小説『夢幻』の謎
1993年12月、「僕がリコーマイクロエレクトロニクスに報復した」というおかしな噂を聞いた、その直後、前からよく通っていた鳥取市立図書館(現・鳥取市立中央図書館)に行った。 図書館の「マツモトさん」と呼ばれている中年女性とは顔なじみだった。マツモトさんが口を開けビックリした顔で僕を見ていた。 たぶんマツモトさんはリコーマイクロエレクトロニクスとの問題の事情を知っているのだろう。 約8ヶ月後、地元日本海新聞に、マツモトさんの顔写真が載っていた。 鳥取市の松本ゆう子さんが長崎市の第51回「コスモス文学新人賞」受賞した記事だった。小説の題名は『夢幻』。「戦国時代権力者を手玉にとった果心居士の話」。 権力者を手玉にとった果心居士の話と、「下っ端の僕が、地元では『大会社』と言われるリコーに報復した」という噂と、どこか似たところがある。 地元紙の記事は問題発生、8ヶ月後である。おかしな問題を小説にして賞をとるのちょうどいい時期だ。小説『夢幻』はリコーマイクロエクトロニクスの問題を題材にしたのでは?・・・ 10年以上経ち、松本ゆう子さんと連絡が取れた。「『夢幻』はリコーマイクロエレクトロニクスの件を題材にしたのではない。図書館にも勤めてことがない」。 人違いかな?と思い、図書館に松本ゆう子さんの顔写真が載っている新聞記事のコピーを持って行った。 「1993年頃、この写真に似た人は図書館にいませんでしたか?」と聞いた。「いませんでした。松本きよ子さんという方ならいらっしゃいました」。2人の職員にくどく聞いた。「似ている人はいませんでした」と断言された。そんな馬鹿な! そっくりの人がいたのだ! 当時、よく図書館には行った。少なくとも2年以上、「マツモト」さんと呼ばれている下の顔写真と同じ顔・同じ髪型がいたのだ。図書館の職員が嘘をついているとみなし、自分を納得させるしかない。 1994年7月7日の地元紙・日本海新聞の記事