静岡空港関連時事(平成15年10月〜)

 2003.12.27UP  2007.8.12 更新

 このページでは静岡空港に関連する主要な時事を簡潔に整理しコメントしていくものです。詳細について興味のある方は、補足説明を参考に過去の新聞記事等を図書館等で各自お調べください。

時期
公表または報道された事実
補足説明(筆者コメント)

2003.10.1

東海道新幹線品川駅が開業。

@ ひかり、こだまのスピードが270キロにアップし時間短縮。三島−品川間は「ひかり」でわずか35分で結ばれることとなった。
A 熱海、三島、浜松停車の全てと静岡停車のほとんどのひかりが品川に停車することとなった。
B 浜松駅でひかり停車本数が上下計26本に増車、東京日帰り可能の滞在時間も伸びた。
など利便性がアップした。

<空港建設局幹部コメント>
 「品川新駅の影響は需要予測に織り込み済み。空港新駅は、空港利用の実績次第で実現すると思っている」

新聞各紙(2003.10.2)

(県の最新の需要予測では品川に駅が出来るという事実と品川駅には「こだま」だけが停車するという事実だけの織り込みしか行なっていない。静岡空港の便数よりも多い「ひかり」を考慮外とした予測の妥当性はそのことだけでも大きく揺らぐものと言い得る。ちなみに県予測で三島から札幌には仕事目的で約75%、観光目的で約50%の人がわざわざ静岡空港を利用するという予測結果となっている。)

2003.10.3

圏央道収用停止を命令。

 事業認定取消訴訟係争中の圏央道建設予定地収用の手続続行の停止の申し立てに対し、東京地裁は土地収用裁決の執行を停止する決定を行なった。
 その理由は
@ 完成を急ぐべき具体的必要性があるか否か明らかでなく、行政側が主張する工事遅延による損失等についてはその信憑性を検討する必要性があり直ちに採用できないことから公共の福祉に与える影響は軽微。(係争中の)事業認定が違法の可能性があるのに建設を強行することを正当化できない。
A 自己の生活と密着した個別的な利益は一旦失うと容易に他のもので置き換えることができず、住民らの回復困難な損害の発生を避けるため代執行手続を停止する緊急の必要性がある。
 など。

新聞各紙(2003.10.3夕刊)

(必要性に疑問の少ない道路でさえこの有り様なのに静岡空港完成を急ぐ理由??)

2003.10.21

国交省「公共事業評価システム検討委員会航空部会」(部会長:石川裕己航空局長)の初回会合を非公開で開催。
県は事業継続を妥当とした県の事業再評価などを説明。
国交省は来年3月までに補助金を支出するかどうかを決める。

読売新聞、毎日新聞、静岡新聞(2003.10.22)

(しょせん国交省主体の審議ですから)

2003.11.6

JALとANAが、羽田空港とソウルの金浦空港を結ぶ便の認可を国交省に申請。(10月30日から運航が開始されている)

 日韓両国とも中心部に近い羽田空港、金浦空港を国内専用空港と位置付けているが、その特例措置として実施される。
 これにより、東京都心からソウル中心部まで約1時間短縮されることになった。
 便数の計は1日4便(4往復)。

日経新聞(2003.11.7)

(静岡空港からソウルへは週3便の県予測である。それでも三島からソウルへ行く人の3割が静岡空港を利用するとしているが、これは県予測では羽田を想定していないからである。1日4便もあり、韓国側でも30分も短縮効果のある金浦空港との路線設定は静岡空港の需要予測にとっては致命的といえる)

2003.11.9

ワシントンポスト紙に静岡空港問題が掲載

静岡空港建設中止の会による和訳(2003.12.25)

2003.11.17

知事は用地取得問題に関して、「近いうちに空港建設局長を地権者宅へ差し向け、話し合いの場の設定に向けて調整したい」と述べその旨の手紙を地権者に郵送したと明らかにした。
これまでにも今年だけで計4回話し合いの場の設定を求める手紙を送っているが応じられないと断られている。

 地権者側は既に話し合いの最低条件として
@ 土地収用の申請はしない。
A 空港建設工事をすべて中止する。
B ボタンの掛け違いがあったことを知事が認める。
 など、県に通告しており膠着状態となっている。

<知事コメント>
 「四度にわたり手紙で話し合いを申し入れてきたが見るべき前進はない。だからといって手をこまねいているわけには行かない。何らかの形で接触したい」

新聞各紙(2003.11.18)

(県も話し合いで解決するとは思っていないはずである。今回のしつこいくらいのアクションは明らかに「接触」という進展の事実が目的であることは明白である。)

2003.11.28

知事は用地取得問題に関して、「何でこんなに長くかかるのかなと思う。残る4軒の地権者にどうやって理解を得るか。行く手を阻む小さな石があるので通れない」などと強い苛立ちを示した。

読売新聞(2003.11.29)

2003.12.8

静岡空港運営のため設立する運営会社は、スズキ(浜松市)、静岡銀行(静岡市)、時之栖(御殿場市)の3社を中心に設立することが決まった。
 知事は「ターミナルビルの運営にとどまらず、空港基本施設の維持管理などを業務委託する」とし、できるだけ民間活力を利用するが必要に応じて出資の方針も示した。

新聞各紙(2003.12.9)

(一番の問題は委託料が着陸料収入相当額とした場合、赤字の責任(補填)は県がするのか出資会社がするのかだ。出資会社にそこまでの覚悟がないなら無意味である。)

2003.12.15

知事は商工会長などとの懇談の中で、「伊豆が国際的なリゾート地として機能するには道路以上にむしろ空港が必要ではないかと思う」、「大きなテーマと承知しているので、静岡空港の目鼻がついてから研究に取り組みたい」などと述べた。

また、定例会見では羽田空港の4本目の滑走路増設について、「処理能力が4割程度増えるだけでは、今後増大する首都圏の航空需要を賄いきれず、静岡空港は首都圏の航空需要の一翼を担うことが可能」などと述べた。

静岡新聞(2003.12.16)

2003.12.25

国交省「公共事業評価システム検討委員会航空部会」(部会長:石川裕己航空局長)の第2回会合を開催、前回の会合で出た質問に県が説明を行なった。

 この中で、甲府市からの札幌便利用者の48%が静岡空港を利用するとの需要予測が実感と合わないと国から批判された点について、県は、静岡空港は東名高速による車での接続に優れていると強調した。

読売新聞(2003.12.26)

2004.1.1

知事は、NHKの新春インタビューの中で、今年の秋までに用地取得ができなければ開港延期も仕方ないと発言。
仮に強制収用によった場合でも申請から取得まで2年程度はかかることから、任意取得が秋までにできるのかが18年度開港の鍵となるとのこと。

NHK(2004.1.1昼)

(何度目の延期でしょうか?最初の計画ではサッカーWCに間に合うはずだったように記憶してますが?昨年はいつのまにか18年開港予定が18年度に変わっていたし。いいかげん本当のことをいったらどうでしょう。)

2004.2.12

 「静岡空港・リージョナル航空研究会」第2回会合で事務局の県が航空会社の実態や地元自治体の支援状況を説明。
 リージョナル航空会社が路線開設の際考慮する条件として@採算性A需要見込みB地元自治体による財政支援を挙げていることや、「観光利用では旅客単価が安くなる傾向があり、経営的に難しい」「小型機は乗客一人当たりのコストが高まるため、ビジネス利用など単価の高い客に期待している」などの意見があることが明らかになった。地元自治体の支援としては機材購入費の補助、着陸料の減免措置、ナイトステイの場合の乗員の宿泊料の負担などが紹介され、委員からは「航路開設時は新しい機材の購入が必要。自治体の助成方法を考えるべきだ」との意見が相次いだ。

新聞各紙(2004.2.13)

2004.3.1

 1日の県議会において知事は、国の再評価で事業継続が判断されると考えており、開港時期にも影響はないだろう」との楽観的見通しを示す一方で、用地取得については「(既に)土地を売った地権者は代替地で実績を上げるなど売却要件はそろっているのに、それでも(残る地権者が売却する意思に)変わらないのは反対運動に義理立てしているか、行動を束縛されているのではないか」と進まぬ用地取得にいらだちを見せた。

新聞各紙(2004.3.2)

(地権者が私的な金銭的理由で反対していると思っていること自体が間違いだと気付かない限りボタンは掛け違ったままである。今中断すれば県民負担・国民負担の傷口をこれ以上大きくしないと考えるべきか否を詭弁の需要予測によってではなく正面から受け止め論ずべきである。皆が皆、自分と同価値観だと思わないでいただきたい。)

2004.3.2

 産経新聞のインタビューに対し、知事は土地収用について「静岡空港の場合は、オリンピックとか万博とか、国際公約的なものに基づいたタイムリミットがありません。県が用地買収を始めてから8年ほど経過したこの時点で、(国交省・裁判所が)土地収用法による強制収用を認めてくれるのか、非常に判断に苦しむところです。諸般の情勢や過去のタイミングを図り、慎重に決断する必要があります」と答えた。

 また、スズキ、静岡銀行、時之栖の3社が中核となって設立する空港施設運営会社への出資等について、「県に出資を求めようという動きは出ていません」「そんなことを考えるような柔な経営者の皆さんではないと思います」と牽制した。

産経新聞(2004.3.2)

(いわゆる緊急性の要件が認められないという事実に気づいたらしい。一発勝負だけになかなか事業認定の申請には踏み込めないだろう。勝機を見て申請してもその訴訟過程で空港施設運営会社への(県だけでなく3社の)関わり方や航空会社への補助のあり方など将来の負担にも言及せざるを得ない。責任を明確にする意味で安易な妥協よりも非常に意義のある争いというべきである。)

2004.3.2

 衆議院予算委員会において、静岡空港の需要予測について石原伸晃国土交通大臣は金田誠一議員(民主党)の「需要予測がわずか7年半で6割近くまで減少するのは、推計そのものがずさんではないか」との質問に対し「私の率直な感想として、官の側が行うものが甘めであるのは事実」と答弁。

 また、「旧運輸省が設置許可に消極的であったところ、知事が「私を政治的に殺す気か」とまで凄んだ結果、知事が確約書なるものを提出することによって、辛うじて折り合いを付けたという経緯があると認識している。この確約書には、地権者を説得し合意を得ることによって、県の責任において全用地を取得することを確約する旨の記載がある。この確約書提出までの経緯をふまえて読めば、確約書には、用地の強制収用は行わないという意味が含まれていることは疑いない。ところが県は強制収用を検討しているとのことだ。事実とすれば県民への裏切りだ。国交省が認めれば国も明らかに同罪となる。成田空港問題円卓会議での歴代運輸大臣の発言を反故にすることにもなる。強制収用は行わないことをぜひ明言してほしい」との質問に、石原伸晃国土交通大臣は「強制収用の話は初耳」「(県からは)話し合い解決に向けて万全を期すと聞いている。県の方針を見守り、支持したい」と答弁。

 「3月の航空部会で静岡空港の国の再評価が決まるが、ポイントは費用対効果の分析だ。県は86万人が費用対便益が1対1になる分岐点と考えている。その上での106万人の需要予測にはからくりがある。基礎数値がアクセス、便数などで静岡空港に有利に設定されている。基礎数値を正確に設定すべきではないか」との質問には石川航空局長は「国の再評価は、県の需要予測が国交省のマニュアルに沿って適切になされているかを確認することとなっている。」「マニュアルに沿って試算が適切かどうかを確認する。」と答弁。

新聞各紙(2004.3.3)

衆議院TV
http://www.shugiintv.go.jp/top_frame.cfm

金田議員の質問
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=22658&media_type=rn&time=04:35:57.9

(左には掲載していませんが、石原伸晃大臣、収用手続を間違って認識してます。県の収用委員会よりも先に国土交通省が事業認定するかどうかを判断するんですよ。収用に際しては、県よりもまさに国土交通省の見識が問われるんですよ。他人事のように答弁しないでください。)

参考:確約書(平成8年7月22日付け、静岡県知事石川嘉延から運輸省航空局長黒野匡彦あて)
「静岡空港整備事業につきましては、日ごろ特段の御配慮をいただき厚く御礼申し上げます。さて、静岡空港につきましては、昨年12月19日の設置許可申請以降も、残された未同意地権者全員の同意を得るべく最大限の努力を重ねてまいりましたが、誠に遺憾ながら6世帯の地権者及び共有地権者につきましては、現時点において同意を得るには至っておりません。しかしながら、これらの地権者につきましては、これまでにも御報告申し上げましたとおり、必ずしも全員がかたくなな態度を取り続けているのではなく、設置許可が得られることにより話し合いの進展が期待されるものであり、また、空港建設に向けて静岡県、地元市町村及び地域が一体となって取り組むことにより、同意取得が可能となるものと確信しております。設置許可を得た後も、貴重な土地を提供していただく未同意地権者に十分配慮しつつ、引き続き諸対策を進める中で誠心誠意交渉に当たること等により、県の責任において最終的には全ての用地を取得してまいることを確約いたします。」

2日の県議会本会議で石川知事は空港需要予測について「品川新駅の開業や中部国際空港の開港も反映されており、見直す必要はない」と答弁。

読売新聞(2004.3.3)

(このページにも一部書いたように適正に反映していないのだから見直すのは当然の義務であろう)

2004.3.6

石川嘉延知事は5日の県議会で上記金田議員(北海道8区選出)について「整備新幹線が通っていない所に通せ、代わりに邪魔な静岡空港はやめろと言っている。国会議員のあるべき姿として情けない。何とも浅ましい」と批判。

朝日新聞(2004.3.6)

(言いたい放題ですね。地方議会の発言だから本人に伝わらないとでも思ってるのでしょうか)

2004.3.10

石原伸晃国土交通大臣の「強制収用の話は初耳」との発言に関し、県議会企画生活文化委員会において空港建設局の志村務次長(元国交省職員)は「事務的には(国土交通省に)当然伝達している」と答弁した。また、「土地の完全取得」を約束した確約書については「『県が責任を持って対処する』としており、収用しないことを明らかにするものではないと考えている」とした。

読売新聞、朝日新聞(2004.3.11)

2004.3.29

国土交通省は省議を開き、石原伸晃国土交通大臣らによって静岡空港事業に対する04年度以降の補助金交付を正式に決定した。これに先立つ「公共事業評価システム検討委員会」(審議非公開)では、県のデータや説明をそのまま受け入れ、事業継続は問題ないと結論づけた。

<風岡典之事務次官>
 「コスト縮減や、需要予測、民活プロジェクトの可能性などを十分検討した。その上での判断だ」

<航空局計画課>
 「収用した方がいい悪いをいう立場にはない。県が設置する空港で、県が責任を持って判断すればいい」

<(週刊ダイヤモンドで石川(嘉延)県政を自由自在に運転していると書かれた)スズキの鈴木修会長>
 「建設に反対の人たちも大乗的見地で協力してほしいと思う」

<空港はいらない静岡県民の会>
 「過大な需要予測や不明確な路線開設の見込みについて解明されず、不当な決定だ」

新聞各紙(2004.3.30)

2004.3.30

国土交通省は静岡空港本体用地造成の事業費として国費11億2千4百万円の配分を決定した。
県は国庫補助事業費として35億円を計上し、半分の17億5千万円の国費を見込んでいたが、結果的には約3割下回る22億4千8百万円の事業執行が認められたことになる。

<石原伸晃国土交通大臣>
 補助金継続決定の判断について「民間活力の活用、競争力のある着陸料の設定、駐機料の軽減、駐車場の無料開放など、さまざまなことをやるという話をいただいたので最終的に補助金継続を決定した」「民間がすべてをマネジメントするということで民間の代表の方から、もうお金をかけないという話を聞かせてもらった」

新聞各紙(2004.3.30,31)

(「さまざまなこと」を一切税金を使わずにその民間の代表の方の責任でやってもらえるということなんでしょうか?そこまでの覚悟がおありなら名乗り出てもらって、「ザザシティ浜松中央館」のように行政支援を直接、間接問わず当てにするようなことはない、参加企業が責任を持つ、と明言していただきたいものです。)

2004.4.5

石川嘉延静岡県知事は定例記者会見で今年の11月までに土地が取得できれば平成19年春の開港に間に合うとの見解を示した。

<石川嘉延静岡県知事>
@ 「4軒の地権者は地域の方々と可能な限り未来永劫、少なくとも子々孫々まで地域の方々と共生していきたいというお考えお気持ちを持っていることはありありとうかがえる」「是非4軒の地権者の方々が今後地域の方々とうまく共生していくようなことも踏まえて判断していただくならば、そろそろ断固反対の旗を畳んで、・・・」

A 「空港建設事業は、とにかく、粛々と、きちんと民主的な手続をその都度、踏みながらやってきた。
 これは、国土交通省という行政当局、そして、多数出されておった空港建設事業についての法廷でのいろいろな問題提起、これをすべて静岡県側の行動決定を支持するものになっているわけですね。
 これを、何ら我々は、違法不当な手続のもとにやっていなかったという主張がすべて裏付けられているわけですから、民主主義社会において少なくとも、善良な市民であるならば、こういうことを踏まえて、いつまでも、俺が反対だから反対だ、と言わんばかりの行動で反対運動隊がやってこられるというのは非常に奇異に感じますね。
 いくら反対でも、決定が民主的な手続で決定されたら、その決定に従っていくというのが、民主主義社会の構成員のとるべき態度ではないかと思うんですね。
 それを自分たちの気に食わない方法でやられたと、だからだめだといっても、民主的な決定の手続、手段が複数用意されておいて、それについて正当性が保障されてきているわけですから、これは、自分たちの流儀に会わないからダメだというのは、今日の日本の社会の中で通るのでしょうかね。皆さん方にもお聞きしたいんですけど、どうしたらよいのでしょうか。
 そういうことを、原点に返って、素直に、いろいろこの事業を見直していただければ、止めると言わなければテーブルにつかないとか、そのような話にはならないんじゃないかと思いますが。多数の意見を引っ込めて、少数の意見に従えというのは、そういうのは、民主主義とは言えないでしょう」

県HP、新聞各紙

(@は脅しですかね?昔の村八分を想起しますが。
Aはあまりにお粗末な見識でとても県民の代表者たる知事の発言とは思えません。どこの民主主義のことを言ってるんでしょう。民主主義の前に朝鮮を、後に人民共和国をつければ、知事の言うとおり、形式的であっても手続を踏んだお上の決定に反対するような表現の自由は「奇異」で、構成員のとるべき態度ではないということになるんでしょうが、ここは日本なんですがね。日本は個人の尊厳を基調とした立憲(自由主義的)民主主義社会であって少数意見だからといって排除されることはないはずなんですが、静岡県だけのローカルルールにしようということでしょうかね。国に対して静岡県に権限を委譲して政令県にしろなんていうくらいの知事ですから、なしとはいえませんが・・・。というか、「少数の意見」って、この人にとっては一般の県民は意見の数にも入ってないってことなんでしょうね。住民投票に反対していた時期に「その時の住民の判断がすべて正しいかどうか疑問がある」「(住民投票によって住民が)大事なことを決めることには異論がある」なんて言ってたくらいですから、「意見」の数に入るのは県会議員やご自分の支援者だけなんでしょうね。ほんと怖い人に権力という玩具を与えてしまったようですね。
危機的状況はより一層深く進行していると確信しました。黄色の広場(県庁前)に銅像でも立てかねないですね。ところでこの人、数字にも弱い、法律にも弱い、一体何学部出たんでしょうね?)

2004.4.12

吉田町主催の講演会で、塩川正十郎氏(前・財務大臣)は聴衆の「静岡空港建設をどう思うか」という質問に答えて、あらまし次のように語りました.
「この空港は石川さんが頑固に作りたがっているのでしょ。地方空港は作ってもいいけれど、作ったあとのことをとを考えなければいけません。空港は作ったあとも(維持管理に)大変カネがかかる。
 空港は、(航空機が)たくさん飛ぶなら便利です。しかし、佐賀空港をみても(路線も便数も少なくて)お客はすっかり福岡空港に取られてしまっている。
 各地の地方空港で、乗ってもらうために県や地元自治体が多額のカネを負担しています。(この空港地元の)吉田町も、そうならないようにした方がいいですよ。」

空港はいらない県民の会メールNO.239

2004.5.14

県内にある総合物流会社の鈴与が静岡空港を拠点とした小型旅客機の運行事業に参入する計画であることが明らかになった。

 静岡空港には@滑走路が2500メートルと短いA発着時間が限られるという2つの弱点があることから「静岡空港は貨物中心の空港にはなりえない」「旅客機中心の空港にならざるを得ない」(社長)として、20〜100人乗り程度の小型機で、仙台、金沢、松本、鳥取、松江、鹿児島、伊豆大島、八丈島などを結ぶ路線を1日1往復以上運行する計画という。

日経新聞他(2004.5.14,15,21)

(鈴与は空港運営会社にも出資の予定であり、県民の負担で利用者振興策や空港運営の赤字補填をしてもらい、軽減された着陸料の中で儲けようという腹か?恐らく航空燃料も鈴与が供給するのだろうからここでも儲けが出るという計算か?もしそうなら許されることではない。
県は維持管理費のみが負担であるかのように言っているが、様々な支援策が弄されることは必定だ。例えば今開催されている花博の協賛事業として静岡県職員互助会から花博グッズと交換できる2000円の商品券が職員全員に配られたが、互助会には給付事業助成として約3億円の県費が補助されている。このように補助団体を迂回して県民には見えない形での助成も行なわれるのだということにも注意しなければならない。)

2004.5.26

知事は用地買収に応じていない地権者に対し買収交渉に応じるよう求める6回目の手紙を送付した。

県が掲げる07年春の開港に向け、石川知事は用地取得の期限を「今年11月」としており、目標通りの開港は厳しい情勢。

新聞各紙(2004.5.27)

(知事は、28日、都内の会合の中で「秋口までに(任意)取得の見通しが立たなければ、土地収用法の適用申請などの強硬手段も考えざるを得ない形勢に追い込まれつつある」と発言したそうだ。
開港時期もいつのまにか06年度内から07年春という表現になっている。
空港の目途がつかない限り知事を続けられるとの思惑があるのか、開港時期を先延ばしして、次期知事選で空港建設を掲げて勝って事態打開を狙う雰囲気作りを狙っているとみられる。)

2004.7.7

京浜急行バスと小田急箱根高速バスは御殿場市と羽田空港を90分で結ぶ高速バス路線を7月12日に開設することを発表した。1日8往復で、運賃は2千円。

産経新聞(2004.7.8)

2004.7.11

知事が目指した自民2議席独占はならなかったものの、年金問題を掲げて戦った(空港建設賛成の)連合が支援する民主党新人候補が静岡空港見直しを前面に掲げた民主党現職候補を僅差で破った。今回の選挙で空港問題は、有権者が投票に際し最も重視するとされた年金問題の影で、「隠れた争点」(毎日新聞)などと言われていた。

坂本由紀子(自民党新) 501,618(29.3%) 当選

藤本 祐司(民主党新) 369,573(21.6%) 当選

海野  徹(民主党現) 361,938(21.1%)

山下 善彦(自民党現) 343,368(20.1%)

島津 幸広(共産党新) 132,972(7.8%)

(選挙結果分析〜収用問題限定版〜)

むしろこれで、この秋に決断するとされていた強制収用の事業認定申請はなくなったと筆者は見る。

なぜなら、当落のみを一見すると空港建設に追い風のように見えるが、得票数を見ると、こと強制収用で打開を図ろうとする勢力にとってはかなり厳しい内容・情勢(以下@〜C)となっているからだ。

@自民党の2候補を合わせた得票が過半数にも達しなかったこと。(民主2候補擁立による予想外の票の掘り起こし)

(県内選挙区集計)

自民党系
非自民党系
(うち民主党)

前回参議院選挙

53.9%
46.1%
(27.5%)

 昨年衆議院選挙

53.8%
46.2%
(40.4%)

 今回参議院選挙

49.4%
50.6%
(42.7%)

A民主党の得票は同党支持層の中でも2候補にほぼ等分されており、少なくとも一方の得票は明確に空港反対を意識した票と見られること。(当選した候補を押した民主県連側の公式見解でも強制収用には反対している)

B空港推進・石川支持の連合系民主党支持層だけの意向で強制収用までをも支持すれば、自民2議席独占を許した先の県議補選と同様、すべての選挙区で自民党候補に対抗できないこと。(空港反対票との協調(=収用反対)のスタンスの必要性)

C現状でも知事の支持率が全国的に見ても低い中、温和な県民性(国民性)から、強制収用等の強権的手法と年金の強行採決とがイメージとして重なると今回の自民敗北のような逆風となるリスクが大きいこと。(知事が4選を目指すと仮定して)

石川知事支持率
(読売新聞社2004年7月)

支持47.5%
(全国35位)
不支持23.5%
 

小泉内閣支持率
(時事通信2004年6月強行採決後)

支持47.2%
不支持32.3%
→ 敗北
 

2004.7.14

知事は県議会6月定例会で、

「土地収用手続きのタイミングについてのお尋ねでありますが、残るこの4世帯の方の所有すに係る土地の取得見込みが立たない場合には、開港に向けた工事の円滑な執行を確保する上で、決断をしなければならないわけでありますが、その時期は、今年の秋の終わり頃であると考えております。」

と答弁。

新聞各紙(2004.7.15)

(知事答弁を素直に読めば、用地交渉に進展が無ければ秋に申請するという「公言」であるが、住民投票公約騒動の際にも公約ではなく公言だとのたまわって、その不実行を釈明している。また、これまでにも遠まわしの言い方で収用をやるぞやるぞという姿勢を見せてきてはやらずじまいだった。したがって上欄の分析のとおり、筆者は、この秋の話題は「土地収用申請」ではなく「狼少年の言い訳」になると読んでいる。「意思変わる知事」の本領発揮であろう。)

2004.7.16

開会中の県議会で知事は今年度の国庫補助金について、「開港スケジュールを念頭に置いた場合、かなり厳しい。予算面での制約が開港時期の遅れとならないように、県費による立て替え払い方式の創設や国庫債務負担行為適用を(政府に)求めるほか、追加内示のお願いも働きかける」と述べた。

読売新聞(2004.7.17)

(議会向けとはいえ、立て替え払いだの債務負担だの、「ありえない」ことだということくらい認識しているだろうに。)

2004.8.5

石川知事が昨年12月8日の県議会で、用地買収に応じていない地権者について「本人の意思に基づいて決断できかねるような状況が作られつつあるとしか思えない。代理人や支援者が違う方向へ引っ張っていこうとしている」「本人の自由が束縛されて‥」などと述べた問題で、静岡空港建設反対訴訟弁護団の弁護士4人が、自分たちが地権者の自発的な意思決定を阻害していると誤解させられ、名誉を傷つけられたとして知事と県を相手に発言の取り消しと損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こした。

新聞各紙(2004.8.6)

2004.8.6

全国空港建設整備促進協議会の会長に石川嘉延静岡県知事が就任。

読売新聞(2004.8.7)

2004.8.10

昨年11月30日から1日4便で運行を始めた羽田空港と韓国・金浦空港を結ぶシャトル便が、成田−仁川便を奪う形で好調であることを報道。(羽田、金浦とも本来は国内線専用だが両者ともに首都市内に近いことから特例として認められた。東京都心からソウル市内を比較した場合約2時間短縮されるという。)

読売新聞(2004.8.10)

(この路線は静岡空港の需要予測では考慮されていません)

2004.9.2

県と静岡空港運営会社に参加の意向を示した県内企業10社が初の打ち合わせ会を開催。

県はターミナルビルの管理・運営に加えビルの建設、滑走路などの基本施設の管理・運営も民間の運営会社に委託する意向を示し、収支予測として国内線106万人国際線32万人を前提に年間収入が6億7千万円(うち着陸料6億3500万円)、支出が5億2千万円と試算。空港の基本施設だけで年間1億5千万円の黒字が確保できるとの見込みを提示した。

10社とは、静岡銀行、スズキ、時之栖、東芝機械、富士テクニカ、鈴与、静岡鉄道、スター精密、ヤマハ、ハマキョウレックス。

日経新聞ほか(2004.9.3)

(基本施設まで管理運営ということは空港全体に責任を持つということ。空港利用の広告、宣伝、航空会社の乗務員の宿泊費負担などによる路線誘致なども当然運営会社で行うことになろう。県の見込みを承認して参加するのであるから、見込み違いで赤字となった場合に県を頼るのは筋違い。黒字なら頂いて、赤字なら県民にでは誰も納得すまい。各社責任を持って運営会社を支援してもらいたい。このことは収用に係る公判で各社に確認し県民負担が新たに発生しないという公益性を明確にすべきである。それでこそ県民の利益となる行為である。)

2004.9.17

知事は会見で、用地買収交渉に応じるよう7度目の手紙を送った結果、「話し合い拒否、手紙を送ることも拒否」の回答が来たことを公表した。

読売新聞(2004.9.18)

2004.9.22

 知事は県議会で、「土地収用法の基づく事業認定の申請に関する判断を視野に入れつつも、話し合いによる解決が最善の道であるとの信念の下に、引き続き最大限の努力を傾注している」などと述べた。

県議会(2004.9.22)

2004.9.27

 内閣改造により、国土交通省の新大臣に公明党の北側一雄(51)氏(大阪16区選出(当選5回))が就任した。

(過去の扇、石原両大臣とも静岡空港の事業継続だけは認めてたものの、収用には終始否定的だっただけに、新大臣の判断が注目されます。
開港してしまえば大臣判断の是非の結果が明らかになるだけに通常、将来ある身なら慎重とならざるを得ないはずですが、公明党は年金で国民負担増を推進した例もあり全く読めなくなりました。ただし、新大臣の判断は同党の真の姿を見る上で興味深い踏み絵となるので有意義な戦いとなることでしょう。収用で完成したら公明党空港と名づけてもいいくらいの大貢献ですから。)

2004.9.28

 知事は土地収用法に基づく事業認定申請の判断時期について、議会後の報道陣の取材に「十月末まで」と明言した。

読売新聞(2004.9.29)

2004.10.4

 知事は1市4町の議会で構成する空港問題協議会との懇談の中で、「今の土地収用法では、努力してもダメだったという時にしか(強制収用が)できないのが変なところ。交渉が難航したら即、収用しないといけない」「おかしな制度を、これを契機に考えてほしい」「申請したらすぐに応じる、としないとおかしい」などと現行の土地収用法を批判するとともに、「申請してから結論が出るまでに2年前後かかる」として、「地権者の態度が変わらなければ、開港見通しを立て直さなければならない事態もあり得る」と2007年春の開港がずれ込む可能性を示唆した。

各紙(2004.10.5)

2004.10.6

 民主党系県議の所属する会派「平成21」が、石川知事を訪ね、土地の強制収用を容認する旨、伝達。

 民主党系県議の所属する県議会会派「平成21」は、県民が納得できるよう説明責任を果たすよう知事に注文をつけたものの、「1年間に県民の理解も進むなど、当時とは状況が変わってきており、二つの見方は矛盾しない」(元民主党県連幹事長藤田寛県議)などとして土地の強制収用を容認の上、強制収用によるべきでないとした昨年8月の民主党県連の統一見解とも矛盾しないとの見解を示した。

 また、この日、石川知事と空港建設局は、任意買収でなく土地の強制収用によれば、事業認定の申請から土地の収用までに2年、土工工事に半年、舗装工事に半年、安全性等のテストに半年の計3年半を要するため、平成19年春の開港が約1年ずれ込むとの具体的見方を初めて明らかにした。

 さらに県(空港建設局長)は、「県からの手紙や訪問は拒否されており、これまでと同じように続けると逆効果」などとして、今後、地元関係者を介したり、一連の収用手続きを利用するなどして、任意買収を目指す意向を県議会の委員会内で示した。

読売新聞、毎日新聞ほか(2004.10.7)

2004.10.8

 知事は推進団体との懇談の中で、「事業認定は、申請から半年くらいで決定されると踏んでいる。それでだいたいのメドがつく」と述べた。

 また、「これまでのエアポートセールスでは開港時期(を特定できないこと)が難点だった」とも述べた。

読売新聞、日経新聞(2004.10.9)

(前半部分が本音とすると、知事には正しい情報は入っていないらしい。「メド」の最大の焦点は認定直後にあるのだが。)

2004.10.13

 知事は記者会見で、開港時期が遅れることにより、開港年に見込まれる経済効果556億円が失われるデメリットがあること、一方で強制収用を行った長野新幹線を引き合いに、静岡空港には長野五輪のような絶対的な必要要件がないとの発言を行った。

読売新聞、毎日新聞ほか(2004.10.14)

(今後の局面で重要な争点になるのが緊急性であるが、前半部分を積極理由の一つとする苦肉の方針であることが読み取れる。しかしこの経済効果は例の問題だらけの需要予測を前提としたものである。これまで同様、需要予測が重要な争点であることに変わりはない。)

2004.10.14

公明党の北側一雄国交相、(歴代同相で初めて)静岡空港の強制収用に理解示す。

石川知事は14日、自民党県議の議員総会や推進団体との席上で、12日に北側国交相と面談し「前任者(石原前国交相)よりは前向きに考えてくれているとの印象を持った」と明らかにした上で「北側大臣は、ここまで来たのだから粛々と進めて完成させるようにと言ってくれた」などとを紹介した。

 また、「(国交省)航空局は腹をくくってくれたが、審議会事務局の総合政策局の説得も必要」「審議会のメンバーの中には静岡空港に冷淡な人間がおり、説得しなければならない」などと根回しの事実を明らかにした。

読売新聞、日経新聞ほか(2004.10.15)

朝日新聞(2004.10.16)

(石原前大臣は補助金継続には応じたものの収用には理解を示さなかっただけに、北側大臣の言葉は相当うれしかったのだろう。)

2004.10.17

 2007年の第39回技能五輪国際大会で大会史上初の選手村構想案の有力候補地に時之栖(御殿場)。

 沼津市門池地区が会場となる「第三十九回技能五輪国際大会」に世界から集う青年技能者の国際交流の促進を目的とした大会史上初の選手村構想案が固まり、御殿場市内のリゾート施設「時之栖」が有力候補地に浮上したと報道。

静岡新聞(2004.10.17)

(静岡空港運営のため設立する運営会社は、スズキ(浜松市)、静岡銀行(静岡市)、時之栖(御殿場市)の3社が先導し10社で設立の方向である。時之栖はこれを誘致すれば(委託料または食糧費などの)直接の利益のほか、より大きな公費によるアクセス道路等の整備という大きなメリットを得ることになる。運営会社で億単位の負担をしても十分お釣りが来る計算だろう。)

2004.10.25

石川知事は強制収用の判断が確実視されていた25日の定例記者会見で、

「静岡空港の土地収用するための事業認定申請をするかしないかの判断ですが、今、いろいろ思案中です。それにつきます。もう少し(10月いっぱいに判断という)時間がありますので、思案中です。」などと述べた。

新聞各紙(2004.10.26)

(何を思案してるんでしょうね。やはり空港が出来ない限り知事を続けられるので、申請をやめる言い訳でも考えてるんでしょうか。ここまで申請すると言う期待を煽っておいてやめたとなれば空港推進を期待する方々からも「ぐず」程度の批判ではすまないでしょうに。このままでは県民の代表たる知事が「狼少年」「意思変わる知事」のレッテルを貼られることになりそうです。そうなると推進派の影響力など「ぐず」の前にゴミ同然ということになりますね。覚悟をするしかないと思いますが?)

2004.10.26

 公明党の北側一雄国交相は、26日の衆議院国土交通委員会で、民主党の金田誠一委員の質問に対し、(静岡空港の強制収用問題について)「知事には引き続き話し合う努力をしてもらいたいと言った」と、12日の知事との面談の中では話し合いでの円満解決を求めたことを明らかにし、14日の知事発言との認識の違いが明らかになった。

また、大臣は「需要予測や採算見通しには関心があるが、静岡空港はあくまで県が設置管理する第3種空港。責任はまず県にあるので、しっかり静岡県の方でやってもらいたい」などと述べ、現状、責任は国にではなく県にあることを強調した。

読売新聞、朝日新聞(2004.10.27)

(どちらの言っていることが本当かは当事者しか分からないが、大臣の了解なしに県が独自判断で収用の手続きに入ることはないので、石川知事、北側大臣、どちらが嘘つきかは、まもなく判明することになる。

国が責任を回避したいのは当然だが、事業認定からもしも強制収用に至ればそうはいかない。106万の需要予測を良しとして事業認定し、結果が40万程度だったら国や収用制度の面子は丸つぶれだ。一方の県は国が認めたからと言えるだけに事業認定の損得から言えばその差は歴然だ。歴代大臣が収用には最後まで理解を示さなかったのは極めて当然の判断といえる。それでも今回良しとする理由があるとすれば、北側大臣は公明党所属だけに、浜名湖花博で2期にわたり池田大作写真展を開催してもらったことなどに対する恩返しというところか?後世の評価が注目される。また、ここまで計算してのことではないだろうが、小泉総理は自民党を傷つけずに公明党の名でこの懸案を処理できるわけで、噂どおり大した幸運の持ち主である。)

2004.10.29

 石川知事は、報道陣に対し今月中に収用するかどうかの決断をし会見するとしていたが、行わなかった。理由も示されなかった。

静岡朝日テレビ(2004.10.29)

2004.11.5

 石川知事はSBSの取材に対し、「念には念を入れた最後のつめをした上で決断したい」とし、判断は中国訪問(8〜11日)後に行う意向を示した。
 また、判断が遅れている理由について、「土地収用法の適用関連でいくつか確かめなければならない。その点をきちんと詰めないと判断できない」「一方で地元のいろんな状況・動き・情勢を見極めなければならない」などと述べた。

SBS(2004.11.5)

(詰めや根回しは十分してもらって結構だが、「必ず行う」と言うくらいできるだろう。この期に及んで大した理由もなくやらないなどとはいえない状況だということぐらいわかるだろうに。)

 11月3日、未買収地権者あてに、石川知事がら8度目の手紙が送りつけられていたことが判明した。

 地権者は既に手紙を送らないよう知事に伝え、知事も県議会で「話し合い拒否、手紙を送ることも拒否するメッセージが届いた」として収用の決断を示唆していた。

読売新聞(2004.11.6)

(無駄とは思っても手紙を送って話し合いに努力したがやはりだめだったという事実を作ることで、公明党の北側国交相発言へ配慮のつもりだろう。でも、拒否の回答すら来なかったらどうするつもりなのか。)

 元県職員が委員長を務める県森づくり百年の計委員会が、森林維持のためとして増税(県民税均等割超過課税)の導入を提案、これに対し知事は、「分権の関係から、地方自治体も独自にやっていくことは良いと思う」などと述べた。

各紙(2004.11.6)

2004.11.8

 遠州鉄道が中部国際空港へのシャトルバス路線開設の申請を中部運輸局に行った。所要時間約2時間。浜松駅発は午前5時〜午後4時に14本(うち2本磐田始発)、空港発は午前9時〜午後10時に15本(うち2本磐田着)。運賃は3千円程度を予定。

日経新聞(2004.11.9)

2004.11.11

 静岡空港の事業認定を所掌することとなる国土交通省は、空港はいらない県民の会及び地権者との面談の中で、「開港時期にかかわらず最後まで話し合いによる解決を望む、県にもそう伝えている」とした上で、「土地収用手続きをとるかどうかは、あくまで県の責任であり、国はその是非を判断する立場にない」ことを強調した。

TV各社(2004.11.11)

2004.11.12

 石川知事、土地収用法に基づく事業認定申請を決断したと表明。

 今月26日に事前説明会を行った後に国土交通省に土地収用法に基づく事業認定を申請することになる。また、07年春としていた開港予定時期が年単位で遅れる見通しも示した。

 一方、空港に反対する市民団体らは今後、中部地方整備局から事業が認定された場合は、異議申し立てのほか、認定の取り消しを求めて行政訴訟を起こす方針という。

<知事>
記者:「国内外との路線を結ぶことで黒字化ができると説明をしておられますが、それが達成できなかった場合、どのような責任をとられるのか。」
知事:「空港がより利活用されるようなさまざまな努力、これは空港建設事業と併せて行っていかなければならないわけで、これは今後とも力を入れてやるつもりです。そのことをもって責任を全うしたい。」

記者:「確認ですが、この時期に決断されたということは、いつまでに完成させなければいけないかという基準があるからではなくて、このままずるずるといっても開港時期が定まらないからだというふうにおっしゃっていると受け止められるのですが、それでよろしいでしょうか。」
知事:「完成予定期日なり開港予定期日なんですけれども、どうしてもそこでなければならない、あらゆる角度から考えてそこでなければならないという意味の絶対的な期日は残念ながら我々は持ち合わせていません。通常の社会の中で、絶対的期日と考えられるものは、例えば万国博覧会。これは国際条約に従って、国際社会にいついつ何をやりますということを表明しているとか、あるいは、政府間の条約ではないにしても、例えばオリンピックとか、誰が考えてもこれはその期日に合わせて何かしなければいけないなという意味の、そういう意味の非常に強い開港期日の必要性というのは、残念ながらこの静岡空港についてはありません。」

TV各社(2004.11.12)
新聞各社(2004.11.13)

静岡空港強制収用成否の行方〜止まるか、突き進むか、攻防の焦点〜

2004.11.16

 知事は今日、国土交通省に来年度予算要望に行く予定だったが、国土交通省は昨夜突然、大臣の日程が合わないとして、大臣、事務次官、航空局長のすべての面会をキャンセルした。すべての面会のキャンセルは異例という。

<知事>
 「私が今行くと、必要以上に話題になると思ったのかも」

静岡朝日テレビ(2004.11.16)
読売新聞(2004.11.17)

 知事は省庁幹部や地元選出国会議員との懇談の中で、「定期便開設当初は期間限定で(計画より客が少なかった場合は県が)補償をするなど、航空会社への支援策を検討する」との考えを示す一方で、山林保全のために「県民税に超過課税の形で環境税を導入」することを、「(国とは別に)県独自にやりたい」と県民税の増税に意欲を示した。

日経新聞、朝日新聞(2004.11.17)

(山林保全は県民の全体の利益となるものであるから一般会計で本来やるべきもので、搭乗率補償や空港関連支出こそ、山林を破壊して作った静岡空港の利用者に新たに負担させるべきものではないのか。)

2004.11.26

 県は、静岡空港の開港予定を2年延長し、再来期の知事選の直前にあたる「平成21年春」とすることを明らかにした。
 また、この日、土地収用法に基づく事業認定申請に必要な事前説明会を島田市で開催した。

TV各局(2004.11.26)

2004.11.30

 県は国土交通省中部地方整備局に事業認定申請書を、航空局に工事完成期日変更申請書(平成20年11月1日完成予定)を郵送した。

TV各局(2004.11.30)

(今後、企業地の市町村で行われる同申請書の縦覧期間内に、土地所有者などの利害関係者は都道府県知事に対し事業認定に異議のある旨の意見書を提出し、公聴会の開催と社会資本整備審議会の意見の聴取なども請求することになる。)

 事業認定申請を行ったこの日、石川知事は自身の後援会主催の政治資金パーティーの席上、「私は知事就任の時から、百万人反対しても我一人行かんと(空港問題に)取り組んできた。事業認定をどうしても勝ち取りたい」「(審議をする)国土交通省の社会資本整備審議会の中には、いまだに静岡空港を理解していない人がいるといううわさがあるので、そういう先の読めない人にも理解してもらうよう、こん身の努力を払っていく」と述べた。

読売新聞(2004.12.1)

2004.12.2

 東京で反対地権者と国会議員の意見交換が行われた。集会には県内選出の民主党議員(牧野聖修、細野豪志、津川祥吾の3人)も出席した。

<鳩山由紀夫議員>
 「無駄な公共事業である静岡空港の建設は許さない。県民の多くもいらないと言っている」
 「知事がこれほど空港にこだわるのは不可解」

<佐々木憲昭議員>
 「中部国際空港ができるので必要ない」

毎日、朝日、読売(2004.12.3)

2004.12.6

 知事は県議会で土地収用法の事業認定の見通しについて「静岡空港は本県の発展に不可欠な社会資本であり、これが十分な公益性を有している旨、必ずお認めいただけるものと確信をしているところでございます」と自信を示した。

県議会12月定例会(2004.12.6)

2004.12.8

 知事は、空港に反対の立場から代表質問に立った共産党の梶野完治県議の質問に対し、空港建設の住民投票条例が知事選後の県議会で否決された過程は民主的だった、空港建設は日本の法律に基づく行政執行を行っており何ら問題はないことを強調し、「住民の意思を反映しない意思決定との批判は何の法的根拠を持って言うのか」「反対する方々はうその情報を出している石川知事はけしからんと言わんばかりだ。詐術的言動ではないかとすら思いたい。大変遺憾だ」などと不快感をあらわにした。

朝日、読売(2004.12.9)

2004.12.14

 県が先に提出した事業認定申請書に必要な書類(工事完成期日の変更認可の書類)が添付されておらず縦覧手続きを進められないでいることが判明した。
提出先である国土交通省中部地方整備局は12月28日までに書類添付をするよう県に要請しているが13日の時点では届いていないという。

<同整備局計画課>
 「書類に不備があるので、縦覧などの手続きを進められない」

<県>
 「同じ日に工事完成期日変更申請を行ったので添付できなかったもので承知していること。通常認可は3週間程度で下りるので、28日までには十分間に合う。支障はない。」

読売新聞(2004.12.14)

静岡朝日テレビ(2004.12.14)

2004.12.16

 知事は定例会見で、国土交通省側の指示が不明確だったのが書類不備の原因であり、事業認定申請をしたにもかかわらず縦覧手続きに移れない責任は国土交通省中部地方整備局にあるとの見解を示した。

<石川知事>
 認定作業凍結責任について「こちらの責任ではない」
 書類不備について「明示はなかった」「最初からはっきり言っておいてくれれば、理解しにくい事態は避けられたかもしれない」

<国土交通省中部地方整備局計画管理課>
 「事前のやり取りは関係ない」「認識の違いがある」

読売新聞、朝日新聞(2004.12.17)

2004.12.20

静岡空港に反対する2つの市民グループが、静岡空港中止を求める署名(追加分)約6万8千人分を合同で県に提出。
 会見で中止の会は、静岡空港の需要(国内路線)は106万人でなく36万人にすぎないとの試算を発表。

TV各局(2004.12.20)

 (ちなみに、県と中止の会以外の需要予測としては航空連合による国内35万人、国外8万人という予測がある。)

静岡空港・建設中止の会が公開を求めていた県の需要予測の根拠となるデータの一部について、県は「委託先の機関で既に処分された」ため公開できない旨、回答した。

朝日新聞(2004.12.21)

2004.12.21

 国土交通省は静岡空港完成期日変更を許可し、この許可書を添付することで事業認定申請は正式に受理の見通しとなった。

 また、同日、静岡空港に理解を示す北側国交相の支持母体である創価学会への公金間接支出(浜名湖花博)問題で住民監査請求されていた件について、県監査委は「大量の誘客を見込める広報宣伝手段とはいえ、ポスター、チラシを創価学会員向けだけに製作、配布したことは、県民の誤解を招きかねない」としながらも、請求を棄却した。

各紙(2004.12.22)

2004.12.23

民主党県連(鈴木康友代表)と連合静岡(石井水穂会長)は、協議の結果、「すでに反対と言っている段階は過ぎた」として、強制収用容認の認識で一致した。

また、反対意見の最大の理由である採算性への疑念については「民間の会社がリスクを負ってくれるなら反対の理由はない」とした。

読売新聞(2004.12.24)

(民間の運営会社がリスクをすべて追うとの契約事実はない。むしろ、知事の県費での搭乗率補償発言や、新聞紙上で初期投資の補助を期待する地元民間コミューター航空会社の発言のほうが事実を反映している。まして、中部国際の民間会社が建設費まで償還する計画にくらべ静岡空港については民間がそこまでのリスクを負うわけがない。明らかな詭弁である。)

2005.1.2

 石川知事は中日新聞の取材に対し、「社会資本整備審議会が必ずしも静岡空港の必要性を評価しないかもしれない」との懸念を示す一方で「(事業認定のため)最大限の努力をしたい」とも語った。

 また、読売新聞の取材に対しては「静岡空港の建設そのものが選挙のたびに大騒動するようなテーマであること自身、日本がどうかしている」と疑問を投げかけ、「静岡県くらいの力のある県ならば、空港事業で財政が傾くことはあり得ない」と述べつつ、もし事業認定を得られなかった場合、「その時は進退のけじめをつけなければいけない」と述べた。

中日新聞、読売新聞(2005.1.1)

(空港事業で赤字でも大したことはないとでも言いたいのであろうが、無駄な公共事業のつけで増税など国民負担が増している現実を踏まえての言ならば、この人には庶民の生活というものが理解できていない上に、税金が人様から預かった限りある財産であるという認識は無いのだろうと思わざるを得ない。自分にとって何の痛みも無いことには何と冷淡なことか。進退だけでけじめとは思って欲しくは無いのだが。)

2005.1.4

知事はテレビ静岡のインタビューの中で、事業認定の結果が出るまで出馬表明はしないこと及び事業認定が得られなかったっ場合は4選出馬しないことを明らかにした。

テレビ静岡(2005.1.4)

(狙いは、事業認定が認められない可能性を示唆することで事業認定を事実上判断する有識者による第三者機関がいかにも中立の機関でその判断に権威があることを印象付けることによって、@その第三者機関が認定したのだから静岡空港には公益性があるとアピールできること、Aその認定を得るため知事として努力したことをアピールできること、出馬表明の遅れを正当化でき、B対立候補の出現を牽制できることであろう。知事は事前の根回しの存在や、事業認定が必ず認められるとの確信を既に明らかにしており、ここに来ての豹変は前回の住民投票否定から肯定への豹変にそっくりだ。)

2005.1.19

 静岡空港に反対する地権者や支援者などは、土地収用法に基づく意見書を提出した。これにより国土交通省の社会資本整備審議会の開催がほぼ確実となった。

 また、同法に基づき、空港反対の市民グループらが開催要求していた公聴会は2月18日と19日の両日、島田市民会館で開催されることが決まった。

複数紙

2005.2.6

 県の農水産物空路活用検討会で、
「空路だけが便利になっても需要がないと意味がない」「どうやってPRするのか」との疑問に対し、県は、
「具体策は来年度に」「どう実行するかは来年度に検討したい」などと回答。

空路活用の鍵となる大型コンテナを積み込める中・大型機の就航についてANA静岡支店は「中部国際空港の上海路線は小型機で運行する予定。名古屋ですらそうなのに、静岡での大型機就航は現状では難しい」との見方を示す。

朝日新聞(2005.2.7)

2005.2.14

 地方視察中の民主党の岡田代表はスズキ株式会社本社で鈴木修会長らと懇談後静岡市内に移動し「代表として言うなら、県連その他のいろいろな意見もあり、しかもここまで話が進んでいるので、声高に反対だと言ったとしても、それが何ほどの意味をもつのか」などと静岡空港建設を容認し、強制収用にも理解を示した。連合静岡(石井水穂会長)の姿勢や県連の事情に配慮したものと見られている。

読売新聞、毎日新聞ほか(2005.2.15)

2005.2.15

 前日の民主党の岡田代表の発言を受け、石川知事は記者会見で「やっと常識的なことを理解してくれた。歓迎の気持ち」「やっと民主党の党首としてふさわしい発言をしてくれた」などと述べた。

朝日新聞、読売新聞(2005.2.16)

2005.2.17

 国内3番目の国際拠点空港となる中部国際空港(セントレア)が開港したが、国際線はアジアが多くを占め欧米路線の充実が課題。また、4年後の拡張でアジア向け国際線に参入予定の羽田空港も脅威。

特徴

内容

便数

国内24都市(1日94便)
海外25都市(週294便)
(夏までに30都市週310便の予定)

貨物

・24時間運用空港(通関手続きも24時間)
 国内工場で生産された貨物がその日のうちに離陸し、夜間到着した貨物が翌朝に日本各地の工場・店舗に。

・総合保税地域指定(国内唯一)
 関税を払わずに輸入貨物を加工・再輸出。

・滑走路に隣接した貨物地区
 滑走路脇の貨物ターミナルに隣接して航空会社の上屋及び民間大手物流会社の荷造り施設が並ぶ効率的配置。

乗継

国内→海外の最小乗継時間(MCT)は75分と最短(成田は110分)

アクセス

・都心(名古屋駅)から名鉄特急で最短28分
・路線バスや乗り合いタクシーも充実
(浜松から最短で75分、1日十数便ある3千円の乗り合いバスでも約2時間)

UD

・駅を降りてから航空機に乗り込むまで段差なし
・トイレも広くゆったり

施設

・手荷物検査に新方式(インライン方式)
・充実の店舗街(飲食・物販62店舗)に、世界初の展望風呂も

着陸料

国際線着陸料を関空、成田より20〜30%低く抑えた


<県空港企画室渡井室長(毎日新聞取材)>
 「県民の利便性と富士山に一番近いという観光誘客の面からも静岡空港は必要。セントレアはもともとレベルが違いすぎて、開港は県民に選択肢が増えるという点でいいと思う」

複数紙(2005.2.17)

2005.2.18

 土地収用手続きの一つである公聴会が島田市民会館で開催され、賛成、反対双方の意見が述べられた。明日まで開催され、10組22人が陳述の予定。これら意見は事業認定の参考にされる。

 またこの日、知事は県庁内で土地収用法に基づく事業認定の結論が5月末までには出されるとの見通しを明らかにし、2009年開港への抱負を述べた。

静岡朝日テレビ(2005.2.18)

2005.2.19

 前日に引き続き行われた公聴会で、空港運営会社に参加する時之栖の庄司清和社長が「(県内企業十社で作る)ワーキンググループの中では、着陸料を無料にしたらどうかという話も出ている。静岡空港を中心にしてどのようなビジネスやサービスを創造すればよいか考え、今、百万人(の需要)が無理だというのなら、どうすれば百万人になるか考えればいい」と空港賛成の立場から主張。

 一方反対の立場からは「賛成派は夢を語るが、反対派は現実を語っている。県の需要予測は水増し。無駄な公共事業の象徴として注目されており、申請を却下してほしい」(松谷清県議)などの意見が出された。

読売新聞(2005.2.20)

(運営会社は県からの委託料で運営するが、着陸料というのはあくまで県の収入。この着陸料ゼロのみの言及は、県の収入をゼロにして委託料を税金で賄えということであり、無節操極まりない。このように税金を食い物にして利益をあげようとする県内企業などが弱肉強食、違法でなければ何でもあり、のモラルハザードを広めているのだろう。)

2005.2.24

 「静岡空港リージョナル航空研究会」第6回会合で県は、就航可能性があるとする小松空港便と松山空港便のリージョナル便の採算性の試算を発表した。

 県は自身の試算に基づき、50人乗りだと全国平均の58%を上回る70%程度の搭乗率を要するものの、70人乗りなら松山便で53〜55%で採算が取れるとし、採算確保の可能性を示した。

 しかし、前提条件となる運賃設定を規模(事業効率)の違う名古屋空港のものを採用し、正規運賃客を50人乗りで80%、70人乗りで60%などと想定、さらに航空会社が行う試算なら含める開業費用償却などを含めないなど非現実的なものとなっており、委員からは「地元自治体の支援が欠かせない」などの意見が出た。

読売新聞ほか(2005.2.25)

(ここでも、税金投入の地ならし発言が出た。地元自治体が県を指すのか市町を指すのか不明だが、他空港の例を見ればこのケースで利益を受ける範囲から周辺市町の支援が妥当であろう)

2005.2.25

 知事は沼津市内で行われた自身の後援会パーティーの席上、土地収用法上の公益性を判断する社会資本整備審議会の結論が早ければゴールデンウィーク前に出るとの感触を示し根回しに自信をのぞかせる一方、「県民の手の届かないところで地域の事業を判断するおかしな仕組み。万が一だめになれば、国が民主主義をどう考えているのかと思わざるを得ない」などと延べ、国と社会資本整備審議会の判断をけん制した。

毎日新聞(2005.2.26)

(社会資本整備審議会が判断するのは憲法で保障された財産権とそれを収奪してまで行う必要性のある事業かという必要不可欠性。県民でなくとも判断できる。しかも国会の議決を経た手続法に基づいて行われており十分民主的ではないのか)

(参考社会資本整備審議会メンバー

2005.2.28

 県議会で知事は、大場勝男県議の質問に答える中で、土地収用関連費用が10億円余にもなることについて、他の土地収用の案件に比べて、非常に収用対象面積が広いという事情があることを挙げた。

県議会2月定例会

(今年の知事選挙の予算が約14億円。住民投票は経費がかかるという批判があったが、既存の選挙にあわせて実施すれば土地収用関連経費よりも安上がりで県民の意思も確認できる。どちらが有益か再考してほしいものだ。
 また、収用に当たってはわずか2%という表現を使い少なく見せている未買収土地が、実は広いということがよくわかる答弁である。)

2005.3..2

 県議会で知事は、大石哲司県議の質問に答える中で、

 収用の決断が遅いのではとの批判があることについて、「負ける間合いで飛び込んでいくばかはいない」」などとし、今回初めて「肝心要な事業認定申請してを認めてくれるかどうかということについての感触」が得られたとの事情を説明し、扇大臣(保守党)、石原大臣(自民党)の下では収用申請しても負けることがわかっておりしなかったが、今の公明党の北側大臣の下でなら静岡空港の土地収用を認めてもらえるとの認識を改めて示した。

 また、空港完成に向けた決意については「空港を完成させなければならないという決意は、人後に落ちない」「100万人が阻止しようともわれ一人でも行かんという気概をもってこの問題に取り組んできた」と述べた。

 さらに、社会資本整備審議会の意見を聞いて事業認定をするよう改められた平成13年の土地収用法改正について「理不尽だとも言えるような制度」と批判し、「このような改正をするに当たって、私に相談があったわけでもないし、私自身にその成立を阻止する手立てもそのときには何ももっておりませんでしたから、非常に納得はいかない」としつつも、「悪法といえども法」として結論には従うとした。さらにこのことを「分権型社会にしていかないと日本はとんでもないことになっていくという一つのいい例」であるとし、地方分権の推進に理解と支援を求めた。

 そのほか、企画部長の答弁では、開港延伸による逸失利益について、「逸失利益の具体的な数字については、特に試算しておりませんが、開港による県内経済への波及効果は、年間約560億円、雇用創出効果は約8,000人と見込まれており、本来発揮されるはずであったこれら経済効果だけでも、非常に大きなものとなります。」と述べ、航空機の騒音問題に関しては、「航空機騒音の影響の軽減については、重要な課題の一つであると認識しております」とした上で、騒音協定締結に向けた協議の進め方を調整中であるとの答弁があった。

県議会2月定例会

(国権の最高機関である国会の議決による法改正とその法に基づく手続きでさえ、わが県の石川嘉延知事殿におかれては「私に相談」もしないで決めたけしからん法と手続きになってしまうのだから、彼に憲法や民主主義を説くことさえ無意味に思える。彼にとっての民主的手続きとは自身に従順な県議会だけなのだろう。地方分権で知事の権限がこれ以上強くなったら、その方が恐ろしい。憲法もへったくれも無い、自身の「決意」と民意をも蹴散らす「気概」で支配する独裁県政に陥るだろう。)

(参考:土地収用法改正関係
    
行政事件訴訟法改正関係
    
社会資本整備審議会メンバー

(企画部長の答弁はいかにも経済効果が逸失利益であるかのように思わせる巧妙な役人答弁である。
 現実には、静岡空港の経済波及効果は、逸失利益ではない。なぜなら、羽田や名古屋から来ていた旅客が静岡空港利用者となったものまで経済効果及び雇用効果に算入しているからだ。例えば羽田からの客のみで100万円の売上のあった飲食店が静岡空港開港によって静岡空港からの利用者による80万円のみに売上が減っても県は静岡空港の経済効果が80万円あったとして計算しているのである。経済波及効果の計算においてはマイナスの効果(他空港経由の減少分)が計算できないことを逆手に取った「ペテン」の類である。もし逸失利益を試算したいのなら、利用者予測全部を新規発生分として計算せず、羽田や名古屋からの転換分を差し引いた純増旅客分で算定すべきであるが、そんなことをしたらほとんど効果のないことがばれてしまうので出来ないだろう。)

(参考:経済効果・雇用効果(中止の会資料第4点目))

 県議会で酒井政男県議が空港本体造成工事の落札率で99.66%のものがあることや、大手ゼネコンなどによる同じ共同企業体が何年も連続落札していることなどを挙げ「世間一般から見れば不思議以外の何ものでもない。談合疑惑解明に対する意見を」と求めたのに対し、県土木部長は「91.39%の工事もある」などと述べた上で「落札率は景気の動向や工事のj需給バランスなどにより変化する。高いからといって談合があったとは言えない」などと反論した。

毎日新聞、朝日新聞(2005.3.3)

2005.3.3

 民主党系で連合静岡を最大の支持母体とする県議会会派「平成21」は、議員総会で、「知事は円満解決に向けて努力したとみるべき」「円満解決に向けた努力もできる限りという解釈でよい」などとして、従来の円満解決の方針を事実上変更し、土地強制収用の方針を支持、収用関連予算には会派拘束をかけて賛成するとの決定をした。

 この方針変更に反対する鳥沢富雄、小長井由雄両県議は会派離脱を検討中。(追記:その後、実際に会派離脱)

 一方、連合静岡は「収用やむなしというのが我々の大方の見方でもあり、脱会者が出たことは残念だ」とした。

読売、朝日、毎日(2005.3.4)

(いまや、宗教系か労組系かの選択が二大政党の実態だからそれら双方とも支持する現県政への服従への流れも仕方ないのか。しかしこの会派、少しは知事の決意や気概の一部でも分けてもらったほうが良いのではないか。まだ終始一貫した姿勢をもってこの問題に取り組んでいる会派や議員のほうが、考え方は違っても信頼できるというものだ。)

2005.3.8

 国土交通省は、羽田空港再拡張で4本目の滑走路の利用が始まる2009年から、深夜・早朝時間帯(午後11時〜翌日午前6時)に国際貨物便を就航させる方針を固めた。「深夜・早朝も貨物を扱える空港がほしい」という要望にもかかわらず、成田空港が騒音問題などで深夜・早朝の発着ができないのをカバーする形になる。
 また、再拡張後も羽田の国際旅客便の発着はアジアなど近距離路線に限定するが、貨物便は欧米線など長距離路線の就航も認める方向。

読売新聞(2005.3.9)ほか

2005.3.23

県の公共工事入札についての外部監査結果が提出され、外部監査人は空港本体用地造成工事について、10億円を超える大規模工事を大手ゼネコンを含む2つの共同企業体で毎年受注しており、落札率も予定価格の95〜98%と高率で競争原理が十分働いておらず、「空港工事の入札をとりまく状況は極めて不自然と思わざるを得ない」と指摘した。

静岡朝日テレビ、読売新聞(2005.3.23)朝日新聞(3.24)

2005.3.25

国土交通省は「空港整備事業は、大都市圏拠点空港について、コストの縮減を図りつつ、更なる投資の重点化を図るとともに、一般空港等については、地方空港の抑制を図りつつ、真に必要性の高い事業に限定する」との航空局関係予算方針に基づき、静岡空港本体用地造成の事業費として昨年度とほぼ同額の国費11億4千万円の配分を決定した。

県は国庫補助事業費として40億円を17年度予算に計上し、半分の20億円の国費を見込んでいたが、結果的にはその約半分の22億8千万円の事業執行しか認めらなかったことになる。

国土交通省 (2005.3.25)

2005.4.19

 「空港はいらない静岡県民の会」と国土交通省との会談が名古屋市内で行われ、資料の取りまとめに時間がかかっており「社会資本整備審議会」へ未だ諮問が行われていないことが明らかになった。

 また、「社会資本整備審議会」に提出する資料では、札幌便50万がくずれると大型機の乗り入れが必要なくなり、2500mの滑走路が不必要になる、そうすると土地収用対象面積が現在より少なくなるが、この点についても必要最小限の原則に基づき地方整備局としての考え方を示し付議するという。

毎日新聞(2005.4.20)

松谷清県議HP日記(2005.4.19)

2005.5.30

 県は、JALジャパンが路線開設することなどの見返りにJALジャパンの路線収支均衡のため県として支援することをなどを約束した覚書を交わしたことを明らかにした。

 この中には、設備の運営や設備の利用でも全面的に提携することや、空港運営会社にJALジャパンが協力することなども盛り込まれた。

 また、今後具体的に、ターミナル使用料の減免、着陸料の軽減(県負担)や地元負担制度(県による搭乗率補償など)など、検討していく方針という。

TV各社(2005.5.30)

(交通不便な離島でもあるまいに一部の静岡空港の利用者のために一般の税金が投入され続けるというのは如何であろう。羽田や中部同様あくまで直接の受益者が負担すべきではないのか。県の将来を縛る覚書がこのように簡単に結べるというのも大いに疑問である。)

合意事項は4項目(以下要約)

@JALグループが開港時に路線開設、一方、県は就航路線の収支均衡を図るための運行支援策をおこなう。(具体的な路線や便数・機材は未定)

AJALグループが空港運営会社の設立を支援(人材面での支援、ターミナルビル建設ノウハウなどの提供、出資も視野)

BJALグループがリージョナル航空の事業展開に協力。

C県、JALグループ、地元企業共同で新規需要創出策に取り組む。

新聞各紙(2005.5.31)

(@については事実上の損失補てんの約束。Aについては税金投入で利益を上げようとするメンバーに加えてもらえる資格獲得。Bについては機材整備受注などで事実上利益確保が保障。Cについては税金で宣伝してもらって旨味だけ戴こうという魂胆がみえみえ。JALグループは何のリスクもなく、一方的に県がリスクを負うものであり、着陸料軽減すれば100万人予測でも採算は取れなくなるわけで、まさに公益性を損なう「屈辱的敗北」の合意以外の何ものでもない。)

国土交通省は事業認定の妥当性について、社会資本整備審議会に6月1日付議する方針。審議後、早ければ7月には国として事業認定の是非の判断を示す見通し。

共同通信(2005.5.30、21:39)

(一部報道では、上記のJALグループとの合意が審議に影響を与えるとの見方があるが、意見書提出や公聴会等で反論の機会が与えられていない事情を一方的に考慮することは「公正」さを損なうものであり法の趣旨に反するものと思われる。これが審議で都合良く解釈・活用されれば公判でも問題となろう。)

2005.6.6

 知事は会見で、事業認定が不認定なら国の決定の撤回を求め行政訴訟を起こす考えを示した。

 また、伊豆半島に小型機が発着できる飛行場を整備する構想も示した。

日経新聞ほか(2005.6.7)

2005.6.8

 日本航空(JAL)は、周辺住民の反発の中、熊本空港の深夜貨物便運行を国に申請した。

<日本航空>
 「経済界からは一日も早く運行してほしいという声もある」

<地元区長>
 「試験運行の時には眠れなかったという住民の声が多かった。住民の意見を十分聞くより、金もうけが先だとしか思えない」

毎日新聞熊本ニュース(2005.6.9)

2005.6.27

 特別レポート「改革の懸かった静岡県知事選 焦点は財政危機と空港問題」(相川俊英)の中で静岡県とJALグループの合意に関して、(就航予定路線や便数については)「現時点で、具体的内容は決まっていません」、(リージョナル航空事業への協力について)「今後、静岡県および地元企業による具体的な事業展開が計画・実施される際に、当社としては航空事業のノウハウ提供、要請があれば人材の派遣などの協力を検討していきます」とのJAL広報部のコメントを紹介。県との温度差、とても「協議が整いました」とは言えない実態が明らかに。

週刊ダイヤモンド7月2日号(6/27発売)

2005.6.30

 山村善敬・県空港建設局長は島田市内の会合で「空港整備事業は近々に間違いなく事業認定されると確信している」などと述べ、7月7日の県知事選告示前までに国土交通省の判断が下るとの見通しを示し、「建設局は認定を見据えた土地物件調書の作成準備を進めている」、(認定後の反対派の抵抗については)「反対派の大部分は外部の人間。地元の要望を結束して伝えれば抑止力となる」とも述べた。

日経新聞(2005.7.1)

2005.7.1

 静岡空港運営会社に参加の意向を示している浜松市のスズキ株式会社が、軽自動車「ワゴンR」に小型車のエンジンを積んで東名高速などの公道で無許可走行実験を繰り返していたなどとして社員6人と法人としての「スズキ」を、道路運送車両法違反容疑で、浜松中央署が地検浜松支部に書類送検。

 この件では既に国土交通省が4月22日、「法令順守の意識が希薄」として道路運送車両法に基づく警告書を交付している。

TV各局(2005.7.1)

2005.7.5

 国土交通省中部地方整備局は7月5日、土地収用法に基づく静岡空港整備事業の事業認定を告示した。

この中で国は、「(国内106万人という)需要予測結果は、利用者について上下数万人の振れは見込まれるものの根本は妥当」とし、「2,500mの滑走路を設置することについても、札幌便で年間50万人の需要を明らかに下回るとはいえない」として「大型ジェット機の就航する蓋然性は高い」などと空港の必要性を認めた上で、「県経済の振興や人的交流の活発化の阻害要因となっており、早期に本空港の整備を行う必要があると認められる」と空港整備の緊急性も認めた。

官報(2005.7.5)

(ほとんど県の主張を鵜呑みにした理由となっており、以下の需要予測に対する(数万人どころか数十万人減少する)疑問は一切解消されていない。さらに未検証の需要試算値を根拠にしたり、遠距離の国際線誘致計画に大型ジェット機の投入が不可欠とまで述べて県の主張の正当性を援護。「札幌便で年間50万人の需要を明らかに下回るとはいえない」との論拠は収用の必要最小限性を無視した象徴。50が100でも200でも将来のことに「明らかに下回る」などと立証できるわけがないではないか。国は本当に数万人程度の需要誤差で済むと思っているのだろうか?)

参考:静岡空港需要予測(基データ)水増しの意図とトリック分析 
要約(グラフで見る概要2ページ)(注:PDF文書:pasword=abc
「本文その他」(注:PDF文書:pasword=h3+c21=9#s

2005.7.12

 静岡空港用地の地権者ら50人が北側国交相を相手取り、事業認定取消訴訟を静岡地裁に提起した。

新聞各紙(2005.7.13)

(なぜ静岡地裁なのか?この点は筆者には理解できないが何か事情でもあるのだろう。ともあれ、下記参考ページでも述べたが、あいまいな妥協ではなく、司法の判断を経て決した結末が近い将来明確になるというのは未来への反省材料として望ましい。この英断は支持したい。)

参考:静岡空港強制収用成否の行方〜止まるか、突き進むか、攻防の焦点〜

2005.7.24

 静岡空港推進を掲げる現職石川嘉延候補と反対だが県民投票をすべきとした新人吉田寿昭候補との一騎打ちとなった静岡県知事選挙が開票。投票率は44.49%。

石川 嘉延(無現、64歳) 821,492票 (62.0%)

吉田 寿昭(無新、51歳) 502,919票 (38.0%)

 地元新聞(静岡新聞)の出口調査分析である、
「投票基準を見ると、「これまでの実績、実力比較で」を挙げた人が最も多く、そのうち95%以上が石川氏を選んだ。「人物、人柄」や「支持政党が推している」「人や組織に頼まれた」とする人も6―7割が石川氏に投票した。吉田氏は「静岡空港」「多選問題」「裏金、不祥事問題」の選択基準でかなりの票を取り込み、批判票の結集を図ったほか、「景気、経済対策」でも6割を獲得して石川氏を大きく上回った。」
 と、朝日新聞の選挙期間中の電話調査結果「空港建設賛否は半々/住民投票「必要」が54%」、また、投票率の低さなどからも読み取れるように、多くの県民にとって空港の是非は知事を選ぶということにおいては大きな争点としてはもはや認識されていないことが明らかとなった選挙であった。

 なお、この選挙では、4選以上の知事を推薦しないとする民主党中央の方針にもかかわらず、現職石川を推薦する連合静岡との関係を重視する鈴木康友県連会長、榛葉賀津也県連幹事長が現職の出陣式に出席、さらに藤本祐司参院議員が現職と並んで応援演説を行うなど、対立候補を擁立した同党の牧野聖修氏らとの空港事業と財政再建などの評価の考え方にも至る根本的な相違・亀裂が明白になった。

(筆者は告示直前、現職7:新人3からの攻防を予測、善戦して6:4、風が吹けばおもしろい戦いと予測していた。その根拠となったのは以下の前回参議院選挙の結果である。

坂本由紀子(自民党新) 501,618(29.3%) 当選

藤本 祐司(民主党新) 369,573(21.6%) 当選

海野  徹(民主党現) 361,938(21.1%)

山下 善彦(自民党現) 343,368(20.1%)

島津 幸広(共産党新) 132,972(7.8%)

現職を推した自民党系の2候補と連合系の1候補の合計と今回の新人を推した2候補系の比が約7:3だからである。

その意味では、新人候補はかなり善戦したと見ている。

一方、空港問題との関係で見れば、現職側は鈴木修選対本部長が投票率50%以上でなければ事実上不信任と述べるなど、高い投票率下での全県制覇の圧勝をもって空港への追い風、さらに路線開設や収支の見込み違いが出たときの責任転嫁にと目論んだが、結果は目標の最低ラインの80万票をかろうじて超えた上に静岡市葵区、同駿河区、三島市で負けるなどほころびも見え、反対派の説得材料、あるいは県民の圧倒的支持の下での見込み違いという責任転嫁材料としては無意味な結果となった。したがって、選挙前と後で、空港問題に関しての情勢は現状維持となったにすぎない選挙ではなかったか、と筆者は分析した。)

2005.8.10

 県は8月10日付で、企画部内にあった空港建設局(3室)を、空港部(4室)としたが、職員数は年度途中ということもあり企画部内の異動で3名増にとどまった。

2005.8.8

2005.8.17

 県は職員ら40人で、静岡空港の未買収用地取得に向けて土地境界確定の任意調査を開始したが、建設反対派の座り込みなどにより未買収用地に近づけず、この日の確認作業を見送った。

 県は9月5日から10日までの期間、県職員120人、専門業者380人の計500人体制で土地収用法に基づく土地物件調書作成のための現地立ち入り調査を予定しており動静が注目される。

新聞各紙(2005.8.18)

2005.9.10

 県は土地収用法35条に基づく現地立ち入り調査を早朝の奇襲調査などで強行したものの、反対派の連日の抵抗により一部で立ち入りを断念し、外からの写真撮影で代用する土地収用法37条の外観調査に切り替えることで予定していた調査を終了した。

<谷和美空港部長>
 「大きなけが人もなく、順調にできた」

<空港はいらない静岡県民の会桜井事務局長」
 「双方に無用な犠牲が生じることは望むことではない。強制立ち入りをさせなかったという成果を上げることができた」

新聞各紙(2005.9.11)

2005.9.11

 衆議院選挙が行われ、公務員労組などを支持母体とし郵政民営化に反対した民主党が惨敗し、支持母体組織よりも国民を選択し中央主導で改革を進める自民党が圧勝した。
 この中で、空港に反対の立場を鮮明にし石川知事に反対の1区の議員に対し空港推進・石川知事支持を鮮明にしている連合静岡が別の保守系候補を推薦したこともあり同議員は落選したが、石川知事の出陣式に出席するなど連合の意に沿って民主党県連を取りまとめていた7区の県連会長など労組に過度に依存していた議員もすべて選挙区で落選した。

(郵政に反対した自民党議員は、あれほど骨を抜いて食べやすくしてもらった郵政法案さえ拒んだのだから今回の仕打ち・結果は納得すべきであろう。一方民主党は労組の意向に逆らえず旧社会党同様政権担当能力に欠けることが県政の場のみならず明らかになってきた。郵政改革より重要なことがあるとのことだが、郵政改革すらできないのにどのような重要な改革ができるというのか。言葉では年金改革を言いながら、年金を選挙の争点化するために昨年の5月の年金与野党協議の約束を反故にしたのに続き、今年3月の「今秋までに年金制度の骨格を取りまとめる」との3党合意をも、解散が見込まれるとなったら反故にしようと自民党の開催要求を無視し、改革に後ろ向きな実態をさらした。さらに、無駄の排除といいながらすでに実質止まっている公共事業の羅列のみで、緊急性のない静岡空港などには何も言及できない及び腰。今の民主党に政権を任せるという選択は自民党守旧派に任せるのと同意であり国家の自殺行為に等しいと言うべきであろう。今回は、国民・県民は賢明な選択をしたと思う。)

2005.9.12

 知事は会見で、先週の立ち入り調査がさしたるけが人もなく終わったことを良かったとした上で、「あと空港の西側の制限表面区域の調査も残っております。反対運動の方々もある意味の作戦を色々たてて、こちらの法に基づく正当な行為を妨害しようとする暴挙を企てていないとも限りませんので、手の内を明かすわけにはまいりません。」と、調査時期や調査方法についての言及を避けた。

知事定例会見

2005.10.20

 静岡地裁が適法としていた県の都市計画決定について、控訴審の東京高裁は「県は自動車交通量の増加など社会環境の変化で道路拡幅が必要というが、過大な予測に過ぎず、都市計画変更は違法」との判断を示し、静岡地裁判決を破棄し原告住民逆転勝訴の判決を下した。

 この判決では県が「行政の最良に委ねられた部分が多く、今回も都市計画法を大きく外れたものとはいえない」と裁量権の範囲であると主張したのに対し、東京高裁は「県の予測は、現在人口が減少傾向の地区まで人口の増加を見込んでおり、合理性を欠く」「(人口予測の調査が)客観性や実証性を欠いている」「交通量の予測に当たって、歩行者が歩道を安全に渡れないほど短い時間の信号設定をするなど都市計画自体が不合理な見通しを根拠に決められたもので違法」などと裁量権逸脱と判断した。

<原告側>
 「行政の裁量を積極的に違法だと判断した有意義な判決だ」「同種裁判に与える影響も大きい」

<静岡県>
 「県の主張が十分な理解を得られなかったことは残念。判決内容を見極めた上で対応を検討する」
<県都市計画室>
 「予測には幅があり、行政の裁量権の範囲内。(予測は)ストライクゾーンに入っている数字だ」

NHKほか(2005.10.20)

新聞各紙(2005.10.21)

 偶然にも同じこの日、静岡空港の未買収用地の強制収用を認めた北側国土交通相を相手どって地権者らが事業認定の取消を求めた行政訴訟の第1回口頭弁論が第1審の静岡地裁で開かれた。

 原告が「需要予測は非現実的で適正な土地利用とはいえない、事業には用地を強制的に取得するほどの高度の公益性がない」などと主張したのに対し、国は「事業認定処分は、土地収用法の定めに従って適正に行われ、適法」として原告の請求を棄却するよう裁判所に求めた。今後、法廷では需要予測を含めた公益性について争われることとなる。

 なお、石川知事は会見などで「空港の事業の必要性が(裁判所でも)認定されて、我々は勝訴するものと確信している」と述べ、県は利害関係人として裁判所に補助参加を申し出ている。

<空港はいらない静岡県民の会>
 「事業認定は処分庁(国土交通省)と起業者(県)の馴れ合い処分で速やかに取り消されるべきだ」

2005.11.24

 空港建設に反対する住民らは24日までに、静岡空港の本体部造成工事において2共同企業体が平均落札率が96%を超える高い率で受注しているのは不自然で談合が疑われるとして、公正取引委員会に独占禁止法違反の疑いで措置要求した。

毎日新聞(2005.11.25)

2005.11.25

 来年2月に開港する神戸空港に就航する航空会社の機材が予測と異なり、小型機以下が全体の半分以上の計14便(往復)となるなど、当初の需要予測を大幅に下回る見通しになった。最終的には数億円の減収が予想されるという。3年前に公表した開港当初の需要予測では、計27便の内訳はジャンボ機1便、大型機5便、中型機12便、小型機8便、コミューター機1便であったが、ジャンボ機の就航もなく中小型機中心でプロペラ機もあるという。

朝日新聞(2005/11/26)ほか

(神戸空港の需要予測は静岡空港の需要予測と同じ平成14年度に最新の知見とデータによる手法と謳った4段階推計法(静岡空港も同様)によって行われており、現実の就航が、東京便93万人の予測にあっても大型機が無く、新千歳便42万人の予測にあっても3便しかない(神戸は大型機を含め6便と予測、静岡空港の需要予測で用いた基準によれば中小型で10便)という現実は、需要予測というものの信頼性ばかりか、就航機材の中小型化の傾向に伴う静岡空港の規模の議論(裁判)にも影響を与えるものといえよう。)

2005.11.26

 島田市や島田商工会議所などで構成する実行委員会は、静岡空港活性化のため、コンベンション機能や防災機能を備えた多目的施設「島田ドーム」を県予算で建設(及び維持管理)するよう県に求める決議や大会宣言を採択した。

朝日新聞(2005.11.27)

2005.11.29

 空港滑走路西側の立ち入り調査が始まったが、反対派の抵抗に合い6班のうちの2班が調査に着手できなかった。また、法律に定められた身分証明書の提示を求めた地権者に対し、県がこれを拒んだことから開始時間が2時間ほど遅れた。

TV各局(2005.11.29)

 前日の絶滅危惧種のヤツシロランの踏み荒らしに続き、調査第2日目の30日には身分証票の提示を求めたにもかかわらず証票の提示を行なわぬままその場を逃げ去るなどの違法行為が横行、目的のためなら法令違反も問わずの姿勢が明確に。

土地収用法
第十五条  第十一条第三項の規定によつて他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証票及び都道府県知事の許可証(起業者が国又は地方公共団体である場合を除く。)を携帯しなければならない。
2  前条の規定によつて障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行おうとする者は、その身分を示す証票及び市町村長又は都道府県知事の許可証を携帯しなければならない。
3  前二項に規定する証票又は許可証は、土地又は障害物の所有者、占有者その他の利害関係人の請求があつたときは、示さなければならない。

現地報告

2006.1.5

 石川知事は読売新聞の新春インタビューの中で、一定の搭乗率に達しない場合、差額の運賃を(県と周辺市町の税金で)支払う搭乗率保証制度の導入に前向きな考えを示した。

<石川知事>
「今月には民間の運営会社ができるので、着陸料、ターミナル賃借料などのコストが、航空会社の課題になる。搭乗率保証も含めた支援策を急いで考えたい」

読売新聞(2006.1.5)

(結局は税金で運営会社と航空会社を支援することになりそうだ。県がこれまで幾度となく収支に問題ないといっていたのは運営会社や航空会社の収支のことで、県の収支ではなかったらしい。静岡空港から旅行する人のために税金を投じるプライオリティーがそんなに高いのだろうか。)

2006.1.11

 石川知事は毎日新聞の新春インタビューで「航空会社が就航を判断する際に重要なのが経費。空港運営会社が今月設立されるので、着陸料などが具体的に分ってくる。これを早く出してもらいエアポートセールスに生かしたい」と述べ、着陸料設定は空港運営に責任を持つ静岡空港運営会社がその責任で決めるものとの見解示す。

毎日新聞(2006.1.11)

2006.1.12

 石川知事は産経新聞の新春インタビューで、「空港の着陸料は低額に設定したいとの考えを示しているが」との問いに対し、「空港運営会社が具体的に決めることだが、県の見積もりでも、空港の規模やグレードからして、(中部国際空港や羽田空港に比べて)安くいける」と述べた。

産経新聞(2006.1.12)

(前段の空港運営会社が責任を持つべきという見解は良いが、後段の安くいけるという県の見積もりには疑問がある。嘘でないのならその見積もりとやらを是非公開してもらいたいものだ。)

2006.2.2

静岡県とスズキ、静岡銀行、時之栖など10社で構成する「静岡空港運営会社検討会」は運営会社社長に県職員OBの吉岡徹郎氏を起用する方針を固めた。

日本経済新聞ほか(2006.2.2)

(吉岡徹郎氏は静岡空港を担当する企画部長を務め浜名湖花博では協会会長代理として博覧会協会に天下り、約40億円の税金を協会の収入として計上し事業自体が約3億円の黒字であるかのように広報した(現実には、協会としては黒字だが事業としては約37億の赤字事業。だから1回かぎり)。現在は県地域整備センター理事長に天下り中。静岡空港運営会社社長も天下りのポスト化してしまった。舞台芸術のSPAC同様、民間とは名目で、現実には県職員派遣による運営や補助金漬けを通じての関連企業への税のばら撒きがしだいに現実化してきた証左と言えよう。見込み違いによる赤字の責任を10社が取るのか社長である県職員OBが取るべきか興味深い。(需要予測を行った)専門家をスケープゴートにし、自己責任・モラルを放棄し税にたかる企業と、それを天下りに利用する官、日本の闇の縮図が静岡にはある。)

2006.2.3

 「静岡空港運営会社」に出資予定の鈴与は富士山静岡空港の開港にあわせて新規航空会社を設立する計画をまとめた。

 60人〜100人乗りの小型ジェット機を2機リース調達し、搭乗率70%を目標に年間20万人程度の利用を見込むという。路線は福岡、札幌、仙台、金沢などを想定。

 10億円以上の資本金が必要で、2〜3年で100億程度の資金がかかるため、鈴与1社ではまかなえないため、地元経済界に協力を呼びかけるもよう。

日本経済新聞(2006.2.3)

(北海道庁が多額の税金をつぎ込み支援し挫折したエアドゥーの静岡版か?地元経済界だけでなく「県」を、すなわち税金をあてにして自社の利益のための食い物にしようと考えているとしたらとんでもないモラルハザードだ。スズキ、静鉄、ヤマハ発動機と続く県内企業による「利益のためなら違法も辞さず」というモラル崩壊が止まるのか加速されるのか、正念場である)

2006.2.6

 知事は定例会見で、2月中旬に設立予定の「静岡空港運営会社」から支援要請があれば、県による無利子、もしくは低利の長期貸付などを引き受けざるを得ないと発言、借金体質の県にとっては、銀行からの借り入れにかかる利子・手数料などが税金による負担となるため、運営会社による支援要請とは事実上税金を民営会社に投じよという要請に他ならない。静岡銀行などの有力企業が出資しながらこの有様は「柔な経営者」(2004.3.2)どころか「恥知らずな経営者」と呼ぶにふさわしい。

 空港の設置者である県が責任を負う部分の管理実務は、全部空港会社でやるが、空港開港後のエアポートセールスは「両方でやります」と発言、着陸料は委託料として全額会社に支払われるため、無収入の県が税金で民間会社を支援していくこととなるため、開港後も県民の負担が永続することを事実上容認したこととなる。

知事定例会見(2006.2.6)

2006.2.20

2004年8月5日提起された訴訟で、石川嘉延知事が「自分の発言が特定の人を指していると誤解されたことについて遺憾の意を表する」との意思表明したことから、県議会答弁で名誉を傷つけられたとしていた弁護士4人が石川知事との和解に応じた。

毎日新聞(2006.2.21)

2006.3.2

 知事は県議会一般質問の中で、鈴与鰍ェ中心となって進める新規航空会社に何らかの支援措置を講じる考えを示した。
 他県の事例としながら、県の出資、航空機購入経費補助、開業準備費補助、ターミナル使用料補助、空港着陸料減免などの方法を選択肢として挙げた。また、空港運営会社についても県費投入は必要との認識を示した。

読売新聞(2006.3.2)

(県によるターミナル使用料等も含め運営費は着陸料で賄えるとした収支予測の事実上の破綻を示す発言である)

2006.3.3

 静岡空港の運営会社「富士山静岡空港梶vが静岡市内に事務所を開設した。県OBの吉岡徹郎社長は「空港も(事務所)同様に質素なものとしたい」と話し、ターミナルビル建設コストの抑制の方針を改めて示した。

日経新聞(2006.3.4)

2006.3.24

 知事は読売新聞の取材に対し、(鈴与が中心となって)設立準備が進められているリージョナル航空専用の新規航空会社に対し県出資を検討していることを明らかにした。

 また、この会社に対し、国際線につなぐため成田・関西両空港への路線開設を要請する考えも示した。

読売新聞(2006.3.24)

(意外と知られていないようだが鈴与は大成・日本国土・鈴与の共同企業体として空港本体工事の第1区工事を請け負っており、昨年3月に明らかにされた県の公共工事入札についての外部監査結果では、空港本体用地造成工事について、10億円を超える大規模工事を大手ゼネコンを含む2つの共同企業体で毎年受注しており、落札率も予定価格の95〜98%と高率で競争原理が十分働いておらず、空港工事の入札をとりまく状況は極めて不自然と思わざるを得ない、と指摘されている。)

2006.3.31

 国土交通省は「空港整備事業は、静岡空港本体用地造成の事業費として事業費29億8,300万円に相当する国費15億600万円の配分を決定した。

 県は国庫補助事業費として47億7,000万円を18年度当初予算に計上し、半分の国費補助を見込んでいたが、結果的にはその約6割程度の事業執行しか認めらなかったことになる。
 昨年度も国費補助の抑制のため当初事業予算約40億円に対し約23億円程度(約6割)の事業執行に止まっており、残り55億円余の国費を必要とし平成20年11月完成を見込む県にとっては厳しい現実を突きつけられた格好だ。

国土交通省 (2006.3.31)

(平成18年度に県民税に増税されることとなった森林づくり新税だが、環境森林費予算は見かけは予算規模が同じ中で前年度より増えているように見えるようになっているが、その内実は、基金への歳出と(基金から受け入れ後の)事業への歳出でダブルカウントした上での数字であり、実質は3.3%の減となっている。一方15億円もの増となった空港事業を含む企画費は17%もの増となっており、森林づくり新税の実態は空港建設のための増税であることは明らか。)

2006年

収用手続きに係る攻防進行中(収用委員会、訴訟等)

静岡県収用委員名簿

会長 増田  堯
現住所:静岡県牧之原市静波
最終学歴:昭和44年3月 東洋大学法学部 卒業
職歴:最高裁判所司法研修所 入所
弁護士登録 共和法律事務所開設(現在に至る)
公職歴:平成13年4月関東弁護士会連合会常務理事
平成13年4月18日静岡県収用委員会会長(現在に至る)

会長代理 大石 光男
現住所:静岡県静岡市清水区草薙杉道3丁目
最終学歴:昭和32年 3月 明治大学商学部 卒業
職歴:株式会社静岡銀行 日本橋支店長
公職歴:平成2年12月26日静岡県収用委員会予備委員<第1順位>
平成8年12月26日静岡県収用委員会委員
平成13年4月18日静岡県収用委員会会長代理(現在に至る)

委員 牧野百里子
現住所:静岡県小笠郡小笠町嶺田
最終学歴:昭和48年3月 中央大学法学部法律学科 卒業
職歴:最高裁判所司法研修所入所、弁護士登録
公職歴:平成14年7月掛川市男女共同参画条例検討委員会委員
平成15年4月静岡県水防協議会委員(現在に至る)

委員 立石 雅世
現住所:静岡県富士市御幸町
最終学歴:昭和51年3月 早稲田大学法学部 卒業
職歴:最高裁判所司法研修所 入所、弁護士登録
公職歴:平成15年6月静岡県医療審議会委員(現在に至る)
平成16年7月富士市男女共同参画審議会委員(現在に至る)

委員 鍋田不二彦
現住所:静岡県静岡市清水区北矢部町1丁目
最終学歴:昭和48年3月 一橋大学法学部 卒業
職歴:川崎製鉄株式会社 入社
有限会社鍋田不動産鑑定事務所代表取締役(現在に至る)
公職歴:平成11年12月26日静岡県収用委員会予備委員(第1順位)
平成12年7月31日静岡県収用委員会委員(現在に至る)

委員 齋藤 安彦
弁護士

委員 福田 昌平
現住所:静岡県焼津市石脇上
最終学歴:昭和42年3月 中央大学法学部法律学科 卒業
職歴:中部不動産鑑定所 入所
有限会社福田不動産鑑定事務所代表取締役(現在に至る)
公職歴:平成13年2月1日静岡県収用委員会第1予備委員
平成13年3月24日静岡県収用委員会委員(現在に至る)

富士山静岡空港株式会社

本社所在地 静岡県静岡市葵区御幸町4番地

設立 2006年2月14日

吉岡徹郎 (代表取締役社長)

森下登志美 (取締役)

小杉和弘 (取締役)

石田信之(取締役)

庄司清和 (取締役、時之栖社長)

神谷聰一郎 (取締役、静岡銀行最高顧問)

鈴木修 (取締役、スズキ会長)

伊藤修二 (監査役、ヤマハ社長) 

2006.10.29

10月29日にあった浜松市行財政改革推進審議会で会長の鈴木修・スズキ会長が補助金に頼る意識を「こじき根性」と表現した

朝日新聞(2006.12.2)

(空港運営に責任ある、静岡銀行、スズキ、時之栖、東芝機械、富士テクニカ、鈴与、静岡鉄道、スター精密、ヤマハ、ハマキョウレックスが「こじき根性」を出さないようにしっかり監督していただきたい)

2006.12.14

静岡空港未買収地の強制収用手続きで、海外在住の立ち木所有者4人に計約1万6000円の補償金を手渡すため、旅費など計約280万円がかかっていたことが、14日分かった。
対象者は、中国に2人、オーストラリアに1人、アメリカに1人。補償額は1人最高7500円だが、1か国当たりで職員の旅費、通訳費などで82〜100万円かかった。

読売新聞(2006.12.15)

2007.1.5

石川嘉延静岡県知事は、読売新聞社のインタビューの中で、県がリージョナル航空機を購入し鈴与などの県内企業が設立予定の航空会社にリースする方法を検討していることを明らかにした。

また、県舞台芸術センターへの財政支援継続問題について「10年やってみて、商業ベースで成り立たないことがはっきりした。入場料収入を増やすなど、極力努力してもらうが、創造的な芸術活動は支援の価値がある」などと述べた。

読売新聞(2007.1.5)

(愚かな指導者は多くの人が分っていることでも10年たたないと非を認めないらしい。しかも誰も責任は取らない。空港もたぶんそういう道を歩むのだろう。だが、県民の税金で暴利をむさぼるこじき根性の企業だけは許してはならない。)

2007.1.27

強制収用によって県の土地となった本体部予定地で、元の地権者らは27日、(実力衝突を避けるため)建設反対運動の拠点となっていた小屋を元の場所から30メートルほど離れた空港隣接地に移転した。
これにより空港本体部の土地収用は事実上終了した。

元地権者大井寿生さん「(小屋の移転は)非常に残念だが、余分な混乱を回避するための選択。しかし、この地で空港の問題点を追及していく再スタートにする」

毎日新聞(2007.1.28)

(@「維持費は県立高校1校分の5億円程度だから大した負担ではない」A「しかもその維持費は着陸料で賄えるので県民に負担はない(黒字)」と主張し強制収用までして推進してきた静岡空港。しっかり検証し責任を追及していかなければ同じことはこれからも繰り返され、この国から倫理や責任という言葉は失われるだろう。)

2007.1.28

「空港はいらない静岡県民の会」メンバーらが移転した小屋で集会。「飛行機も飛ぶかも しれないが、空港の末路は哀れだ。赤字を食い止めるためにも廃港まで追い込む」(竹野昇共同代表)

2007.2.6

6日未明、静岡県庁前で市内の男性、静岡空港に抗議の焼身死

石川嘉延あて抗議文

「石川嘉延に物申す

貴様は、静岡県民の意思に反して静岡空港建設を推し進め、

今は、農民から無理やり、権力を使って土地を取り上げ、

又、反対する多くの支援者をも無視して、力ずくで排除し、

何の必要も無い、永久に税金を無駄遣いする空港を、

嘘八百を並べ立てて、さも役に立つ空港であるかのように偽装し、県民を騙し、

犯罪者となんら変わらないゼネコンを使い、癒着し、県民に百年の禍根を残すその所業は赦しがたい。

よって、我が命を捨ててその悪行を糾弾する。

静岡県民 井上英作」

井上英作君の焼身抗議について声明(県民の会)

「 一身を持って空港建設に抗議し、自らの命を絶った、

井上英作君の訃報は痛恨の極みであり、この怒りを

言葉にすることはできい。

 知事石川嘉延に宛てた井上君の抗議書には「県民

に百年の禍根を残すその所業は許しがたい」とあると

おり空港事業に未来はなく、県民の利益と相反する

ものである。

 この真理にたって、井上君は、県民の会事務局員と

して重責を担い、また立木を所有し、山林の共有地

権者なって闘いを続けてきた。

 だが、今はもう彼はここにいない。彼をして、ここま

での思いに至らしめた理由は、明白である。われわ

れは井上君の意思を受け継ぎ、あくまでも空港廃絶

を実現するまで闘うことを誓う。」

2007年2月6日空港はいらない静岡県民の会

(管理人所感
空港に反対する理由は人それぞれ。何を持って勝ったとか負けたとかをいうのもまた人それぞれである。私は空港ができたから負けだとは思っていない。むしろそこからが真価を問われるのだと思う。推進のために県が言ってきたことが真実だったのか?それを肯定してきた専門家の判断は責任あるものだったのか?税金から報酬を受け取り財団法人運輸政策機構と交通専門家屋井鉄雄らの作った需要予測は不良品(瑕疵あるもの)ではなかったのか?そこに役人の県民利益に対する背任的関与は無かったのか?推進を積極的に後押ししてきた県内企業はどのように結果責任を取るのか?司法の判断は適正だったのか?強制収用までして作られた空港。もしこれらを問い続けることができなければ何も変わらないし変われないまま無責任とあきらめに満ち溢れ、その時初めて亡国の途を歩む敗北と言い得るのではないだろうか。まだあきらめるには早すぎる。残念でならない。心情的には理解するが、肯定できない行為。しかし無駄にはできないというジレンマ。今はただ、覚悟を新たに、如何なる圧力にも屈することなく自身の役割を果たしていきたい。2007.2.7)

東京新聞特報で静岡空港に疑問提起

岩崎富夫県空港総室長「福島と違い、スズキ・ヤマハなど世界屈指の製造業に代表されるパワー、箱根・富士山など豊富な観光資源も近い。県民所得も高い。需要は掘り起こせる」

JALのある幹部「開港時は国土交通省や自治体から圧力がかかるから、何とか飛ばすが、半年もすれば(客数の)メッキがはがれ、便は切ることになるだろう。神戸空港がその典型だ。離島なら使命として守るが、恵まれた所は赤字補償されてもお断り。せっかく新調する機材をそんなことに使う余裕はない。うちがつぶれてしまう」

静岡県内に本社がある大企業数社(社名や業種を秘したうえで指摘)「すでに物流拠点を中部国際空港につくり、出張も中部から。距離的に大差がないから、選択肢が多い中部を選ぶ」「関連会社も近隣なので飛行機需要は少ない。営業が北海道行きに使うかもしれないが、駅が一つ増えるくらいの感覚しかない」

岩崎富夫県空港総室長「JALも県も厳しい状況だが、ここまで来た以上、少しでも予測値に近づけるのが重要。羽田空港がいっぱいになれば、これを補う空港としての役割も出てくる」

東京新聞(2007.2.6)

2007.2.9

静岡県の平成19年度予算案が発表され、県のOBが社長を務め、静岡銀行、スズキ、時之栖、東芝機械、富士テクニカ、鈴与、静岡鉄道、スター精密、ヤマハ、ハマキョウレックスが出資している「富士山静岡空港会社」に2億円を低利融資することを計上した。20年度も18億から28億程度の貸付を検討しているという。静岡空港整備・就航促進活動事業費の19年度総予算額は1,158,600万円となる。
また、韓国のポートセールスのため設置が決まった「県ソウル事務所」に5,700万円(19年度)の予算も計上された。
一方、喫緊の課題とされている「医師・看護師確保対策」の予算は25,300万円となるなど健康長寿関連予算はいずれも言い訳程度となっている。

(低利融資といっても財源は県債である。しかも県債の引き受けの多くは静銀である。県が静銀から借り、静銀の出資する会社により低利で貸し付けて、その金利差と取扱手数料を県民に押し付け、結局は静銀などが儲ける構造といえよう。実質の金利補助金と言ってもよく、昨年10月29日にスズキの会長自身が言った「こじき根性」そのものである。)

2007.2

2月県議会等に見る静岡空港の税金投入リスクの数々

項目

内容

筆者コメント

空港運営会社への低利融資

県は、低利融資は、空港に不可欠なターミナルビルを空港管理会社が県に代わって整備してくれるのだから良いだろう、さらにこれによってターミナルビルの賃料が安くなって入居者や利用者の利便性が向上する、などと正当性を強調している。

一方で、日経の2月23日の記事では、このようにして完成したターミナルビルの約7割を県民の税金で空港管理会社の言い値で借り受ける危険性が指摘されている。

ターミナルビルの借り受け費用は基本施設の保守管理費用とは別立てであり、県が直接建設すれば必要ないものである。これが現実となれば県の主張してきた空港経費は県立高校1校分の5億円程度(年間)が虚偽であり、出資会社がリスク無しに県民の税金で利益を上げる構図が完成することを意味する。

しかも、早くもターミナルビルの建設は民間会社による指名競争入札で建設するらしく、不透明な業者選定に空港管理の民営化が貢献している。

航空会社へのインセンティブ

航空利用客への優遇策

県は、航空会社に対する着陸料、ターミナルビル使用料の減免等のインセンティブに加え、航空利用客への優遇策も研究中であると明言した。

着陸料は県の黒字収支予測の根幹となる収入であり、空港運営会社に支払う委託料の原資であることから、県としての収支予測自体の否定に繋がる内容であり、税金での補填が懸念される。

日経新聞2.23「県担当者は『仮にインセンティブを導入するとしても、それは県のせ施策。減免したから(運営会社に)委託料を安くしろとは言いにくい」と話す。減免したうえで県が正規料との差額を穴埋めする可能性も出てくる。』

これら税金投入はすべて税金であり、これによってメリットを受けるのは静岡空港利用者と航空会社と空港運営会社出資企業である。

現実となれば、県が繰り返し言ってきた全額赤字でも県立高校1校分の5億円の出費と言うのが、ここでも虚偽であることが証明されることとなる。実際、開港前に空港利用したいという県民が7割(静岡は約2割)もいて期待された福島空港では、今や土木費だけで毎年10億円超の税金投入(←必見)が行われ県の収支も悪化している。

羽田や中部国際があるのにわずかな移動時間を短縮したい一部の人(しかもその多くは観光客)のために多額の税金を優先して投じる意味は何なのか?理解しがたい。

航空機運行支援サービスへの税金投入

県は、旅客案内、発券業務、航空機の誘導、機体点検、給油作業、貨物仕分け、運搬など様々な航空機運行支援サービスを空港運営会社と協力しながら提供する可能性を示唆した。

1日数便の空港では羽田や中部国際空港に比べ規模の経済が働かずコスト高になることは確実視され、この穴埋めに税金投入の危険がある。

静岡空港で航空会社が航空機運行支援サービスを直営する可能性はほとんどない。となると、委託になるが、受託するのが実際県又は県の支援を受けた空港運営会社であれば事実上税金が投入される。
しかも、航空会社の委託料は
航空運賃の基礎となることから、これを高額にはできず、結果的に赤字補填が税金で行われ、しかも純公務員的な人や高額の機材を多く抱えるため撤退等の身動きができなくなる泥沼化が懸念される。第二のSPACか?

航空機購入支援

県は県民の翼となるリージョナル空港のためと称して、鈴与などが中心となって進めているリージョナル航空会社の航空機購入支援などを考えているとした。

航空機購入には60〜70億程度掛かる。相応の担保無しで貸し付けたりすれば、北海道のエアドゥの例のように、(リージョナル空港の)負債を県民の税金で補填することになる危険性が高い。

民間がリスクを負ってビジネスとして行うべきもので県がリスクを負うべきではない。運営会社も同様であるが、そのことで利益を上げようとしている出資会社が保証人になるなど責任を明確にすべきである。

(県の空港事業収支)赤字の責任

知事は、議会で、赤字になった場合の責任を問われ、政策の失敗の責任の取り方で最も重い責任の取り方は辞職であり、退任後であれば、知事としての歴史的評価の低下である、として金銭的な責任の取り方という選択の考えの無いことを明言した。

もちろん今現在は、知事に責任があるかは不明である。ただし、需要予測などの前提が瑕疵あるものであって、それを承知していたなら損害を賠償すべきであろう。承知していなかったなら瑕疵あるものを作った役人と学者及び委託先である財団法人運輸政策機構、そしてこれを専門家として是とした社会資本整備審議会公共用地分科会委員などが責任を問われるべきである。

県は開港後は税金の投入無しに運営できることを専門会委員会等で何度も主張して強制収用まで行い、死者まで出して開港するのである。誰も責任を負わないなどということは決してあってはならない。

2007.2.26

2007.3.

平成19年度県予算が可決、空港費は131億円で対前年比7%増となり、空港費以外の枠でも、静岡県ソウル事務所運営費に5700万円など空港のための予算を計上した。

 

2007.4.6

本体部西側の立ち木と竹林について、県空港部は先月29日、「行政代執行」を県土木部に請求したが、これに対し「静岡空港に反対する共有地権者の会」は6日、「先月29日に県空港部が行った行政代執行の手続きは認めることができない」などとして、説明と協議を求める申し入れをした。同部は10日までに回答するという

地権者側は22日に県空港部に「(木の伐採などを求めた)使用地と収用地の境界が確定されていないので、期限内の木の伐採などは不可能」などとして、県に協議の場を請求したが、県は26日に「県有地の立ち木を現地で示すことで明らかになる」などと回答していた。なお、同地で絶滅のおそれがあるオオタカの営巣が確認されていることから、営巣が終わる8月ごろまでの間は、現実に撤去したりする手続きは進めないとしている。

朝日新聞(2007.3.30)
毎日新聞(2007.4.7)

2007.4.18

静岡空港に就航予定の日本航空は18日、羽田からの国際便(午後11時〜翌朝6時)を2007年度に前年比約7割増の300便とする方針を明らかにした。
ソウルやホノルル向けに安定した需要が見込めると判断したもの。加えて、中国、マカオ、モンゴル、ウランバートル線も運行する。
政府が進める「羽田の24時間化」が一歩前進する。

読売新聞(2007.4.19)

2007.4.30

 日本経済新聞の調べによると、2005年度、地方自治体が管理する空港の収支は約8割が赤字であることがわかった。

離島空港と定期便のない福井空港を除く24空港を調査したもので、大空港に挟まれ静岡空港と立地の類似する福島空港(利用者50〜60万人程度)では、収入19億9千万円に対し支出は5億4千万円で3億円超の赤字だった(なお、この支出には人件費や利用促進のための補助、助成金は含まれていない)。
福島空港担当者は「着陸料の減免がなければ赤字にはならないはず」と嘆くが路線の維持には欠かせないようだ。

また、搭乗率補償で有名な能登空港は収入4千万円に支出3億4千8百万円で、3億円超の赤字。この収支には含まれていない地元4市5町による地元利用者への運賃補助や旅行会社への助成もあり、公的資金投入で維持する構図となっている。

日本経済新聞(2007.4.30)

2007.5.11

 静岡空港を拠点にしたリージョナルジェット構想実現のため「鈴与」を中心にした地元航空会社設立を促していた県が県内企業の協力を得られず当面の計画を断念した。

 知事が、要請があれば出資を含め設立支援との考えを示す中、県が空港運営会社出資の企業に打診したものの、リスクが高いと判断されたと見られている。

中日新聞(2007.5.11)

2007.5.14

 香港ドラゴン航空が香港−静岡間のチャーター便を年31往復就航させる計画を県に提案していることが明らかになった。
全便のチャーター費用は数千万円かかると見られ、県は財政支援の方法を検討するとともに、旅行会社などにチャーター便を組み込んだツアー開発を要請していくという。

毎日新聞(2007.5.15)ほか

(航空会社にとっては、チャーター便は座席の販売を旅行会社に丸投げできるので、定期便のように販売に関する経費(航空券売り場の設置運営経費、広告宣伝費、旅行会社への手数料)がかからないため販売リスクがない。このため宮崎県ではチャーター便を企画する航空会社や旅行代理店、それを利用する県内の団体などに対し補助金を支払うなど公費を投入し実質的に損失補てんしている。)

静岡空港運営会社に出資の自動車メーカー「スズキ」は、1審で敗訴していた過労死自殺訴訟で遺族に6千万円払うことで和解したが、1審判決が認めた安全配慮義務違反は認めないとした。一方、原告代理人は「1審の和解協議では見舞金程度しか払わないとしていたスズキが6千万円を支払うことに同意した。安全配慮義務違反を認めたと考えている」とした。

朝日新聞(2007.5.15)ほか

2007.6.6

市民団体「情報公開を求める静岡県民の会」が県入札監視委員会に対し静岡空港工事入札の実態調査と公正で適正な入札に向けた県への提言を行うよう申し入れた。

同会の申し入れ書では2006年までの大手ゼネコンの平均落札額が予定価格の95.7%だったのに対し、2006年1月の独占禁止法罰則強化と福島・宮崎などの知事逮捕などの中で行われた入札の落札率は43%、51%にまでに落ちているという。

<情報公開を求める静岡県民の会>
「予定価格の半額で適正な工事ができるとしたら、それ以前の工事はどうだったのか。28件の落札率がほかの2件並であれば百四十三億円余の県費が節約できた」

<県建設業室>
「11日に開かれる委員会に報告し、対応を検討したい」

年  度
落札率(%)

年  度
落札率(%)
1997
98.6
2002
96.3
99.6
96.2
91.4
95.3
1998
98.4
2003
98.1
99.6
2004
95.8
1999
96.9
97.0
97.4
95.8
2000
96.4
2005
94.7
97.2
94.8
96.9
88.9
2001
96.8
97.7
97.7
2006
86.6
96.9
51.1
2002
96.9
69.0
93.9
43.5

中日新聞(2007.6.7)ほか

2007.6.12

知事は定例記者会見で次のように述べた。

<記者>
 昨日の空港促進協議会において、新幹線新駅について、帆を前に進めたいとお話されました。この時期に説明された真意や意図、それから具体的な行動があれば教えてください。

<知事>
 まだ具体的なアクションまではいきませんが、いろいろな関係方面に県としてのメッセージを出して、いろいろ意見や助言や提案なども期待しています。
 また今後、県としての考え方がある程度固まり、JRにお願いをする状態が来た時に、県内のいろいろな分野からそれが支持されている、そういう希望が強いということの情報もJR東海に対して、提出する必要があると思います。
 単に県、しかも知事をやっている石川嘉延という素っ頓狂な人間が懲りもせず、出来もしないことを言っていると言わんばかりのJR東海の態度を打破するためには、全県的な支持があるということが非常に大事になります。お客様あってのJR東海でしょうし、そういう意味であります。

静岡県HP

(県の需要予測が見込みどおりであればJRに示す収支見込みのメリットにも説得力は増すだろうが、見込み外れであれば全く説得力はなくなるだろう。株主代表訴訟にさらされる会社側が、県の信頼できない見込みに乗ることはあるまい。県民も同様であろう。)

2007.7.5

全日空は5日、静岡空港に新千歳便、那覇便各1日1便を開港時に就航させると発表した。

新聞各紙(2007.7.6)

詳細は「離陸前に失墜!失望の富士山静岡空港」で。

2007.7.11

静岡空港運営会社に出資している鈴与は、「空港の利便性を高めるため、地元企業として何かできないかと考えた。それが地域への恩返しにもなる」として、単独でリージョナル航空事業を行うことを決めた。

読売新聞ほか(2007.7.12)

2007.7.12

航空事業への参入を決めた鈴与は、自社の保有する株式の売却で得る50〜100億円の自己資金を投入し、5〜6年での黒字化を目指すが、黒字化にめどがつかなければ撤退する。

なお、鈴与が購入を決めた機材はブラジル・エンブラエル社のエンブラエル170型(70人乗)2機。札幌、福岡、小松便の就航を目指す。運営面で全日本空輸(ANA)に提携を打診する考えで、大手航空会社との共存を目指す。

日経新聞ほか(2007.7.14)

2007.8.2

県は、空港建設地の地元の2市1町と各地区空港対策協議会と「航空機騒音対策事業に係る協定書」を締結した。

これにより、「うるささ指数」が70(地下鉄の社内程度)以上になると見込まれる吉田町の9戸について防音工事や冷暖房機器を設置することとなった。

また、空港の運用時間は午前7時半〜午後8時半となった。

日経、中日ほか(2007.8.3)

2007.8.6

9月に鈴与がリージョナル航空の新部門を設置することが明らかになった。

新部門はパイロットなど160人規模で、70人乗りの機材2機で新千歳、福岡に1日3便就航の予定という。

ANAと路線の競合する新千歳について「(静岡空港で夜間駐機しなとみられる大手と比べて)朝1番と夜の最終便を飛ばすことができるので、大手とは競合しないと思う」としている。

また、「4〜5年間様子を見て、ダメだと思ったらやめる」と明言し、県に対しては、静岡空港の着陸料の減免を求めていく考えも示した。

読売新聞(2007.8.7)

(鈴与は空港運営会社の出資企業の1社、着陸料は運営会社委託料の原資。着陸料の減免は税金での補填か出資企業による補填に繋がる。鈴与の要求は税金投入であわよくば利益を上げ、ダメだったらほったらかすという厚顔なもの。、「空港の利便性を高めるため、地元企業として何かできないかと考えた。それが地域への恩返しにもなる」といった言葉はまやかしだった。)

県議会の富士山静岡空港活用特別委員会で旅客ビルの概要が明らかになった。

延べ床面積は11,300u。建設費30〜40億円。平成21年1月完成予定(開港は21年3月)。

静岡新聞(2007.8.7)

2007.8.8

韓国のアシアナ航空が静岡空港への定期便就航の意向を正式に明らかにした。

使用機材は小型機のエアバスA321−200(177人乗り)。
1日1便で具体的ダイヤ(発着時間)は未定。
採算ラインとなる搭乗率は75%。
年間約4万8千人の需要を見込む。
ANAと同じ航空連合「スター・アライアンス」に加盟し、日本路線全便でANAとの共同運航をしており、ANAの便名で販売すると見られる。

就航表明の背景には先ごろ合意の「地方空港乗り入れ原則自由化」があるが、同時に「撤退も自由」であり、需要を維持できるかがかぎとなりそうである。

静岡県の需要予測ではソウル便は6万人。達成のためには大韓航空の動向に注目が集まる。

知事はCIQ体制について「問題ないと確信している」としているが、常設でない場合(地方空港に多い出張方式)はダイヤの利便性に影響が出ることになりそうだ。

新聞各紙(2007.8.7)

ブログ2007.8.10