| ■芝生の病気 |
芝生にはいろいろな病気が発生します。美しく、クオリティーの高いコースを維持する為には常に芝生を健康な状態に保つことが大切です。ここでは主な病気の特徴と発生要因や防除方法を記載しています。
●日本芝 ■疑似葉腐病(リゾクトニア性春はげ症) ■葉腐病(ラージパッチ) ■疑似葉腐病(象の足跡) ■ピシウム病(ピシウム性春はげ症) ■ピシウム病(不揃症) ●ベントグラス ■葉腐病(ブラウンパッチ) ■疑似葉腐病(ウインターパッチ) ■白葉腐病(ホワイトパッチ) ■赤焼病 ■ピシウム病(ピシウムパッチ、ピシウムブライト) ■たんそ病 ■ドライスポット ■ピシウム性黄化症 ●日本芝・コウライ芝・バミューダグラス・ライグラス等 ■フェアリーリング病 ■葉枯病(カーブラリア葉枯病、犬の足跡) ■ダラースポット ■さび病 ■ほこりかび病 ■スプリングデッドスポット ■ニセブラウンパッチ ■立枯病(Take−all patch) ■立枯病(ゾイシアデクライン) ●病気が原因ではないもの ■乾燥害 ■肥料焼け ■藻 ■苔 ■アントシアン ■着色剤の散布ムラ ■踏圧 ■オイル ■クモの巣 ■スリップ ■モアのくい込み ■生理障害 ■サマーディクライン ■ディボット跡 ■メヒシバ ■除草剤薬害 ■施肥ムラ |
| ■疑似葉腐病(リゾクトニア性春はげ症) |
| すべてのノシバ、コウライシバに発生する重要病害。病原菌はbinecleate Rhizoctnia AG−Qとされたがその後菌糸はAG−Dであるとの報告もされた。5〜25℃で発育。芝草への侵入は比較的低温(10〜15℃)芝草組織への病原菌侵入は晩秋で、休眠期間中に直径数10cmの範囲にまで蔓延する。侵害部は春期になって萌芽しないが、萌芽後にはパッチの拡大は見られない。 発生助長要因 ターフのマット化。過乾燥。秋期に目土やチッ素肥料の多用。 耕種的防除 芝草の生育最盛期に更新作業を繰り返す。過乾燥にならないように潅水に留意。9月下旬以降は速効性のチッ素肥料を芝草の状態にあわせて少量を頻繁に施用。目土は必要最小限にするべき。 薬剤 イプロジオン。トルクロホスメチル。メプロニル・プロピコナゾール。フルトラニル・イソプロチオラン。施用適期は10月下旬〜11月上旬。春期に発病してからでは効果がない。 |
| ■葉腐病(ラージパッチ) |
| 4月上旬〜6月下旬と10月中旬〜冬眠期の2回。フェアウェイとラフに多い。葉の病徴は全体が黄褐色に枯れ、糸状に萎凋する。葉の葉鞘部は軟化して、引っ張ると地際から抜けやすい。似た症状の疑似葉腐病(象の足跡)は葉が萎凋せず不定型の病斑を作る。 3〜4枚目の写真は大雨が降ると必ず冠水するセミラフに発生した症状です。 発生助長要因 発生と降雨は密接な関係にあり、3月中下旬に雨量が少ないと初発は4月下旬。9月〜10月に寡雨の年には秋期の発生をみない。湿潤なターフでは発生が激しいようであるが、排水良好な場所でも多発することもあり解析は困難。 耕種的防除 感染芝を持ち込まない。ターフの湿潤な場所の改善。スイーパーによりサッチ等を極力取り除く。気温が30℃になると病原菌の活力が衰えるがその時期(7月の梅雨後期)にバーチカルをかける。 薬剤 イプロジオン。トルクロホスメチル。ペンシクロン。イプロジオン・マンゼブ。メプロニル・プロピコナゾール。フルトラニル・イソプロチオラン。 |
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| ■疑似葉腐病(象の足跡) |
| バンカー周りやラフ等の刈り込みをしないターフに9月下旬頃から発生、一部地域では6月頃に初発。病原菌はbinucleate Rhizoctonia AG−Dではあるが春はげ症、ウインターパッチ菌とは異なる。症状は、直径数10cmの淡褐色の円形パッチで、周縁部は雲状に濃褐色になる。淡褐色で鮮やかで均一なパッチになることもある。葉の病徴は周縁部が暗褐色で囲まれた不定型の淡褐色の病斑をつくる。 発生助長要因 不明。 薬剤 トルクロホスメチル。メプロニル・プロピコナゾール。フルトラニル含有剤。 |
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| ■ピシウム病(ピシウム性春はげ症) |
| リゾクトニア性春はげ症と酷似したパッチが萌芽期に発生する。しかし本病は6月に入っても自然治癒せず、ターフが裸地化する場合も少ないので被害は深刻である。自然治癒は8月に入ってからであるが、管理が悪いと秋期になっても病痕が残る。発生は特定なコウライグリーンに限られ、パッチの形状も例年ほぼ同じである。病原菌は病徴の出現する春期の萌芽時はPythium vanterpooliiとP.graminicola。前年の休眠直前からFusarium nivaleとF.acuminatumに感染、
つまりフザリウム菌とピシウム菌による重複感染症。フザリウム菌の発育は25〜30℃で旺盛。晩秋にコウライシバに侵入、ただし病徴は軽微。ピシウム菌も10〜15℃で病原性があり、フザリウム菌に感染して抵抗性が低下した組織を侵害。本病の発生は特殊な系統のコウライシバに限られる。 耕種的防除 床土の透水性をよくする。サッチを除去する。未熟有機質の施用を控える。更新作業を頻繁に繰り返す。感染ターフを持ち込まない。 薬剤 メタラキシル・ヒドロキシルイソキサゾール。ホセチル・クロロネブ。春期に施用すれば完全に防除できる。秋期の施用だけで発病しないこともある。 |
| ■ピシウム病(不揃症) |
| 秋期にFusarium SPP.の感染がない場合に、萌芽期にPythium SPP.が侵害するだけで発病。一斉に萌芽した後で4月中旬頃から局所的にターフの芽数が減少し、ターフ面が不均質になる。明瞭なパッチ症状は出現しない。5月に自然治癒が始まるが、所々にデポット状の窪みが残り、梅雨期まで完治しない。発生は特定のコウライグリーンに限られ、毎年同じような模様で出現する。本病は主としてPythium vanterpooliiによるが、P.graminicolaも一部関与。芝草への侵入は3月上旬頃から萌芽開始時の幼若な茎葉の軟弱組織を徐々に侵害。特定なコウライシバの系統グリーンに限って発生する。 耕種的防除 異なる系統のコウライシバで張り替えるのが最良の防除方法。更新作業を頻繁に繰り返すのも一方法。 薬剤 メタラキシル・ヒドロキシイソキサゾール。萌芽前の2月下旬〜3月下旬に施用すれば完全防除できる。ホセチル・クロロネブも有効。 |
| ■葉腐病(ブラウンパッチ) |
| ベントグラスでの最重要病害。盛夏になると発生(7月中旬〜9月中旬に限られる)病原菌はRhizoctonia solani AG−1とAG−2−2があるとされているがほとんどの場合後者タイプ。発育は15〜35℃の範囲で最適温度は30℃。発生初期は数cm〜数10cmの淡褐色、湿潤状パッチ。数日で互いのパッチが融合して不定型の大型パッチになる。処置をしなければグリーン全面が茶褐色化する。 発生助長要因 サッチの堆積。過潅水。チッ素肥料の過多。リン酸欠乏。最近の傾向ではチッ素欠乏のグリーンで多発、ダメージも大きいケースがあるので施肥には十分留意。過度の刈り込みも発生を助長する。 耕種的防除 4〜5月の更新作業によって芽数を減らす。上記の発生助長要因を取り除く。 薬剤 イプロジオン。ベノミル。チオファネートメチル。ペンシクロン。ポリオキシンD。バリダマイシンA。フルトラニル・イソプロチオラン。フルトラニル・プロピコナゾール。メプロニル・プロピコナゾール。殺菌剤の選択に当っては耐性菌出現回避のローテーションを考える。ダラースポット病、赤焼病、ピシウム病、フェアリーリング病等と併発時にはそれらにも有効であることも考慮する。 |
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| ■疑似葉腐病(ウインターパッチ) |
| 冬期に限って発生。冬葉腐病、ウインターブラウンパッチ、イエローパッチとも呼ばれる。病原菌はbinucleate Rhizoctonia AG−D、AG−Q。発育は5〜30℃の範囲で最適温度は23℃。数10cmの円型パッチで芽数が減少するものの裸地化にはいたらない。本病原菌は日本芝の疑似葉腐病(春はげ症)と同じであるために、コウライグリーンにライグラスをオーバーシードすると多発することがあるので注意を要する。黒褐色〜紫色っぽいパッチをウインターパッチ、黄色のパッチをイエローパッチと呼び分けたりする。低温性のピシウム病も同様の症状を呈し区別は難しい。 耕種的防除 低温時に芝草の活性が低下することから生理活性剤の施用が注目される。 薬剤 フルトラニル。メプロニル。発生後の施用ではパッチは消失しないので、予防散布となるが殺菌剤の多用をまねく、むしろ初発期に生理活性剤を施用する方向で考えるべきである。 |
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| ■白葉腐病(ホワイトパッチ) |
| 病原菌はRhizoctonia oryzae WAG−O。発育は15〜35℃で最適温度は25〜30℃。通常は秋期になると自然治癒する。パッチは通常直径10〜数10cmの円型であるが、数uの雲形状となることもある。パッチ内の芝草は茎葉部が漂白したような灰白色を呈し、パッチ周緑部には2〜3cmの薄い茶褐色帯ができる。茎部や地下部の損傷は軽微でターフが裸地化することはない。降雨の後にはパッチ模様が鮮明となり、ターフの美観が著しく損なわれる。 発生助長要因 判然とせず。 耕種的防除 不明。傾向として養分欠乏のターフによく観察されるので過度の肥料切れにならないよう注意する。 薬剤 フルトラニル。メプロニルメ。ポリオキシンD。発生後にパッチのスポット処理でよい。 |
| ■赤焼病 |
| ベントグリーンで最も恐れられている病害。熱帯夜が続く頃に突如として発生しグリーン全面が赤褐色になる。病原菌はPythium aphanidermatum。発育の最適温度は30〜35℃にある典型的な高温性菌。日本芝、バミューダグラスには病原性はない。発生初期のパッチは直径1〜2cmの小班。進展は極めて急速で数日後には直径が数10cmにもなる。融合すれば2〜3日中にグリーン全面に広がる。発生初期の侵害は地上部に限られているため、早期に処置すれば大被害はまぬがれる。枯死葉は独特の赤褐色を呈し、パッチ周縁部が灰紫色となる。早期には白い空中菌糸がみえること、往々にしてスモーキーリングを呈することも特長。日焼けを本病と誤診するケースがあるが両者の区別はさほど難しくない。発生は高温時に降雨、湛水を伴う場合に限られる。風通しが悪いうえに、排水不良のグリーンに多発傾向。発生は特定のグリーンに限られており、コース内全部のグリーンに発生することはない。 耕種的防除 透水性の良好な床土とする。風通しをよくする。グリーンに滞水箇所ができないようアンジュレーションを工夫する。 |
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| ■ピシウム病(ピシウムパッチ、ピシウムブライト) |
| Pythium SPP.による赤焼病以外の病害の総称。ベントグリーンで特に問題になるのは播種後1〜2年までの時期の大発生。3年以降のターフにも発生することがあるが概して目土施用や施肥、更新作業などが不適切なときである。冷涼期にはP.vanterpooliiとP.graminicola、高温時にはP.gramini−colaの侵害によるが、防除対策は赤焼病と同じである。盛夏の豪雨後に湛水箇所でブラウンパッチに酷似したパッチが多発した事例がある。症状は激しくパッチ内の芝草は2〜3日のうちに根部まで枯死して土壌が裸出する。本病はP.graminicolaによる激症型ピシウム病である。 薬剤 フルトラニル・メタラキシル。ブラウンパッチとの判別が困難な場合にも可。 |
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| ■たんそ病 |
| 新病害。ベントグリーンに5月中旬〜7月上旬、9月中旬〜10月下旬に発生。冷夏の時には8月になっても病勢は衰えない。パッチは淡褐色〜赤褐色で、通常は不定型を呈し健全部との境界は不鮮明である。数10cmかそれ以上の円型パッチとなることもある。病原菌はColletotrichum graminicola。発育は10〜35℃の範囲で、最適温度は25〜30℃。葉腐病(ブラウンパッチ)は健全部との境が紫褐色〜灰褐色のスモーキーリング状に明瞭であるが、本病は健全部との境が不明瞭。土壌湿度の違いにより病徴が異なり、乾燥期に発生するとパッチの拡大が抑制され、比較的小型のパッチが散発的に現れる。この小型のパッチはダラースポット病とほぼ同じ大きさであるが、ダラースポット病のパッチが明るい淡褐色であるのに対し、炭そ病はやや褐色が強い。罹病芝の地際の葉鞘部には細かい黒点が見られる場合もある。2枚目の写真は2008年5月にベントグリーンに発生した直径約1〜3メートル程のオネショ後のようなパッチ。健全部との境も比較的明瞭で、外周部が紫色っぽく見え、ブラウンパッチとも思われたが葉鞘部に細かい黒点を確認、たんそ病の処方後やや回復状態となったもの。3枚目は健全部との境界。(左側が健全部) 薬剤 プロピコナゾール。ベノミル。有機銅。 |
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| ■ドライスポット |
| 病原菌によるとの説もあるが病因についての定説はない。土壌の砂の粒子が撥水性を生じ、土壌が過乾燥状態になるためとの説もある。対策としては保水剤や浸透剤の使用が有効と言われています。 追記:ドライスポットは、土壌粒子が水をはじく物質によって被覆された撥水性土壌が局地的に発生するために、降雨や散水の後でもその部分の土壌水分量が極端に低く乾いた状態となり、水ストレスが生じ、部分的な乾燥斑が生じる。撥水性土壌の発生原因は、土壌中の有機物の分解過程で発生する物質や土壌微生物の分泌物が原因とされており、乾湿の激しい砂質土壌で最も発生が多いとされている。 |
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| ■ピシウム性黄化症 |
| ターフに黄色円形のスポットを形成する。夏に葉は黄化するが、萎縮、叢生はせず、引き抜けない。秋に自然治癒する。非伝染性病害。 |
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| ■フェアリーリング病 |
| キノコ類によって起こる芝草病害の総称である。草種に関係なくすべての芝地に発生し、難病害の一種とされている。 発生特性 本病発生の原因となる主要な種類はコムラサキシメジ、シバフタケ、ホコリタケの3種。コースによってはハラタケが多発するところがある。オオシロカラカサタケは稀にしかリングを形成しないが、子実体が白色、ゴルフボール大であるために多発するとプレーに支障をきたす。その他、ニセショウロウ、ホウライタケ等10数種類のキノコがある。キノコ菌は枯死した芝草の根やほふく茎、施用した未熟有機質肥料などを栄養源(セルロース、ヘミセルロース)として腐生生活を営む。芝草の根圏域(約10cmの深さ)に達した菌糸層を形成。降雨が少ないと菌糸層は強く撥水するようになり潅水しても芝草の根部に水分は到達しなくなる。芝草がリング状に枯死するのは寡雨の時期で必ずしも夏期とは限らない。ライグラスをオーバーシードしたティーグラウンドでは冬期でも枯死する。本病でのターフの枯死は間接的である。キノコ菌自体は腐生菌で生きた植物組織を侵害する能力がない。多雨の時期には菌体から分泌されるサイトカイニン様物質によって芝草は緑色が濃くなる。 |
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| コムラサキシメジ フェアウエイ、ラフに発生。数m〜数10mの扇状となる。5月中旬〜7月上旬と10月頃にリングにそって子実体(キノコ)を形成する。リングは外側に向かって年間数10cmの速さで進展する。 シバフタケ フェアウエイ、セミラフ、ティグランドに多発。リングは直径数10cm〜数mの円型。5月中旬〜7月と9月〜10月にリング周縁部あるいはリング内全面に子実体を形成する。リングの進展は比較的緩やかで毎年ほぼ同じ大きさにみえる。 ホコリタケ グリーン、ティグランドに発生。子実体は盛夏によく形成。グリーンではパッティングクオリティーに影響が大きい。降雨がないために溜池の水を潅水せざるをえない年に発生が多い。グリーン上では年によって発生箇所が違っており数10cmの円型の場合が多い。発生が稀な年もある。コウライターフでは決まった場所に発生し、直径数10cm〜数mの雲状や波状を程することがある。 防除対策 キノコ類が利用する成分を根圏土壌から除去するようバーチカルとスイーパーを繰り返す。床土の造成時には繊維素が多く残っている資材を多用しない。ベントグラスのサンドグリーンでは夏期に枯死が激しいので頻繁に潅水する。藻類が繁殖した溜池の水は発生を助長するので注意する。 薬剤 イプロジオン。ポリオキシンD。ビテルタノール。フルトラニル・イソプロチオラン。メピロニル・プロピコナゾール。界面活性剤加用し、10g/u、1〜4回施用すると再発が防げる。ベントグリーンでは薬害のでる殺菌剤もあるのでキノコの発生を一時的に防ぐために処理は2g/u、1回程度とする。 |
![]() 本病と直接関係があるか不明ですがその他のキノコはこぼれ話のページのキノコ大豊作にあります。 |
| ■葉枯病(カーブラリア葉枯病、犬の足跡) |
| 葉部を侵して枯死斑を形成するのが葉枯病であるが、葉が全面枯死するばかりでなく茎葉部も侵害し、地上部全体が枯死する。日本芝ではティグランドや湿潤なフェアウエイに発生。コウライグリーンに多発すると被害は大きく、重要病害とされる。バミューダグラスやライグラスのターフにも多発することがある。ベントグリーンでも発生を問題とするケースがあるが病理学的研究は乏しい。 発生特性 病原菌は日本芝でCurvularia geniculata。最近C.lunata、C.lunata var.aeria、C.verrculosaも関与すると報告された。その他の病原菌は不明。日本芝ターフでの発生は4月中・下旬から5月以降に降雨が続くと多発し始める。6月中旬の梅雨期〜7月下旬の期間ならびに8月下旬〜9月下旬に多雨の時には激発する。パッチは直径数cmの茶褐色と、円型であるが融合して不定型となることも少なくない。病原菌は通常サッチで腐生生活をしている。病原性は20〜30℃で強く、15℃、35℃では弱い。伝播は分生胞子の雨滴伝染。 防除対策 サッチの堆積が伝染源の密度増高を招くのでできるだけスイーパーをかける。フェアウエイでは停滞水でターフが過湿状態の箇所に限って発生するので排水を改善する。チッ素肥料の過度な施用とカリ成分の欠乏が発生を助長するので適正な施肥を心がける。角皮侵入を防ぐためにケイ酸肥料または有効ケイ酸が徐々に流出するような土壌改良剤を施す。 薬剤 イプロジオン(数年前から徐々に効力低下)。フェナリモル。トリフルミゾール。イミノクタジン酢酸塩。耐性菌対策としてローテーション散布を十分に考える。 |
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| ■ダラースポット |
| ベントグリーンにダラーコイン大の淡褐色パッチ。葉枯病と混同していた頃もある。 発生特性 4月下旬〜10月下旬にかけて発生。梅雨期と秋期の発病は旺盛である。盛夏にやや病勢が衰えるが日陰では引き続いて旺盛な発病が続く。パッチはBuff colorを呈し内部の色調は均一である。融合して大型の不整パッチとなることがある。病原菌はSclerotinia homoeocarpa。分類学的にはLanziaおよびMoellerodiscusの2属になるともされている。菌核や胞子を形成しやすい英国系としにくい米国系があるが、わが国では後者。したがってターフ状でも菌核を形成することはなく、越冬は菌糸による発育は10〜30℃の範囲で、最適温度は20〜30℃。冷涼な季節にだけ発生するものではない。侵害部位は地上部にとどまらず根部にまでいたるため、放置すればデポット状に裸地化する。秋期に発生すると損傷が回復しにくく裸地部は翌春まで残る。ベントグリーンだけでなくライグラス、バミューダグラス、日本芝にも自然発生が確認されている。 3〜4枚目の写真はEBI系薬剤抵抗性のダラースポット。 5〜6枚目は日本芝の箇所で融合したパッチ、やや赤みを帯びている。7〜8枚目はティフトン芝の箇所で融合したパッチ、やや黄化が目立つ。 防除対策 本病はサンドグリーンの普及により多発傾向にある、これは芝草の根圏が一時的に乾燥するためであるので潅水には十分な留意を要する。チッ素欠乏によって抵抗性が低下するので夏期でも過度の肥料切れにならないよう心がける。多湿条件下では発育した空中菌糸がモアー等に付着して伝播するので注意する。 薬剤 イプロジオン。ベノミル。チオファネートメチル。ビテルタノール。フェナリモル。プロピコナゾール。チオファネートメチル・ビンクロゾリン。ローテーション散布は必須。 |
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| ■さび病 |
| 黄褐色、橙赤色の夏胞子を形成。大抵の場合枯死しないが、多くの草種に発生する普遍的病害。 発生特性 最も進化した糸状菌。生細胞にしか寄生できない活物寄生菌。寄生しうる草種は1種類。宿主が日本芝の場合、病名はさび病、病原菌はPuccinia zoysiae。宿主がベントグラスの場合、病名は冠さび病、病原菌はP. coronataと黒さび病、P. graminis subsp.graminicola。宿主がライグラスの場合、病名は冠さび病、病原菌はP. coronata var. coronataと黒さび病、P. graminis subsp.graminicola。 宿主がバミューダグラスの場合、病名はさび病、病原菌はP. cynodontis。夏胞子は風媒伝播する。発芽温度は10〜25℃の範囲で、15〜20℃が最適。宿主への侵入は気孔からで、15〜20℃で空気中湿度が100%近いときに旺盛。冬胞子は夏期に木陰などの冷涼な場所に生育している芝草葉上に形成されるが、芝草を侵すことはない。ベントグラスのさび病は刈り込みをしない場所には発生するが、グリーンに発生した事例はない。 防除対策 長期間にわたって抵抗性を保持するような耐病性品種はありえないが、比較的発生しにくい抵抗性品種の開発は可能。夏胞子の発芽には飽和湿度が必要なので、ターフの芽数を少なくして常に風通しをよくしておくと発病は軽くなる。チッ素過剰の芝草では夏胞子が多量に形成されるので、施肥はひかえめにするとよい。 薬剤 トリホリン。オキシカルボキシン。チオファネートメチル・オキシカルボキシン。トリフルミゾール。トリアジメホン。ミクロブタニル。いずれも極めて少量で効果があり、激発時に1回の散布でこと足りる。 |
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| ■ほこりかび病 |
| 発生時期は5月〜9月。主にノシバ、コウライシバに発生。芝生の所々に10cm〜数m程の円形から不定形に、暗灰色に変色している所ができ、その部分の芝の葉には大量の小さい粒が付着している。この小さい粒がほこりかび病の病原菌である粘菌で、発生初期はクリーム色から半透明色であるが、徐々に濃い灰色に変色する。粘菌からは胞子が生まれ、この胞子は最初は鞭毛を持つが成長と共にやがて鞭毛を失い徐々に球体となり粘菌へと変化する。葉に付着した粘菌は葉を枯らしてしまうことはないのでそれほど恐ろしい病気ではないが、芝生の光合成や呼吸を阻害するため葉の色が黄化するなどの症状を起こす。 耕種的防除 湿潤な時によく出るのでサッチなどを除去し、過湿状態をなくす。葉の組織へは進入していかないので、刈り込みやブラッシングなどをする。伝播を避けるため、露がある時間の刈り込みを控える。殺菌剤の葉面散布をする。 |
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| ■スプリングデッドスポット |
| バミューダグラスに発生する病害。春と秋の気温が10〜15℃の冷涼湿潤な気候を好む。直径30センチ程度の淡黄色の円形のパッチとして現れます。 発生助長要因 サッチの集積、排水不良、カリウム不足。 耕種的防除 サッチ除去。排水を良くする。根の活性を良くする。晩夏〜初秋の即効性窒素肥料の施用を控える。低刈りを避ける。緩行性の窒素肥料の使用が望ましい。 |
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| ■ニセブラウンパッチ |
| ブラウンパッチに酷似したリング状のパッチ。病原菌はブラウンパッチとは異なった別のリゾクトニア菌によると考えられる。リングの中央は芝生が比較的健全なことが多い。 |
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| ■立枯病(Take−all patch) |
| 発生は春期〜初夏と秋期〜初冬。直径10〜50cmのパッチを形成。初発時には外周部が赤褐色〜褐色で落ち込んでいる。新規造成のサンドグリーンで発生が多い。感染程度が弱い場合はリング状にはならず、リングの一部だけが枯れる。病原菌はGaeumannomyces graminis。発育の最適温度は25℃で5℃以下と35℃以上では生育しない。 薬剤 プロピコナゾール。ベノミル。TPN・TMTD。ベノミル・メプロニル。 |
| ■立枯病(ゾイシアデクライン) |
| ノシバ、コウライ芝に発生。春の萌芽が不揃いになったり、秋に直径5〜30センチ程度の輪郭が不明瞭なパッチ状の枯れ上がりの症状が見られる。乾燥しやすい場所での発生が目立つ。コアリング等の更新作業による耕種的防除を図る。 |
| ■乾燥害 |
| スプリンクラーの故障による散水不足で発生した乾燥害。 |
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| ■肥料焼け |
| 粒状肥料よって発生した肥料焼け。肥料を一回に多量に施したり、濃度の濃い肥料を施したり、散布機で重複した個所等の茎葉が変色したり枯れたりする。 |
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| ■藻 |
| グリーン上に発生した藻。ゴルフ場に発生する藻類は大きく緑藻類と青緑藻類に分けられる。藻の発生誘因として、芝生の密度低下、日光が地面に届く、自由水がある、pHが5.4〜6.8、窒素とリン酸、鉄の競合、通気透水性の悪化等があげられる。 |
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| ■苔 |
| グリーン上に発生した苔。日陰、湿地または排水不良の芝生に見られる。 |
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| ■アントシアン |
| アントシアンは植物の花、葉、果実等に含まれる色素群。芝生では低温期に黒紫色や赤褐色を呈する。右側の写真2枚はベントグリーンに発生した黄化と黒褐色化したパッチでアントシアンが原因と思われる症状です。 |
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| ■着色剤の散布ムラ |
| 着色剤をグリーンに散布しましたが、ガンノズルでのスプレーパターンが環状の円錐ノズルだったために散布ムラができてしまいました。 |
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| ■踏圧 |
| パッティング練習用グリーンにて、同じ箇所から長い時間繰り返し使用した為にその部分が黒褐色に変色してしまいました。過度の踏みつけは芝生を損傷し、やがては裸地化させる場合もあります。 |
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| ■オイル |
| 油の種類ははっきりしませんが、作業機械から漏れた油によってその部分の芝生が枯れてしまいました。 |
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| ■クモの巣 |
| 朝露がある早朝に見られるダラースポットのクモの巣状の菌糸に見えますが、ダラースポットの菌糸に比べると粘性がなく、ほんもののクモの巣だと思われます。 |
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| ■スリップ |
| 芝生刈込み用の乗用作業機械のタイヤがスリップした為芝生の葉先が痛んでしまいました。 |
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| ■モアのくい込み |
| ベントグリーンの刈り込みの際にグリーンモアの刃が芝生にくい込みました。急傾斜を横方向から刈ったり、芝生ができ過ぎてしまった時や、刈り遅れ等で伸び過ぎた芝に短いサイズで刈り込みをすると起こることがあります。 |
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| ■生理障害 |
| 病原菌は見られません。肥料要素の欠乏、根の活力低下、土壌のpH、踏圧、気象条件、日照不足、排水不良、管理の不適正等複数の要因が原因と思われます。1〜2枚目の写真はぼんやり茶褐色に変色しています。3〜4枚目の写真はぼんやりまだらに黄化しています。 |
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| ■サマーディクライン |
| クリーピングベントグラスなどの寒地型芝草が、高温下(気温30℃以上・地温24℃以上)に長時間さらされた場合に光合成による生産量よりも呼吸による消費量の方が多くなるために体内の貯蔵養分の枯渇を起こし、根の枯死や芽数の減少を引き起こしたり、高温による酵素の不活化でタンパク質合成の部分的な経路阻害が生じる。周囲を木立で囲まれた日当たりの悪いグリーンで発生が多い。光合成の低下、土壌やターフ表面の過湿、土壌の透水性や通気性の低下、土壌病原菌の繁殖、芝草自体の抵抗力低下などの要因が同時に複合的に障害の発生を促すためとされている。 |
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| ■ディボット跡 |
| ディボットとは、ゴルフクラブによって削り取られたり、ボロボロになった芝の小片をいう。ディボットが取られた跡は、そのままの状態に放置すると元の芝生になるまでにかなりの時間を要する。プレーヤーが自分で取ったディボットは必ず元に戻し、足で踏みつけて目土をかけておくことがエチケットになっている。ディボットの大きさは芝生によって異なり、一般に株型の寒地型芝草では大きく、日本芝やバミューダグラス等のほふく型では小さく、時にはボロボロになる場合も多い。 写真は交代予備グリーンからそのままショットした際にできたディボット跡。2枚目はカラーからショットした際にできたディボット跡。 25-3 目的外のグリーン 25-3 a 障 害 : 球が目的外のグリーン上にある場合、目的外のグリーンによる障害が生じたという。プレーヤーのスタンスや意図するスイングの区域が妨げられても、それだけでは規則25-3にいう障害には当たらない。 25-3 b 救 済 : プレーヤーの球が目的外のグリーン上にある場合、プレーヤーは球をあるがままの状態でプレーしてはならない。プレーヤーは、罰なしに、次の救済を受けなければならない。 プレーヤーは球を拾い上げて、(a)救済のニヤレストポイントから1クラブレングス以内で、(b)救済のニヤレストポイントよりもホールに近づかない所にその球をドロップしなければならない。救済のニヤレストポイントはハザード内やパッティンググリーン上であってはならない。救済のニヤレストポイントから1クラブレングスの範囲内に球をドロップする際、球は目的外のグリーンによる障害が避けられ、しかもハザード内でもパッティンググリーン上でもない所のコース上に直接落ちなければならない。 規則25-3により拾い上げた場合、球はふくことができる。 規則25の違反の罰は、マッチプレーではそのホールの負け。ストロークプレーでは 2打 |
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| ■メヒシバ |
| 一年生で草丈30〜90cm。種子で繁殖し、生育期間は5〜10月。茎は地面を這うか、斜上し、地際に接した節からひげ根を出して四方に広がる。茎は細く長毛がある。穂状花序を掌状に出し、種子には細い毛を生じている。 1〜2枚目の写真はグリーンのカラーに発生し10月に入り自然と枯れ始めたもの。3枚目は8月のベントグリーンに生えたもの。 ラフ等に発生したメヒシバは芝生の雑草ページにあります。 |
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| ■除草剤薬害 |
| 10月下旬にフェアウェイとセミラフに散布した除草剤の薬害です。 |
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| ■施肥ムラ |
| 10月下旬にグリーンに撒いた粒状肥料の散布ムラです。 |
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| らいらっくの雑記帳 |