松並希活のワンポイントアドバイス

1)簡単な音質改善作

直熱管アンプ編

★フイラメントのノイズ対策について★

WE-300Bは比較的ノイズが多い球です。フイラメント・ハムは、シングル動作では、交流点火は無理のようです、其処で直流点火が一般には使われています。

フイラメント電圧は5Vですが、普通は電源トランスの5V端子でブリッジ整流しますが10000uF.16Vを入れますと、タンゴトランスの場合は、計算上は5V×√2倍ですから、5V×1.4=7V出ますが300Bフイラメント電流が1.2Aなので、実際には4.9Vで点火しています、普通は、此の状態でハムバランサーを入れてハム調整していますが、完全には取れきれない様です。

90db以下の低能率のスピーカーの場合は、此で十分実用しますが、アルテック、JBL、タンノイの様な昔のスピーカーは100db以上有りますので、ハム音が気になる方がおられるようです。

其処で端子電圧が6.3Vある時は、此を使用しますと、6.3×1.4=8.82Vと成りますので5Wセメント抵抗で、5Vに成るようにドロップ用のフイルター抵抗を入れますと、リップルが押さえられて、効果がでます。

その他には皆さんが、ご存じの三端子レギュレーターを使う方法も有りますが、この場合も端子電圧が7V位有りませんと、動作は出来ません、また、半導体特有の音質に成るようですし、配線の仕方で、発信を起こす事も有りますので、要注意です。

★音質を上げる為のアドバイス★

最近話材に成っていますSBD(ショットキ・バリヤー・ダイオード)です。

従来のファーストリカバリー等のブリッジダイオードが一般に使われていますが、内部抵抗の更に低いショットキ・ダイオードは構造上、耐圧120V位が限度でしたが、A&R社から高圧用SBDが昨年くれ頃から発売される様に成りました。

DC点火用としては、6A容量の30Vや60V耐圧のブリッジB6A03と、B6A06が発売されています、其処で、今使用の300Bや211/845その他のDC点火回路をSBDに替えますと、驚く程の音質が改善されます。

低域は締まり分解能が上がりますので、透明感と力感が出て、アンプが生まれ変わります、
SBDに交換した時の注意としては、内部抵抗が下がりますので、フイラメント電圧が上がりますので、セメント抵抗で(0.2〜0.3Ω)を入れて、フイラメント電圧を規格の電圧に成るように微調整が必要です。

また、SBDの場合は電源トランスの端子電圧が5Vでも、SBDの内部抵抗が低いので、例えばB6A03の場合は順電圧降下は0.44V(3A)、B6A06の場合は、順電圧降下は0.58V(3A)です、皆さんが現在使用している、直熱出力管でDC点火されている方は、是非交換することをお奨めします。

ちなみにB6A03は価額は1400円、B6A06は1500円と成っています、この他に更に音質を改善したい人のために大電流B30A06も発売されています。

★高圧出力管★

高圧出力でお馴染みは、211/VT-4Cや845が最も良く使われています。此等のフイラメント電圧は10Vで、フイラメント電流は3.25A(32.5W)と大食いのバルブです。出来ればブリッジダイオードも電流容量の大きい物が良いようです。
特にショットキ・バリヤー・ダイオードは電流容量が大きい程音質が良くなります。
ちなみに大電流容量としては、20Aタイプも出ています。

フイラメント回路に使うハムバランサーは普通50Ω〜100ΩのVRを使われていますが3.25A流れますので、巻き線型の1W〜2Wをお奨めします。更に音質面で進めて行く場合はVRを使わず固定抵抗が良いです。金属被膜抵抗2Wで十分で、抵抗値は25Ω〜27Ω位で良いでしょう。唯、固定抵抗のみでハムが取りきれないときは、どちらかに50Ω位のVRを一時入れて、ハム音の無くなる所まで微調整して、その時のVRの値を測って其れに近い抵抗をバラに入れれば完璧です。

★メーカー製の音質改善法★

メーカー製のプリアンプや、メインアンプの場合は基板で出来ているので、余り手を出さないようにしますが、電源部分のみ、パーツを替えても、可成り音質が改善されます、下の写真の様に、メーカー製向きのSBDが出ています。

写真1、写真2

写真3 

写真4

SBDメーカー種類 

ピーク逆電圧 サージ電流 順電圧降下
写真1 FCH10A15 10Aブリッジ 150V 130A 0.77V
写真2 FCH20A15&FRH20A 20Aブリッジ 150V 180A 0.8V
写真3 KCH30A15&KRH30A15 30Aブリッジ 150V 250A 0.8V
写真4 30PHA20 SBDダイオード
実効順電流4.71A
200V 60A 0.8V

ちなみに価額は FCH10A15は\700円、FCH20A15は\900円、KCH30A15は\2000円
30PHA20は\1800円(4本入り)と成っています。

其れほど費用は掛からないので、試してみる価値は有りそうです。

A&R社のラベルによると、
1.アンプの情報量が大幅アップ。 
2.聴感上のノイズレベルが減少する。
3.低域が締まり、高域がクリアーになる。
4.立ち上がり良い音が良い。
5.音像がより明確になる。 
等書いてあります。
注:私はメーカー製のアンプを持っていませんので、感想は控えて置きます。

★SNの改善★                                                アンプの性能を表す中で、SNの良さがどの位あるか、を表す値に残留ノイズが上げられます、残留ノイズの値は低いほど良いわけです、此の測り方は、入力VRを0にして、アウトプット二次側の8Ω端子に、8Ω(20〜50W)のダミー抵抗を繋ぎ、其の両端にミリバル計を入れて、その時の値が何ミリボルト有るか測定します、

一口に残留ノイズと言っても、ノイズの内容が幾つか含まれます、1)アースの引き回し方に依るもの、2)使用している真空管の管内ノイズ、3)B電源(平滑回路、及びデカップリング回路)リップル、4)ヒーター(フイラメント)回路に依るもの、5)誘導ノイズによるもの等が上げられます

ノイズの中で、一番多いのがリップルの混入に依るものです、原因には幾つか有ります、例えば平滑回路(B電源)からのもの、此はコンデンサーの容量不足や、チョークコイルのインダクタンスの容量不足が有ります、次ぎに此等のコンデンサーのマイナス側を、アースに落とす時の場所も影響が大きいです、電源トランス二次側の高圧タップの0端子と整流管とチョークの間に入れるコンデンサーのマイナス側は0端子と纏めてアースに落とします、よく此のコンデンサーを、信号系の回路と一緒に繋ぐ人が居ますが、此では信号経路にリップルを入れているようなもので、ハムは取り切れません、注意しましょう ___8月10日書__

次ぎにアースの引き回し方です、モノーラルもステレオアンプも同じですが、アースラインは、スピーカー二次側の0端子から始まって、次ぎに出力管のグリッド抵抗とバイアス抵抗(バイパスコンデンサーも含む)を繋ぎ、次ぎにドライバー管のグリッド抵抗及びカソード抵抗と繋ぎ、最後に初段のカソード抵抗(バイパスコンデンサーも含む)と入力VRのアースとを結び、此をアース端子に落とします、此を逆に繋いで行きますと、初段に入ったノイズは、段数を通る度に増幅されていきますので、SNは悪く成ります、気をつけましょう。

アースポイント  アースポイントは、1.一点アースポイント 2.二点アースポイント 3.ベターアース等が上げられます、一点アースポイントの方法は、一番多く使われている方法です、唯此も何処で一点アースに落とすか?になります、プリアンプの様に微少信号を扱う増幅器では、一般に入力回路の所にアースポイントにします、此は増幅率の高い回路ですから、初段の誘導ハムを拾っても、其処がアースされているために、誘導ハムは軽減されますが、逆に、出力段でアースに落としますと、誘導ノイズは、信号と一緒に増幅されて行きますので、ノイズの入った信号となり、音質が悪くなり、透明度の落ちた分解能の悪い音になってしまいます

次ぎに二点アースポイントですが、私も時々採用します、どのようなアースラインでしょうか、私か採用はB電源やデカップリング回路、又固定バイアスの場合は、マイナス電源、此等電源廻りのアースを、纏めて平滑回路近くにアースに落とします、また、電圧増幅回路、ドライブ段、電力増幅(出力段)回路、即ち信号経路のアースを纏めて、初段近くに落します、此が二点アースポイントです。___11月1日書___

アースの引き回し方が悪いと、ハムが出たりノイズに悩まされます、特にステレオ構成で製作する場合に、発生する事が有ります、いわゆるアースラインがループに成らないようにする事です、特に微少信号を扱うプリアンプの製作時はリップルや誘導ハムをを押さえる様な配線の仕方が要求されますので、製作記事などを参考にする事をお勧めします

ヒーター配線やその他のACラインの配線の時は、出来るだけ2本をよく撚って配線しましょう、此はDC点火の時も同じです、線に電流が流れると、磁力線(フレミングの法則)が発生します、線を撚ることに依って、磁力線を打ち消し合う事に成ります、此に依ってハムを押さえる事が出来ますし、他の線にノイズを与えないので、SNの向上に繋がります

  ---3月15日書---

★ヒーターバイアスとは?★                                        アンプの製作記事に、:ヒーターバイアス:と言う言葉が出てきます、この回路も、一種のヒーターノイズを、除去するための目的の回路です、どんなときに使うのでしょうか?、真空管には(例えばカソードの有る傍熱管)ヒーター、カソード間の耐圧が、規格表を見ますと、記載されています、例えば、ヒーター、カソード間耐圧100V、と書いてある場合は、電圧増幅管を、例えば12AU7をSRPP動作した場合、上の段の12AU6には、仮にプレートにDC.+300V掛かっていますと、上段のカソードには約、1/2の150Vがアース間に掛かっています、処がパワーアンプの、初段及びドライバー管等のヒーター電圧6.3Vは、ヒーターノイズを落とすため、6.3Vのどちら側か肩線を、アースにおとしています、お解りですよね、此のアース落としを忘れると、スピーカーから、ハム音や、音量VRを廻すと、変なノイズが出たりします、此のノイズを無くすために、ヒーターの肩線をアースに落としますと、ヒーターノイズが取れて、聞き易い音に成ります、ところが、先ほどのようなSRPP動作では、下の球は良いのですが(カソード電圧は1〜3V以下)上の球のカソード電圧は、先ほど述べたように150V掛かっています、今この状態で、ヒーターの片側を、アースに落としますと、どうなるでしょうか、カソード、ヒーター間の、耐圧が100Vとしますと、ヒーター・カソード間は150Vになりますから、50Vオーバーしています、すると絶縁破壊を起こして、球は切れて不良と成ってしまいます、と言って肩線をアースに落とさないと、ヒーターノイズが出て聞き難く成ります、ではどうしたら良いのでしょうか  つづく

  ---9月13日書---

つづき10月10日頃です