● 野生動物のこと ― ホンシュウジカの生息圈 ―

日本には野生の鹿として、ホンシュウジカ(ニホンジカ)とニホンカモシカの2種類が生息しています。どちらも国の天然記念物として保護されており、頭数は増加の傾向にあります。保護の介あってか車で走っていると、道路の路肩や薮の中にニホンカモシカが時々見られるようになってきました。

一方、県南部・五葉山周辺のホンシュウジカは、07年3月末で3300〜4600頭いると推定されています。元来ホンシュウジカの北限が五葉山とされ、ニホンカモシカは寒い山岳地方、ホンシュウジカは暖かい地方と棲み分けが出来ていましたが、最近の温暖化で(?)ホンシュウジカが岩手県内でも拡散し(08年6月11日岩手日報によると、)早池峰山周辺で目撃されたと報告されています。岩泉町北部・岩手町や盛岡市でもホンシュウジカが捕獲されています。

野性動物は増え過ぎると生態系のバランスが崩れ様々な問題が出てきます。ホンシュウジカの増殖に伴い、希少な高山植物や牧草の食害が懸念されています。

ホンジュウジカの生息圏が北上・拡散すると、鹿の食べ物が競合し、ニホンカモシカの食糧が少なくなり、今後ニホンカモシカが衰退することも危惧されます。野性動物の保護には、自然を守り、環境を守り、生態系を守って行かなければなりません。

以前モグラや日本猿の生息圈が北上している話をしたことがありますが、平均気温の上昇が原因の一つとすると、野性動物の分布にまでこれほど急激に影響してきているのには驚きです。

地球温暖化は、地球規模で考えなければならない問題と同時に、個人の普段の生活と深い関わりを持っています。岩手の豊かな自然を守るために、一人一人、何ができるのか考えなければならない時期に来ているのかも知れません。