ランチ

880円

3月23日]


 森英二郎さんの個展を見に、吉祥寺まで遠出する。その帰り、画廊地階にあるレストランに立ち寄って、遅い昼食を取る。『諸国空想料理』の看板を掲げた、その筋ではかなり有名な店で、街情報に無関心なワタシですら知っていた。中途半端な時刻にもかかわらず、若い女性客を中心にほぼ満席。しかし、出てきた料理は、凝ったインテリアとは裏腹に「何これ?」という感じ。う〜ん、熱帯アジアの調味料をチョロっと使って目先だけ変えたり、自然食もどきの田舎風素朴料理を出せば客が喜んだのは、もう20年以上も昔の話なんだけどね。ガッカリする。
 後に知り合いに訊くと、「夜はそんなに悪くないけれど、ランチはマズい」との話。昼夜でスタッフが入れ替わるのだろうか。しかし、他の客はそれなりに満足していたようだ。皿を睨みつけて腕組みしたり、舌打ちして席を立つ姿は一人も見かけなかった。
 吉祥寺を散歩するのは18、9年ぶり。しばらく見ないうちに、佇まいも、歩いている人々もチャラチャラと当世風に安っぽく、完全におのぼりさんの町になっている。多分、ここで食事する人たちは、ハリボテの街の雰囲気とモドキ料理で充分満足し、本当に美味しいものなどハナから期待していないのだろう。