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IT化の波は、東南アジアも云うに及ばず、といった感じ。貧乏旅行者の吹き溜り、バンコクのカオサンロードなどは、至る所でインターネット屋さん?の看板を見る。当地チェンマイは、さすがに数も少なく、日本語対応機となると足で探さねばならない。その貴重な一軒が、ここ。他店が1時間30バーツなのに対し、20バーツと格安。その上、店番の女の子がモデルのようなチェンマイ美人なので、なかなか画面に集中できない。それでなくとも、時間勝負のオンライン入力で、書き飛ばしの文章になってしまうのに。
チェンマイの町は、20年前とさほど変わってはいなかった。以前通っていたベーカリー兼喫茶店を見つけ、コーヒーを飲む。長い年月が消え、そのまま住み続けていたかような錯覚に陥った。ジーンときた。路地に踏み込めば、熱帯樹の中を小径がうねり、いまもあのアタゴオル世界が広がっている。そして、ところどころに掛かる看板には、不可思議なタイ語の文字。私はこのマカ不思議なアルファベットを解読したい衝動に駆られ、そして、しきりにタイ語で話しかけてくるインターネット屋の美人娘と親しく会話がしたいと思い、言葉の独習を始めた。しかし、そんな思い付きや邪心をあざ笑うかのごとく、この国の文字・言語は難解にして深遠だ。