妊娠20週前後の胎児チェック

胎児が大きくなって内臓などもよく見えるようになる妊娠18週〜21週頃に、胎児に異常がないかを超音波検査でチェックする病院が増えつつあります。胎児スクリーニング、胎児精密超音波検査 、胎児ドックなどと呼んで、通常の妊婦健診とは別に、検査を行っている病院もあります。

超音波検査で、どこまで詳しくチェックしたらよいのかという決まりはありませんが、命にかかわるような大きな異常は、できるだけこの時期までに見つけ出すことが大事だと言われています。

大きな異常があるかどうかをチェックするための代表的な断面をご紹介します。ただし、すべての病院やクリニックでこれらの断面をチェックしているわけではありません。病院の方針や考え方によってどこまでチェックするか(あるいはしないか)が違います。


(1) 頭の断面

白く楕円形に見えるのが、胎児の頭蓋骨。この断面では、上下方向が胎児の頭の 左右方向になります。 頭蓋骨に囲まれた部分がちょうど上下対象に分かれて見えますが、これは頭蓋骨の中が左右対称になっていることを示しています。

この時期、まだ大脳が薄いため、水が貯まっている側脳室(黒く見えています)や、その水を出している脈絡そう(白く見えています)が目立って見えます。

チェックのポイント

 ・ 頭蓋骨の中が左右対称かどうか

 ・ 側脳室の水が極端に多くないか

 ・ 頭から外側に飛び出しているようなものがないか。
 


(2) 上唇

鼻の穴が2つ見えますか?。鼻の下に上唇が映っていますが、この断面を見ることによって、口唇裂が有るか無いかを知ることができます。口唇裂は、それだけでは命に関わるような異常ではありませんが、口唇裂といっしょに、心臓の異常、発育不良、手足の異常などが見つかると、重大な染色体異常である可能性が高くなります。

チェックのポイント

 ・ 上唇に切れ込み(途切れて見える)がないか
 


(3) 胸の断面

心臓の異常を見つける大事な断面です。左右の心房と心室の4つの部屋がバランス良く4つに分かれて見えます。もし、これらの部屋の大きさが極端にアンバランスであると、心臓に異常がある可能性があります。

心臓は、この図のように、やや左側に寄っているのが普通です。もし、右に寄っていたり、極端に端に寄っているようなら、胸の中に腸が入り込んでいる横隔膜ヘルニアや肺の異常が疑われます

チェックのポイント

 ・ 心臓がやや左寄りにあるか(極端に端に寄っていないか)

 ・ 心臓は、バランスよく4つの部屋に分かれているか

 ・ 心臓の周りに水が貯まって黒く見える部分や異常に白く見える部分がないか

 


(4) お腹の断面

お腹の中で、黒く見えるのは、胃、胆嚢、血管、膀胱(この断面には映っていませんが)です。この時期、それ以外に黒く見える部分があると何かがおかしい可能性があります。

また、お腹の断面では、肝臓や腸などの内臓が、お腹から飛び出していないことを確認しておくことも大切です。

チェックのポイント

 ・ 胃が左側に見えるか

 ・ お腹の中に、胃、胆嚢、血管、膀胱以外で黒く見える部分がないか

 ・ 胃や腸が異常に大きく広がっていないか

 ・ お腹から内臓が飛び出していないか
 


(5) 背骨

この時期は、胎児の背中や背骨のチェックがやりやすい時期です(妊娠が進んで胎児が大きくなると、背中全体を見るのがだんだん難しくなってしまいます)。

背中側から背骨を見ると、白い骨が2列に並んでいるように見えます。特に外側の骨の部分が欠けて見えたり、背中からコブのように飛び出したものが見えた場合は、二分脊椎などの異常が疑われます。

チェックのポイント

 ・ 首からお尻まで背骨が2列に並んで見えるか

 ・ 背中にコブのようなでっぱりがないか
 


(6) 羊水の量


胎児のまわりには、羊水が黒く見えます。この量が極端に少ない場合は、胎児に何らかの異常があることがあります。

チェックのポイント

 ・ 羊水が極端に少ないということはないか(もちろん極端に多いのも問題です)