精神保健福祉手帳

 精神科の病気は長期に渡ることも少なくなく、それに加えて、発病前に比べると、「長時間、仕事を続けられない」、
「新しい環境に順応しにくい」、「人間関係に疲れやすい」など、生活上に必要な様々な力が弱まってしまうといった側面があり、多くの方がこの点に悩んでいます。最近、この側面が病気による「障害」だと理解されるようになりました。
 法の中においても、精神科の病気による「障害」に対する必要性が明記され、その流れを受けて「障害」を持った方の生活を支える福祉施策や福祉サービスを創造する使命を担って1995年に登場したのが、この「精神障害者保健福祉手帳」です。

< 対象者 >
 病名、年齢は問いません。精神科の病気があり、長期に渡り日常生活、または社会生活への制約(障害)がある人が対象です。希望者は、入院、外来の区別なく申請できます(知的障害は含まれません)。
 初診から6ヶ月目より申請が可能です。

< 等級 >
 等級は、「病気」の状態と「障害」の状態の両方から判定されます。
 障害年金の等級が「病気」の状態だけで決められているのに比べて、福祉手帳の方は生活面の状態も含めた判定なので、障害年金と手帳との間に等級差が生じることもあり得ます。
 手帳の等級内容は、おおよそ次の表の様なものです。

 
手帳の等級内容

1級
日常生活が単独では不可能(他人の助けが必要)な状態。
年金1級相当。

2級
必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活に困難がある程度。ストレスがかかる状態では対応が困難になるが、デイケアや作業所などに参加できる程度。
年金2級相当。

3級
障害は重くないが、日常生活、社会生活上の制約がある程度。保護的配慮のある事業所に雇用されて働いている者も含まれる。
年金3級より範囲が広い。


< 申請窓口 >
 
各市区町村役場(自治体によっては保健所)

< 申請手続き >
・申請は本人が行いますが、家族や医療関係者が代行することもできます。
・提出するのは、手帳用の診断書(用紙は市区町村役場。もしくは保健所にあります。また、準備している医療機関もありますので、お掛かりの医療機関にお尋ね下さい)。障害年金受給者は年金証書の写しを提出します。
・手帳の有効期間は2年です。入院するなど「病気」「障害」が重くなってしまった場合には期間中に申請しなおし、等級の変更の申請をすることができます。
・手帳の判定は、都道府県の地方精神保健福祉審議会の判定部会で行われます。
・通院医療費公費負担制度(32条)と申請用紙がセットになっているので、これと同時に申請することができます(勿論、どちらか一方のみの申請もできます)。

< 手帳の様式 >
 名称は「障害者手帳」。表紙に印刷してあります。中には氏名、住所、生年月日、性別、障害等級、手帳番号が記載されます。
 病名や病院名は記載されず、また写真も貼られません。

< 手帳で受けられるサービス >
 主なものとして、生活保護の障害者加算の認定、所得税・住民税の障害者控除、低料第3種郵便の承認、自動車税の減免等などがあります。
 他、各自治体によってメニューが異なってきますが、公共施設利用料の無料化、公営・民営交通の割引・無料化、公営住宅の家賃の減免・優先入居、医療費の無料化、水道料金の減免、タクシー無料券の配布、
ホームヘルパーの派遣、障害者福祉手当の支給などが行われています。
 また、民間のサービスですが、手帳をお持ちの方を対象に、携帯電話の基本使用料が半額になるサービスも携帯電話各社が設けています。申し込み、手続き等につきましては、各社にお問い合わせ下さいね。

(根拠規定: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)