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予定していたタクシー代をオヤジが支払い、浮いた金の一部がチーズケーキに化けた。
タクシーは、病院へのオヤジの往復に使用。タクシーといえば、連続して凶悪事件が起きている。仕切り板設置が強盗の防止になる、とテレビでも繰り返しているが、乗った車には付いていない。「付けないんですか」と問うたところ、「あればあったで色々不都合が生じる」とのこと。「‥実は、松原でやられたの、ウチの会社の車ですねん」 びっくりした。今回の被害者は幸い一命を取りとめたものの、本当にブッソウな時代になったものだ。おっかない客を乗せてしまうと、運ちゃんも気が気ではなかろう。
3時間を超す3本立ての検査が終わり、疲れてグッタリしたオヤジを、病院正面玄関で客待ちしているタクシーに押し込む。往路の温厚な顔立ちの運転手とは対照的に、こちらの運チャンは、ドスの効いた、あまりオトモダチになりたくないタイプ。その車内にも、やはり仕切り板はない。それを訊ねたら、一瞬、意味が理解できなかったらしく沈黙があり、「強盗よけ? そんなモン、いらんわ!」と荒っぽい返事。「でも‥」と、こちらが云い掛けるのを遮り、「『やられたらやり返せ』や。こっちが殺したるわい!」と吐き捨てた。くわばらくわばら。おっかない車に乗ってしまうと、客も気が気ではない。