蚊 帳 ( か や )  幽 霊

蚊帳( かや )は夏の風物詩
麻でできてる蚊帳の匂いも嫌いじゃなく
中で弟や妹と戯れるのも楽しかった

でも、夏休みに
五箇山から遊びに来てたトシちゃんにだまされ
< 四谷怪談、番町皿屋敷、鍋島猫騒動 >
怪談三本立てを文化劇場で観てしまってから
怖いものになってしまった

蚊帳のボヤケた視界に幽霊が浮かんでいるようで
怖くって、怖くって便所にも行けず
もらしてしまったこともある

これがトラウマになったのか
霊の存在を信じていないはず、なのに
いまだに怖がりなんです

蚊 帳 ( ホ タ ル )

捕まえてきたホタルを
蚊帳(かや)の中で放した

いくつもの小さい光が
フワフワ飛んで夢みたい
ボク等はキャーキャー騒いで遊んでた

蚊帳にとまり明滅するホタルを見ながら
そのまま寝てしまって
朝おきてみると
ホタルは下に落ちて、みんな死んでいた

ホタルがいたのは
町内の端っこにある用水の上流
トウチャンが、
< ヘビがいるから子供だけで行くな >
って言ってたのは
ホタルをとりに行き川にはまって
亡くなる子がいたからなんだ

蚊 帳  -3

エアコンや扇風機は当然無い
網戸なんてものも無かった時代

盗られるものが無いってのは気楽なもので
夏は、夜も窓を開けっぱなし
だから、蚊取線香をどれだけ焚いても
蚊は遠慮なく どんどん入ってくる

蚊帳は蚊よけのシェルター
入ろうとモタモタしてると

< こらっ!蚊が入るぞ!
    身をかがめてさっさと入れ > って

トーチャンによく叱られた

水たまりには ボウフラが浮いていて
油を流したりして退治してたなぁ・・・・・・
棒みたいのが水の中でフラフラ浮いてるから
ボウフラ って言うんだろうか?

蚊 帳  -4

朝ごはんの前に
蚊帳(かや)を片付けなくっちゃいけない

部屋の四隅のハンガーを順に外していくと
弟と妹は蚊帳にからまって
キャッキャッ騒いで遊んで邪魔をする

蚊帳はサラサラした感触で
気持いいんだよね



昭和の子供たち・やよい町15番地