ローリングストーンズが、2005年になって久しぶりに"The Bigger Bang"という新譜を出した。
 トップのロックグループとして、彼らが音楽的にすこしもトーンダウンしていないことが、広く評判になっている。
 だが曲の内容も1960、70年代に比べてまったくトーンダウンしていないことは、あまり語られていないかも知れない。
 かつてローリングストーンズこそロックグループであり、ビートルズなど問題でないと公言したオールドファンとして、この新譜を批評せよと若い人達に促された。
 批評する資格があるとも思えないが、新譜の中で直接的に今世紀の国際関係(戦争)と国際経済に言及した1曲の歌詞を邦訳し、責めを果たそうと思う。
 ロックという「生活スタイル」は、浪費を煽り、世論を操作し、戦争を支配の具とする体制への、若い力の反抗として出現したものであった。
 1960年代にそうであったことは、2005年になってもそうだという姿勢の明確な顕示として、この新譜は受けとられるべきだと感じている。
 歌詞中の"Halliburton"はテキサスを本拠とする石油コングロマリット。チェイニー、ラムズフェルド、ライスなどブッシュ政権中枢との深い癒着が指摘される。
 また"Brown and Root"は"Kellogg, Brown and Root"とも呼ばれる採掘・建設企業。ハリバートンの支配下にある。
 KBR はイラク戦争勃発と共に、現地の復興・建設と石油採掘の利権を獲得する密約があったとの疑惑が指摘されている企業である。
 イラクに派遣されたわが自衛隊が、このような醜悪な密約に人道支援のベールを着せる構図になっていないことを、同朋として切望する。




 
 Sweet Neo Con
      --The Rolling Stones, 2005--
 
 You call yourself a Christian
 I think that you're a hypocrite
 You say you are a patriot
 I think that you're a crock of shit
 And listen, I love gasoline
 I drink it everyday
 But it's getting very pricey
 And who is gonna pay?
 
   How come you're so wrong?
   My sweet neo-con!
 
 
 It's liberty for all
 Democracy's our style
 Unless you are against us
 Then it's prison without trial
 But one thing that is certain
 Life is good at Halliburton
 If you are really so astute
 You should invest in Brown and Root.
 
   How come you're so wrong?
   My sweet neo-con!
   If you turn out right
   I'll eat my hat tonight.
 
 
 It's getting very scary
 Yes, I'm frightened out my wits
 There's bombers in my bedroom
 And it's giving me the shits
 We must have lots more bases
 To protect us from our foes
 Who needs these foolish friendship
 We're going it alone.
 
   How come you're so wrong?
   My sweet neo-con!
   Where the money gone?
   In the Pentagon!
 
   Yeh yeh yeh, Neo Con!
   Yeh yeh yeh, Neo Con!
  なあ、ネオコンさんよ
    --ザ・ローリングストーンズ, 2005--
 
 お前たちがキリスト教徒だって?
 ふざけるな、ただの偽善者じゃないか
 お前たちが愛国者だって?
 ふざけるな、ただの肥溜めじゃないか 
 いいか、みなガソリンが要るんだ
 毎日たくさん要るんだ
 何でこんなに暴騰するんだ?
 これは誰の仕業だよ!
 
   どうしてこんなにワルなんだ?
   なあ、ネオコンさんよ!
 
 
 自由は万人のもので
 デモクラシーが基本だろ
 俺たちからそれを取る気かよ
 何で裁判なしに投獄するんだ
 確かなネタは上がってるぜ
 ハリバートンとの暮らしが止められんらしいな
 賢い人間は
 戦争屋に投資しろってかい!
 
   どうしてこんなにワルなんだ?
   なあ、ネオコンさんよ!
   あんたらがまともといえる位なら
   帽子だって食べられるだろうぜ
 
 
 怖い世界にしやがったな
 怖くて気が狂うぞ
 国の中に戦争屋が居るんだからな
 で、皆には災難だけかぶせる気かい 
 俺たちを敵から守るには大義ってものが要るぜ
 なのにこのバカげた同盟は何だ?
 同盟でなくただの孤立じゃないか!
 
   どうしてこんなにワルなんだ?
   なあ、ネオコンさんよ!
   ペンタゴンの金は
   どこに消えてんだ
 
   なあ、ネオコンさんよ!
   なあ、ネオコンさんよ!