最後の贈り物



ICUに

規則正しい機械音が響く



母の薄く開いた目には

ぬれたガーゼがのせられ

口と鼻には

人工呼吸のための管が通されていた



脳死の宣告を受け

一週間が限度と言われながら

母の病室には

最後まで絶望はなかった



必ず治ると

誰もが信じた

父も私も

二人の弟達も

母と一緒に闘っていた



虚弱体質で

じゃが芋と玉葱は

重くて一緒に買えないという

母だった



体力なんてあるはずもない

薬で目一杯心臓を動かされて

苦しいはずだった



それなのに

血圧が下がり

何度 危なくなっても

持ちこたえ

頑張ってくれた



腕や足をさすり

手を握って

必死に呼びかけている

私達に応えるように



辛くて

胸が潰れるほど苦しくて



けれど

元気な母と

共に暮らした年月と

同じくらいに大切な時間



家族五人が

心を一つに

必死に頑張った時間



十日目の朝

母は何も言わないまま

逝ってしまった



安心したように

優しい笑顔を浮かべて





あの十日間を
最後の瞬間を
今でも鮮明に覚えています



母のことを思うと
胸が潰れそうですが
それと同時に
温かい気持ちが湧いてくるのを感じます


私の核になる部分に
母がいるのでしょうか


母を抱きしめ
母に抱きしめながら
私は生きていくんだと感じました



poem & comment by Ren Kizaki


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