今回の新需要予測に関しては価格のほかに便数やアクセス時間など多々問題がありますが、このことについては、静岡空港・建設中止の会によってわかりやすくまとめられており、重複を避けるため補足すべき点だけ記します。
リンク 「ここがヘンだよ新需要予測〜県民の実感からかけ離れた新需要予測を検証する〜」(静岡空港・建設中止の会)
県は、平成14年末に行なわれた静岡空港専門家委員会において、空港収支の「支出」として以下のとおり資料を委員会に提示し承認を得ました。
<支出>他県の空港の管理費用などを参考に、必要経費を算定。 支出額(管理経費)の算定 2 照明施設の保守管理 84,000千円 3 航空保安施設定期検査等手数料 1,200千円 4 消火、救護施設の維持管理委託費・車両管理費 47,500千円 5 管理事務所経費 179,000千円 6 駐車場(920台、24,900u)の維持管理(無料の場合) 7,700千円 7 周囲部管理経費(調整池、森林・草地管理) 53,300千円 総計 520,200千円 → 5.20億円 |
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「静岡空港の需要等再試算調査報告書」P3−14 3)支出算定の基本的考え方と算定方法 表3-3-9
空港の標準的な経常維持補修費の想定(2,500m滑走路、除雪不要空港)
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「空港整備事業の費用対効果分析マニュアル1999」P34 b)支出算定の基本的考え方と算定 (除雪の不要な空港) 注:【 】内は2,500m滑走路を持つ空港の場合(規模比率)
また、「3.1(1) a)りょきゃくの時間表価値」に示した1人あたりGDPの成長に従った時間価値の増加を考慮する場合には、人権費等も増加することを前提としており、従って費用等の増加も考える必要もある。なお、将来の建設費用が技術革新等により低廉化する明確な根拠がある場合には、その分を考慮しても良い。 |
もちろん、マニュアルの「各空港毎に精査・検討することが望ましい。」との記載から、別に必ず精査・検討しなければならないというわけではないと読みうるのであるが、これは実際に精査検討をできなかったあるいはしなかった場合ならば言い訳にもなるが、県は既に公にされた専門家委員会においてその精査検討した数字を「支出額(管理経費)の算定」として出しているのである。
しかも、その詳細な見積もりの過程も、公文書の開示請求により入手し、既にこのHP上で公開している。→公文書2及び公文書3
すなわち、県は「マニュアルに従った」としているが、実はマニュアルにも反しているのである。
しかも、ほとんど丸写しの文章の中にあって、「平均的な目安値として次表を示すが、各空港毎に精査・検討することが望ましい。」というのを「平均的な目安値として次表のように設定されている。」と非選択的に明言した表現は人を錯誤に陥れる表現で情報操作・隠蔽といわれても仕方のないところではないだろうか。全国情報公開ランキング47都道府県中44位の県ならではである。
さて、なにゆえにマニュアルとの差が出るのかであるが、静岡空港・建設中止の会の指摘した無料駐車場の維持管理費のほか、みどりの空港と県自身がいうように、事業区域530haのうちの106haに及ぶ造成森林の下草刈、182haに及ぶ既存林地の間伐処理、65.3haに及ぶ草地の草刈など周辺部の森林・草地の維持・管理経費が多いことと、山の上に作ったことで山を取り囲むように散在する調整池の管理にも経費がかかるという静岡空港ならではの負担増の要因があるからである。
であるからこそ、マニュアルは「各空港毎に精査・検討することが望ましい。」と記載し、空港の実情に合った経費の積算を求めたのである。
100万人を切っても赤字にはならないと言いたいがため、ここまでするかと呆れを通り越して感心してしまう。しかし、専門家はそうはいかない。
そこで、最後に、この問題点を放置した責任は誰にあるかということであるが、昨年の静岡空港専門家委員会と今回の静岡空港需用等検討委員会の両方に委員として出席し、その両方の「支出」に何の疑義もなく承認を与えるという矛盾した態度をとった以下の委員をあげておきたい。
以下の委員は必要なチェックを怠ったのであるから。
中島英輔(社)日本建設機械化協会施工技術総合研究所長
(2003.4.18)