★『ごめんなさい』のお知らせ★

なし

2011年2月15日


 昨春出た拙著『ぼくは都会のロビンソン』のイラストに、致命的な誤りがあります。P71の「割り箸を使ったポリ袋の熱着テク」(写真[1])は、絵の通りだと全く何の閃きもありませんし、もちろん上手く行きません。試された方にはお詫び申し上げます。

写真[1]

 写真[2]は、私が描いてイラストレーターに送ったラフ原稿です。この両者、どこが違うでしょう。そうです。「厚紙ごと割り箸に挟んで、炎で炙る」が正しいのです。イラストレーターが気を効かせ、手順を2枚に分けたのが裏目に出てしまいました。ま、私のラフも舌っ足らずではありましたが。

写真[2]

 しかし、この『厚紙』がミソなのです。中南米の自炊旅行中、私は、湿気を吸ってペースト状になったインスタントコーヒーに泣かされました。輪ゴムでどんなに固く巻いても、プラ袋(瓶詰めでは重過ぎる)から滲み出してきて荷物を汚すのです。そこで、コロンビアの豆売りの手法にヒントを得て、ボゴタの安宿で試行錯誤を繰り返し、3日間寝食を忘れた結果、最後の最後に発見したのが「厚紙ごと挟む」というテクニックでした。彼らも厚紙をマスキングにして炙っていましたが、それを「内側に使う」という逆転の発想と、さらに割り箸と組ませることで完成させたワザです。

 このテクの工夫は、私のビンボー哲学?のうち、「問題の解答は、それが正解であればあるほど、シンプルな形で現れる」「真の解答は、常識を超えたところに存在する」の、ささやかな具体例となりました。その点でも、個人的には感慨深いエピソードであったのです。

 ただ、常識の壁を超えるのは至難のワザです。イラストレーター氏が私の閃きに気付かず、早トチリしてありきたりの絵に仕上げたのも、壁の内側に彼がいたからでしょう。我がビンボー哲学の一端でもお伝えできれば‥。そんな、拙著に込めた願いの難しさを、改めて痛感する次第です。