りりかる   りりかる

 

                    

 

 

ポタポタ、と

 

 



毎日少しずつ

行きたくない

                      

やりたくない


という気持ちが


ポタポタ





落ちてゆく



ポタポタ





落ちて


少しずつ

たまってゆく




ポタポタ




たいして大きくもない

わたしの器に

いっぱいになって




もう少ししたら


もう



 

 

 



横着の果てに

 

 

めんどくさいことはついつい後回しにしてしまう

そのうちやろうと思って後回しにしてしまう


そういう後回しにしてしまっためんどくささが

たまりにたまって


ついに収拾がつかなくなってしまった


めんどくさいも積もれば脅威となり恐怖となる


めんどくささは、ありとあらゆる種類に分かれている

具体的なめんどくささから観念的なめんどくささまで

一般的なめんどくささから個人的なめんどくささまで

オーソドックスなめんどくささからマニアックなめんどくささまで

社会的なめんどくささから家庭的なめんどくささまで


実に多種多様


めんどくささにもいちおう優先順位があったようだけど


すでに判別不可能で

どれから手をつければよいのか

皆目見当がつかなくなるほど

ためこんでしまった



私は今


後回しにしてしまっためんどくささの山の中に埋もれて

息がつまりそうになっている



後回しにしてしまっためんどくささが

笑っている


ジゴウジトク

ジゴウジトク

とささやきながら


笑っている


 


つまらない方がよい

 

鼻がつまる

ようやく右が通ったかと思うと

すぐに左がつまり

ようやく左が通ったかと思うと

すぐに右がつまる

まるで相互に意思疎通が行われているかのように

どちらか一方が必ずつまっていて

両方すっきり通ることがない

私は問いたい

どちらかの鼻の穴に

左でも右でも

このさいどちらでもいい

問いただしたい

問いつめたい

「きみら両方通ると何か不都合でもあるのかい?」

と。

交代交代しながら

サボらないでくれ



がんばって働け


どっちの鼻の穴も


せっせと働いて


通せ

通せ

花粉だけをさえぎり

空気は通せ

酸素は通せ


通せ通せ通せ

しっかり通せ

つまらせるな

働け

働け



それでもあまり強く言うのはやめておこう


両方の穴に

いっぺんに職務放棄されたらかなわない




飽和状態

 

起きてもいたくないし

眠ってもいたくない


泣きたくもないし

笑いたくもない


見たくもないし

聴きたくもない


ただ息を吸っているだけ

吐いているだけ


甘いものも
辛いものも
温かいものも
冷たいものも

欲しくない




どこまでいっても溶けることのない固まりを

かき混ぜ続けているだけ




雪だるまたち

 



雪だるまたちは

互いに寄り添うことができない

寄り添って

身も心も温まると

温かさで

その身が溶けてしまうから


己の存在を脅かすほどの危険を冒してまで

他の雪だるまたちと

互いに寄り添う必要など

どこにもないのだった


雪だるまたちは


寒さに耐えるのではなく

ひたすら温かさに耐えている


それでもすっかり春になる頃には

全滅してしまう



永遠に我が世の春を知らない


何もそれは雪だるまたちに限ったことではないだろうけれど



これからだんだん温かくなる

雪だるまたちにとっては過酷な季節だ



今朝またひとつ

小さな小さな雪だるまが

消えてしまった