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当院の院長は、このシニアタイムスに「山手先生の動物のこと」というタイトルで毎月原稿を書かせていただいておりました。定期購読者を始め、盛岡市内の老人福祉センターや主要公共施設などを通して愛読されていた「シニアタイムス」は、"はつらつとした人生を送るためのシニアの応援紙"として毎月15日1万部を岩手県内で発行していました。2008年3月で休刊させていただくことになりました。これまでのバックナンバーよりその一部をご紹介いたします。


犬猫の口臭について 136号  平成19年12月
人の口腔内な弱酸性ですが、犬猫の口の中は弱アルカリ性なので、虫歯の原因とされるミュータント菌は棲めません。つまり犬猫は虫歯で歯を失うことはほとんどありません。歯に付いた食べ物のカスを放置すると細菌が増殖し、歯垢になり、次いで歯垢にカルシウムが沈着し歯石になります。つまり歯石は、細菌の塊で、それが原因で歯周病になります。

歯を支える骨が溶けてなくなり、歯が抜け落ちます。ひどい場合には、顎の骨が溶けて骨折したり、鼻や頬から血液や膿が出てくることもあります。放置するとそれらの細菌が血液に乗って全身に回り、心臓、肝臓、腎臓など内臓がダメージを受けることもあります。2歳を過ぎた犬猫の80%以上が歯周病を罹っていると言われています。口が臭かったり歯が白くない場合は、動物病院で健康診断を受けることをお勧めします。


犬の超能力(聴力)について 134号  平成19年10月
犬は時々、耳をピクっと動かしたと思うと、急に立ち上がり、耳を澄ませて何かを聞き取ろうとしたり、壁に向って吠えたりすることがあります。これは私たちには聞こえない音を聞き取ろうとしていると思われます。

犬の耳は65Hz〜約5万Hzまでの音を聞くことが出来、人の16Hz〜約2万Hzに比べると、我々の聞こえない2万Hz以上の高い周波数音を聞くことが出来ます。犬笛は約3万Hzの音(高周波)を発するので、人には聞こえないけれど、犬には聞こえます。ちなみに猫も3万Hzの犬笛に反応し、高い音が聞こえることが分かります。

こんなに聞こえたら、さぞかしうるさいだろうと思いますが、耳は自分が関心のある聴きたい音だけを選択して聞くことが出来、困りません。ドッグフードの袋を開ける音や、散歩に行くときに履く靴の音などは特に反応します。犬も歳をとると聴力が落ちます。まず高い方、次いで中域の音が聞こえにくくなるので、老犬では犬笛が聞こえにくくなります。急に近づくと驚いて咬んだりする事もあります。注意してください。


ペットの食事 133号  平成19年9月
日増しに木の葉もうっすら色付いてきました。食欲の秋ですがペットの食事について何をどれだけ与えたら良いか又おやつの与え方についての質問が多く来ます。食事はバランス、量、リズムが大切です。食物が年齢や食性に合っているかどうかも重要です。

1日の適量をおやつも入れて全体とし分割して与えます。与え過ぎ、食事の出しっぱなしは慎みたいものです。食事時間のリズムも大切にして「健康な体は食生活から」を実践して下さい。食事内容など解らない時は、動物病院にお問い合わせください。


夏バテを乗り切る 132号  平成19年8月
お盆を過ぎてからもまだまだ暑さが続きます。夏バテや夏やせは動物にも見られますが、夏バテと思い込んで重大な病気を見過ごす事にも注意が必要です。体がだるくて、元気や食欲が無くなるといった症状はどの病気にも共通しています。

涼しく過すためには日陰を作ること、風通しを良くする事が重要です。また少し食べただけでも充分栄養が摂れるよう、新鮮で栄養価の高い食べ物、例えば豚肉やレバーなどを加えて与えるのもいいでしょう。散歩は早朝か夜になって道路の温度が下がってからにしましょう。


  
犬の肥満と減量 131号  平成19年7月
犬の肥満は種々の病気の原因になります。特に循環器病、糖尿病、関節炎、皮膚炎などが多くなり、繁殖障害や免疫機能の低下も見られます。肥満=短命と言われる所以です。

犬の減量を考え食事を作る場合、低脂肪・高蛋白にすると嗜好性を損なわず、低カロリーに出来ます。食物繊維を加えると、肥満感も得られ、自発的な食欲の低下もみられます。市販品ではリング状や発泡形態の物もあり、容積的にも満足出来ます。試してみてはいかがでしょうか。


 
犬の前立腺肥大症について 130号  平成19年6月
犬の寿命の延びに伴って雄犬の前立腺肥大症(雄犬の2.5%)が注目されるようになってきました。前立腺は、膀胱の下で尿道をとりかこむようにあり、ハート型(三角形)に近い形をしています。人では前立腺肥大症になると、尿道を圧迫して尿の出が悪くなる排尿障害を起こす事が多いようです。犬では、直腸側に肥大し、便が出にくくなります。前立腺肥大症の診断は直腸検査で簡単につきます。

前立腺は(アンドロジェン=)男性ホルモン依存性の器官なので去勢(精巣を摘出)するとみるみる萎縮します。高齢や、いまさら手術するのはかわいそうと言った場合、ホルモン療法を行ないます。
排尿、排便の異常は命に関わる怖い病気のことがあります。いつもと違うと感じたら、すぐ動物病院に御相談下さい。


ヒナを拾わないで・・・ 129号  平成19年5月
桜も終わり、新芽が一斉に芽吹き始めました。愛犬といつものコースを散歩するのも良いですが、少し足を延ばして近くの森林を散策してみてはいかがでしょうか。野鳥やリスなどの野生動物に出会えるのも楽しいし、名も無い花の美しさを発見するかもしれません。しばしウグイスの声に耳を傾けて下さい。自然の中には感動が一杯あります。森林浴を楽しみながらゆったりとした時間を過すのは、疲れた現代人にとって最高の癒しになります。あまり意識しませんが、実はこれほど贅沢なことは無いかもしれません。

春は野鳥の巣立ちの時期でもあります。飛行練習中の雛が休憩していることが有りますが、その近くには必ず親鳥がいて、雛を見守っています。雛は一日に数十回も虫を与えなければならず、人工飼育ではほとんど育ちません。雛は絶対に持ち帰らず、そのままにしておいて下さい。