、事務所運営費(裏金)の存在や金額を確認した。これで調査目的を達成したことになるので、元帳のコピーもとらなかった。今は元帳もコピーも手元に無いので開示できない」

朝日新聞(10月27日)

(調査の「常識」として、コピーも取らずに、いわば証拠となるもの無しに結論だけを復命・決裁することはありえないのではないか。どのような経歴の職員が調査にあたったのか分らないが、素人の誹りは免れない。)

2003.10.27

朝日新聞の取材に対し、個人保管で告発を受けた元職員は、「通帳を持っていなかったので、銀行から元帳のコピーを取り寄せ、それを県庁に持参した」「調査班に見せ、その場で提出した」「口座の入出金は一切無かった」と証言。県の説明との食い違いが明らかになった。

<県総務室コメント>
 「無いものは無い。内部調査は科学ではないので、結果がいわゆる真実かどうかは分らない。元帳の有無の再確認も必要ない。」

朝日新聞(10月28日)

(元職員の証言どおり「口座の入出金は一切無かった」のなら公開した方が本人にとっても県にとっても良いはずであるが、あえてそうしなかったということは、これ以外の類似のケースで公開しては不都合なものがあったのではないか、との疑念を抱かせる。)

2003.10.29

地検が、24日に提出された県職員ら13人に対する告発状を受理。

読売新聞、静岡新聞(10月30日)

2003.10.30

読売新聞、毎日新聞の情報公開請求に対し、職場の親睦会の口座を利用して裏金を管理していた9部署の通帳のコピーを一転、公開したものの、個人口座に入れていたケースについては「私文書」であるとして依然非開示。
これらコピーは県がこれまで「(公文書としては)存在しない」としてきたものであるが、9月県議会にその一部が提出されるなどして存在が判明し、「一切の関連資料」を請求してきた同紙の批判を受けて一転、公開へと方針転換した。

<県・情報公開室長>
 方針転換について、「親睦会の通帳そのものは個人管理の『私文書』だが、所属部署で管理しており記載内容には公金も含まれる。(一冊の通帳には)私的な要素と公的な要素が混在しているが、公文書扱いとした」
 個人名義口座で管理していたもを非開示とした理由について、
「個人通帳で管理していたと(県が)認定している以上は、通帳は『私文書』」

読売新聞(10月31日)
毎日新聞(11月1日)

(中身は個人保管であっても「公金」(事務所運営費)なのに、その通帳は「私文書」で公開できない?
 このような言い訳が本県の情報公開制度においては通用するというのだから驚きだ。)

2003.10.31

読売新聞、毎日新聞の情報公開請求に対し、わずか7部署分の請求書、納品書、領収書などの公文書を公開。
これによって、公的使途が確認されたとしていたものにもかかわらず書証の無いケースや、手書きのメモを根拠としていたケースが明らかになった。

 県はこれまで、「どういうものに使われたか確かな証拠があるもの、あるいは購入したものが確認された等、確認できたもの」を使途判明分とし、「確たる、これに使ったということを証明できないもの」を使途不明分と説明してきた。
 しかし公開された一部の部署にあってさえ、例えば、43万円を公的に使ったとされた事務所で5万円の会議用テーブルの領収書だけしかなかったケース、また、11万7千円のうち領収書があったのはアルバイト代7千円と会議の飲み物代5,355円だけだったケースなど、書証の不足のケースがあった他、学会負担金15000円を手書きのメモ1枚で認定していたケースなど、調査における公的使途確認額の信頼性を疑わせる事実が判明した。

<県・総務室長>
  裏付け文書の乏しさについて、「(非公開の)個人の名前で領収書を所有していたケースなども調査班は確認し、金額をメモしてある。購入した物品の現物なども見て確認しており、調査に問題はない」

<県・情報公開室>
 毎日新聞の「調査に関する一切の公文書」という請求に公開せず、一転今回開示したことについて、「今回は請求内容が通帳や領収書などと特定しており公開することにした」

読売新聞、毎日新聞(11月1日)

(言い訳が見苦しすぎる。なぜ、最初から全部公開しないのか?)

2003.11.11

県議会決算特別委員会が開催され、県は改めて陳謝したが、決算の説明に立った中山祐次県代表監査委員は、昨年の特別監査について「可能な限りの手法で調査を行ない、特別監査は全容解明の端緒となった。実績はあった」などと述べた。

読売新聞、静岡新聞(11月12日)

2003.11.12

読売新聞社が情報開示請求した40部署の裏金口座の通帳又は元帳のコピーについて、県はそのうち31部署については「コピーを取得も保管もしていないため、開示できない」と回答。

県は調査報告書の中で、その使途の確認等については、「預金は銀行の元帳によって確認」したとしていたが、この確認書類であるコピーがないことについて県は、「必要な部分は手書きでメモしている」(県総務室長)と説明。

読売新聞(11月13日)

 (「手書きでメモ」ですか。昨年の情報公開の際の「書類の見落とし」と同じように、万が一新事実が明らかになっても見間違いや写し間違いと言い訳できますからね。
 だから調査の際は必ずコピーを取るのが常識なんですが、やはり「特別」な調査だったということなんでしょう。

 最近は新たな展開も無く落ち着いているようですが、検察が起訴すればまた大騒ぎになるのでしょう。また、不起訴でも検察審査会を請求されてこれまた大騒ぎとなるのでしょう。最初から正直に全部出していれば今ごろは・・・)

2003.11.13

県議会決算特別委員会で、多額の裏金が明らかになった先の全庁調査の班長を務めた財務担当の室長が直前に在籍していた部署でもプール金が発見されたことについて、「以前在籍していた部署にプール金が存在することは担当者から聞いて知っていた。使って早くなくしてしまうという方法もあったが、そのまま使わずにいた」と発言。

この質問にあたった花井委員は「使うより使わない方がよいなどという認識は問題で、県庁の体質だ」「正直に答えた室長一人を責めるつもりはない。プール金があるのを知りながら、監査では明らかにならない県の隠蔽体質を認識してほしい」と県の意識改革を求めた。

また、同委員会で別の委員が全庁調査で預金口座のコピーを取っていなかったことを批判したが、橋本嘉一・県総務部長は、「二人一組で調査にあたった。コピーを取っていないからといって、透明性や妥当性を欠くというのはいかがなものか」と反論。

読売新聞、静岡新聞(11月14日)

(二人一組で調査にあたるのも、写しを取るのも、証拠の保全として「共に」調査の常識なんですがね。)

2003.11.18

朝日新聞社が情報開示請求していた裏金口座の元帳(写し)の未公表分について、県は「保管していない」として非開示とした。
また、調査の裏付けとなる「手書きでメモした」という元帳の多量のデータについて県は、「公文書でない」として公開を拒否した。

朝日新聞側の「口座は裏金と言う公金管理のためのものであり、その口座に関するデータが記された元帳は公文書と考えられる。それをわざわざ返却する必要があったのか」という質問に対し、県総務室は「現職の公務員とはいえ、個人が金融機関から取り寄せた元帳だから、情報公開条例上の公文書ではない。私文書だから名義人に返した」と回答。(注:個人口座管理とされたもの以外でも個人名が付されていれば私文書ということ)

さらに、手書きでメモした元帳の写しの非開示理由については「調査報告書という公文書を作成する前段の、職員が個人的に調査内容を記した私的なもの。やはり、情報公開条例上の公文書でない」と回答した。

朝日新聞(11月14日)

(税金を使って公務上作成された「文書」がどうして私文書なのか?
 ましてや、その「メモ」は個人流用の事実がなかったとする調査報告書の内容の根拠となる唯一の資料であり、職員個人の異動に付随して持ち去られたり廃棄されても良いような「個人メモ」ではない。組織が保管すべき、いや、しなければならない公文書である。見識を疑わざるを得ない。
 情報公開条例施行にあたり懸念していたもの(
石川県政の功罪Part3 4-3静岡県情報公開条例の懸念と期待<公文書の定義>参照)がより醜悪な形で現実となってしまった。残念というよりも情けない限りである。)

2003.11.18

18日までに読売新聞社が情報公開請求資料に基づき入手した請求書等の裏付け資料によって、県が「公的に使ったと確認できた」とした知事部局の約2950万円の内、裏付け資料で確認できるのはわずか4%に当たる約110万円だけだったことなどが判明した。一方の県教委は77%が確認でき、調査の姿勢に差があった。

<金額詳細表は、本ページの冒頭の静岡県プール金総括表中に掲載>

読売新聞(11月19日)

2003.11.19

県・県教委が使途不明として年内返還を決めていた約4900万円の返還計画を幹部会議で決定、副知事名で通知した。
強制力のない「お願い」という形だとしている。

<返還計画詳細は、本ページの冒頭の静岡県プール金総括表中に掲載>

読売新聞、静岡新聞(11月20日)

2003.11.27

県議会決算特別委員会は、県の裏金問題を解明できなかった県監査委員による特別監査費約1300万円を含む昨年度の決算案を賛成多数で認定。

<石橋康弘委員長(自民)>
 「悪しき慣習を引きずっていても前に進めないので、委員会でけじめをつけた。再発したら知事は減給では済まない」

<藤田寛委員(平成21)>
 「時間的な制約で消化不良だったが、(再発防止の取り組みなど)条件付で認定した」

<花井征二委員(共産)>
 「わが党以外はすべて知事与党。批判はできても反対はできない」

読売新聞、朝日新聞(12月28日)

松谷清県議が知事に対し、裏金調査メモなどの公開を求める要望書を提出した。

要望の内容は、@特別調査班が聞き取り調査などで作成したメモを公開すること、A裏金口座の元帳・通帳のコピーなどの有無や位置づけを明らかにすること、B刑事告発された職員・元職員への検察の判断が出る前に調査報告書に関係する客観的な証拠書類を県議会に提出することの3点。

2003.12.8

県議会で裏金問題の県の対応への批判が相次ぐ。

<花井征二県議(共産)>
 「県民の税金であるプール金を個人保管していた職員やOBらは業務上横領であり、県は調査内容の徹底した情報公開をするべきだ」

<松谷清県議(無所属)>
 「県はプール金を個人保管していた職員らの預金通帳の有無すらはっきりさせていない。せめて全庁調査の中で職員らから聞き取った内容を記した個人メモを常任委員会に提出すべきだ」

毎日新聞(12月9日)

2003.12.10

 「裏金口座の通帳コピーは私文書のため情報公開できないが、職員が自宅で保管していた金は公金」と主張する県に県議会常任委員会で吉川彰委員(平成21)が「県民は理解できない」と非難。
 これに対し県は、「事務所運営費(裏金)は出所が県費のため、横領されていても、いなくても公金だ」(橋本嘉一総務部長)と答弁。
 吉川委員は納得せず、「役所も一般の社会常識で考えるべきだ。情報を出さないと、県民は不信感を持つ」と非難。

読売新聞(12月12日)

 県庁に続き県警OBの天下り団体「社団法人県安全運転管理協会」でも計1046万円の裏金が作られ担当者が残額約700万円を退職後も個人保管していたことが判明。

{社団法人県安全運転管理協会」:5台以上の車を持つ県内約1万3千の事業所が会員の団体。年間の総収入は約1億3千万円で、内約5千万円は県からの受託事業収入。

複数紙(12月12日)

(知事がなぜ県の外郭団体の調査をしないと言ったのか、押して知るべし)

2003.12.18

読売新聞が裏金情報公開の矛盾を指摘。

同じ情報公開条例を根拠としながら、昨年、監査委員は熱海財務事務所の裏金口座の元帳コピーを公開したのに対し、今年度に行なった裏金全庁調査で入手した元帳コピーを県は公開しないとしたもの。

<情報公開室長>
 「同じ条例を根拠とする以上、本来は同じ判断が望ましい。ただ、文書の内容によっては、実施機関が個別の判断をした結果、結論が分かれることもあり得る」と釈明。

<岡田安功静大情報学部教授>
 「同じ条例を適用して部署によって判断が異なるのは、公務員の中立性、法治国家の基本からしておかしい」と指摘。
 元帳コピーを「私文書」としていることについても「県条例が定める『職務上取得』『組織的に用いる』という2つの要件に合えばそれは公文書以外の何物でもない。口座の名義人が金融機関から元帳コピーを入手したのは、県庁の内部調査という職務のためだ。プライバシーにかかわる情報には墨を塗れば済む話で、全面非公開はあり得ない」と批判。

読売新聞(12月18日)

2003.12.25

知事定例記者会見で、知事は、管理職やOBなどに協力金という形で求めていた平成9年度以降の裏金使途不明金の返還額の総額が県7111万円、県教委1010万円に達したことを明らかにした。

内訳は

 

県教委

管理職

4,200万円
(361人)
752万円
(418人)

OB

1,552万円
(390人)
188万円
(188人)

一般職員

1,367万円
 

合計(諸経費控除後)

7,111万円
1,010万円

<石川嘉延知事>
 「自発的に協力金を寄せていただいたということは、こういう事態に対して深く反省しているということの表れではないか」

TV各社(12月25日)

(返還総額は、県の自称使途不明額を超え、証拠書類を公表しないにもかかわらず公的使途が確認できたとして返還の必要なしとした額をも賄うほどの額となった。
 だから「返せばそれで終わり」なのか?公開されていない書類の公開はしなくて良いのか?外郭団体の調査はしなくて良いのか?)

2004.3.5

 平成7年度、静岡県警(総務課)で職員の架空(カラ)出張を繰り返すなどの方法により裏金を捻出していたことが、5日(金)午前10時、県警の記者会見で判明した。
 捻出された裏金は940万1千75円、この他に妥当性に欠ける食糧費101万2千177円を不適切な支出と発表したが、備品購入や激励費など公的に費消したと認定した分を除く約350万円に年利5%の利子を加えた約510万円を県に返還するとした。

 今回の裏金発覚のきっかけは、県オンブズマンネットワーク代表幹事服部寛一郎氏(元県議)による平成8年10月に行なわれた平成7年度分県警総務課の旅費と食糧費の支出票の情報公開請求。
 県は同年10月、「開示すると業務に支障が出る」として文書の非開示を決定したことから、訴訟となった。
 平成12年3月、静岡地裁は一部開示を命じる判決を出したが、知事は最高裁までもちこみ、今年1月、最高裁の知事上告不受理を持って一審を支持した高裁判決が確定した。
 今回の県警の会見は、判決確定を受け、この日(3月5日)の午前11時に書類が開示される直前、わずか1時間前の記者会見であった。

<石川嘉延知事>
 「県警も県の財務会計制度と同様の仕組みで運用されており、制度の悪しき運用が及んでいたということではないか」「知事部局の場合は、不適正な運用、会計処理ができない仕組みを作った。県警はどういう手法だったのかを十分解明し、そのようなことが今日までなかったかもチェックする必要がある」
 昨年9月に県警本部長が裏金を否定していたことについて「(部下に)権限を下ろしているから、本部長がそこまで把握していないのはやむを得ない

読売新聞、毎日新聞、TV各社(3月5日)
複数紙(3月6日)

(平成7年度という時期に注目してほしい。県の知事部局では既にこの当時の公文書は5年経過により廃棄されており、県警のケースは裁判で係争中だったため残されていたものである。知事の発言にある「不適正な運用、会計処理ができない仕組み」はこの当時には県の知事部局にもなかったものである。今回の手口である旅費の代理受領者の仕組みは平成8年度まで県の知事部局にもあったのである。実際県警と同様の手口で裏金が作られていたことは既に私自身の経験として本ページの中に記したが、これも県が裏金調査対象とした平成9年度より前の平成8年度のできごとであったため、この事務所では県の調査でも裏金はなかったとなっているのである。
 もしこの当時文書が開示されていたら間違いなく知事部局にも波及していただろうことを考えれば、非開示によって失われたものは510万円どころの話ではない。いまの仕組みのままでは不都合な書類はとりあえず非開示という選択が正解だったということになるのだろう。県議会に期待したいところだが、県職員に併せての旅費日当の廃止の影で、宿泊料と食事料は議長の高額地方相当の支給額に統一するようなお手盛りをしてもらっては、追求も無理だろう。
 いずれにしても、事件のたびにとばっちりを食うのは現場の職員・署員ということか。)

2004.3.8

県議会は8日県警裏金問題について本部長に対する緊急質問を行なったが、新事実は明らかにされなかった。

<主な新聞の見出し>
(読売新聞)県警の不正経理 県議ら「全容解明を」 県民感情と離れた答弁 「組織的泥棒反省がない」オンブズの服部氏が批判

(毎日新聞)本部長に緊急質問 あいまいな答弁に終始 議会に求められる真相究明の努力

(朝日新聞)責任所在は「今後」 「なれ合いの茶番劇」傍聴の服部氏

<服部寛一郎県オンブズマンネットワーク代表幹事>
 「今日の議会はなれ合いの茶番劇に過ぎない。」
 議会側が外部監査の必要性を求めたことについて「百条委員会の設置もせず『外部の風を入れろ』とは。自己機能を否定している。徹底的に調査するという姿勢でやってくれないと。」「県議会は独自の最大の武器である調査権がある。百条委員会を設置し調査すべきだ」
 「県や県警の体質に機会は責任を感じないのか。誰一人謝罪の姿勢がなかったのは残念。こんな議会では県民は警察も議会も信用しない」

複数紙(3月9日)

知事は、中山祐次県代表監査委員の任期途中での退職と、後任として財団法人日本対がん協会専務理事兼事務局長の富永久雄氏を監査委員に選任する追加提案を議会に提出。

中山代表監査委員の辞職理由について知事は「一身上の理由。個人的な内容までは話せない」と答えた。

朝日新聞(3月9日)

(後任が「がん」絡みなのは気になるところではあるが、一つの改善と受け止めたい。後は実務を仕切る監査委員事務局の刷新を期待したい。)

2004.3.9

裏金作りが明らかになった平成7年度の会計書類について、当時、県監査委員が監査を行なっていたにもかかわらず「不正」を見つけられなかったことが判明。

<県監査委員事務局中村博行室長>
 「結果的に不正に気付くことができず、残念」「会計監査の目的は会計処理が手続き上適正かどうかを確認すること。計画的に不正があった今回のような場合、発見は困難だ」

<服部寛一郎県オンブズマンネットワーク代表幹事>
 「監査制度が形骸化している」

読売新聞(3月10日)

(オンブズマンに開示された公文書からでさえ不自然な出張の実態が見て取れるのに、聴取の権限のある監査で発見が困難と言い切るとは見識を疑う。
 知事は元県議による斡旋収賄事件の県責任者だった当時の環境部長が現在浜名湖花博の事実上の責任者となっていることについて「人事は減点主義のみではいけない。人には良い点も悪い点もある。差し引いてプラスであれば積極的に登用すべきだ」と述べたそうである。昨年の杜撰な監査と事実の隠蔽そして今回の見識を見て中村博行「新」室長のプラスの点が私には理解できないのだが、よほど別件で知事に貢献したのだろうか。)

共産党県議団は9日、県議会に調査特別委員会を設置するよう水口俊太郎議長に申し入れた。

複数紙(3月10日)

静岡地裁は、平成12年(2000年)に最高裁で確定した官々接待を巡る公文書開示請求訴訟について、公開された支出文書が虚偽記載されたものだったことについて「単なる事務手続き上の過誤とは考えにくく、一部組織的な不正行為への加担の可能性を示唆するもの」「悪質な行為といわれてもやむを得ない」とした上で「県民に正確な情報の入手を遅らせ、県政の公正な執行と県民の信頼の確保を阻害したというほかない」として、原則開示という情報公開の趣旨に照らし、県があえて裁判を続けてきたのは違法と判断し、原告への裁判費用や慰謝料などの支払を県に命じた。

朝日新聞他(3月10日)

(この裁判に至る経緯は別頁のとおりで、開示後の知事の対応も悲惨なものだった。
 なお、原告は当時も開示を勝ち取った結果、監査を行わせ虚偽記載の事実と
不適正支出を明らかにしている。)

2004.3.10

県オンブズマンネットワークの服部寛一郎代表幹事ら5人は、9日の判決を受け、今回の公文書非公開訴訟も不正隠しのためのものであったとして、不正を隠すために裁判を長引かせて公金を無駄遣いした石川嘉延知事や県の会計担当者らに、訴訟費用315万円を県に返還させるよう求める住民監査請求を行った。

<県オンブズマンネットワークの服部寛一郎代表幹事>
 「カラ出張が多いから不正とわかっていたはずなのに、県は非開示にして最高裁まで戦った。(9日判決のケース同様)違法行為を隠蔽し、時効に持ち込むための時間稼ぎの訴訟への支出は違法。非開示の目的は情報隠し、つまり不正隠しだ。その間にかけた金は全部返せということ」

<監査委員事務局>
 「内容を良く見て監査委員協議会で審査する」

朝日新聞(2004.3.11)他

橋本嘉一県総務部長は県議会総務委員会で、9日の地裁判決について、「驚きを禁じえない判断だ。裁判所が、争うという権利を制約していいのかと疑問を感じる」「どちらが正しいかは、裁判を通じて判断されることで、応訴自体が違法とされたら、法律的権利が行使できなくなる」とコメント。

読売新聞(2004.3.11)他

(裁判所は、虚偽記載等の不正を知っていたか知り得たにもかかわらず事実を明らにすることを怠り、原則開示という情報公開の趣旨に違背して争い続けたと事実認定したからこそ違法と判断したのであって、応訴自体を違法としたわけでも、敗訴自体を違法の根拠としたわけでもない。不適正な公金の支出を公金を使った裁判で隠そうとすることを正当な権利行使だとでも考えているのだろうか。このようなコメントが県の要職にある者から出ること自体が驚きあきれることである。)

平成7年度県警支出に関する県監査委員による監査について、当時、旅費の支出を「重点項目」に掲げ集中的に抽出して監査していた事実が判明。しかし、書類上では1ヶ月の半分を出張していたことになる職員がいるほどカラ出張が繰り返されていたにもかかわらず、監査委員は不正支出を全く見抜けなかった。

<監査委員事務局>
 「書類上では出張しているはずなのに残業がついているなど、『ダブルブッキング』などがない限りは不審とは言えない」と釈明。

毎日新聞(2004.3.11)

2004.3.12

平成7年度の旅費と食糧費が監査の重点項目だったにもかかわらず不正を見抜けなかったことについて、県議会総務委員会で監査委員事務局の中村博行監査室長は「監査は一件当たりの金額が多いものを中心に見ていくが、日当だけでかなりの回数を稼ぐなどしており、監査手法の裏をかかれた」、食糧費については「社会通念上いくらが妥当な金額か明確な基準がなく、否と決めつけるのに慎重だった」と釈明、不正の責任を委員から問われると「私自身は痛切に責任を感じるが、地方自治法では監査で見抜けなかったことで不適格という条項はない」などと抗弁した。

読売新聞(3月13日)

県議会は各派代表者会議で調査特別委員会を設置しないことを決めた。「県警の調査が途中段階であり常任委員会の審議で十分」(自民)などが理由。

朝日新聞(3月13日)

県議会文教・警察委員会(牧野京夫委員長)が、県警裏金問題を集中審議。
県警は「本来は不正をチェックすべきだった当時の総務課幹部がやった」「会計システムに問題があったとは考えていない」と組織的犯行でなく個人的犯行との見方を示した。

複数紙(3月13日)

2004.3.13

個人的不正と指名された元総務課長(平成14年死去)の関係者は、毎日新聞の取材に対し、故人は、(98年当時)県オンブズマンネットワークによる文書開示のニュースに接するたびに文書が公開されるか気にしており、「どうしてそんなこと(不正)をしたのか」との問いに「(裏金作りは)上から言われて仕方なかった。裏金の作り方や現金の保管方法は前任者から引き継いだ」と話していたことを明らかにした。
また、この関係者は「きまじめな性格で命じられれば断れなかったのだろう。一人のせいにされるのは心外だ」と加えた。

毎日新聞夕刊(2004.3.13)

2004.3.16

毎日新聞が知事とのインタビューを掲載

この中で知事は「県ではプール金問題を受け、内部告発制度や監察制度を整えたが、県警にも参考になると思う」
「激励費に関して言えば、トップが頑張ってくれとやるのはあり得ることで、いわば組織社会の風土」などと述べた。

毎日新聞(2004.3.16)

(「参考」?改善しましたというアリバイ作りのですか?)

2004.3.16

石川知事は定例会見で、特別監査を直ちに行なう考えがないことを明らかにした。その理由として「県のプール金問題で実施した特別監査では全容の解明ができず、監査には限界があると思う」などと述べた。

複数紙(3月17日)

(まあ、今の監査委員事務局が監査してもそもそもその能力がないのだから税金の無駄でしょう。)

2004.3.22

県熱海財務事務所の裏金問題で墨塗りにして部分的に非公開としていたものを開示するよう読売新聞社が求めていた問題で、県情報公開審査会は読売新聞側の申し立てを受け入れ公開するよう知事に答申した。

<神尾好行財務管理室長>
 「記載されている内容が事実ではないので、公開できないと主張したが、情報公開審査会が公開すべきと判断した以上、今月中に公開する」

読売新聞(3月23日)

(2002.9.11及び2003.1.8〜19の記事欄を参照していただければわかるように、まさに隠蔽のための非公開。事実でないと言っているがそれならあえて非公開などとする必要はなかったはず。)
(そういえば今回の人事異動でこの隠蔽の張本人の財務管理室長が裏金再発防止の柱である監察と内部告発の監督者である総務室長に異動することが決まりました。ブラックジョークとしか思えません。)

答申はhttp://www.pref.shizuoka.jp/soumu/sm-07/toshin/pdf/122gaiyo.pdfからpdfファイルでダウンロードできます。

2004.3.24

県警は会計資料が残っている1998年度以降の旅費、食糧費、操作報償費などについて、県警本部と全署の経理を調査する方針を決定した。年内を目途に結果をまとめるという。

読売新聞(3月25日)

2004.3.30

先の3月22日に公開するよう答申された墨塗りの「非開示部分」を読売新聞社に開示。(当初の請求から1年以上経過)

この文書には、当時(2002.9.13)、本当は元幹部職員によって持ち去られていた熱海財務事務所の裏金約595万円について、監査委員が事務所の金庫に裏金約670万円があったと虚偽の発表を行なったが、その前々日の11日、当時の熱海財務事務所所長、次長両名が山村善敬財務総室長(当時、現空港建設局長)と神尾好行財務管理室長(当時、2004.4.1総務室長)に県庁に呼び出され指示された内容が記録されていたが、その一部を県は非公開としていた。

今回開示された墨塗り部分には「金額を明示することについては監査と総務部長との間で相当激論が交わされたようだ。総務部長は金額を出さないでほしいとしたが、監査は出すということで、結局このような内容になった」と記されていた。

知事は当時、県代表監査委員と発表前に打ち合わせを行なったかとの質問に対し、「していない。代表監査委員は監査委員としての判断があったと思う」と答弁していたが、今回開示された記述が事実とすれば監査側と県当局が共謀して虚偽発表を行なったことになる。

<神尾好行財務管理室長>
 「記載された部分の発言は私の記憶にないし、財務総室長も話した記憶がないといっている」「復命書は主観も入るので、やり取りが忠実に再現されているわけではない」

<当時の熱海財務事務所所長、次長>
 「二人で確認して作成した」「復命書に虚偽の記載をする理由がない」

読売新聞(4月1日)

(繰り返しになるが、なぜ、横領の事実の隠蔽にかかわった室長が裏金再発防止のための監察制度と内部告発制度の監督者である総務室長になるかね?余計なことを内部告発するんじゃないというメッセージかね?どうでもいいけど私の出した告発書の回答はどうなったんだい。都合が悪いので得意の先送りかね?あの杜撰な監察を行なった総務室長が富士財務事務所の所長だってね。良くやったってことならそういう回答でもいいんだから回答ぐらい出しなよ。それとも内部告発制度も監察制度も結局は県民向けのアリバイ作りだったということかね。)

2004.4.1

春の叙勲及び危険業務従事者叙勲の推薦で、県警が、一連の裏金問題に対する県民感情に配慮し、県警OBの推薦を取り下げていたことが判明。今秋の叙勲も推薦を見送る方針という。

読売新聞(4月2日)、朝日新聞(4月3日)

(県警と対照的なのが静岡県。
現熱海財務事務所長T.Oは、一昨年の沼津財務事務所次長在職時、監査による財務事務所裏金調査でも裏金の存在を隠し、沼津財務事務所の裏金で逮捕者が出た後も明らかにせず、免責条件のもと沼津にも裏金の残金があったことが判明したにも関わらず、昨年、自身は所長職に昇進し、こともあろうか同年、県の推薦を持って総務大臣表彰を受けている。ちなみに
2003.3.14のNHKインタビューですっとぼけた答えをしていたのがこのT.O。とはいっても総務大臣表彰にしろ知事表彰にしろ誰が受けようが県民サービスに支障が出るわけでもないし、便所紙にもならない表彰状1枚のことなのでどうでもいいとも言えるが、さすがに県警も勲章ともなるとやっぱりそうもいかんという判断なのか?)

2004.4.10

県警裏金問題で、県オンブズマンネットワークが裏金隠蔽のための不当な応訴に公金を支出したとして返還を求めていた平成10〜15年度の県の裁判費用のうち、平成13〜15年度に弁護士に支払っていた報酬について、県と弁護士で協議して、弁護士が県に3年分135万円と利子等約10万円を返還していたことが判明した。
 県がオンブズマンらの請求を受けて確認したところ、平成13〜15年度の間は裁判の進行が止まっていた期間であったにもかかわらず契約に基づいて弁護士報酬が支払続けられていたという。

読売、朝日、毎日新聞(4月10日)

(結局、ここでも「ばれたら返せばいい」ということなんですね。
弁護士も弁護士であまりにも常識がないのでは?県がらみの弁護士でまともで信用できる弁護士っているのかね?)

2004.6.7

静岡地検は元県西部農林事務所総務課長(平成13年3月退職)を業務上横領の容疑で逮捕した。

 元総務課長は、平成9年4月に北遠行政センターに異動した後も個人口座で県西部農林事務所のプール金863万円を所持し、平成9年12月に別の個人口座に移しかえていた。
 県はこの移しかえの事実も把握していたが、「県に返還する機会を失いやむを得ず保管をしていただけで、私的に使っていないので横領には当たらない。横領の意思も確認できなかった」として告発も処分も行なわなかった。
 この県の対応に対し、昨年10月14日、県オンブズマンネットワークなどが業務上横領の疑いがあるとして地検に告発し、受理されていた。
 容疑者は「金融商品などの資産運用に当てていた」として容疑事実を認めているという。

<澤田茂夫 県職員総室長 コメント>
「我々が行なった調査では私的に使ったということと、横領する意思があったということが確認できなかったので犯罪行為には当たらないと判断した。
その時点での判断は、今でも間違っていないと考えている
などとして謝罪は一切なかった。

NHKほか(6月7日)

(個人口座を移しかえていたというのは初めて明らかにされました。県が調査聞き取り記録を個人メモとして公開しなかったことや、通帳の写しの公開を拒否した理由がよくわかります。その時点での判断は隠蔽を目的とすれば確かに間違ってはいないということでしょう。
ちなみに知事は県立静岡ガンセンター所長と海外公費視察旅行中でコメントは出ておりません。)

2004.6.9

昨年の全庁調査で、昨日静岡地検に業務上横領の容疑で逮捕された元職員との聴取内容を記録した文書が、個人メモであるとして廃棄されていたことが読売新聞社の調べで判明した。

この元職員を調査したのは神尾好行総務室長(当時「財務管理室長」)ら2人。
調査は数回の面談と、通帳や元帳の写しも確認した上で、「私的に費消した事実や横領の意思は確認できなかった」としている。

通帳のコピーなどの証拠を残さなかったことについては、上司の澤田茂夫職員総務室長から、コピーはしなくてもよいと指示されたためだという。

これら聞き取りメモ類は、読売新聞社などからの情報公開請求に対し、「私的なメモであり公文書ではないので公開できない」と県が公開を拒絶していたもの。

<神尾好行総務室長コメント>
 自分が聴取した元職員の逮捕について、「びっくりした」。

読売新聞(6月9日)

2004.6.10

朝日新聞社の取材で、昨年の県の内部調査(聞き取り)の状況の一端が判明。

逮捕された元課長に対しては昨年(平成15年)5〜7月に3回程度、県庁や県行政センターで面会して調査が行われた。

元課長は、
・裏金について、元課長は平成8年度に大和銀行(当時)に口座を開設し863万円を入金。
・翌平成9年度に銀行の合併・統合で口座がなくなるのを恐れ、全額を解約
、と申告した。

この事実を調査班が元帳で確認し、調査報告書では98年度以降自宅で保管していたと結論づけた。

調査が終わった後の8月下旬、元課長が、
「この通帳で管理していたかもしれない」
と、静岡銀行の自分名義の預金通帳を持参。
この通帳には平成14年度に1千万余りを入金した後は出し入れの記録がなかった。

<調査を行った神尾好行総務室長>
「元課長からは自宅庭の手入れ時に転倒して頭を打つけがをしたと申告があり、事情聴取時にも視線が定まらず会話にスムーズさにかけたり、よく思い出せないと答えることもあった」「調査が手ぬるいといわれるかもしれないが、体調を考えると厳しく問いただす雰囲気になかった」

朝日新聞(6月11日)

(繰り返しになるが、これまで、口座の入出金は一切ないということしか明らかにされていなかった。しかし、実際は入出金が無かったのは別通帳の、しかも平成14年度から平成16年度までだけのことであった。県はこの事実を知りながら、メモを非公開とすることで、今回の逮捕に至るまでこれら事実を明らかにしてこなかったということである。)

2004.6.11

昨年の全庁調査で県(神尾好行総務室長(当時「財務管理室長」)ら2人)は、逮捕された元総務課長の示した1千万円入金された後使われていなかった裏金に相当する残高のある通帳を、それが裏金の通帳とは確認できないのに裏金を使っていない根拠としていたことが判明した。
元総務課長は当初は現金で保管と説明していたが、その後口座で管理していたとして元帳写しを示したという。

NHK(6月11日)

2003年9月16日現在は確かに現金保管とされていました。
その後、それではまずいとでも思ったのか、口座で管理していたとされました。
この口座管理については
2003年10月28日報道(朝日新聞)で、この元課長がインタビューに口座元帳写しを県に提出したと答え、県は「無いものは無い。内部調査は科学ではないので、結果がいわゆる真実かどうかは分らない。元帳の有無の再確認も必要ない」との名言で、これを否定していました。
なぜ元帳写しの公開だけでなく、その再確認までをも否定したのか、想像は容易でしょう。
だれがこの結果(成果)に「責任」を持つのでしょうか?)

知事は読売新聞社の取材に対し、「県民に申し訳ないと思う」と陳謝したが、「我々の調査では告発するだけの確証が得られなかった。疑わしきは罰せずだ」と述べた。

読売新聞(6月12日)

2004.6.12

「昨年9月に調査報告書の完成品ができたので、その後に廃棄した。現在は手元に残っていない」(神尾好行総務室長:読売新聞6/9)とされていた逮捕された元職員との聞き取り調査を記録した「聞き取りメモ」について、実際は原書を廃棄しただけであり、聞き取りメモを清書したものは(調査報告書とは別に)現存していることがNHKの調べで判明した。
ただし、捜査の関係で今は県の手元にはない。

NHK(6月12日昼)

県は会見などで「私的なメモ類は廃棄した」と説明していたが、メモを清書したものを職務として作成し報告書とは別に保管していたことが判明。県の虚偽説明が明らかとなった。
県はこの清書文書も公文書ではないとして情報公開の対象外としていたが、捜査協力のため現在、地検に提出されているという。

読売新聞(6月13日)

2004.6.14

知事は帰国後初の定例記者会見で、今回の逮捕について、「大変遺憾なことであるし、県民の皆様に大変申し訳ないことだと思います」と陳謝したが、「強制力がない県の調査では私的に使っていないという本人の申し立てを崩せるような証拠が得られなかった」「県の調査では確証が得られなかった」「要するにもっと調査のしようがあったのではないかと言われれば、これまた絶対の話、絶対無いとは言えないけれど、その時点で最善の努力をしたつもりだったけれども、結果としてこういうひとつの一件が出てきたことは、これはこれとして厳しく批判があれば受け止めざるを得ない」などと述べた。

NHKほか(6月14日)

(定例記者会見珍問答:
記者:調査をして、聞き取りをもって判断をして、それにおいて、例えば通帳のコピーをとるなりきちんとした記録を残しておくと思うのですが、それについてはないという説明を受けているんですけれども。
知事:記録はありますよ。
記者:通帳のコピーだとかそういうものも全部あるのですか?
知事:出されたものについてはこちらでコピーなりそのものを受け取っていますからね。
記者:受け取っていらっしゃる?
知事:ええ。出されたものは。
記者:それは会見での説明とはちょっと違うようですけれど?
知事:受け取ったものをどうしているかって話でしょ。
総務部長:数字をチェックしているだけです。
知事:チェックしているだけ?返しちゃったの?
記者:そういうことですね?
知事:ということです。)

2004.6.26

静岡地検が、元県西部農林事務所総務課長(平成13年3月退職)を業務上横領の罪で静岡地裁に起訴。

複数紙(6月27日)

2004.6.28

県は28日、読売新聞社が情報公開請求してきた関係者の聞き取り調査記録(地検に提出されている聞き取り記録など)について公文書不存在(公文書としては存在しない)を理由として非公開とした。

神尾好行総務室長
 聞き取り調査記録の地検への任意提出について「個々の調査員が個人管理している文書であり、調査員が個別に提供した」と説明。
また、文書の保存形態について「ノートや便箋にメモしてきた内容を、手書きで清書し、個々に保管していた。パソコンなどでデータを保管しているわけではない」とした。

読売新聞(6月29日)

この文書の任意提出について知事は、先の定例会見で、
「例えば協力してくれなければ強制調査に入りますよと言ったら公文書であろうが私文書であろうがそれこそ何であろうが私物であろうが必要なものはサルベージみたいに持っていくわけでしょ。そういうことまで我々は別に拒否するとか、協力しないという必要も無いわけだから、そのときに残っていた私物で関連するものはね、その捜査に資するものであったらお出ししましょうということで我々組織としてもそういう発想だし、担当個人としてもそういう発想でやったということです。」と述べ、強制力を背景にした者への協力と単なる一般県民への協力は別であることを吐露している。

2004.7.2

静岡地検は2日、静岡市清水入江岡町、県沼津工業技術センター所長(県部次長級)、守屋明容疑者(57)を業務上横領の疑いで逮捕。

 平成7年4月〜9年3月に県東京事務所の次長だった守屋容疑者は、事務所の諸経費に充てるために職場で現金の形でプールされていた裏金800万円を前任者から引き継いで管理していたが、県教委青少年課長への異動の際に後任者に引き継がず自分で保管を続け、平成9年9月16日、静岡銀行銀座支店で自分名義の預金口座に全額を入金し、着服した疑い。
 その後、預金情報が家族に知られるのを恐れて段階的に口座から現金を引き出し平成14年末には全額を現金化していた。
 使途について、ゴルフ会員権の購入や定期預金など私的に使ったと話しているというが、「横領する意図は無く、返すつもりだった」と犯意を否認しているという。
 昨年10月14日、県オンブズマンネットワークなどが業務上横領の疑いがあるとして地検に告発していた13人のうちの1人。

<橋本嘉一総務部長 コメント>
  昨年の全庁調査でプール金を個人保管していた守屋容疑者が何回も口座から現金を引き出していたことも確認していたことについて「疑いを招く危険な行為だった」。
 これら事実を確認しながら告発しなかった理由について「本人が横領の意思がないと説明している状況で、犯罪を立証できる物的証拠は得られなかった」。

複数紙(7月3日)

(何故県が、調査で確認した預金口座の写しや記録の公開を拒否したのか、明白となった。
 それにしてもこの容疑者、現職の幹部でありながらこの見識とは。日々、職責にふさわしいどのような働きをしていたのか大いに疑問である。)

(裏金問題で逮捕されたのは6人目(自首が1人)、告発され捜査中の残り11人のうち100万円以上の裏金個人保管者は残り6人にも上る。公正・厳正な捜査を期待したい。)

2004.7.15

県の裏金をゴルフの年会費などに使い、業務上横領で逮捕され既に有罪(懲役1年6月、執行猶予3年)の確定した県沼津財務事務所元次長(清水亘(62)沼津市北高島町)が、県からの退職金返納の求めを拒み異議申立を行っていることが判明。県は、この件について議会の意見を問う諮問議案を20日県議会に提出するという。

異議申し立ての理由は
@ すでに社会的制裁を受けている。
A 当時の慣行の中での行為だった。
B これまで県に十分な貢献をしてきた。

一連の裏金事件で有罪判決が確定しているのは5人だが、清水亘異議申立人以外は、3人が懲戒免職により退職金の支給無し、すでに退職していた1人は県に返納済みとなっている。

<県人事室>
「バランスを考えても、元次長は返納に応じるべきだ」

朝日新聞(7月15日)

読売、静岡(7月16日)

毎日、産経(7月17日)

NHK(7月20日)

(公判傍聴の際、天下り先の県生活衛生営業指導センター専務理事を1年の任期を残して辞めたことを社会的制裁を受けた情状として何度か強調していたので、「何言ってんの、天下り自体が問題なのに」と流して聞いていたがこれが既に受けた社会的制裁だとでも言うのだろうか?検察は同時に逮捕起訴された部下の不正をたしなめるべき立場なのにそうしなかったことを責め反省の弁を述べたが、本人は自身の職責をどう考え反省していたのか、今となっては大いに疑問である。

もしこんなことがまかり通るなら、在職時に発覚していれば即懲戒免職なのに、退職後の発覚ならば次長から所長になりさらに天下りを1年経験し退職金も返さなくても良い、ということになるわけで、まさに隠し得、正直者は損を象徴するものだ。)

2004.7.22

静岡地検は、先に逮捕し、容疑を否認していた守屋明容疑者(東京事務所次長、青少年課長、都市政策総室長→沼津工業技術センター所長)を業務上横領罪で起訴した。

起訴状などによると、横領した約800万円のうち約300万円を株やゴルフ会員券などに使い、約400万円を、わざわざ新幹線で銀座に行って一晩に10万円を使うなどの飲食代に費消していたという。またこの飲食は裏金問題が明らかになった後も続けられていた。現在は容疑を認めているという。

NHK(7月22日)

(静岡県庁の調査では、この800万円はすべて現金で公金として個人保管されていたと報告されていた)

県議会総務委員会で、退職金返還命令に異議申し立てをしている沼津財務事務所元次長が「全庁調査(2003年5月〜)の半年前に部下を通じて(裏金の存在を)県に事実を正直に報告した」と主張していることが判明。

毎日新聞(7月23日)

(全庁調査の半年前といえば特別監査の結果を受け静岡、熱海、下田の県財務事務所にしか裏金が無かったとして知事ら県三役の減給と関係者18人の処分で幕引きを図ろうとした時期ではないのか。主張が事実なら隠蔽そのものであろう。)

2004.7.23

県は、これまで判明した裏金以外に、帳簿に記載の無い切手(裏切手)が下田財務事務所の約874万円分を筆頭に私学文書総室、浜松財務事務所など22部署で合わせて2,458万6,952円分(これとは別に県教委で1部署)、存在したこと、及び今年2、3月ごろ公表しないまま県出納局に返納処理していたことを県議会総務委員会の終了直前に公表した。

どのようにして捻出されたのか、現金化されたものが無いか、持ち去られた分が無いかなど、現在のところ一切不明という。

県は去年5月の全庁調査時に一部事務所から帳簿外の切手がある事実を報告されながら同年末には一連の裏金事件の幕引きを図ろうとし、今日までこの事実を一切公表してこなかった。20日の県議会で松谷清(無所属)県議が一部の事務所の帳簿外切手の存在を追求したことからこの日の公表に追い込まれたと見られている。

<橋本嘉一総務部長>
「役所は予算を使い切るのが一般的で、余ったときにまとめて買ったのではないか」
「ほっぽらかしたというか、少なくとも我々としてはその段階で簿外郵券としてあるものを正規の手続きで正常な管理状態に戻せばそれで良しと判断したわけですよ」
「不正に使われていないかは調査しないと言い切れない」
「指摘がありながら今日まで公表しなかったのは認識が甘かったといわれてもしかたがない」

<下田財務事務所(鎌野千郷所長)>
「平成14年7月ごろに事務所内の金庫で確認し県総務部に報告した」
「大量の切手がどうやって作られたか分からない。代々受け継がれてきたのではないか」

<飯塚稔農業水産企画総室長>
読売新聞社の取材に、「すでに県に返還しているので公表する必要はない」として切手の存在した部署名や保管額の公表を拒否。(しかし、橋本総務部長がその後の会見で、簿外郵券の存在した部署、保管額を公表)

<県議会総務委員会委員>
「切手は換金できる。簿外管理の切手は裏金の一つだ。なぜ二月議会で報告しなかったのか」「これまで県をかばってきたが、これでは地元に帰れない」「県ぐるみで隠したと思われても仕方ない」

NHKほか(7月23日)
新聞各紙(7月24日)

(平成13年度私学文書総室の主管室である私学文書管理室長だった神尾好行現総務室長による全庁調査だから隠したわけでもないだろうが、隠蔽体質が染み付いているとしか言いようが無い。そういえば私学文書の前身の学事文書課長を自治省から出向していた石川知事がやってたはずだけど、そのときには無かったのかな?)
(なお、この裏切手の事実は一般職員にも伏せられており、知られてはまずい不都合な事実との認識があったと見られ、一部幹部による隠蔽の意図があったと言わざるを得ない。この結果に対し今後どのように責任を取るのか注視したい。)

[帳簿外切手のあった22部署名
私学文書総室、下田財務事務所、富士財務事務所、藤枝財務事務所、磐田財務事務所、浜松財務事務所、熱海県行政センター、環境総務室、子育て支援総室、長寿健康総室、北遠健康福祉センター、就業支援総室、農業総室、農山村整備室、水産総室、中遠農林事務所、北遠農林事務所、西部農林事務所、熱海土木事務所、清水港管理局、委員会総務室、企業局富士川事務所]

退職金返納命令に異議申し立てをしていた件について、県議会総務委員会は「主張には理由が無い」として棄却を答申した。

複数紙(7月24日)

2004.7.26

石川知事は定例会見で、簿外切手について陳謝するとともに、切手を換金するなど不正な流用がなかったか、改めて全庁を対象に調査する方針を示した。
また、「具体的に承知をしたのは23日です。(20日の)議会で松谷議員の本会議の(簿外郵券に関する)質問があったようですけれども、私はちょっとあの時よく聞こえなかったんですね。」とし、簿外郵券について知事自身は先週まで知らず、公表が遅れたのは担当職員の報告の怠慢に起因する旨述べたが、報告を怠った職員の処分は考えていないとした。
さらに、流用の有無について「我々はまだ調査してませんから、そういうことがありませんと断言できませんし、金銭的な価値を持っているものでありますから換金ということが不可能でないと思います」と述べた。

TV各局(7月26日)
知事定例記者会見(県HP7月28日)

(何年か前、県の本庁庶務担当職員が、切手を市内の金券ショップに頻繁に持ち込んだがため不正が発覚し、業務上横領で逮捕される事件があったこと、忘れてしまったのでしょうか?調査をするのは当たり前のこと。もし今回、県議会で公にならなければ調査もしなかったという現実に、常識とか良識とかの存在を疑わざるをえません。
裏金再発防止の一環として職員倫理研修を既に受けた幹部にあってこの有様。「組織としては腐敗してしまっている」とのアナウンサーの言葉はまさに当を得たものだと思います。)

2004.7.29

6月定例県議会が閉会。退職金返納命令に異議申し立てをしていた件については、全会一致で棄却を県に答申した。

TV各局(7月29日)

新聞各紙(7月〜30日)

(監察スタッフの調査?隠蔽を仕組んだ職員総室の直属のスタッフによる調査ですか、厚顔にも程があるのでは?返還漏れを数件出して一件落着狙いでしょうが。)

県議会総務委員会の大石哲司委員長が、簿外切手問題について、今後県人事室の監察スタッフが切手や印紙などの調査を行う予定であると報告。

2004.8.5

県は簿外郵券問題で、本庁と出先機関、教育委員会の全部署を対象に、1997年度以降の帳簿外の切手など金券類の有無、管理状況・流用の有無などを明らかにするための特別調査を実施すると発表した。6日付で本庁と教委に調査班を設置し、11月まで調査し、12月に調査結果を公表の方針。

調査に当たって県は、「個人的費消や横領を除き、行政的責任を問わない」との免責条件を付けるとしている。

新聞各紙(8月7日)

(先人を見習って「記憶にない」「よく覚えていない」「ちょっとあの時よく聞こえなかった」などの言葉の有効性が証明される調査となることでしょう)

2004.8.6

簿外切手(裏切手)がこれまで発表されていた部署以外にもあったことが判明。新たに判明したのは出納局会計指導室東部駐在で額面金額は26万3,720円分。
また、企業局富士川事務所の分の発表金額70万120円は59万1,870円の誤りだったことも判明。

<出納局会計管理室>
「局内では(総務部の)指示どおりに適正に処理した。どうして発表の際にもれたかはわからない。」

<総務部人事室>
「7月23日に簿外郵券の返納状況を発表した際に間違ってしまった。資料を訂正し、県議会にも報告する。」

読売新聞(8月7日)

(結果、差し引きで、県分が23部署2,474万2,422円、教育委員会分が28万772円の計2,502万3,194円ということになる)

2004.8.10,11

県はこれまで「昨年の事務所運営費の調査(4〜8月)の際に2部署から報告があり、今年1月20日に各部局に実態把握と正規の管理状態に戻すように指示した」(橋本嘉一総務部長)と説明してきたが、実際には、それ以外の部署の報告がないどころか、9部署255万円分を昨年末から今年初めまで総務部総務室で預かり保管していたことが判明した。

このうち、読売新聞社が情報公開請求で入手した熱海行政センターの調査資料によると、同センターは、静岡財務事務所の事件を受け県監査委員が監査を始めた2002年年7月に金庫内で簿外郵券を発見したものの監査には報告せず、免責条件で行われた昨年(2003年)5月の総務部総務室の全庁調査でようやく簿外郵券の存在を報告、その後監査委員にも10月2日に報告した上で、12月10日に(不祥事再発防止のために発足したばかりの)総務部監察スタッフに簿外郵券を提出したとのこと。

読売新聞(8月10,11日)

(本来隠蔽を咎めるべき監察スタッフも監査委員も隠蔽の当事者だったことがよくわかる。とりわけ監察スタッフは不祥事再発防止のために発足した部署でありながらこの有様。不都合な告発にはだんまりを決め込み、くだらない調査で県内を回り旅費日当を浪費する、まさに税金の無駄遣いというべき部署である。
今回の簿外郵券も監察スタッフへの報告(告発)からではなく外部への内部告発から明らかになっており、県の内部告発制度の詭弁もより一層明らかになったといえる。)

2004.8.11

県西部農林事務所元総務課長による業務上横領事件の初公判で、元課長は起訴事実を認めた。

冒頭陳述で、検察は、当時の裏金の中から個人管理の裏金を当時の係長と2人で作った上で、2人とも異動した後の97年12月、当時の係長から「課長のものです。私も500万円もらいました。」と裏金の入った通帳が郵送されてきたことから横領を決意したことなどを明らかにした。

静岡朝日テレビほか(8月11日)

裏金個人保管者参照のこと)

2004.9.3

 県西部農林事務所元総務課長による業務上横領事件の論告求刑公判が行われ、検察は懲役3年を求刑した。

この日の法廷で同被告は「(裏金は)ゼロが好ましいが、当時は考えられないこと。どこの事務所でも何がしかのプール金はあった」「(裏金は)個人からすれば悪いことだと思ったが、総務畑が長く慣れっこになっていた」などと供述した。

毎日新聞、読売新聞ほか(9月4日)

(被告の西部農林総務課長の前の職は藤枝土木事務所総務課長(H4〜5年度)であるが、そこには平成8年度末には裏金は1円たりとも存在しないとされている。当時きちんと調べていたなら裏金が公的に費消されたか否かが明らかとなったであろうが、今となっては全てが闇の中となってしまった。そして誰もその責任を取ることもない。やはり逃げるが勝ちということか。)

2004.9.8

 県の裏金を株やゴルフ会員権などに費消したとして、7月2日に業務上横領の疑いで逮捕された元県沼津工業技術センター所長(元東京事務所次長)、守屋明被告(57)の初公判で、被告側は「いつでも800万円を返還する意思があり業務上横領に当たらない」(可罰的違法性の争点)「仮に罪にあたるとしても800万円を自分のものにしようと銀行の貸金庫に隠した時点から計算すると時効が成立している」(実行行為の時期の争点)などとして無罪を主張した。

 また、被告は、県の裏金調査の事情聴取で裏金が800万円あり、その内300万円は職員などとの飲食に使ったと申告したところ、県の調査担当者から「県職員らとの飲食に使った300万円の存在は表に出せないので返還する必要はない」と提案され、一時、預かった裏金は最初から500万円だったことにしたが、調査の過程で800万円の金額の入った通帳の存在が明らかになったため最終的に800万円になったことなどを明らかにした。

<被告の調査を担当した県幹部>(静岡朝日テレビ取材)
 「500万円で良いといった話をしたかどうかは記憶にない。事実かどうかはノーコメント。」

静岡朝日テレビほか(9月8日)

(平成9年2月:部下から渡された800万円を貸金庫に保管

 平成9年4月:東京事務所から異動

 平成9年9月:保管の800万円を自分の銀行口座に入金、その後個人的に費消。

 平成16年7月22日:起訴

 検察は横領の時期を9月と主張、被告は2月と主張、公訴時効は7年。)

 この日、被告人質問で明らかになった「県による虚偽報告の勧め」は、その後の対応を含め、今もって真実解明に消極的な県の姿勢を明かにすることになった。

<被告の調査を担当した県幹部>
 調査担当の現役県幹部は当初、「記憶がない」としていたが、夜になって、7月上旬の調査で被告が「記憶があいまいだが、現金で500万円程度を異動先の事務所で管理していた」と被告自ら嘘の報告をしていたのを、8月下旬に本人持参の預金元帳で800万円を管理していた事実を確認し、その嘘を見破ったかのように文書で回答、調査の実効性を主張した。

 その後、さらに、(調査当初、被告による)「約300万円くらいを飲食に使ったとの発言はない」というコメントも出し、被告の主張を全面的に否定したが、結局この日、その担当者の会見もなく県による事情聴取も行なわなかった。

<橋本嘉一総務部長>
 「(担当者に)「このコメントで間違いはないか」と確認したのだから、信じるしかない」

新聞各紙(9月9日)

(そもそもこの証言のくい違いは県が公式に調査記録を取らなかったという杜撰さに起因しているのは明かであり、その上、調査メモは個人の記録として公開もせず真偽の確認が行なわれないように配慮したことも重大な過失である。この反省もないまま、一方の現役幹部の発言は信じ、元?幹部の発言は信じられないという根拠はどこにあるのだろう。既に何の力もない幹部は用済みだからかばう必要はないという思慮としか思えないのだが。)

その他公判で明かされた事実

(動機等)
 被告は被告人質問の中で横領を決意した理由の一つとして、県職員の友人に処理方法を相談した際、「裏金は存在がないことになっているなっているんだから、使ってなしにしよう」「おれも使っちゃった」などと助言された事実を公表、裏金の処理として私的流用が一般化していった状況と、「存在しない」ことにしてしまった平成8年当時の県の対応の不適切さを改めて印象付けた。

 一方、検察は、守屋被告が裏金の着服と流用が判明するのを恐れ、部下に口裏合わせを依頼していたことなどを明かにした。

(プール金の使途)
 JR東海株、NTT株、ゴルフ会員権、飲食費、シンガポールや米国などへの十数回の海外旅行、年十数回のゴルフ費用などに充て、昨年3月には、口座残金は75万円になっていた。

2004.9.9

 県警の高石本部長はこの日の会見で、不正に捻出された裏金の全額(法定利息も含めて)の返還を決めたと発表。

これまでは、県知事部局に習って、不正に捻出された裏金の一部の返還で決着させる方針だったが、現場職員の士気を考え全額返還に方針転換したとのこと。返還はOB含め幹部職員中心で行われる見込み。

TV各局(9月9日)

 知事は、県が昨年実施した全庁調査は2人1組で調査し結果の客観性、正当性は担保されているとの趣旨の説明を繰り返していたが、実際は1人で行っていたケースもあったことが判明した。

<守屋被告の調査担当者>(読売新聞社取材)
「金融機関の元帳で金額を確認するだけだったので1人で行ったが、結果的にまずかった」

<橋本嘉一総務部長>
「単独で行っていたのは、残念だ」

読売新聞(9月10日)

(2003.10.26に県総務室は次のようにコメントしている。
 「職員が金融機関から取り寄せ、持参した元帳を調査班が見て、事務所運営費(裏金)の存在や金額を確認した。これで調査目的を達成したことになるので、元帳のコピーもとらなかった。今は元帳もコピーも手元に無いので開示できない」

 確認するだけだから1人で行ったというが、コピーも取らないわけであるから1人というのは客観性がないだろうに。要するにいい加減だということだ。)

2004.9.10

(参考)

 福井県で、県の内部決裁を行っていない文書の公開を求めた訴訟で、最高裁は「公文書を作成する際に基礎となった文書であれば、(未決裁であっても)決裁文書と同一視すべきだ」と開示対象公文書と認める判決を下した。福井県は当初、開示請求者に対し公文書でないとして文書不存在の回答をしていたもの。

毎日新聞(9月10日夕刊)

2004.9.13

 「静岡県オンブズマンネットワーク」の代表幹事ら2人が隠蔽を持ちかけたとされる県の調査担当者を氏名不詳のまま「偽計業務妨害罪」の疑いで静岡地検に告発した。

 なお、調査担当者の1人は8日に、もう1人も9日に隠蔽を持ちかけた発言はしていないとして事実を否定するコメントを県を通じて出している。

<橋本嘉一総務部長>
 「全庁調査は全容解明を図るため、特別調査班により厳正に実施されたと認識している」

NHKほか(9月13日)

2004.9.15

 県監査委員は読売新聞社が請求していた県警総務課の不正支出問題に関する住民監査請求の審議経過資料を公開した。

 しかし、住民監査請求を受理するかどうかや監査結果などについて審議した3回の監査委員協議会の議事録は作成されておらず、個々の委員の発言内容も全く不明であることが判明した。

<池谷勇代表監査委員>
意思形成過程の透明性を担保するための議事録作成について、「検討してみる必要性はあるかもしれない」

読売新聞(9月16日)

(代表が変わってもやはり変わらない、変われない。)

2004.9.17

 石川知事は会見で、県警が現場職員の士気を考え全額返還に方針転換したことを受け、県(知事部局)としては裏金全額の返還の考えの無いことを強調した。

 また、現場職員への影響については、「業務に支障があるという報告は受けていない」などとして、県警と異なり、裏金問題での県民からの批判による業務への影響はないとの認識を示した。

読売新聞ほか(9月18日)

(今の県では不都合な現場の情報がトップに伝わることはないという事実の証左である。不正を正すはずの監察までもが隠蔽に加担するような県組織である。情報の遮断など朝飯前であろう。知事が簿外切手について先の議会まで知らなかったというのもどうやら事実らしいが、知事は本当に裸の王様になってしまったようだ。)

2004.9.27

 県情報公開審査会(会長・小野森男弁護士)は、読売新聞社が情報公開請求してきた裏金調査の聴取記録メモを非公開とした県の決定を「妥当」と石川知事に答申した。

 この文書は、県が、「存在するが、調査担当者の私的なメモ」(財務管理室)として公開しなかったもの。

 審査会は、該当文書について、以下の理由から「公文書ではない」と結論づけた。
(1)記録方法や内容について事前に組織的に関与したとは考えにくい
(2)組織内での検討や上司への説明に利用しなかったという県側の主張は不自然ではない
(3)文書管理規則等に定める方法で管理されていたとは言えない

読売新聞(9月28日)

(本HPでは、静岡空港専門化委員会、県監査委員、公認会計士による特別監査、職員倫理ヘルプライン、静岡県行政改革会議、といずれも第三者性と専門性を謳いながらそれに疑問を抱かせる判断・行動を取ってきた事実を指摘してきた。県民の知る権利に答えられない県情報公開審査会もまた、単なる雇われ機関・隠れ蓑機関に過ぎなかったということか。今の静岡県を正せるのはもはや司法以外にはないのだろう。)

2004.9.30

 知事は県議会で「(県調査によって公的)使途が確認されたものは県に損害が発生したとは言えない」などとして、不正に捻出された裏金の全額を返還する意思の無いことを強調した。

読売、毎日(10月1日)

(使途確認は県の聴取調査によるもので客観性はない)

2004.10.1

西部農林事務所元総務課長に懲役2年6月、執行猶予4年の判決。(6人目の有罪判決)

<石川知事>
 自身の責任について「地検の捜査や簿外切手の全庁調査が終わった段階で明らかにする」

新聞各紙(10月2日)

2004.10.5

 県は県議会総務委員会で簿外金券特別調査の中間報告を行った。
 その結果、これまで明らかになった23部署2,474万2,422円分の簿外郵券のほかに、県防災局など10部局30部署(県教委除く)で203万8,609円の簿外金券が確認されたという。内訳は図書券69万円余、切手60万円弱、収入印紙37万円余、その他テレカ、商品券、ビール券など約36万。

TV各局(10月5日)

新聞各紙(10月6日)

2004.10.6

 県と対照的に全額返還を決めていた県警は、改めて県民に陳謝の上1311万円余りを県に返還し、不正に捻出した裏金全額(利子含む)の返還を終えた。

TV各局(10月5日)

2004.10.13

 業務上横領罪で公判中の元東京事務所次長(現、商工労働部参事)守屋明被告の論告求刑公判で、検察側は懲役3年6月を求刑した。

 弁護側は、(個人名義の口座に入れ費消するよりもっと前の)個人の貸金庫に入れた時期に横領したものだとして、時効成立を根拠に無罪を主張、これに対し検察側は「被告は逮捕直後まで(横領自体を)否認していたにもかかわらず、弁護人から公訴時効の説明を受けるや態度を一変させた」「刑事責任を逃れるために考え出した虚偽の弁解」と糾弾し、貸金庫保管中は1円も使っていないこと、保管を上司に報告していたことなどを理由に貸し金庫保管中には未だ横領の意思がなく、横領したのは個人口座に移管した時期であると主張した。

 また、検察側は論告で、平成8年後半に預かり金問題が起き、直後の9年2月に裏金を個人名義の貸し金庫に移していたことから、同年に石川知事が再選され「(これ以上調査しないという)不正経理問題に対する県の方針に異なる展開が起きる懸念が払拭され、横領への心理抵抗が薄れた」などと横領動機の起因を指摘した。

毎日新聞、読売新聞ほか(10月14日)

2004.11.11

(参考)

 大分県の不正支出をめぐり、県が作成した調査報告書の基になる文書を非公開としたのは違法として、おおいた市民オンブズマンなどが処分取消を求めた上告審判決で、最高裁は「文書は報告書の基礎資料となっており、決裁の手続きを経ていなくても、公文書と同視すべきだ」と述べ、県側に文書の公開を命じた。

開示を求めていたのは、オンブズマンが「調査過程が不透明」として報告書の基になった文書の公開を求めていたもので、県は「公文書不存在」を理由に、非公開としていた。

(同趣旨の最高裁判決は既に福井県の情報公開訴訟で出ており、本ページの9月10日にも収録している。しかるに、9月27日、県情報公開審査会(会長・小野森男弁護士)は、読売新聞社が情報公開請求してきた裏金調査の聴取記録メモを非公開とした県の決定を「妥当」と石川知事に答申している。同審査会の能力・見識が改めて問われる結果を厳粛に受け止め、結果責任という言葉を知っているならそれを果たすべきであろう。

静岡県情報公開審査会委員
会  長 小野 森男(弁護士)
会長代理 田中 克志(静岡大学 人文学部教授)
委  員 上野 征洋(静岡文化芸術大学 副学長)
委  員 大村 知子(静岡大学 教育学部教授)
委  員 佐藤 登美(静岡県立大学大学院 看護学研究科長)
委  員 山中 崇弘(静岡新聞社 常務取締役))

2004.11.24

 静岡地裁は、元東京事務所次長(現、商工労働部参事)守屋明被告の時効の主張を退け、被告に懲役3年執行猶予4年の有罪判決を下した。これで有罪判決は7人目。

 被告側は控訴も検討しており、県は判決確定まで処分は保留するという。

TV各局(11月24日)

(平成8年に三重県のように膿を出し切っていればこのような犠牲者は出なかっただろうに、残念な結果である。問題先送りの体質が改まらない限り組織の対応の誤りによる犠牲者は今後も出続けるに違いない。)

(現在行われている郵券調査と異なり、昨年の全庁調査の免責条件については、県議会で、

 免責条件について、行政訴訟や司法当局などに免責者が問われる事態になったとき、県が免罪を約束したことについて、どうなるのか(鳥澤富雄議員・平成21・2003.9.30)

 「免責条件とは、およそ民事上、刑事上のすべてを免責するというのではなくて、あくまでも任命権者としての懲戒処分並びに服務監督上の処分につきましては、これを問わないということでありまして、それ以外の民事、行政、刑事、含めてのルートにつきましては、もし仮にそういう問題が起これば、それぞれの手続きにのっとって粛々と行なわれると、そのように理解をいたしております。」(知事)

と、述べられているように、昨年の全庁調査で真実を述べていた職員を刑事上の問題がまだの段階で処分というのは大いに疑問がある。)

 副知事は臨時の記者会見で、昨年の全庁調査で裏金を現金で保管していたとしていた職員1人を業務上横領で懲戒免職に、職員2人を停職処分にしたことを発表。

 昨年の全庁調査で、裏金を個人保管していたと主張してきた、農業水産部(当時県立大学短期大学部浜松校)の53歳の職員が、地検の事情聴取を受け隠し通せないと判断し、先月初旬、「保管していた全額(1,548,343円)について、子供の学費や生活費の仕送り、定期券の購入等で個人的に流用した」旨、県に申し出、県が再聴取した結果、全庁調査で主張した個人保管の事実がうそだったことが判明、業務上横領に当たるとして懲戒免職処分に付した。

 また、当時の土木部公共用地課の裏金50万円に関係して、土木部と総務部(ともに当時建設政策総室公共用地課)の職員2人を、裏金を3人で分配後異動先の職員の懇親会費用などに使ったことが業務上横領にあたるものの、個人的には使っていないとして、それぞれ6ヶ月と4ヶ月の停職処分に付したが、当時公共用地課課長であった1人については既に退職しているため処分はできなかった。
 なお、これら3人については昨年の全庁調査の際、使途について県に上記事実を申告しており、県の「判断変更」による処分ということになる。

2004.11.26

 静岡地検は市民団体などに告発されていた13人のうち逮捕起訴されていない処分未定の11人についての処分を発表した。
 それによると、一昨日県が懲戒処分とした3人と懲戒処分できなかった退職者1人を、既に懲戒免職等の社会的制裁を受けている、全額返済済みである、額が小額であるなどの理由で起訴猶予処分に、6人を嫌疑不十分として不起訴処分にした。なお、有罪判決を受けた西部農林元総務課長とともに裏金を横領したとされる元係長1人については昨年度失踪し行方不明につき捜査中という。

TV各局(11月26日)

(残る逮捕が有力視されていた2名に付き、1人は懲戒免職に1人は依然行方不明という結果となったが、起訴されても執行猶予は間違いなく、新しい事実も出てくる可能性は低いことから、おおむね妥当な判断と思われる。なお、小額の横領で停職となった職員について、知事などの減給と異なり、停職中は給与は出ず、税金や共済等の負担はあるという非常に重い処分であることを付記したい。)

2004.11.29

 県警が不適正支出の調査結果を発表。1998年から2000年までの旅費の2.2%、捜査費の4.6%を抽出調査した結果、新たな不適正支出は無かったとのこと。

静岡朝日テレビほか(11月29日)

(結局、組織的関与・責任は認めず、あくまで個人の責任ということで処理されることとなったわけで、正直に申告した方々が割を食う決着は今後この組織内でどのように処世すべきかを暗示しているかのようです。個人の犠牲をいとわず組織(トップ?)は生き延びるわけですから、各自自己防衛に努めていただきたいと思います。)

(「静岡県倫理ヘルプライン」の次は「静岡県コンプライアンス委員会」ですか。前者の外部弁護士が何も機能していないというのに次はどのような御用有識者に報酬を払うのでしょうか。)

 県は、96年度以降の、裏金とは別の簿外郵券についての全庁特別調査の結果を発表した。簿外(裏)郵券総額は2,561万7,053円となり、96年当初では5,397万円あったことが判明。このうち、308万円が使途不明で、熱海財務事務所で2000年度に処分に困り300万円分を焼却したケースもあったという。また調査対象前の95年度にあった静岡財務事務所の1千万円分の郵券が翌年度6万円になるなど使途不明もあるが、県の調査の結果としては、横領など個人的費消はなかったと発表した。

 また、再発防止策として、2005年1月に、弁護士ら外部有識者を構成員とする「静岡県コンプライアンス委員会(仮称)」の設置などを決めた。

<石川嘉延知事>
 
「私は減給で責任の形を表したい」「自己処分は私の判断。その適否は県民が判断すること。」

2004.12.1

知事は、県民の信頼を著しく損ねたのは「県職員の公金に対する認識の甘さ」であるとし、その県職員の管理監督責任として自らを無給2か月とする条例案を提出した。

石川嘉延知事処分歴

年度期

減給内容

処分理由

96年度

1割×3か月=3割

預け金問題

00年度

3割×3か月=9割

食糧費問題

02年度

3割×1か月=3割

財務事務所裏金問題

03年度

5割×3か月=15割

新たな裏金問題

04年度

10割×2か月=20割

新たな裏金問題
及び簿外郵券問題

朝日新聞ほか(12月2日)

2004.12.9

 懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受けた元東京事務所次長守屋明被告は控訴期限の8日までに控訴せず判決が確定し、地方公務員法の規定に基づき失職した。

読売新聞ほか(12月10日)

2004.12.10

 県は簿外郵券問題に関する職員の処分を発表した。

・沼津財務事務所で約23万円分の印紙を廃棄していた件で、当時の所長を減給1/10(1月)、次長を戒告に。

・適正処理を指示した後も簿外切手を使用していたとして、当時の幹部である現:部長級3人、部次長級11人、課長級13人、出先次長級7人を文書厳重注意に、ほか5人を訓告に。

・金券を廃棄した熱海財務や中小企業総合指導センターなどについては、処分対象者が退職しているなど処分は行えないが、自首返納させるという。

・静岡財務の行方不明の1千万円分の切手については未だ真相は不明で処分や返納はないが、調査書類を捜査当局に任意提出するという。

新聞各紙(12月11日)

(事実上の幕引きだけに抗議電話が怖いのだろう。都合の悪い発表は、また、金曜日か。)

2004.12.13

 県議会総務委員会で、簿外郵券問題などの不正支出等再発防止策として県が示した弁護士などの有識者で構成する「コンプライアンス委員会」設置について、「体質が改まるのか半信半疑だ。自浄できないから県民の税金を使うというのは本末転倒だ」「委員会を作ればそこに人を集めるわけで、また予算を使うことになる」など、疑問の声が相次いだが、橋本嘉一総務部長は「県庁組織はずっと腐敗しないというのならいいが、私はずっとこの問題をやってきて、かなり悲観的になっている。厳しい手を打っておかないといけない」などと開き直った。

 また、この日、蓮池章平委員(公明)は、県の簿外切手特別調査には全体で約2600時間が費やされ、自給4千円として1千万円以上の公金を使ったことになると自ら試算の上で、それだけ掛けて切手焼却の理由が処分に困って焼いただけでは本当の究明はできない、などと県に苦言を呈した。

静岡朝日テレビ(12月13日)

読売新聞、朝日新聞(12月14日)

(県が報酬を支払って雇う委員が県組織に厳しいわけがない。組織責任の隠れ蓑として個人を切り捨てるだけの委員会になるのは目に見えている)

2004.12.16

 熱海財務事務所で約300万円分の帳簿外切手を焼却していた問題で、4人で協議して焼却処分を決めていたにもかかわらず、4人のうち3人は県による最初の事情聴取に「知らない」などと答えていたものの、残りの1人の証言で嘘がわかり追加の調査で矛盾を指摘され3人は認めたが、県は(「正直に証言すれば免責」という条件に合致するものとして、)これについても免責の対象としていたことが判明。

 これに対し、知事は会見で、「後で分かってでも補正すればいい話じゃないですか」と言い、「裁量権の問題」(判断は県の自由)との認識を示した。

朝日新聞(12月17日)

(証拠を突きつけられるまでは嘘をついても良い(正直)などという「(悪)知恵による価値(観)の創造」をした知事にとっては、最初から正直に言った人というのはどう見えるのでしょうか?)

2005.1.24

 県は相次ぐ不祥事の再発防止策として設置を決めていた「県コンプライアンス委員会」を今月末(1月31日)に設置すると発表した。弁護士、公認会計士、大学教授ら6人で構成し、年2〜3回会議を開く。一連の裏金事件のほか、今年に入って発覚した元熱海土木事務所長による収賄事件についても再発防止の観点から意見を求めるという。

<石川知事>
 「今後、コンプライアンス委員会で有識者からアドバイスを受け、職員の意識改革に全力を挙げたい」

<人事室>
 「今までは実効性のあるシステムを作ったと思っていたが、不足している面もあったかもしれない」「今度こそ外部の風を入れて県民の信頼を回復したい」

<与党県議の一人>
 「イエスマンの委員ばかり集めているのでは、と県民から見られても仕方がない」

静岡県コンプライアンス委員会委員(五十音順)

氏名(敬称略)
資格等
県関係役職暦
その他主な公職暦

青木清高

 

静岡県労働委員会委員

 

小山博之

大学教授

静岡産業大学教授

 

佐々木右子

弁護士

静岡県個人情報保護審査会委員

 

田中範雄

公認会計士

静岡県包括外部監査人

 

人見剛

大学教授

 

内閣府国民生活審議会臨時委員

堀田力(座長)

弁護士

 

社会保険庁最高顧問

主な職務:県が報告する県のコンプライアンスに関する状況に対し意見・助言・評価などを行う。場合によっては委員から自発的提言があるかも。(知事会見による)

新聞各紙(1月25日)

(「不正が発覚しても証拠が出ない限り否定したほうが得」「あとで証言を補正すれば免責に含む」「処分は形式だけで、後で出世という形でフォロー」「他人には人づくりを説く中で厳罰などと強調する一方で自身や身内には大甘の減給どまり」などなど、知事は十分職員の意識を改革したと思います。元東京事務所次長の公判で明らかにされた「石川知事が再選され、(これ以上調査しないという)不正経理問題に対する県の方針に異なる展開が起きる懸念が払拭され、横領への心理抵抗が薄れた」という事実がすべてを物語っているのではないでしょうか。

 また、人事室がこのような低レベルの企画力では外部に頼るのも一考でしょうが、こんな人選で何ができるのでしょう?せめて癒着の原因となっている密室で裁量しまくりの指名制度を改めてくれるなら存在意義もあるでしょうが、OBの業者天下りはもちろん政治家の影響力にも影響があるので無理でしょう。公認会計士による特別監査、内部監察制度、外部弁護士による内部通報制度、職員倫理研修、外部の風までも活用したこれら不正防止策に続く失敗といわれないためには、職員に負担を掛けるような研修などを開かれるより、何もしないことがベストだと謹んで「助言」差し上げましょう」)

2005.2.14

 県コンプライアンス(法令遵守)委員会の第1回会合が開かれたが、出席の委員からは裏金問題について「硬直した予算制度が背景にあり裏金作りはかなり前に行われていて、今まで出しそびれてしまったのだろう」などと県民感情からはかけ離れた意見が相次いだ。

 開会にあたり石川嘉延知事は「職員の公金に対する認識の甘さから県民のひんしゅくを買う事態となった」との認識を示し、委員に組織の問題点などの検証、助言を求めた。
 これに対し、委員らの改善案としては、内部通報制度について県職員以外からの通報や匿名も認めるべきとの意見や倫理の基準を示す「ハンドブック」を作ってはどうかとの案に加え、「若手の職員倫理の研修を1時間だけでなくもっと長くすべきだ」などの提案が出された。知事はこれら案の実現に積極姿勢を示した。

静岡朝日テレビほか(2005.2.14)
毎日、日経ほか(2005.2.15)

(予想が当たって喜ぶべきか悲しむべきか。委員は法令遵守を他人に説く前にまず人として恥を知るべき。)

2005.3.9

 県は県議会総務委員会で内部通報制度について匿名や外部からの通報も受け付けるよう方針転換することを明らかにした。
 また、県は5月中旬予定のコンプライアンス委員会で熱海土木事務所の汚職事件をテーマに不祥事の早期発見や対応策を議論してもらう考えを示した

 (注:ちなみに、これまでの通報はわずか7件、遅刻者の取締りなどで監察スタッフが調査・指導したことが分かっているがそれ以外の処理実績は不明。また、これまでも匿名情報をもとに監察スタッフが調査をするなど記名ははじめから有名無実化していた。)

読売新聞(2005.3.10)

(7件のうち1件は私が提出した監察スタッフの不適正行為の告発であるが、未だ何の回答もない。自分たちに不都合なことは店晒しするだけというのが実態のようだ。今後匿名も可となることで、上司の遅刻、喫煙などでのサボリ、公文書改ざん、サービス残業放置などの違法行為など日ごろの不満が寄せられることになろうが、これを店晒しにすればその匿名性ゆえインターネット上に懈怠の実態がさらされることになろう。監察スタッフがどのように捌いていくのか興味深い。)

2005.5.16

 県が人選した有識者で構成する県コンプライアンス委員会は再発防止策の目玉として新たに県が提案した、外部からの不正行為情報を受けつける「県職員不正行為110番」を県庁に設置することを了承し、その責任者に幹部職員をあてるなどの案を提示した。

NHK(2005.5.16)

(ついに、裏金関連だけで7人もの有罪者を出しながら、問題は組織の体質ではなく、たまたま悪意の不正行為幹部職員が多くいたのだという認識に立った「職員更生・監視」対策で決着。これをJR西日本の列車脱線事故に当てはめれば、再発防止には従業員の更生や監視を強化すればいいんだ、JRの体質に問題の本質はない、と言っているようなもの。実に嘆かわしい限りだ。)

2005.5.24

 県庁(廃棄物リサイクル室)で新たに帳簿外の官製はがき149枚(7450円相当)が見つかった。特別調査では、廃棄物リサイクル室の簿外郵券類は切手460円のみと調査報告されている。
 これを受け、県は、全部局に緊急点検を指示した。

<橋本嘉一総務部長>
 「調査に緊張感を欠いていた」「不正違法行為や隠蔽を疑わせるような事実はなかった」「申し訳ない気持ちでいっぱい」

NHK、静岡朝日テレビほか(2005.5.24)
静岡新聞除く各紙(2005.5.25)

(緊張感の無さは一連の事件を経てますます強くなったように思う。特に幹部クラスにその傾向が強い。これら一連の事件でも逮捕者を除けば無傷どころか褒賞に近い待遇を得ていることが安心感に繋がっているのだろう。この4月に赴任の防災局長、わざわざ庁舎から遠い浜辺の職員住宅を御所望の上、家賃は無し、いったい何を考えているのやら。また、旧行政センターの組織分割に際し、納税者の個人情報保護よりも振興局長のプライバシーが大事とばかり、予算を局長室のパーテーションに使ってしまう無神経さ。私の理解を超えている超人類幹部。次第に何があっても驚かないようになっていきそうだ。)

2005.6.8

 昨年の全庁特別調査の結果、これ以上の不正はないと結論付けていた中で、先月、県庁(廃棄物リサイクル室)で新たに簿外郵券類が見つかったのを受けて行われた緊急点検で、さらに3部署で770枚(71423円相当)のはがきと切手が不正に保管されていたことが明らかになった。

 不正に管理されていたのは東部県民生活センター、県立こども病院、県労働委員会事務局。この内東部県民生活センターでは、担当者が不正を認識しながら報告せず隠していたという。
 県は今日付けで各部署の関係職員のみ15人を訓告や戒告などの処分に付した。(調査担当部署関係者は不問)

<橋本嘉一総務部長>
 「できる限り調査したつもりだが新たな不正が分かり申し訳ない」「調査に緊張感を欠いていた」「職員が厳しい問題意識を持たなかった」「根本に職員の意識の問題があった」「免責条件まで与えて調査を徹底したつもりだったが、広く職員の心構えの徹底が必要だった」などと述べた

TV各局(2005.6.8)

新聞各紙(2005.6.9)

(裏金等の不正の再発防止策の一環として一昨年から昨年度まで行われた職員の意識改革を目的に行われた職員倫理研修。筆者は任意の受講なら希望しないとして結局受講しなかったので内容については言及できないものの、いかに無意味で形式的なものだったのかが証明された。多忙な職務の中出席し結果残業した職員もおり、再発防止のアリバイ作りのための税金の無駄遣いと見られても仕方あるまい。)

2005.6.14

 知事は定例会見で、全庁特別調査後新たに見つかった簿外郵券問題の責任について、先週8日訓告などの処分に付した簿外郵券発見所属関係者15人以外には、自身の管理監督責任や調査を担当した調査班の調査責任を問うなどの新たな処分を行う考えのないことを明らかにした。

<石川嘉延知事>
 「前回の調査では徹底的に調べる前提でいて詳細に指示したつもりだったが、一部とはいえ徹底を欠き大変残念だ」
「99.99%がちゃんとしても、わずかの職員のふらちな行為というのは、ゼロが目標ではありますけどゼロにしきれない」
「100%不正を明らかにできたと思っていてそれが覆されたのは残念だが今回の問題はいわば「行政の品質管理の問題」で、100%できなかったからといってすべて私が管理責任を問われるものではないと理解している」

NHK、テレビ静岡、静岡朝日テレビ(2005.6.14)

(「学習する組織」(高間邦男著、光文社新書)に収録されているJRグループの元会長の佐藤義雄氏の言葉、「魚は頭から泳ぐからね、上が変わらなければ駄目なんだ」というのは実にそのとおりだ。今後心改め、本当に変われるように、同書の「人の上に立つ人は、部下の足りなさを嘆くよりも、自分の不甲斐なさを嘆いた方が的を射ている」という言葉を石川知事に送りたい。)

2005.10.4

 またまた、新たに簿外郵券が発見されたことが明らかになった。
 発見されたのは県沼津財務事務所自動車税分室で、99枚12,662円分の切手。
 先月27日に発見されたもので、なぜか1週間後のこの日明らかにされた。
 また、切手の中には全庁調査などの対象となった平成9年度よりも前の平成5年に発行停止となった72円切手も含まれており、預金裏金問題が出た平成8年当時に徹底した調査をし膿を出し切れなかったことが悔やまれる発見といえる。

<白岩俊総務部長>・・・(今年夏ごろから総務省帰任の橋本氏の後任となる。同じく総務省から着任。)
 「昨年の全庁特別調査や今年の緊急点検で調査の不徹底で発見されなかった切手が残っていたことは、職員に緊張感が欠けている」「詳細な原因調査を行って責任の度合いに応じて厳正に処分する」

新聞各紙(2005.10.5)

2005.10.7

 県監査委員が行った特別監査は杜撰なものだったとして市民団体「オンブズパーソン静岡」が知事を相手取り監査費用1300万円の返還を求めた住民訴訟で、静岡地裁は「大多数の県職員が裏金の存在を申告しないという事態を予測することは困難」として原告の訴えを退けた。
 この特別監査は、静岡財務事務所の元所長の横領を受けて行われ、熱海財務と下田財務以外には裏金は無かったとした上、後に横領事件として明るみとなった熱海の裏金は金庫内で見つかったとの虚偽の報告がなされるなど県民の不信感を増大させた。また、この監査後、沼津財務事務所の元次長が逮捕されたのを端緒に全庁で裏金の存在が明らかになり逮捕者を続出させることとなった。

 一方、最高裁は、県議の親睦団体に対する県の補助金は「視察は私的な観光旅行」で違法との「県オンブズマンネットワーク」の主張に対し静岡地裁が「視察は観光政策の進展などに寄与する」として請求を棄却していた上告訴訟で、原告の上告を受理し弁論を開くことを決め関係者に通知した。最高裁で弁論が開かれると従来の判決が覆ることが多く年内に出ると見られる判決が注目される。

新聞各紙(2005.10.8)

2005.10.11

 知事は新たに簿外郵券が見つかったことを受け、「見落としがあったことは大変残念」「切手が保管されていないという思い込みがあったようだ」などと述べた上で関係者の処分を行うとした。しかし、新たな全庁調査などの必要はないとした。

TV各局(2005.10.11)

2005.11.19

 県下田土木事務所名義の不審な口座があることが発覚した。15年前に開設され、県によるとその後入出金はされていないという。残高は1万2千円余という。県土木部土木管理室は今年8月に事務所から報告を受けていたにもかかわらず「県職員が開設した確証がない」などとして公表していなかった。毎日新聞の取材で明らかとなったため近く監察担当部署に経緯が報告されるという。

<当時の下田土木事務所総務課長>
 「まったく記憶がない」

<藤田一敏土木部管理室長>
 「県が作った口座との確証がなく、裏金口座ではない」

毎日新聞(2005.11.19)

2006.2.22

 2005年5月から約3ヶ月に1回のペースで開催されていた県コンプライアンス委員会が22日開催され、抜き打ち監察や研修の実施など平成18年度コンプライアンス推進計画案を決めた上で、これまでよりも開催間隔を少しあけ、半年後に次回を開催することで一致した。

 委員会の堀田座長は「実効性は職員の公務員としての自覚にかかっている」などと語った。

産経、読売、静岡新聞(2006.2.23)

(目立った成果も挙げられず、実効性のある具体策も示せず、職員の自覚に頼るだけの委員会。所詮は、裏金横領の組織的責任を否定し個人の犯罪として矮小化した上でアリバイ作りのために設置されただけあって県民だけでなく、職員の不信をも増大させているだけの無用・無能の委員会である。このまま事実上消滅していくことを期待したい。)

2006.3.10

 県は下田土木事務所の不明口座(2005.11.19記事参照)を先月ひそかに雑収として繰り入れていたことが県議会総務委員会で明らかにされた。

<土木部建設政策総室>
「公金と推定した超法規的措置」

読売新聞(2006.3.11)

(なぜ積極的に全容を刻々と公開しないのか。法令違反ではない隠し事はコンプライアンスには反しないということか。時代遅れの法令順守型コンプライアンスを説く本県の限界がよく表れている。)

2006.11.21

 県オンブズマンネットワークの服部寛一郎代表幹事ら3人は21日、業務上横領容疑で逮捕状が出ている96年当時、県西部農林事務所総務課総務係長だった元県職員(57)に、県から退職金が支給されているのは違法だとして、県に損害賠償を求める住民監査請求をした。
同元職員は当時の元総務課長(65)(有罪確定)と裏金を山分けしたとされている。
服部代表幹事らによると、同元職員に対しては退職金が支払われる「分限免職処分」によって、推定で2千万円の退職金が支給されたという。

<池谷享士人事室長>
「当時、本人との確認が直接できない状況では分限処分にせざるを得なかった」(朝日新聞取材)

<服部代表幹事>
「本来なら、出勤督促に応じないのだから職務怠慢に該当し、懲戒処分にすべきで、退職金が支払われる分限処分そのものが誤り。公金に対する県の認識の甘さが如実に現れている」
「まるで盗っ人に追い銭。県の公金への認識の甘さが如実に表れている。情報公開についても、また裏金以前の状況に戻ってしまった」

朝日新聞(2006.11.22)

毎日新聞(2006.11.22)

2007.1.18

県監査委員は18日付けで、県オンブズマンネットワークが昨年11月21日に業務上横領容疑で逮捕状が出ている元西部農林事務所総務係長の男(57)に支給された退職金(約2200万円)を県に返還させるよう求めた住民監査請求に対し、男が金を自宅に持ち帰ったことは公金保管の一形態に過ぎないとし、失跡した男に確認できず懲戒に該当するとは断定できないとの県の判断に理解を示した上で住民監査請求を「不当な支給にあたらない」として棄却した。

毎日新聞(2007.1.20)

(裏金隠蔽・擁護で活躍した県民無視の監査姿勢は今も健在。今月事務所で行った予備監査も「ざる監査」で県民不在。行政は間違った行政(事業)はしていなと言わんばかりの言い訳・アリバイ作りの調書作成・想定質問作りに御執心で、いったい誰のための監査かと言いたくなる。だれに遠慮してるのか知らないが、県民本位の視点で監査して無駄や非効率な事業ははっきりと糾弾してほしいものだ。ただ、その前に今の監査自体が税金の無駄遣いということに気づく能力が先決だが。)

2007.2.16

裏金を着服後、無断欠勤を続けた元静岡県職員に県が退職金を支給したのは違法として、 県オンブズマンネットワークは 知事を相手に、退職金相当額の返還を求める訴訟を起こした。 訴えによると、50代の元職員は1996年ごろ、出先機関で総務係長として裏金を管理し、 500万円を着服。2003年11月に失跡し、免職処分となるまで170日間無断欠勤した。 しかし、県は、人事院の指針では「正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職または停職とする」となっているにもかかわらず、その職員を分限免職処分にとどめ、04年7月に退職金2119万円を支給した。

新聞各紙(2007.2.17)

2007.3.27

浜松土木事務所で不審口座が見つかり、103万1677円(利息含む)が県に返納された。

公金92万4千円を21年間にわたり「浜松土木事務所」名義の口座に保管していたことによるもので、通帳を管理していた職員ら4人を文書厳重注意とした。
2003年の全庁調査では自主申告していなかった。
県土木部によるとこの公金は昭和61年当時の用地買収の追加補償費の一部で、移転完了後に支払う予定だったものであるとのこと。(その後移転交渉が難航し現在も移転は完了していない)

また、県は既に500万円を当該用地買収の補償費として払っていたが契約不履行に伴う補償金の返還請求権は時効のため行使できないという。

新聞各紙(2007.3.28)

(浜松土木事務所名義の口座は公金の正規の口座ではない。そこに公金を入れるには請求書を偽造しなければ不可能だ。どういう経緯のお金かも重要であるがどのようにしてそのようなところにお金を入れられたのかということのほうが重要だ。また、2003年の全庁調査で明らかにならなかったというのも当時の調査が如何に杜撰だったかが分る。)

2007.4.20

裏金横領容疑で指名手配中の元西部農林事務所総務課係長に退職金が支給されるのはおかしいとして石川嘉延知事ら当時の県幹部に、退職金約2100万円の返還を求めた訴訟の第1回口頭弁論が開かれた。

県は「行方不明者は分限免職処分として退職金を支払ってきた」という理由で正当としたが、原告の県オンブズマンネットワークの服部寛一郎代表幹事は「長期間無断欠勤の状態で懲戒免職処分が妥当。退職金を受け取るのはおかしい」と主張している。

毎日新聞ほか(2007.4.21)

2007.10.1

2004〜5年当時の全庁特別調査で見落とした管理簿に記載のない官製はがき2万5435円分が県庁東館7階の産業部就業支援局の書棚から発見された。

これに伴い、全庁特別調査当時の労働政策室長が調査時に明確な指示をしなかったのが原因として文書戒告処分とした。

読売新聞、朝日新聞(2007.10.2)

2008.6.13

県立総合病院で2003年以降使われていない不明朗な口座4口座計1080万円の公金が見つかった。

2003年の免責を条件とした全庁調査でも自主申告されていなかった。
4口座の内訳は
@ 97年度までの院内保育所委託業務の口座に約584万円
A 98年度の院内保育所委託業務の口座に約6200円
B 海外研修生の経費管理の口座に約134万円
C 医薬品の受託研究事業の口座に約360万円

県立病院総務課で管理されていたが2003年以降は使われていないという。

県は、出金約453万円の経緯が不明となっており、8月をメドにさらに調査を続けるという。

<杉山純県病院局長>
 「公金という認識が欠けていた。」

毎日新聞ほか(2008.6.14)

<付録>


1996年(平成8年)食糧費(預け金)問題を振り返る

食糧費の預け金問題は県議会6月定例会で無所属の服部寛一郎県議が取り上げた。
請求書を水増しして書き換え、差額をホテル等に預けるという手口。

石川知事は当初「そうした事実はないと信じている」としていたが、その後、「議会やマスコミで具体的なホテル名や預け金額が指摘された以上、調べるのが筋」として、監査委員に、7年度の監査に合わせての重点監査を要請した。

日付

見出し

概要

1996.9.19

<読売新聞>
県調査 食糧費裏金1000万円超
部局”網羅”40課以上
請求書改ざんも 三役処分含め対応検討

<毎日新聞>
県預かり金疑惑
ホテル、料亭など5施設で
昨年度末で900万円

ホテルなどへの聞き取りなどを行なった結果、全10部局と教育委員会で94年度末で約1200万円、95年度末で900万円の預かり金が残っていたことが判明。

1996.9.20

<読売新聞>
監査委調査で”幕引き”?
県食糧費プール問題
「結論これで十分」
県「使用分返還せず」
「私的飲食」疑惑晴れず

欧州出張中の知事に代わって庄田副知事が記者会見

預かり金の使途や不正の手口をさらに調べるべきでは、との指摘に対し、「調査した上での結論で、これで十分。調査は終ったと考えている」

すでに使用したプール金については、「私的には使用していないと聞いている」として、返還を求めないとした。

<日本経済新聞>
県裏金問題で副知事「不適切な会計処理あった」
24日に再発防止策
監査機能の強化不可欠
外部の人材登用や事務局員の増強を

6月議会で今回の問題を指摘された際、「事実はない」と答弁した当局は、県民に対して重大な背信行為を犯していたことになる。

監査委員に調査を依頼したのも世論に火がつき始めてからで、自浄能力のなさも露呈した。

県監査委員は4人で、常勤は県関係者、非常勤2人は県議が占め、身内に甘くなりがち。現行制度でも公認会計士や弁護士など、外部からの人材を登用できる。事実、北海道や青森・宮城県では外部の人材を登用している。

「とても全書類を見きれない。一部を抽出しての監査にならざるを得ない」(監査委員事務局)

1996.9.21

<読売新聞>
県庁裏金問題 使途「公務」と知事釈明
使用分「寄付」で処理
オンブズマン「承服できない」と追及へ

<朝日新聞>
県庁の預け金問題 知事ら三役減給処分
強制返還は求めず 部課長から「自主的寄付」の形に

帰国した知事が自らを3ヶ月間減給10分の1にするなど、県幹部の処分を発表。

また、すでに使用した630万円については各部局の課長以上で構成している「部課長会」が、自主的な「寄付」を知事に申し入れたため、強制的な返還請求はしないこととなった。

さらに、改善方針として
@情報公開の充実
A監査委員増員や行政監察の役目を果たす新たな機関の設置
B職員の研修プログラムを見直して意識改革に努める
C各課一律のシーリング方式を見直して出納局の会計検査事務を強化する
の4点を挙げた。

「監査結果は不正確、不十分。幕引きを図る意図が明白だ」(県民オンブズマンの会)

1996.11.6

<日本経済新聞>
食糧費の裏金問題 県が再発防止策
職員に倫理研修
監査事務局を強化
議会が行政チェックを

県が不正経理の再発防止策を発表。
@職員の意識改革
A監査体制の強化
B予算執行システムの見直し
の3点が柱。
@については、職員千人を対象にした公務員倫理研修の実施、自治研修所での講義に「公務員倫理」を追加。
Aについては、監査委員事務局内に「調査監」ポストを新設、3人の「特別調査」担当を増員など。
公文書開示審査会の答申を待って情報公開の充実にも取り組む考えも示す。

1996.11or12

<毎日新聞>
裏金 疑惑と構造
隠す県 もたれ合う議会
問われる石川知事の姿勢

全国的な情報公開の流れに逆行するかのように、裏金の使途解明や公開範囲の拡大は遅々として進まず、県議会も新たな裏金疑惑や不適正な会計処理の解明に腰が引けるというお粗末ぶりをさらけ出した。

「議会に追求しろという方が無理。委員会で国内視察にいけば2次会は公費持ちが当たり前だった。裏金の使い道が公務だと信じているわけではないが、全部公開されて責任が自分に及ぶのは嫌だからな」(複数の保守系県議)

1996.12.7

<産経新聞>
外部監査導入検討へ
公費乱用改善策で知事

6日の県議会12月定例会で、「国の検討結果を踏まえ、県としても外部監査制度の導入を検討していく」「外部監査は行政の公平性、透明性を高める」(石川知事)
11月の県議会決算特別委員会では、外部監査制度の導入に消極的な姿勢を示していたが、積極姿勢に転じた。

森川県議の「預け金だけでなく、カラ出張やカラ雇用なども含め、三重県などの例のように全庁あげて一気にウミを出すべき」との追求に対し、石川知事は「監査委員が入念に調査しており、さらに再調査することは考えていない。具体的に指摘があれば再調査することになる」とかわした。

1996.12.10

<毎日新聞>
県、具体的証拠示さぬまま
預け金 真相究明に幕
県議会、決算19件を認定
2県議が強く批判

「プール金の使途は公的だった」と主張する県側は具体的証拠を示さなかったが、県議会本会議は賛成多数で決算認定。

2議員が認定に反対の討論を行なった。
「調査の結果が出ているのは本庁分のみで出先機関はカットされ、昨年度分だけ」「不正支出を見抜けなかった監査委員も責任は免れない」(鈴木良治県議)
「預け金の発生は、県側が言うように予算の硬直性などが原因でなく、公文書偽造・同行使による詐欺罪だ」「県庁で物品を購入しないのに購入したように見せかけた同様のシステムが厳しく批判されたはずなのに、県は何も改めなかった」「職員の関与をあいまいにするから、一般職員が『組織の問題』としてかばってもらえると思い不正がなくならない。不正があればいかなる地位でも免れないようにする責任体制の確立をしなくてはならない」(服部寛一郎県議)