仏教に関する読書感想

 はま あるき     

 

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@

 知っておきたい日蓮宗   庵谷行享(おおたに ぎょうこう)著

A

 知っておきたい真言宗   松長 有慶 (まつなが ゆうけい)著

B

  日本の仏像  講談社週刊

C

  仏像の世界  野呂肖生著

D

    イラストでわかるやさしい仏教   監修:大角修

E

  うちのお寺は浄土真宗  監修:藤井正雄

F

  般若心経絵本  諸橋精光(もろはしせいこう)著

G

 世界六大宗教101の常識  大澤正道著

H

 つぎはぎ仏教入門:筑摩書房   呉智英著

I

 かくれ佛教  鶴見俊輔著

   

 @ 知っておきたい日蓮宗

   宗派の教えと仏事のいっさいがわかる  

 (わが家の宗派シリーズ)

        

発行年月200312

日本文芸社

庵谷行享(おおたに ぎょうこう)

価格1,470円(税込)

 
 非常に解りやすい本でした。

 知り合いの人がなくなり、その人の家が日蓮宗だということで

興味を持ち読み始めました。

 日蓮宗とは一言で言えば、日蓮が始祖の「南無妙法蓮華経」を

唱える仏教です。私の知り合いは「南無妙法蓮華経」を唱えると

いうことだけで、創価学会と間違えられるから、困ると言っておられました。

 この本は我田引水的な文章でなく、客観的と思える歴史的な考察を

きちんとしてありました。

 日蓮宗といえば、その両派の新しく興った「立正佼成会」や「創価学会」

があり、保守的で悪いイメージ(よく研究してなくて偏見かもしれませんが)

を持っていましたが、本来の(主流派)日蓮宗は魅力的でした。

 「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えれば、先祖も成仏し、自分も人間

らしく生きられると説きます。「南無妙法蓮華経」とはお釈迦さんの

説いた蓮華経に帰依すると言う意味です。

日蓮宗では「大曼荼羅ご本尊」をかかげ、その前に日蓮聖人の像を

奉安します。「大曼荼羅ご本尊」とは「南無妙法蓮華経」のお題目を

中心に、周辺に大日如来や、釈迦や、多くの仏や菩薩を配置した掛札で、

それは宇宙を表します。

   

 本山は日蓮聖人の墓のある富士川のほとりの身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)

で、総本山:身延山久遠寺の 日蓮宗オフィシャルサイトで日蓮宗の

詳しい説明が見られます。  

   

A 知っておきたい真言宗 

  宗派の教えと仏事のいっさいがわかる 

     わが家の宗派シリーズ)

著者/訳者名 松長 有慶 (まつなが ゆうけい)

出版社名 日本文芸社

発行年月 200311

価格 1,470円(税込)

   

真言宗のことを、やさしく説明してあります。

 最初は空海(774〜)の伝記で、次は真言宗とは何かの説明です。

 真言宗は日本の7大仏教宗派のひとつです。唯一の密教です。

 四国のお遍路をすましたので、空海の始めた真言宗に親しみを感じています。

以下に私なりに「真言宗とは」という視点で要約をして見ました。

 

真言宗は密教で、修業体験を通してのみ知りえる深遠な教えです。

仏教がインドの伝統宗教であるバラモン教や民族宗教であるヒンズー教の教えと

儀礼を取り入れ、5世紀から7世紀に母体が形成されました。

密教の開祖はインド僧の龍猛(りゅうみょう)です。

 密教をひとことで説明するなら、「即身成仏」のおしえです

自分が仏であることを思い出せばいいのです。それが「即身成仏」と言う意味です。

そして思い出すために、仏の自覚を持って生きればいいのです。それが

密教でいう「仏をまねる」と言う意味です。

 密教では、「身口意の三業」において仏をまねなさいと説きます。

具体的な修行においては、両手を組み(右の親指が上になるように組みます)、

真言を唱え、梵語(サンスクリット語)の文字を思い浮かべながら瞑想します。

 真言は密教の呪文で、大日如来の説いた真理という意味です。たとえば、

ご本尊が薬師如来なら、「オン コロコロ センダリマトウギ ソワカ」と唱えます。

思い浮かべるでは、比較的親しみやすいものは梵語の「あ」と言う文字で、

これはアルファベットのAの装飾文字に不思議に似てると私は思います。

        

 真言宗には多くの流派があり、高野山真言宗や東寺真言宗や新義真言宗

(根来寺)など大きな派だけでも11あります。1958年に真言宗

綜合窓口として「真言宗各派総大本山会」が発足しました。

 空海は唐に遣唐使として渡り、長安で、密教の第七祖の恵果から教えを

受けて、日本で真言宗の開祖となりました。

 

   高野山については詳しくは下記のHPを参照ください。

  高野山真言宗総本山金剛峰寺

   

 

       B 日本の仏像:講談社週刊

 

  

日本の仏像
A4変形判 角背(逆中とじ)
オールカラー36ページ
毎週木曜日発売
創刊号特別定価290円(税込)
以降各巻定価:580円(税込)

  日本の仏像:講談社週刊が今19刊まで出ています。

2008年11月の連休に奈良に行前に、東大寺や、薬師寺や、

興福寺や法隆寺の編など8刊購入しました。

すばらしく綺麗な、解り易い説明のつ

いた特集写真週刊誌です。観光地図も載っているので、

旅行計画に大変役に立ちました。


 「厳格に保護されている国宝級の仏像を、いろいろな角度から原寸大で掲載。

なかなか見えなかった部位や表情の細部まで、本物が眼前にあるかのようにお

見せします」と宣伝しています。

 

 

C 仏像の世界

   仏像のブームのようです。

              

 

野呂肖生著

 

文化財探訪クラブ9

 

山川出版社

2002年2月発行 1.680円(税込み)

NHKでも最近、谷村新司が司会で、松坂慶子などがゲストで

 

日本の仏像の紹介特集を2日連続でやっていました。

 

 私は仏像の入門書として、この本をお勧めします。

 

@ 如来 A 菩薩 B 明王 C 天部 

 

D 羅漢 E 垂迹(すいじゃく)に分けて、写真も多く、

 

解りやすく説明されています。 

 

私が個人的にすきな仏像は十一面観音や、弥勒菩薩や

 

如意輪観音や伎芸天や、吉祥天などの部類です。

 

 

D イラストでわかるやさしい仏教

          

 

イラストでわかるやさしい仏教

著者:大角修監修

成美堂出版

発行年月:200605

1,575円(税込)

 

     タイトルのごとく大変わかりやすい仏教の本を見つけました。

 

漫画的なイラストも豊富で、楽しく勉強できました。

 

図式での説明も詳しく、辞書的に私は使っています。

 

@ブッダの生涯

 

A仏教の教え

 

Bブッダとその弟子たち

 

C経典の成立と中身

 

D仏教の広がり

 

E日本の仏教

 

F名僧の生涯

 

G各宗派の発展

 

H仏教の基礎知識

 

 

 

  E うちのお寺は浄土真宗監修:藤井正雄

  

 双葉社:1500円:2006年(第30刷)

 うちのお寺は浄土真宗で、年に何回かお坊さんに来てもらい、一緒にお経を

読んでいます。しかし、宗派の勉強はほとんどしたことがありませんでした。

「うちのお寺は浄土真宗」(双葉社)を読んだので感想を書きます。浄土真宗に

関する歴史が詳しく、一方的に賛美するものでなく、大変興味深く読みました。

長男がスムーズに本願寺派を歴代継承したのかと思ったら、そうではありません

でした。

 特に面白かったのは第1章の正統派争いです。

親鸞は親鸞の長男善鸞(2代目)を義絶します。

親鸞末娘覚信尼が遺骨のある大谷廟堂を守ります。

覚信尼の孫覚如(3代目)と覚信尼の子唯善との間で宗派を二分する争いが起こり、

唯善は大谷廟堂を破壊し、一時鎌倉に遺骨を持ち去ります。

覚如(3代目)は長男(4代目)を義絶し、存覚は木部派を形成する。

蓮如(8代目)は寂れていた本願寺を立て直し、中興の祖といわれる。

顕如(11代目)は有名な石山合戦(大阪石山本願寺で)で10年間も織田信長と戦う。

顕如(11代目)のが豊臣秀吉に、西本願寺の土地をもらい、次男准如(12代目)が

継ぐ。

顕如(11代目)の長男教如(12代目)は、のちに徳川家康に東本願寺の土地をもらい、

大谷派(西本願寺派)が分立する。

現在、弟子たちの作った宗派も含め、浄土真宗10派があります。

第2章の親鸞聖人の漫画は良かったです。

 第3章で、私たちがいつも合唱している、正信偈(げ)(経行信証の第2章のまとめ)は

阿弥陀如来の教えを歴代の八高僧(龍樹から法然)がいかに教えたかが要約された

ものだとは驚きでした。

 中興の祖蓮如(8代目)の和文の御文書は解りやすく素晴らしいものです。特によく

葬式で聞く「白骨の章」は何回聞いても感動的です。

 第4章の大谷光瑞(こうずい)(8代目)のシルクロード探検家としての活躍が目を

引きました。

 

 F 般若心経絵本 諸橋精光(もろはしせいこう)著

                                    小学館: 1400円+税

 

 

 

 般若心経に関する本は何冊か読みましたが、これほどによく解る、私の心に

 

すっきりする本は初めてです。

 

 私の口癖かもしれませんが、本当に「いままでのOOOに関する本で、一番素晴らしい本です」

 

 宗教学者山折哲雄の推薦文もべた褒めです。

 

ギャテイ、ギャテイ、ハラソウギャテイを赤子の泣き声になぞらえている点など、

 

感心しました。

 

 著者諸橋精光は有名な傑作絵本「モチモチの木」の作者だそうです。

 

実家千蔵院の副住職でもあるそうです。納得です。

 

 

 

 G 世界六大宗教101の常識:大澤正道著

  Bukky8  

 日本文芸社:838円:2005年

 単なる紹介でなく、彼なりの宗教の評価が述べられています。

一神教はだめで、多神教がよいとの評価です。

 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、道教、新道が取り上げられています。

とくに日本人に影響が大きい宗教を取り上げています。

 ところで、信徒の数でいくと、

1番、キリスト教徒18億(カソリック10億、プロテスタント5億、東方教会2億)

2番、イスラム教徒12億

3番、ヒンドゥ教徒8億

4番、仏教徒4億 

5番、道教:不詳

6番、神道1億

7番、ユダヤ教徒:1500万人

 キリスト教徒とイスラム教徒とユダヤ教徒の戦いの歴史を見て、

「神教の西洋文明の歴史が残した教訓は地上に天国と建設しようとすると、

地獄の地上が出現するということだった。限りない進歩の追及は限りない堕落に終わる

ということだった」と著者は遠慮なく厳しく評価しています。

 キリスト教原理主義、イスラム原理主義が、(現在戦争に火をつけているので、)

私は特に怖いと最近特に感じていました。この本の主張に、うなずくことが多いです。

 他方、宗教の大勢は他宗教に寛容になりつつあると思います。(そう思いたいです。)

 

H つぎはぎ仏教入門:呉智英

つぎはぎ仏教入門:筑摩書房

    Tugihagi_2  ←クリックすると拡大します。

1400円+税

2011年発行

 目からうろこ的な本でした。

著者が言うのには釈迦の教えに忠実に従えば、

 @ 釈迦が教えた仏教は小乗仏教である。

 A 釈迦以外の仏はいない、「天上天下独我唯尊』は

釈迦以外の仏を崇めてはならないということ。

 B 大乗仏教は仏説ではない。

 C 釈迦の直接の言葉、金口(こんこう)が記載されているのは

『阿含(あごん)経典』と「スッタニパータ」である。

 D 阿弥陀如来は中央アジア・西アジア起源の古い神。

 E 輪廻(りんね)は釈迦は否定している。

 F 苦行も厳しく非難している。

 G 釈迦の主な教えは、1)縁起論、2)輪廻からの解脱、

 3)諸行無常・諸法無我、4)不苦、不楽の中道である。

 H 僧侶とは出家で、妻帯は禁じている。

 I 禅宗はほとんど荘子思想である。

 J 曼荼羅(世界象徴)も真言(呪術)も釈迦の教えではない。

 K 仏像が作られ始めたのは、起源1世紀の終わりごろ、ガンダーラ

(パキスタン北部)においてである。

 L 剃髪は、聖別の意味。僧侶は一般に剃髪している。

釈迦も実際には剃髪していた可能性がある。

 M 仏像の螺髪(らはつ)はギリシャ彫刻にあるウエーブ状の髪が

元になっている。ガンダーラ仏では、まだ螺髪は完全でなく、、少しずつ

変容してアジアの要素が取り込まれていって螺髪となった。

M 法華経は起源世紀頃の成立で、初期大乗仏教のひとつだが、

広い意味では偽経である。

N 仏教では、欲望を否定するので、資本主義と相性が悪い。

M 女性蔑視の視点は、近代思想と相容れない。

N 僧侶は仏教労働者と考えるべきだ。「聖職者」と考えてはいけない。

  そして、著者は、仏教再生には、、教理の原理的検討と、

僧侶や寺院をどうするかの制度改革が必要であると説く。

 大乗仏教はほんとに改革なのか、改悪なのか仏教の原点にもどり

点検する必要がある。

 たとえば、葬儀や戒名を原価計算し、料金を明示するなど、と。

 

 I かくれ佛教:鶴見俊輔著

Kakure2

ダイヤモノド社

1600円+税

2010年 

鶴見俊輔は哲学者・評論家で、

アナキズムに近い思想家だと思っていたのに、

以外にも、佛教というなのつく本を最近だしたと知って、

佛教に関心のある私はすぐ買いました。

 倉田百三、良寛、一休、石川三四郎、内山愚童、柳宗悦、

橋本峰雄、吉本隆明、高史明、秋野不矩、牧口常次郎、

戸田城聖、河合隼雄、内山節、馬祖道一などを評価しています。

 多神教、アニミズムがいいといっています。

 最後に、この本で私がもっとも印象的に残った言葉をひとつ。

「迷人(めいじん)の方所(ほうしょ)を弁ぜざるが如くあれ」(馬祖道一)

 (方所とは、方角と、住所のことです。) 

 

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