合同式

 合同式を用いると,整数に関する種々の問題が簡単に解ける場合がある.以下,定理等の証明は省略する.

☆合同式の定義☆

定義:整数aとbを整数mで割ったときの余りが等しいとき,すなわち,a-bがmで割り切れるとき,aとbはmを法として合同であるといい,

a≡b (mod m)

と書く.

合同式⇔等式の「翻訳」:

a≡b (mod m) ⇔ a-b=mk となる整数kがある(a-bがmで割り切れる) ⇔ a=b+mk となる整数kがある


☆合同式の性質☆

定理1:次が成り立つ.

a≡a (mod m) ・・・反射律
a≡b (mod m) ⇒ b≡a (mod m) ・・・ 対称律
a≡b (mod m),b≡c (mod m) ⇒ a≡c (mod m) ・・・ 推移律

定理2:a≡b (mod m),c≡d (mod m) ⇒次が成り立つ.

a+c≡b+d (mod m),a-c≡b-d (mod m)
ac≡bd (mod m)
自然数nに対し,an≡bn (mod m)

系1:a+b≡c (mod m) ⇒ a≡c-b (mod m) が成り立つ.すなわち,移項が可能である.

定理3:加算,乗算について交換法則および結合法則が,また分配法則 a(b+c)≡ab+ac が成り立つ.

定理4:ac≡bc (mod m),cとmは互いに素 ⇒ a≡b (mod m) ・・・ 両辺をcで割ることができる

定理5:ac≡bc (mod mc) ,cとmは互いに素⇔ a≡b (mod m) ・・・ 法も含めて両辺をcで割ることができる


☆1次合同方程式☆

定理4:aはmで割り切れないとき,1次合同方程式

ax≡b (mod m)

で,aとmの最大公約数をdと置くとき,次が成り立つ.

d=1 ⇒ 1個の解を持つ
d>1,bがdで割り切れる ⇒ d個の解を持つ
bがdで割り切れない ⇒ 解を持たない

:(1) 3x≡5 (mod 7) を解け.
(2) 18x≡8 (mod 14) を解け.

:(1) 5≡12 なので,3x≡12.従って x≡4.

(2) 両辺を2で割って,9x≡4 (mod 7) → 7x≡7なので,9x-7x≡4-7
→ 9x-7x≡-3 → 2x≡4 (mod 7) → 両辺を2で割って,x≡2 (mod 7) →x≡2,9,16,・・・ (mod 7)
→7で割って2余る整数は14で割っても2余るので,x≡2,9 (mod 14)


☆1次不定方程式☆

例:5x+3y=37 を満たす整数x,yを求めよ.

:5x=-3y+37 なので,5x≡37 (mod 3) と書ける.
5x≡2x,37≡4なので,2x≡4.両辺を2で割って,x≡2.
x=3t+2.これをもとの式に代入して,5(3t+2)+3y=37.y=-5t-9.

:x=3t+2,y=-5t-9


☆その他の問題☆

問題:nを自然数とするとき,3n+1+42n-1は13で割り切れることを証明せよ.(1982 名古屋市立大)

証明:(mod 13)を省略する.
3n+1+42n-1≡32+・3n-1+4・42(n-1)≡9・3n-1+4・16n-1
≡9・3n-1+4・(13+3)n-1≡9・3n-1+4・3n-1≡13・3n-1≡0
従って,3n+1+42n-1は13で割り切れる. (証明終)

類題:nを自然数とするとき,5n+1+62n-1は31で割り切れることを証明せよ.

問題:a2+b2が3で割り切れるならば,a,bはともに3で割り切れることを示せ.(1987 都立大)

:a,bを3で割った余りをそれぞれr,sとすると,a2≡r2,b2≡s2
ゆえにa2+b2≡0なので,r2+s2≡0.
r2+s2を3で割った余りを表にすると次のようになる.

s
r
0 1 2
0 0 1 1
1 1 2 2
2 1 2 2

この表より,r=s=0のときに限り,r2+s2≡0.
従って,a,bは3で割り切れる.すなわちa,bは3の倍数である.

問題:mは7で割れば3余る整数,nは7で割れば4余る整数とする.このとき,

m+2nを7で割ると余りは□である.
mnをを7で割ると余りは□である.
n3を7で割ると余りは□である.
n2001を7で割ると余りは□である.

(2001 近畿大・理系)

:条件は,m≡3 (mod7),n≡4 (mod7) である.以下(mod7)を省略する.

n≡4の両辺に2をかけて,2n≡8.これとm≡3を辺々加えると,m+2n≡11≡4 ・・・ ア

m≡3とn≡4 を辺々加えると,mn≡12≡5 ・・・ イ

n≡4の両辺を3乗すると,n3≡64≡1 ・・・ ウ

n2001=(n3)667≡1667=1 ・・・ エ


☆発展☆

フェルマーの小定理:素数pとpで割り切れない整数aに対し,ap-1≡1 (mod p)

 たとえばフェルマーの小定理は次のような場合に応用できる.

問題:235 (mod 7) を求めよ.

:フェルマーの小定理より,26≡1 (mod 7).
235=(26)5・25≡15・25≡32≡4 (mod 7).

問題:x103≡4 (mod 11) を解け.

:フェルマーの小定理より,210≡1 (mod 11).
x103=(x10)10・x3≡110・x3≡x3
よって,x3≡4 (mod 11) を解けばよい.
x=0,1,・・・,10を代入し53≡4 (mod 11)となるので,x≡5 (mod 11).

定義:φ(n)=(nと互いに素なn以下の正の整数の個数)をオイラー関数という.

n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
φ(n) 1 1 2 2 4 2 6 4 6 4

黄色の部分はnが素数のところ.

オイラーの定理:整数aとmが互いに素なとき,aφ(m)≡1 (mod m)

 オイラーの定理でm=pのときφ(p)=p-1なので,フェルマーの小定理はオイラーの定理の特別な場合である.

オイラー関数の性質

素数pと整数k≧1に対し,φ(pk)=pk-pk-1
mとnが互いに素なとき,φ(mn)=φ(m)φ(n)

問題:φ(12)を求めよ.

:φ(12)=φ(22・3)=φ(22)・φ(3)=(22-21)(3-1)=4

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