輪島の想い出  (石川県輪島市朝市にて)

 輪島は私の第二の故郷である。

 もう、20年以上も前になる。

 初代輪島の名物おばあちゃんに、

 逢った。日本海の冬を撮影しようと

 正月の二日、車で出かけた。

 大阪から舞鶴へ抜け、日本海沿いに

 北上した。国道27号線を東へ、

 小浜から国道162号線へ、三方から

 再び国道27号線を北上、敦賀から

 国道8号線で更に北上し、河野村から

 国道305号線で越前海岸へと、

 向かったのである。

 越前岬では雪の中の水仙が鮮やかに

 咲いていたのを今でも覚えている。

 今の様に北陸自動車道はなく、

 海岸沿いの地方道を北上、

 輪島市に着いたのは四日後の事であった。

初代輪島の名物おばあちゃん  
 新鮮な魚介類や野菜、それに手作りの

 民芸品が道路の両端にびっしりと並んだ

 朝市の光景は素晴らしい被写体として

 私の眼に写ったのでありました。

 朝市のほぼ中央付近にあったおばあちゃんの

 屋台は藁で作った民芸品で一杯でした。

 カメラを向けるとにこやかに笑いかける

 おばあちゃんは私の母を思い出させるので

 ありました。

二代目輪島の名物おばあちゃん 前回届けた写真  
 その後何度か初代のおばあちゃんと

 暑中見舞いや年賀状の交換が続いた。

 しかし、ある日突然に、体が不自由になり

 引退した、と娘さんから連絡があったのである。

 今回も二代目おばあちゃんの代筆として

 娘さんからの年賀状に添えられた文章には、

 年には勝てず、引退しましたと書かれてあった。

 今度、逢うときにはこの写真を持っていこうと

 思っていた矢先の便りであった。

              平成14年1月10日

今回、持参の予定の二代目輪島の名物おばあちゃん             

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