- 医療に関する諸制度 -
通院費公費負担制度(法32条) < 制度の概要 >
俗に「32条」と呼ばれているもので、精神疾患で病院や診療所に通院する際にかかる医療費を公費で負担する制度です。
この制度を利用すると、かかった医療費(薬剤費一部負担金も含みます。)の95%が医療保険と公費で賄われ、5%だけが自己負担になります。
一部の自治体では、この5%も補助しているところもあります。つまり、そういった地域では医療費は無料ということになります。
この適用となる医療費の範囲ですが、先に述べました薬剤費他、届け出をした医療機関において掛かった医療費で、医療保険適用範囲内のものが含まれます。例えば、同一医療機関でデイケアを利用していれば、その利用料等もこれに含まれます。もし、通院されていらっしゃる病院以外のデイケアをご利用の場合は、窓口である市区町村役場(一部地域では保健所)の方に、その旨お話になり、ご相談下さいね。(^-^)< 対象者 >
精神疾患、精神病質であって、神経症のうちでも心因精神疾患若しくは精神病質のうちに属せる人で、医療機関に通院中の人となっています。パニック障害や各種神経症の方もお掛かりの医療機関に申請したい旨相談されれば、診断書の方は医師が要領良く書いて下さることと思います。精神科等に通院されていらっしゃる方であれば、実際、殆どの場合が申請の対象となりますので(最近、以前に比較して、認定されないケースもやや増加傾向にあるようですが)、ご不明の点はお掛かりの病院のスタッフ、若しくはお住まいの役場か保健所に配置されている精神保健相談員等にご相談下さいね。(^-^)
< 申請窓口 >
窓口は各市区町村役場(平成14年4月1日までは保健所が窓口でした。現在も保健所でも受け付けを行っている地域もありますので、ご確認下さい。)ですが、医療機関によっては手続きを代行してくれるところもありますので、通院先の医療機関にお尋ね下さいね。
その他、通院先を変更したり、住所やご加入の医療保険を変更された場合には変更届を出す必要がありますので、御注意下さい。< 申請手続 >
所定の申請書(法32条・「保健福祉手帳」共通)と診断書、印鑑を御用意下さい。(書類は各保健所にあります。)但し後で説明します、「保健福祉手帳」を既にお持ちの方は、診断書を持参する必要はなく代わりに「保健福祉手帳」を持参すればいいことになっています。
32条申請と「保健福祉手帳」の申請用紙は共通になっていますので、これら2つを同時に申請することも可能です。
< 有効期間・更新等 >
有効期間は2年間となっており、更新は継続申請する形になっています。その際には診断書を用いて保健所に申請します。
「保健福祉手帳」を持っている場合には、手帳の更新の時に同時に更新を行うことができます。
当然のことながら、有効期間を過ぎてしまうと公費負担が受けられなくなってしまいますので、御注意下さいね。それから、申請をすると、「患者票」(自治体によって、カードタイプのものであったり、申請用紙大の紙であったりと形は様々のようです。)が保健所を経由して通院している医療機関に送付されます。自治体によっては、医療機関側が保管する場合もありますが、原則的には本人に渡されます。大切に保管されて下さいね。
< その他 >
どちらの自治体かは未確認ですが、便宜上、32条の適用であることを保険証に記入するところがあると、耳にしたことがあります。 また一部の各種組合保険に加入されている方については、公費負担制度を利用して診療を受けた場合、稀に事業所に知れたケースもあるようです。 不都合がおありの方は、事前にご確認の上、申請なさって下さい。
それから、この制度は通院医療費を公費で負担するものであって、入院医療費については適用外となりますので、その点、ご注意下さいね。
(根拠規定 : 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)
高額療養費の払い戻し療養費が高額に上った場合、一旦医療機関に自己負担金を支払って概ね数カ月後、被保険者本人に払い戻しがなされます。
この時、払い戻し通知が届きますが、原則として申請が必要となってきます。
尚、入院時食事療養費の自己負担額はこの対象外ですので、御注意下さい。< 手続きの方法と申請窓口 >
「高額療養費支給申請書」に必要事項を記入の上、社会保険事務所、各種健康保険組合に申請します。
仮に手続きが遅れた場合でも、2年前までさかのぼって申請することが出来ます。< 払い戻し条件 >
次のような場合に高額療養費の払い戻しがあり、その額は次の通りです。
1. 入院、外来を問わず同一医療機関(総合病院においては各科ごと)で、1ヶ月の自己負担金が
一般患者:72,300円+{(かかった医療費)-361,500円}×1%を超えた場合、
上位所得の患者(基礎控除後の所得が670万円を超える世帯):139,800円+{(かかった医療費)-609,000円}×1 %を超えた場合、
非課税世帯の患者:35,400円を超えた場合、
それぞれ、その差額分が払い戻されます。但し、ここで言う1ヶ月というのは、その月の1日から月末までのことを指します。1ヶ月間という意味とは若干異なりますので御注意下さい。
2. 自己負担金が3万円(非課税世帯は2万1000円)以上の人が同一世帯に2人以上(同じ人が2カ所の医療機関から、という場合も含む)いて、その合計額が、上記1の自己負担限度額を超えた場合、その差額分。これは、同一の保険証を使っている場合に限られます。
3. 以上1と2に該当することが1年間で4回以上になった場合、4回目以降は、自己負担額が3万7200円(非課税世帯2万4600円、上位所得者は7万8,000円)を超えた場合、その差額分。
4. 血友病や人工透析が必要な慢性腎不全で長期療養を要する人については、負担限度を1万円とし、それを超えた額。
高額療養費貸付制度高額療養費が払い戻されるまでには、支払い後数カ月を要してしまいます。当座の支払いに困った場合には、この貸付制度を利用することが出来ます。
< 申請窓口・手続きの方法 >
社会保険等の場合、「高額療養費支給申請書」と「貸付金借用書」、その他被保険者証などを添え、社会保険協会支部(社会保険事務所の中にあります。)に申し込みます。
国民健康保険の場合は、各市区町村の国民健康保険課が窓口になります。< 貸付額 >
社会保険等の場合、高額療養費払い戻し額の8割相当の貸付となっています。
国民健康保険の場合は自治体によって異なりますが、9割から10割相当を貸付けています。
高額療養費委任払い制度国民健康保険の場合、貸付制度を利用しても支払いが困難な時には、この制度の利用を利用できます。
< 制度の概要 >
この制度は、自己負担額の限度額(高額療養費の払い戻しの項を御覧下さい。)のみを医療機関の窓口で支払い、高額払い戻し分は、被保険者を経由せずに直接、医療機関に支払われるといったものです。
この制度は、全ての市区町村で実施されているわけではありませんので、あらかじめ各市区町村の国民健康保険課にお問い合わせ下さい。また、この制度の利用にあたっては、お掛かりの医療機関の協力も必要となってきますので、病院に御相談下さいね。< 申請窓口 >
各市区町村の国民健康保険課です。
入院時食事療養費の減額措置平成6年10月から入院時食事療養費の一部負担が導入されましたが、住民税の非課税世帯(前年の所得が住民税の課税を受けない範囲にある世帯)に対しては減額措置があります。
< 申請窓口・申請方法 >
国民健康保険の場合は、市区町村の国民健康保険課で、社会保険の場合は社会保険事務所で申請します。
その際、保険証、印鑑、非課税証明書が必要です。
申請後、減額認定証が発行されますので、それをお掛かりの医療機関に提示すれば減額される様になります。
更新は毎年6月となっていて、更新しないと使用できなくなりますのでお気を付け下さいね。
生活保護(医療扶助)生活保護については生活保護の項で詳しく説明しますが、ここでは医療費についてだけ生活保護の援助を受ける、「医療扶助」について説明します。
< 医療扶助とは >
生活保護には、他の法律で使えるものがあれば、まずそちらを先に使うという「他法優先の原則」というものがあります。医療費がかかって生活が困難になる様でしたら、先に高額療養費制度や自治体の医療費助成制度などが活用できないものか確認をします。他、健康保険法に関する制度、精神保健福祉法に関する制度などが使える場合はそちらをまず活用することが優先されます。それらを活用した上でなおかつ生活保護基準以下になる場合に初めて、これを申請することができるわけです。つまり、これが最終手段になっていなければならない訳です。
生活保護を申請し、その要否判定の結果で医療扶助が受けられるか否かが決まります。< 申請窓口 >
最寄りの社会福祉事務所にご相談下さい。
< 医療扶助の範囲 >
一般診療の他、薬局での調剤、治療材料費(コルセット等)、入院時の食事療養費費など、健康保険の支給対象となるものは範囲内です。この他に、眼鏡、通院に要する交通費、看護婦の付き添いやタクシーなどを要する場合の費用も対象となります。
しかし、入院時のベット代、暖房代、洗濯衛生費など保険外のものは含まれませんので、御注意下さい。
通院に要する交通費については、病院で通院証明を書いてもらい、それを福祉事務所に提出して申請をします。< 医療扶助を受けて病院にかかる場合 >
病院にかかる場合は、少し面倒ですが事前に社会福祉事務所で診療依頼書などを受け取り、それを持参して受診することになります。
国民健康保険証は、医療扶助を受けると返却しなければならなくなり、使うことが出来なくなります。
しかし、社会保険の場合には保険証を使い、自己負担分について医療扶助からの給付を受けるという形になります。(根拠規定: 生活保護法)
社会保険の継続療養< 概要 >
これは、1年以上継続して健康保険に加入していた被保険者及び被扶養者が、退職する日までに治療を受けていた疾病に限り、退職後も在職中と同様の給付を継続して受けることが出来るというものです。
この給付の範囲は継続療養証明書に記入されている病名、及び関連疾病(合併症)に限られるので、治療中の病気は全て漏れのない様に医師に記入してもらいましょう。医療機関が複数にわたっている場合にも、それぞれの機関で作成してもらって下さい。また、有効期間は初診から5年間になっていますので、それぞれの病気の初診日が異なれば、その有効期間も異なってくることに注意しておいて下さいね。繰り返しますが、受給資格は、初診日から5年であって退職日から5年ではありません。この点に御注意下さい。
それから、この制度を利用すると退職後に保険料を納める必要はありません。しかし、1ヶ月以上「継続療養」を利用しない場合には資格を喪失してしまいます。
また、給付対象以外に新たな傷病が発生した場合には、「継続療養」の使用は認められませんので、ただちに国民健康保険等に加入しなければならなくなります。< 申請窓口・手続き >
資格喪失後10日以内に「健康保険継続療養受給届」を社会保険事務所、または健康保険組合に提出し、申請します。(根拠規定: 健康保険法)
社会保険の任意継続退職日から退職までに2ヶ月以上継続して加入していれば、20日以内に手続きをとると、最長2年まで在職中と同じ内容の給付を受けることができます。ただし、保険料は事業主の負担がなくなるので在職中の2倍となってしまいます。
また、定められた納付期限までに保険料を納めなければ、その理由がいかなるものであっても翌日から資格を喪失してしまいますので、充分に御注意下さいね。< 窓口・手続きの方法 >
社会保険事務所にて所定の書類に記入の上、手続きします。(根拠規定 : 健康保険法)