TA(交流分析)

TAについてご存じですか?                  

★TAとは

 TAとは、Transactional Analysisの略号です。
TAは、アメリカの精神分析医、エリック・バーン博士(1910−70)によって創始された人間行動に関するひとつのまとまった理論で、集団心理療法を目的として1957年に世に出ました。
 日本へは1972年に九州大学心療内科の池見酉次郎先生によって紹介されました。
 理論が平易でわかりやすい日常語で発表されたために、病気の治療の場だけでなく、人と人とが交流する場、ふれあう場、(夫婦・家族・職場・学校等)で、人間関係の改善や効果的なリーダーシップの発揮を目的として、たいへん普及しています。
 とくに家庭での親子関係、子育ての仕方が後のその人の人生にどう影響するかが具体的に示されております。また夫婦の対話をより親密にし、幸せな家庭づくりの指針にもなっています。
 職場においては、コミュニケーションをよくし、生産的なリーダーシップの発揮に大きな影響を与えています。

 TAは@自分自身を理解する手がかりとなり、A自分が他人とどのようにかかわっているかに気づき、B自分が今歩んでいる人生がどんなもので、それが一体何によって決められたかに気づき、C自分が今までに無意識にやってきた行動、考え方、感じ方のもとになっている要因に気づくことに役立ちます。

★TAのねらい
 TAのねらいは、”人生を豊かに伸び伸びいきいき生きること”にあります。
 エリック・バーン博士は次のように述べています。

 「自分自身が本来もっている能力に気づき
      その能力の発揮を妨げているいろいろな要因をとり除いて
            本当の自分の能力の可能性を実現して生きること」
 こういう生き方のことを”自律性を達成する 自律的に生きる”と言っています。自律性という言葉は少しむずかしいのですが、広辞苑によりますと次のように記されています。
”自分で自分の行為を規制すること、外部からの制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること”

 TAを最後まで学びますとこの意味がもっと明瞭になりますが、スタートの時点での理解としては大胆に次のように表現しておきます。
 自律的に生きるとは自分の生き方は自分が選んだのであり、
  @自分が源であることに気づいている。
  Aうまくゆかないときに他人や環境のせいにしない。
  B他人を変えようとしたり操作をしない。
  C自分の思考・感情・行動に責任をとる。
  D過去を後悔せず「今、ここ」をせいいっぱい生きる。
  E代償を求めずに生きる。
したがって自律的な人間は、自分の人生は二度とないことを知っています。
だから一瞬一瞬を大切に生きています。一生懸命に、今、ここに生きている喜びを感じ感動をもって生きることができます。
 トマス・ゴードンは自律性ある人間は、自分の内部に自己を指示する力をもち、自主的に責任ある行動ができると述べています。
 TAでは、幼児決断にもとづく人生脚本分析をして、私たちを呪いのように縛っている脚本から脱して、再決断(今、ここで自分が意識してする決断)によって豊かに伸び伸び人生を生きることを目的としています。
 そして自律性を達成するために、次の三つの能力を高めることが必要であると主張しています。
 (1)自己への気づきを深める。
 (2)自発性の能力を高める。
 (3)親密性の能力を高める。
 TAでは、自律的に生き、人生脚本分析をとおして、わたしたちの可能性の実現を妨げている要因に気づき、それを取り除くために、この三つの能力の向上を実現するために概念とステップをプログラム化していますが、その概要は次の通りです。
(1)自我状態分析
 自我状態とはスピリッチャルな部分を除いて人格の構成単位をいいます。エリック・バーン博士は、自分の中に大きく分けて三つの自我状態があると言っています。すなわち【親のような私→P】【大人のような私→A】【子供のような私→C】です。
 このPACの自我状態を分析しながら「今、ここ」にいる自分に気づくためのプログラムが自我状態分析です。
 PACの概念は以後の全ての分析に必要なものですので、しっかりと理解する必要があります。TAの基礎といえるものです。

(2)やりとり分析(交流分析)
 やりとり分析とは三つの自我状態をもつ私が、三つの自我状態をもつ他者とどのようにかかわりあって、どのようなコミュニケーションのくせをもっているかに気づくプログラムです。
 効果的なリーダーシップ、生産的マネジメントに関連しています。

(3)ゲーム分析とラケット感情
 私たちは、日常生活の中で「また、やってしまった、もう二度としたくなかったのに」と思う行動をくりかえして、その結果はあと味の悪い感情を味わうことが多々あります。
 このあと味の悪い、憂うつな不愉快な感情をTAではラケット感情といいます。そして、二度とやるまいと決心しても、結果がこのラケット感情になることがわかっていても、なぜか反復してしまう「夫婦げんか」や「部下への怒号」等のことを、TAではゲームといいます。
 ゲームはストロークやディスカウントと深く関連しています。
 私たちのよくやるゲームのパターンに気づき、なぜゲームを繰り返すのか、ゲームをやめて生産的な人間関係をつくるにはどうしたらいいのか、ゲームをつづけたらどんな人生で終わるのか等の気づきを増やすのがゲーム分析のプログラムです。
※ストローク───── 相手の存在や価値を認める働きかけ
  ディスカウント─── 相手の存在や価値を軽視したり無視したりすること

(4)人生脚本分析
 TAの究極の目的は人生脚本分析です。
 私たちは、幼い頃にした忘れてしまっている決断にもとづいて、人生を生きる脚本をつくっています。その脚本に従ってゲームを演じて、脚本どおりに生きる可能性があります。多くの場合、脚本はその人がその人らしく生きる可能性を妨げているものです。極言すれば、脚本は私たちを呪いのように縛って、ワンパターンの行動の繰り返しを続けさせ二度とない人生を充実して生きることを困難にする危険性があります。
 この脚本の形成過程や特徴に気づくことで、「今、ここ」で私たちは新しい決断をすることができるという希望を与えてくれるのが人生脚本分析です。そしてTAの狙いである「自分自身が本来もっている能力に気づき、その能力の発揮を妨げているいろんな要因をとり除いて、本当の自分の能力の可能性を実現して生きる」ことを実現するプログラムです。

 深層心理学・児童心理学・認知心理学・発達心理学など、個人の持つ人間的豊かさや・実行力など、人格の成長過程をあつかった心理学はたくさんありますが、TAはその一分野で、臨床心理学といわれます。現在では大脳生理学でも成り立ちが裏付けされてきました。

 小田原の税理士・賃金コンサルタントの小原靖夫先生はTA研究にも造詣が深く、私も小原先生のTAセミナーを何度も受講させていただきました。現在の私の人間形成に大きな影響を受けています。人間関係であまり躓くことがないのもTAを学んだおかげと感謝しています。
(このページは小原靖夫先生の著書「わたしの幸せ あなたの幸せ」「素晴らしき日々へ」を参考にさせていただいております。)


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