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製甲(アッパー)基本作業【専門実技】『3』

さて、今回で製甲作業も最後の「縫製作業」に入ります。靴は、数多くの部品の組合わせで出来ていますが、その中でも最も大きい部品である「製甲」から作業を進めてきました。

製甲はいわば「靴の顔」であり、お客様が靴を買うときに、一番先に目を惹かれる部分です。従って縫製部分はお客様も注意してよくご覧になります。

以下に、「縫製の目的(種類)」から進めていきますので、宜敷くお付き合いください。

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縫製作業編


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『3』縫製作業

 


縫製作業に付いての基本知識


『1』縫製の目的(種類)

縫製の目的(種類)とは、様々なデザインによって、数枚の革を組み合わせてアッパーを作る場合、異なる二枚の革を縫い合わせていくことだが、靴の場合、大きく分けると以下の三通りがあります。

重ね縫い(上図)

上下に重なった、二枚の革が正確に

縫い合わされている。

縫い割り(中図)

二枚の銀面を合わせて縫い、銀面を

開いて、表面からは「縫い糸」が見え

ないようにする。

割縫い(下図)

(中図)に縫った後、裏側にテープを

当て縫いつけることで、左右に引か

れた場合の補強とする。


『2』製甲用ミシンについて

製甲用ミシンは何種類か有りますが、ここではごく一般的な「18種ミシン」について説明します。

使用前の準備作業

「針棒」と「丸送」

りを上に上げ、

針止めネジをゆ

るめ、針の長溝

を向かって左側

にして取り付け

ます。上糸は、

図を参考にし

て→の順に通

します。

下糸は、左図

上から板バネ

を手前に引い

て釜蓋をはず

し、大釜から

釜を取り出す

→キャップを

開けてボビン

を出す→糸が

右巻きになる

ようにして入

れる→釜の糸

溝に糸を通し

て蓋をする→

下糸調子バネ

の下を潜らせ

て糸溜まりに

入れる。

(左図上)下糸
調節ネジで、材
料を縫うのに充
分な強さにする

(右上図)上糸
は、ローレットナ
ットで十分な強
さにする

(中図)針足数
は、送り調節ネ
ジをゆるめ上に
上げて針足を大
きく、下に下げ
て針足を小さく
する

(左下図)押さえ
金圧力の調節
は、筒ネジで材
料に合わせて
行う

(右下図)下糸
は、ボビンを糸
巻きに突き当た

るまで差し込み
糸を→の方向
に数回巻き、レ
バーを押し下げ
てプーリーをベ
ルトに当ててミ
シンを回転させ
て糸を巻く

ミシン針はミシ
ンの機種によっ
てショルダーの
長さが異なって
いる。

幹には針穴まで
溝が有るが、一
方は長く、その
裏側は短い

ミシンに取り付
ける場合は、必
ず、長い溝を左
側にしなければ
ならない

ロックステッチ
(錠縫い)は、上
糸と下糸が、材
料の厚みの中
間でロックされ
なければならな

『3』縫製の準備と注意すること

正しい姿勢 1 椅子の高さを調節する

2 正面から見て、身体の中心と針棒が一致する用に腰をか
  ける

縫製を始める前

(電源を入れる前)

1 電源のスイッチを入れる前にペタルを踏んだとき、ミシンの
  プーリーが軽く手で回せるか

2 電源スイッチを入れる前にペタルから足を離したとき、レバー
  が元の位置に戻り、プーリーにブレーキ掛かるか

3 釜の中、及びボビンケースに、糸くず、ゴミなどが付着してい
  ないか

4 糸、ハサミ、針、材料等必要な物が手元に揃っているか

5 針は正しく取り付けられているか

6 上糸、下糸は正しく取り付けられているか

ミシンのスタート

電源を入れる

1 ミシンの電源を入れるときには、ペタルに足を乗せない

2 天秤が上死点にあることを確認してから縫い始める(天秤が
  下に有ると、縫い始めに針棒が一度上に上がってから下に
  降りてくる。そのため、ピンピンから上糸が外れやすくなる)

3 縫いはじめは、右手で上下糸を持って、2〜3針進んだら糸を
  離す(ただし、上糸を強く引いて持つと、針が曲が曲げられて
  下の針穴に入れず、折れたり曲がったりするので注意する)

ミシンを止める

(電源を切る)

ペタルの後ろ側を踏んで、レバーを元に位置に戻して足を離す
電源を切ってからも、モーターは数分間惰性で回転をしている
そのため、不用意に足をペタルに乗せないこと 

紳士靴内羽根式のまとめ方

1 腰革を裏側から合わせてバックシームを

  縫い割りする。

2 馬を使って、くせつけ(つぶす)をする。

1 棒市革を取り付ける。

2 ミシン掛けをする。

1 爪革に、飾り革を貼り込み、ミシンを

  掛ける。

1 裏革を貼り込む。

2 鳩目穴を開ける。

3 トップラインに、ミシンを掛ける。

1 舌裏を貼りつける。

2 ミシンを掛けて、さらう。

1トップラインをさらってから、舌を取り

 付ける。

1 飾りミシンを掛けながら、舌を同時に

  縫いつける。

1 爪革を貼り込む。
1 先裏を貼り付ける。
1 枠ミシンを掛けて、裏革をさらう。

  出来上がり。

縫製作業については以上です。以上で「紳士内羽根式」のアッパーが出来上がり

ました。

「紳士内羽根式」のデザインには、靴の製甲を纏める上で多くの工程を含んでいます。

従ってこの製甲の纏め方が理解できると、他のデザインについては、部分的な作業

(裁断・漉き・折り込み・縫製)は、ほとんどの部分を応用することに出来ると思います。

婦人靴の場合は、材料(甲革)が一般に薄くなりますので、トップラインの補強、

伸びやすい部分の裏打ち補強(ダブラー等)などの作業が必要になってきます。

婦人用アッパーの纏め方については、いずれ折を見てアップいたします。


★ この内容は、営利を目的とした無断転載・出版は、堅くお断り致します。  革靴職人 応言司

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